死後事務委任契約の費用相場|行政書士・司法書士・弁護士の比較
10秒でわかる この記事の要約
- 死後事務委任契約の費用は「契約時に発生する契約書作成費用」「死亡後の事務実行時に発生する執行報酬」「葬儀・納骨・家財処分などの実費」に分かれる(公証人手数料は別途)。実費は死亡後に発生するものが多いが、支払原資は生前預託・分別管理・遺産からの精算など、契約時に設計しておく必要がある。
- 料金は依頼先・事務所により差が出る。弁護士は紛争性のある案件にも対応できる一方で個別見積となることが多い。具体的な金額は事務所ごとに異なるため、全国平均ではなく比較の見方で確認する。
- 行政書士法人トゥモローズでは、死後事務の執行報酬を相続発生後に相続財産等から精算する設計が可能。ただし実費は、本人名義口座の凍結や遺産内容により、事前預託金・分別管理口座等で支払原資の確保が必要になる場合がある。
- 事務所選びでは、業務範囲の明記・執行報酬を相続発生後に精算できる設計か・受任者が法人か個人か・預託金の分別管理と解除時の精算ルールを確認する。
死後事務委任契約の費用は、契約時に支払う契約書作成費用・死亡後に事務を実行する執行報酬・葬儀・納骨・家財処分などの実費の3層に分けて考えると整理しやすくなります。 公正証書化する場合は、別途、公証人手数料がかかります。比較するときは、契約時の金額だけでなく、執行報酬の支払時期、実費の支払原資、預託金の分別管理、解除時の返金ルールまで確認することが大切です。
死後事務委任契約は、依頼する士業や事務所によって費用に差が生じることがあります。表面の金額だけで決めてしまうと、後から執行報酬や実費の扱いで予想外の負担が発生することもあります。
本記事では、行政書士法人トゥモローズの代表行政書士が、依頼先別の費用の考え方と判断のポイントを実務目線で整理します。契約書作成費用・執行報酬・実費の設定方法は事務所ごとに大きく異なるため、ここでは具体的な全国平均ではなく、費用を比較する際の見方と、当法人の料金例を中心に解説します。料金はすべて税込です。
死後事務委任契約の費用構成
| 費目 | 支払い時期 | 内容 |
|---|---|---|
| 契約書作成費用 | 契約時 | 契約書作成・公正証書化サポート(行政書士報酬) |
| 執行報酬 | 死亡後の事務実行時(前払い型の事務所もある) | 実際に死後事務を行う際の報酬 |
| 葬儀などの実費 | 多くは死亡後(葬儀の生前契約・永代供養料など生前に支払うものもある) | 葬儀費用・納骨費用・各種解約精算など |
| 公証人手数料 | 公正証書作成時 | 公正証書化する場合の実費(法定) |
「契約書作成費用」だけを比較しがちですが、執行報酬と実費の扱いを含めたトータルで見ないと正しい比較になりません。実費は死亡後に発生するものが多いものの、支払原資の確保(生前預託・分別管理・遺産からの精算など)は生前の契約時に設計しておく必要があります。あわせて、執行報酬を契約時に前払いするのか、相続発生時に遺産から精算するのかも確認しましょう。
【早見表】依頼先別の向き・不向きと費用の見方
| 依頼先 | 向いているケース | 注意点 | 費用の見方 |
|---|---|---|---|
| 行政書士・行政書士法人 | 契約書作成、死後事務の設計・執行、行政手続き、戸籍収集など | 税務申告・登記・紛争代理は不可(税理士・司法書士・弁護士と連携) | 契約書作成費+執行報酬+実費 |
| 司法書士 | 不動産登記、家庭裁判所提出書類の作成が絡む場合 | 税務申告・紛争代理は不可 | 登記・裁判所提出書類が絡むかで変動 |
| 弁護士 | 相続人との対立や債権者対応など紛争の可能性がある場合 | 費用は高めの傾向・個別見積が多い | 相談料・契約書作成・執行・紛争対応で分かれる |
| 民間事業者 | 身元保証・生活支援・死後事務を包括的に利用したい場合 | 預託金・解約返金・事業継続性の確認が必須 | 月額・預託金・死後事務費・追加費用の総額 |
行政書士に依頼する場合の費用
相場感
行政書士は、権利義務・事実証明に関する書類作成や行政手続きの専門家であり、死後事務委任契約書の作成、公証役場との調整、死後事務委任契約に基づく事務対応との親和性があります。料金は事務所により幅があり、契約書作成費用と執行報酬を分けて設定する例が一般的です。ただし、紛争性のある交渉、相続税申告、不動産登記、個別金融商品の助言、医療同意の代行は、行政書士法人が直接行うものではなく、必要に応じて税理士・司法書士・弁護士・医療機関等と連携します。
参考までに、行政書士法人トゥモローズの料金(税込)は次のとおりです。
| 費目 | 行政書士法人トゥモローズの場合 |
|---|---|
| 契約書作成費用 | 220,000円〜 |
| 執行報酬 | 550,000円〜(相続発生後に相続財産等から精算。実費の保全方法は個別設計) |
当法人では、死後事務の執行報酬を相続発生後に相続財産等から精算する設計が可能です。ただし、相続財産等から精算する設計であっても、死後事務の受任者が当然に本人名義の口座から支払いをできるわけではありません。預金口座の凍結、相続人・受遺者・遺言執行者の有無、相続財産清算人の選任の要否によって、精算方法は変わります。そのため、葬儀費用・納骨費用・原状回復費など死亡直後に必要となる実費については、預託金の有無、立替上限、遺言執行者との連携、報告先を契約時に明確にしておく必要があります。報酬の大きな前払いは原則不要ですが、実費の保全方法は個別に設計します。
▶ 関連解説(税理士法人トゥモローズ):死亡前後に預金を引き出した場合の相続税申告と遺産分割
法人格の有無で継続性が変わる
死後事務委任契約は、契約から実際の執行まで長期にわたることがあります。個人事務所と行政書士法人では、長期の継続性に違いがあります。受任者が個人の場合、その方の高齢化・廃業・死亡により契約の履行が困難になる可能性があります。法人であれば個人受任より継続性を確保しやすいといえますが、法人にも解散・担当者変更・預託金管理のリスクはあるため、後継体制や預託金の管理方法もあわせて確認することが重要です。
司法書士に依頼する場合の費用
相場感
司法書士に依頼する場合、不動産登記のほか、相続財産清算人選任申立てなどの家庭裁判所提出書類の作成、相続放棄申述書の作成などを含めた相談と親和性があります。料金は事務所により異なり、登記や裁判所提出書類が絡むかどうかで総額が変わります。
注意点
司法書士は不動産の相続登記との親和性が高い一方、税務申告や紛争代理は対象外です。相続税の申告は税理士の業務のため、税務が絡む場面では税理士との連携が必要です。
弁護士に依頼する場合の費用
相場感
弁護士は、死後事務の実行に加え、相続人・債権者・施設・賃貸人との間で紛争が生じる可能性が高い場合に向いています。費用は一般に他士業より高めの傾向があり、契約書作成だけでなく、交渉・紛争対応・複雑な財産の整理を含むかによって大きく変わるため、個別見積となることが一般的です。
弁護士が向いているケース
- すでに親族間の関係が悪く、紛争の可能性がある
- 財産が多く、複雑な処理が想定される
- 紛争解決まで一貫して任せたい
民間身元保証会社との比較
| 項目 | 士業・士業法人 | 民間身元保証会社 |
|---|---|---|
| 主な役割 | 契約書作成、死後事務委任契約に基づく事務対応 | 身元保証・生活支援・死後事務等を一体提供する場合がある |
| 規律 | 各士業法・所属会の規律を受ける | 会社ごとの約款・契約内容による |
| 預託金管理 | 事務所ごとの設計。分別管理・返金条件の確認が必要 | 会社ごとの設計。分別管理・返金条件の確認が必要 |
| 継続性 | 法人は個人受任より継続性を確保しやすいが、解散・担当者変更リスクはある | 会社規模・財務状況・事業継続体制の確認が必要 |
| 注意点 | 税務・登記・紛争・医療同意は対象外 | サービス範囲・追加費用・預託金返還条件の確認が重要 |
国民生活センターには、身元保証などの高齢者サポートサービスについて「契約内容をよく理解できていない」「高額な預託金を求められた」「解約時の精算に納得できない」といった相談が寄せられています。民間事業者を選ぶ場合は、契約金額だけでなく、契約内容の説明、預託金の管理方法、途中解約時の返金、サービス提供記録、事業者が破綻した場合の取扱いを確認する必要があります。契約内容が理解できないまま急いで契約・入金することは避けるべきです。
なお、身元保証人がいないことだけを理由に医療機関が入院を拒否することは、厚生労働省の通知で問題とされています。もっとも、現場では緊急連絡先・費用精算・退院時対応を求められることが多いため、身元保証契約や緊急連絡先の設計には実務上の意味があります。
【実務上のポイント】
過去には、葬儀費用などを生前に預かる民間事業者が破綻し、預けたお金が返還されなかった事例が報道されています。生前にお金を預ける仕組みを採用している事業者を選ぶ場合は、そのお金が事業者の財産と区別して管理されているかを必ず書面で確認してください。なお行政書士法人トゥモローズでは、死後事務の執行報酬を相続発生後に相続財産等から精算する設計が可能ですが、実費の支払原資(本人名義口座は死亡後に凍結される可能性があるため)は財産状況に応じて事前預託金・分別管理口座等で個別に設計します。
料金差が生じる主な理由
- 業務範囲の違い: 葬儀手配のみか、デジタル遺品・SNS停止まで含むか
- 執行報酬の扱い: 契約時に前払いか、相続発生時に遺産から精算か
- 受任者の体制: 法人か個人か、後継体制があるか
- 依頼先の専門性: 死後事務委任の取扱い経験の差
おひとりさま終活サポートの内容と料金の全体像は、こちらにまとめています。
失敗しない事務所選びチェック
契約前チェックリスト(5項目)
- 業務範囲が契約書に明記されているか
- 執行報酬を契約時前払いか、遺産から後払いか
- 生前にお金を預ける場合、分別管理されるか
- 受任者は法人か個人か(継続性の検討)
- 契約解除時の精算ルールが明確か
国の「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」では、預託金を預かる場合の運営資金との分別管理、サービス提供記録の作成・保存・報告、相談窓口の設置、事業継続体制などが重要とされています。これに沿って、次の点もあわせて確認すると安心です。
| チェック項目 | 確認内容 |
|---|---|
| 重要事項説明書 | サービス内容・費用・解約条件が書面化されているか |
| 預託金管理 | 運営資金と分別管理されているか |
| 残金返還 | 契約終了・解除時の返金ルールが明確か |
| 報告体制 | 生前・死後の報告先、報告頻度、報告方法が決まっているか |
| 相談窓口 | 苦情・相談窓口が明示されているか |
| 事業継続体制 | 法人の解散・担当者変更時の引継ぎ体制があるか |
費用の落とし穴と契約前チェック
「契約時が安い」事業者の見方
契約時の費用だけ見ると安く見える事業者でも、執行報酬が高く設定されていたり、追加費用が見えにくいことがあります。「契約書作成費+執行報酬+実費」のトータルで比較する習慣を持ちましょう。可能であれば、想定される死後事務一式(葬儀・解約・整理)を依頼した場合の概算見積もりを出してもらうとよいでしょう。
解除時の精算ルール
契約締結後、ご本人の判断能力があるうちは、原則として解約を希望できます(民法第651条)。ただし、解除時にどこまで返金されるかは契約書の定めによります。「契約書作成費は返金しない」「未消化分のみ返還」などの条件を、契約前に必ず書面で確認してください。
受任者の継続性
個人受任の場合、受任者本人の高齢化・廃業・死亡のリスクは避けられません。法人受任であれば、組織として契約を引き継ぐ仕組みがあります。法人格があるか・後継体制が明文化されているかを、依頼先選びの優先項目に置くことをおすすめします。
実費の支払い方法
葬儀費用などの実費を、生前に預けるのか、相続発生後に相続財産等から精算するのかは、事務所によって設計が異なります。生前に預ける場合は、そのお金が分別管理されているか・残高が開示されるか・返金条件を確認してください。なお、本人名義口座は死亡後に凍結される可能性があるため、相続発生後の精算だけでは死亡直後の実費を賄えないことがあり、支払原資の確保方法を個別に設計します。
死後事務委任契約の費用の「中身」を読み解く
契約書作成費用に含まれる業務
契約書作成費用には、おおむね次の業務が含まれます。ご相談者へのヒアリング、契約条項の起案・調整、公正証書化のための公証役場との事前協議、証人手配、公正証書作成日の同行、契約後のフォローなどです。これらの業務が含まれているかを契約前に確認します。
執行報酬の考え方
執行報酬は、死後事務の業務量・範囲を踏まえて設定されます。葬儀手配・行政手続き・各種解約・遺品整理など、執行範囲が広いほど報酬は高くなる傾向です。「葬儀のみ」「包括的に依頼」など、依頼範囲によって報酬が変わります。
実費の目安
葬儀費用・納骨費用・賃貸住宅の退去費用・遺品整理費用・各種解約手数料などが実費にあたります。葬儀の規模や財産の状況によって変動するため、契約時に具体的な内訳の見通しを確認しておくと安心です。
継続的な費用の有無
死後事務委任契約は、民法上の委任・準委任(民法第643条・第656条)にあたります。委任は委任者の死亡により終了するのが原則のため(民法第653条)、死後事務委任では、委任者の死亡後も契約を終了させず、葬儀・納骨・各種解約等の死後事務を実行する旨を契約書に明記しておくことが重要です(最高裁平成4年9月22日判決により、死亡後も契約を存続させる合意の有効性が認められています)。なお、死後事務委任契約そのものには、原則として月額の継続報酬は発生しません。判断能力低下に備える任意後見契約・財産管理委任契約や、入院・施設入所に備える身元保証契約などを組み合わせる場合は、それぞれの契約に応じた費用がかかります。
税務が絡む場合は税理士法人と連携
死後事務委任契約に関連して、相続税の取扱いが気になる方もいます。たとえば、葬儀費用が相続税の計算上どう扱われるか、生前に支払った費用と死後に発生した費用で取扱いが異なるか、といった点です。
たとえば、葬式費用として相続税の課税価格から控除できる範囲、死後事務委任の執行報酬の取扱い、遺言で財産を受け取る人の相続税申告要否などは、個別事情により確認が必要です。これらは税理士の業務にあたります。行政書士法人トゥモローズでは、グループの税理士法人トゥモローズと連携し、税務面の確認が必要な場合は税理士におつなぎします。具体的な相続税の計算・申告は税理士法人トゥモローズが対応します。
▶ 関連解説(税理士法人トゥモローズ):葬式費用で相続税の節税! 項目ごとに控除可否を一覧表示
よくある質問(FAQ)
Q1. なぜ依頼先によって費用が違うのですか?
A. 業務範囲や事務所の体制が異なるためです。弁護士は紛争対応も含む料金設定、行政書士・司法書士は契約書作成と執行が中心の料金設定となる傾向があります。
Q2. 安い事務所と高い事務所、何が違うのですか?
A. 含まれる業務の範囲、執行報酬を契約時前払いにするか相続発生後に精算するか、法人か個人かなどで差が出ます。表面の金額より、総額(契約書作成費+執行報酬+実費)・業務範囲・支払原資の3点で判断してください。
Q3. 葬儀費用などの実費は生前に預ける必要がありますか?
A. 事務所によって設計が異なります。行政書士法人トゥモローズでは、死後事務の執行報酬を相続発生後に相続財産等から精算する設計が可能で、報酬の大きな前払いは原則不要です。ただし、葬儀・納骨などの実費は、本人名義口座の凍結や遺産内容により、事前預託金・分別管理口座等で支払原資を確保する必要がある場合があります。
Q4. 執行報酬はいつ発生しますか?
A. 委任者が亡くなった後、実際に死後事務を執行する際に発生します。行政書士法人トゥモローズでは相続発生後に相続財産等から精算する設計が可能です(実費の支払原資は個別に設計します)。
Q5. 料金以外で確認すべきポイントは?
A. 受任者の継続性(法人か個人か)、業務範囲の明確さ、執行報酬を相続発生後に精算できる設計か、預託金の分別管理と解除時の精算ルールを確認してください。
まとめ
死後事務委任契約の費用は、依頼先によって差はあるものの、含まれる業務範囲とトータルコストで比較することが重要です。あわせて、執行報酬や実費を契約時に前払いするのか、相続発生時に遺産から精算するのかも確認しましょう。
行政書士法人トゥモローズでは、法人としての継続性を活かし、契約範囲・費用・支払原資を明確にした死後事務委任契約をご提案しています(執行報酬は相続発生後の精算が可能で、実費の保全方法は個別に設計します)。初回相談は無料です。
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関連記事
税務の観点もあわせてご確認ください
葬儀費用が相続税の計算上どう扱われるかなど、税務面については、グループの税理士法人トゥモローズの解説記事もご参照ください(相続税の試算・申告は税理士法人トゥモローズが対応します)。
根拠法令・参考
- 民法第643条(委任)・第651条(委任の解除)・第653条(委任の終了事由)・第656条(準委任)
- 最高裁平成4年9月22日判決(死亡後も委任契約を存続させる合意の有効性)
- 公証人手数料令/行政書士法第1条の3・第1条の4/税理士法第2条
