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改製原戸籍とは?相続手続きで必要な範囲と取得方法

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相続手続き

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行政書士法人トゥモローズ 代表行政書士(日本行政書士会連合会 登録番号 第18082222号)

大塚 英司




10秒でわかる この記事の要約

  • 改製原戸籍とは、法律改正や戸籍のコンピューター化により戸籍が作り変えられた場合の、作り変え前の戸籍で、代表的に明治31年式・大正4年式・昭和23年式・平成改製原戸籍があります(実際の改製時期は自治体により異なります)。
  • 戸籍改製時には除籍済みの人の情報が新戸籍に転記されないため、認知した子・養子・前婚の子などの情報は改製原戸籍にしか残らず、相続人確定に不可欠です。
  • 取得は本籍地の市区町村で行い、手数料は1通750円が一般的(戸籍全部事項証明書は450円)。郵送請求が可能なほか、2024年3月開始の広域交付でも取得できますが、対象は本人・配偶者・直系尊属・直系卑属に限られ(郵送・代理請求は不可、電子化済みの戸籍のみ)、兄弟姉妹・甥姪が相続人になるケースでは郵送請求や職務上請求の併用が必要になります。
  • 除籍・改製原戸籍の現在の保存期間は150年ですが、平成22年6月の改正前は保存期間が現在より短く、既に廃棄されている戸籍もあります。その場合は廃棄済みである旨の証明書と補完資料で手続きを進めます。

改製原戸籍(かいせいげんこせき/はらこせき)とは、法律改正や戸籍のコンピューター化により戸籍が作り変えられた場合の、作り変え前の戸籍のことです。 現在の戸籍には、改製前に除籍された人や一部の身分事項が転記されていないことがあるため、相続手続きでは被相続人の出生から死亡までの戸籍を確認するために必要になります。相続実務で確認することが多いものとして、代表的に明治31年式・大正4年式・昭和23年式・平成改製原戸籍がありますが、実際の改製時期や電算化時期は自治体によって異なるため、戸籍の記載内容を確認しながら順に遡る必要があります。

「改製原戸籍(かいせいげんこせき)を取得してください」——相続手続きで突然出てくる用語に、戸惑う方は少なくありません。改製原戸籍は、戸籍法改正前の旧様式戸籍であり、相続人確定には欠かせない書類です。

本記事では、相続を専門に扱う行政書士法人トゥモローズが、改製原戸籍の意味と実務的な取り扱いを解説します。


改製原戸籍とは

定義

改製原戸籍とは、戸籍法の改正により様式が新しくなる際の、旧様式の戸籍を指します。「原戸籍(はらこせき)」と略されることもあります。

通常の戸籍謄本との違い

現在の戸籍謄本は、最新様式のみが記載されています。改正以前の家族関係を確認するには、改製原戸籍が必要です。


戸籍法改正の歴史と代表的な様式

区分 説明
明治31年式 戸主を中心とする旧戸籍。古い相続で出てくることがある
大正4年式 戸主制を前提とした旧戸籍。身分事項の読み取りが重要
昭和23年式 戦後の民法改正を受けた、夫婦・親子単位に近い戸籍
平成改製原戸籍 戸籍のコンピューター化により改製された旧戸籍。実際の改製日は自治体ごとに異なる

被相続人が高齢である場合、複数様式の戸籍を追う必要があります。実際の改製時期・電算化時期は自治体によって異なるため、表の区分はあくまで代表例です。


相続手続きで必要な理由

法定相続人の確定

被相続人の出生から死亡までの全戸籍を追わなければ、法定相続人が確定できません。改正前の家族関係も含めて確認するため、改製原戸籍が必須です。

認知子・養子の確認

過去の認知・養子縁組情報は、改正前の戸籍に記載されていることがあります。これらを見落とすと相続人確定に重大な誤りが生じます。

婚姻歴・離婚歴の確認

被相続人が複数回婚姻歴がある場合、前婚の子も相続人となるため、改製原戸籍での確認が不可欠です。

【実務上のポイント】

改製原戸籍を見落として相続手続きを進めると、後から見落としていた相続人が判明し、手続きをやり直すことになります。最初に確実に揃えることが、結果として最も効率的です。


取得方法と手数料

取得先

本籍地の市区町村役所で取得します。郵送請求も可能です。

手数料

種類 手数料
戸籍全部事項証明書(戸籍謄本) 450円
除籍謄本 750円
改製原戸籍謄本 750円

広域交付の利用

2024年3月開始の広域交付制度により、本人・配偶者・直系尊属・直系卑属の改製原戸籍を、本籍地以外の最寄り窓口でも取得できるようになりました。ただし、利用できるのは本人等が窓口に出向いて請求する場合に限られ、郵送・代理人(委任状)による請求はできません。また、紙で管理されている戸籍の一部、一部事項証明書・個人事項証明書、戸籍の附票などは対象外で、電子化されていない古い改製原戸籍は本籍地への郵送請求が必要です。

特に注意が必要なのは、兄弟姉妹・甥姪が相続人になるケースです。広域交付の対象は本人・配偶者・直系尊属・直系卑属に限られるため、兄弟姉妹など傍系親族の戸籍は広域交付では請求できず、本籍地への郵送請求や専門家の職務上請求を併用する必要があります。なお、行政書士の職務上請求では広域交付は利用できないため、代行依頼の場合は従来どおり本籍地への郵送請求で対応します。


様式別の読み解き方

明治31年式・大正4年式

戸主を頂点とし、その家族が記載される「家制度」型。家族構成が複雑で、読み解きにコツが必要です。

昭和23年式

戦後の民法改正により、夫婦と未婚の子を単位とする戸籍に変更されました。現行に近い構成です。

平成改製原戸籍

戸籍のコンピューター化により改製された旧戸籍です。電算化後の現在の戸籍は読みやすくなっていますが、改製前の情報は平成改製原戸籍で確認する必要があります。


古い戸籍が廃棄されている場合

保存期間

除籍・改製原戸籍の現在の保存期間は150年です(戸籍法施行規則)。ただし、平成22年6月の改正前は保存期間が現在より短く、改正前の保存期間経過を理由に既に廃棄されている戸籍もあります。

廃棄済みである旨の証明書

廃棄されている場合、市区町村から「廃棄済みである旨の証明書」(いわゆる廃棄証明書。名称は自治体により異なります)を交付してもらいます。ただし、この証明書だけで常に手続きが完結するわけではなく、提出先(法務局・金融機関等)によっては、残存する戸籍、法定相続人関係の説明、上申書などの補完資料を求められることがあります。

補完資料の活用

廃棄済みである旨の証明書だけでは法定相続情報一覧図の作成が困難な場合、上申書、申述書、残存する戸籍、住民票除票、戸籍の附票、過去の登記情報などで補完することがあります。


相続手続きの料金プランとサポート内容の全体像は、こちらにまとめています。

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行政書士による取得代行

複数様式・複数自治体の戸籍取得は、ご自身で行うと相当な時間と労力がかかります。行政書士は職務上請求書を用いた取得代行が可能です。


改製原戸籍から見つかりやすい「見落としやすい相続人」

認知された非嫡出子

戦前・戦中の戸籍には、被相続人が認知した非嫡出子の記載が残っていることがあります。現在の戸籍だけでは確認できない非嫡出子も法定相続人となるため、改製原戸籍の確認は不可欠です。

養子縁組・離縁の履歴

過去に養子縁組・離縁を経験している場合、その履歴が改製原戸籍に記載されています。養子は実子と同じく法定相続人となるため、見落とすと、遺産分割協議のやり直し、金融機関・不動産登記手続きの再提出、相続税申告の修正などが必要になるリスクがあります。

▶ 関連解説(税理士法人トゥモローズ):相続手続きに必要な戸籍の取り方は?必要な戸籍の範囲や取得する手順を解説!

既に他界した兄弟姉妹の存在

被相続人に子がおらず、父母・祖父母などの直系尊属も既に亡くなっている場合は、兄弟姉妹が相続人になります。その兄弟姉妹が被相続人より先に亡くなっている場合には、その子である甥姪が代襲相続人となります。改製原戸籍で被相続人の親の戸籍まで遡って確認することで、兄弟姉妹の存在と現状を確定できます。

戦前の混乱期の戸籍

戦災で戸籍が焼失している場合、自治体は「戸籍が滅失した旨の証明書」を発行します。これと残存する戸籍を組み合わせ、必要に応じて上申書を添えて法務局に提出することで、相続手続きを進めることができます。


改製原戸籍を読み解く際の注意点

旧様式は記載・字体が現代と異なる

明治・大正期の戸籍は手書きで、草書体や旧字体・異体字が多用されています(「斎」「齋」など同じ姓でも複数の字体があります)。記載年月も和暦のため、西暦への換算が必要です(明治31年=1898年、大正4年=1915年、昭和23年=1948年、平成6年=1994年)。読み取りに迷う場合は、専門家による解読・現代語訳が有効です。

戦災・震災による戸籍の滅失

戦災・震災などで戸籍が滅失している地域があります。この場合、市区町村は「戸籍が滅失した旨の証明書(戸籍滅失証明書)」を発行します。残存する戸籍と組み合わせ、必要に応じて上申書を添えて手続きを進めます。

古い戸籍は廃棄されている場合がある

除籍・改製原戸籍の現在の保存期間は150年です。ただし、平成22年6月の戸籍法施行規則改正前は保存期間が現在より短く、市区町村によっては改正前の保存期間を経過した段階で順次廃棄していることがあり、交付できないことがあります。その場合は廃棄済みである旨の証明書を取得し、補完資料とあわせて手続きを進めます。


改製原戸籍取得の実務手順

郵送請求の準備

改製原戸籍を郵送で請求する場合は、自治体所定の請求書に被相続人と請求者の関係を記載し、手数料分の定額小為替(金額は事前に自治体へ確認)、返信用封筒、請求者の本人確認書類のコピーを同封します。戸籍は重要書類のため、簡易書留での返送を求めると安心です。

行政書士による代行

複数自治体にまたがる戸籍取得は、ご自身で行うと相当な時間がかかります。行政書士は職務上請求により複数自治体へ一括して請求できるため、収集の手間を軽減できます。


よくある誤解と正しい理解

改製原戸籍については、誤解されやすい論点があります。第一に「現在の戸籍に全情報が引き継がれている」という誤解です。戸籍が改製される際、既に除籍された方(死亡・婚姻による除籍等)の情報は新戸籍に転記されません。認知した子・養子縁組・前婚の子などの重要情報が、改製原戸籍にしか残っていないケースは珍しくありません。

第二に「『原戸籍』という正式名称の書類がある」という誤解です。正式には「改製原戸籍」で、実務上「はらこせき」と読んで現在の戸籍(げんこせき)と区別する慣行があります。請求書には「改製原戸籍」と記載すれば確実です。

第三に「古い戸籍はもう取れない」という誤解です。除籍・改製原戸籍の現在の保存期間は150年で、明治期の戸籍も保存されていれば取得可能です。廃棄済みの場合も、廃棄済みである旨の証明書と補完資料を組み合わせて相続手続きを進められることが多いため、諦める必要はありません。


よくある質問(FAQ)

Q1. 改製原戸籍はなぜ必要ですか?

A. 現在の戸籍だけでは、改正前の家族関係や子の存在が確認できないため、被相続人の出生時まで遡る必要があります。改製原戸籍がその橋渡しとなります。

Q2. 何種類の様式がありますか?

A. 代表的には明治31年式・大正4年式・昭和23年式・平成改製原戸籍があります。ただし、実際の改製時期や電算化時期は自治体によって異なるため、戸籍の記載内容を確認しながら順に遡る必要があります。

Q3. 取得手数料はいくらですか?

A. 1通750円が一般的です。通常の戸籍謄本(450円)より高めに設定されています。

Q4. 古い戸籍が読めない場合は?

A. 手書きで文字が判読困難なケースもあります。行政書士に取得・解読を依頼するのが確実です。

Q5. 廃棄されている場合はどうしますか?

A. 保存期間の経過などにより廃棄されている場合があります。その際は市区町村から廃棄済みである旨の証明書を取得します。ただし、提出先によっては残存する戸籍や上申書などの補完資料を求められることがあります。


まとめ

改製原戸籍は、相続人確定のための重要な書類です。複数様式があり、読み解きにも知識が必要なため、専門家による代行・確認を活用するのが効率的です。

東京・中央区八丁堀の行政書士法人トゥモローズでは、全国の市区町村への戸籍請求、改製原戸籍・除籍謄本の読み解き、法定相続情報一覧図の作成、預貯金・証券・不動産の相続手続きまで一括でサポートしています(不動産の名義変更登記は提携司法書士、相続税申告は税理士法人トゥモローズが対応します)。

▶ 関連解説(税理士法人トゥモローズ):相続人は戸籍で確認を!相続人を確定するためのマニュアルを解説


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根拠法令・参考情報

  • 戸籍法
  • 戸籍法施行規則(除籍簿・改製原戸籍の保存期間)

公的機関・根拠リンク

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この記事の執筆者:大塚 英司

行政書士法人トゥモローズ 代表行政書士(日本行政書士会連合会 登録番号 第18082222号)
税理士(東京税理士会新宿支部 登録番号 117702)

相続を専門に取り扱う行政書士・税理士。相続手続き・遺言・おひとりさま終活の実務に幅広く従事し、戸籍収集や遺産分割協議書の作成から、死後事務委任契約・任意後見契約といった生前対策の設計まで、ご相談者お一人おひとりの状況に応じて丁寧にサポートしている。