電話加入権を相続したときの手続き|NTTの承継・休止・解約と相続税評価
10秒でわかる この記事の要約
- 故人が有していたNTT加入電話・INSネット等の電話加入権も、見落とされがちだが相続財産に該当する。まず故人の契約内容を確認する。
- ここでいう電話加入権は、主にNTTの加入電話・INSネット等で施設設置負担金を払って得た利用権。加入電話ライトプランやひかり電話は電話加入権を伴わない。
- 契約者が亡くなったら、NTTへ承継(相続による名義変更)・利用休止・解約・譲渡のいずれかを確認して手続きする。
- 施設設置負担金は解約しても返金されない。相続税では売買実例価額等で評価し、一括評価する家庭用財産等に含めてもよいとされる。
故人がNTTの加入電話・INSネット等の「電話加入権」を有していた場合、これも相続財産に該当します。 金額が大きくないこともあり見落とされがちですが、名義をそのままにしておくと、解約のタイミングを逃したり、後の手続きが滞ったりします。
本記事では、相続手続きと関連手続きの初動整理に対応する行政書士法人トゥモローズが、電話加入権の相続手続きを、NTTでの承継・休止・解約・譲渡の違いや必要書類、相続税評価まで含めて整理します。なお、相続税評価は税理士法人トゥモローズが対応します。
まず「電話加入権がある回線か」を確認する
最初に大切なのは、故人の固定電話が電話加入権を伴う回線かどうかの確認です。「固定電話=電話加入権」ではありません。
| 区分 | 相続時の扱い |
|---|---|
| 加入電話・INSネット等(施設設置負担金を支払った回線) | 電話加入権(利用権)の承継・解約等の対象になり得る |
| 加入電話ライトプラン・INSネット64ライト | 施設設置負担金がないため、従来型の電話加入権とは扱いが異なる |
| ひかり電話・光回線電話・光コラボ電話等 | 電話加入権ではなく、通信サービス契約の名義変更・解約の問題 |
| 休止中の電話加入権 | 利用休止番号・休止期間を確認。権利は残っている |
NTTの名義変更には「譲渡」「承継」「改称」があり、死亡による相続は「承継」の手続きとして扱われます。まずは請求書・契約内容から、どの区分に当たるかを確認しましょう。
NTTへの承継・休止・解約・譲渡
契約者が亡くなったときの電話加入権の扱いは、おおむね次の4つです。利用状況に応じて選びます。
| 選択肢 | 内容 | 主な注意点 |
|---|---|---|
| 承継 | 相続人へ名義変更して使い続ける(相続による名義変更) | 死亡確認書類・本人確認書類等が必要。NTT西日本では承継・改称は無料 |
| 利用休止 | 電話の利用を止め、電話加入権を一定期間NTTに預ける | 5年ごとの更新・最大10年。再利用時は電話番号が変わり工事費がかかる |
| 一時中断 | 同じ電話番号を残したまま一時的に止める | 毎月の回線使用料がかかる |
| 解約 | 契約を終了する | 施設設置負担金は返還されない。復活はできず、再度使う場合は新規申込 |
| 譲渡 | 第三者へ名義を移す | 原則、まず相続人へ承継したうえで譲渡を検討。NTT西日本では1回線880円の手数料 |
近年は固定電話を使わない世帯も増え、承継せずに解約・休止するケースも多くあります。なお、契約者の死亡時に、相続権のない人へ直接名義変更できない場合があり、その場合はいったん相続権のある相続人へ承継したうえで、希望者へ譲渡する流れになります。「使わないが同じ番号を残したい」なら一時中断、権利だけ残すなら利用休止と、目的で選びます。手続きの詳細・費用はNTT東日本・NTT西日本の案内で確認します。
見落としがちな電話加入権も、相続手続きにまとめて
NTTの請求書・固定電話番号・利用休止票・通帳の電話料金引落し履歴から、故人名義の加入電話・INSネット等の有無を確認します。承継・利用休止・一時中断・解約・譲渡のどれを選ぶべきか、戸籍収集や相続手続き全体とあわせて整理します。相続財産の洗い出しを支援し、相続税評価は税理士法人トゥモローズと連携します。
平日 9:00〜21:00 土日祝 9:00〜17:00
承継(相続による名義変更)の必要書類
電話加入権の承継には、相続があったことや、新しい契約者が相続人であることを示す書類が必要です。一般的なものは次のとおりです(詳細はNTTの案内で確認します)。
| 書類 | 内容 | 確認目的 |
|---|---|---|
| 承継・改称届出書/名義変更申込書等 | NTT所定の様式 | 承継手続きの申請 |
| 現契約者の死亡が確認できる書類 | 死亡診断書、戸籍(除籍)謄本、住民票(除票)など | 契約者死亡の確認 |
| 新契約者の本人確認書類 | 運転免許証、マイナンバーカードなど | 新契約者の本人確認 |
| 相続関係が分かる書類 | 戸籍謄本、法定相続情報一覧図など | 新契約者が相続人であることの確認 |
| 同順位相続人の同意書等 | 同順位の相続人が複数いる場合 | 承継者についての同意 |
| 電話番号・利用休止番号・休止票 | 請求書・休止票・過去の通知 | 契約・休止中権利の特定 |
預貯金や不動産の相続で集めた戸籍は、電話加入権の承継にも使えることがあります。様式・発行期限・原本提出の要否はNTT東日本・NTT西日本の案内で確認してください。
施設設置負担金と電話加入権の価値
電話加入権のもとになった施設設置負担金は、解約時にも返還されません。NTTも、施設設置負担金は解約等にあたって返還しておらず、電話加入権の財産的価値を保証するものではないと説明しています。
かつて電話加入権は数万円の価値がありましたが、携帯電話の普及などにより、現在は市場価値が大きく下がっています。そのため相続にあたっては、「権利として承継する価値があるか」よりも、「使い続けるか・解約するか」という実用面で判断するのが現実的です。価値が小さいからといって放置すると、解約のタイミングを逃すこともあるため、早めに方針を決めます。
電話加入権の相続税評価
電話加入権は、相続税の計算上も財産として評価が必要です。国税庁は、電話加入権について、売買実例価額・精通者意見価格等を参酌して評価し、相続税申告では一括評価する家庭用財産等に電話加入権を含めても差し支えないとしています。
かつて行われていた電話取扱局ごとの標準価額による評価とは扱いが変わっているため、古い情報をそのまま使わないよう注意します。評価額が僅少となるケースもありますが、電話加入権の有無は財産調査の段階で確認し、相続税申告上どのように扱うかは税理士と整理します。評価の判断は税理士の業務のため、税理士法人トゥモローズと連携して確認します。
▶ 関連解説(税理士法人トゥモローズ):家庭用財産(家財一式)の相続税評価をわかりやすく徹底解説!
手続きを進めるうえでの役割分担
電話加入権の相続では、戸籍収集・相続人の確定・遺産分割協議書の作成・NTTへ確認すべき事項の整理・承継や解約に必要な書類の準備などを進めます。これらの書類作成・準備には行政書士が対応できる範囲があります(他の法律で制限された業務は除きます)。NTTへの届出手続きそのものは、ご本人・相続人による対応またはNTT東日本・NTT西日本の案内に従って進めます。
一方、相続税の評価・申告は税理士、相続人間に争いがある場合の代理・交渉は弁護士、不動産など登記が必要な財産は司法書士、と役割が分かれます。電話加入権は単独で大きな争いになることは多くありませんが、ほかの相続財産とあわせて、必要に応じて各専門家と連携して進めます。
相続手続きの料金プランとサポート内容の全体像は、こちらにまとめています。
よくある質問(FAQ)
Q1. ひかり電話にも電話加入権はありますか?
A. ひかり電話や光回線の電話は、原則として従来型の電話加入権(施設設置負担金にもとづく利用権)を伴いません。これらは通信サービスの契約として、名義変更や解約の問題になります。まず故人の契約が、加入電話・INSネット等の電話加入権がある回線か、ひかり電話等かを請求書や契約内容で確認します。
Q2. 電話加入権の利用休止・一時中断・解約は何が違いますか?
A. 使わないが権利は残したいなら利用休止、同じ番号を残したいなら一時中断、もう不要なら解約、と目的で選びます。利用休止は電話加入権を一定期間残す手続きで、再利用時に電話番号が変わることがあります。一時中断は同じ番号を維持できますが、毎月の回線使用料がかかります。解約は契約終了で、施設設置負担金は返還されず、再度使うには新規申込が必要です。なお、休止中の電話加入権も相続の対象になります。
Q3. 電話加入権を解約するとお金は戻りますか?
A. 原則として戻りません。電話加入権のもとになった施設設置負担金は、解約時にも返還されず、加入権の財産的価値を保証するものではないとされています。承継せず解約する場合も、支払った負担金は戻らない前提で判断します。現在は加入権の市場価値もわずかなため、売却してもまとまった金額になりにくいのが実情です。
Q4. 相続人以外の人へ電話加入権を移せますか?
A. 契約者が亡くなった場合、相続権のない人へ直接名義変更できないことがあります。その場合は、いったん相続権のある相続人へ承継(相続による名義変更)をしたうえで、希望者へ譲渡する手続きが必要になります。譲渡には所定の手数料がかかることもあるため、NTTの案内で手順と費用を確認します。
Q5. 故人が電話加入権を持っていたか分からない場合は?
A. NTTからの請求書・領収書、固定電話の番号、利用休止票などが手がかりになります。通帳の引き落とし履歴に電話料金があれば、契約が残っている可能性があります。判然としない場合は、NTT東日本・西日本の窓口で契約の有無を確認します。相続財産の調査の中で、固定電話の契約も漏れなく拾っておくことが大切です。
まとめ
電話加入権も相続財産です。まず故人の固定電話が、加入電話・INSネット等の電話加入権がある回線か、ひかり電話等かを確認します。契約者が亡くなったら、NTTへ承継(相続による名義変更)・利用休止・解約・譲渡のいずれかを確認して手続きします。施設設置負担金は解約しても返金されず、市場価値も下がっているため、使い続けるか解約するかを早めに判断しましょう。相続税では売買実例価額等で評価し、一括評価する家庭用財産等に含めてもよいとされるため、財産の洗い出しの段階で拾い、税理士と確認します。
行政書士法人トゥモローズは、東京・八丁堀(東京メトロ日比谷線「八丁堀駅」徒歩3分)を拠点に、首都圏とオンライン(Google Meet・全国対応)で、電話加入権の承継・解約の段取りから戸籍収集・相続手続き全体まで対応しています。なお、東京・神奈川・埼玉・千葉ではNTT東日本エリアの加入電話・INSネット等の承継が中心になります。相続税評価は税理士法人トゥモローズと連携します。
関連記事
電話加入権の相続税評価もあわせてご確認ください
電話加入権は売買実例価額等で評価し、一括評価する家庭用財産等に含めてもよいとされています。家庭用財産・一般動産の相続税評価については、グループの税理士法人トゥモローズの解説記事もご参照ください(相続税の試算・申告は税理士法人トゥモローズが対応します)。
根拠法令・公的資料
- 民法第896条(相続の一般的効力・権利の承継)
- 民法第907条(遺産分割協議)
- 財産評価基本通達128・129(一般動産の評価単位・評価方法)・第161(電話加入権の評価)
- 税理士法第2条・第52条(電話加入権の評価・相続税は税理士の業務)
- 行政書士法第1条の3(業務)・第1条の4(相談等)。他の法律で制限された業務を除く
