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相続の戸籍謄本収集を行政書士が代行|広域交付で取れないケースも解説

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相続手続き

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行政書士法人トゥモローズ 代表行政書士(日本行政書士会連合会 登録番号 第18082222号)

大塚 英司




10秒でわかる この記事の要約

  • 相続では、被相続人の出生から死亡までの全戸籍と相続人全員の現在戸籍を集めて法定相続人を確定する
  • 広域交付制度(2024年3月開始)で直系の戸籍は最寄り窓口で取れるが、郵送・代理請求はできず、兄弟姉妹・甥姪の戸籍やコンピュータ化されていない一部の古い戸籍は対象外
  • 行政書士は、受任した相続手続きに必要な範囲で、職務上請求書を用いて複数自治体の戸籍取得を代行できる(広域交付は本人の窓口請求のみで代理不可のため、職務上請求で補完する)
  • 兄弟姉妹相続・養子・離婚・海外居住・戸籍滅失などの複雑なケースは、自力では漏れが生じやすく、代行依頼が現実的

相続の戸籍収集とは、被相続人の出生から死亡までの全戸籍(戸籍謄本〈戸籍全部事項証明書〉・除籍謄本・改製原戸籍謄本)と、相続人全員の現在戸籍を集めて、法定相続人を確定する作業のことです。 この戸籍謄本等の収集は、行政書士が受任した相続手続きに必要な範囲で代行できます。集めた戸籍一式は、預金解約・不動産登記・相続税申告など、ほぼすべての相続手続きの土台になります。

本記事では、相続を専門に扱う行政書士法人トゥモローズが、行政書士による戸籍の代行取得と、自力では難しい複雑なケースの集め方を中心に解説します。戸籍の種類や基本的な取得手順そのものを詳しく知りたい方は、グループの税理士法人トゥモローズの解説記事(相続手続きに必要な戸籍の取り方)もあわせてご覧ください。本記事は「自分で集めるのが難しいケース」「行政書士に任せる場合」に焦点を当てます。


必要な戸籍の範囲(まずは全体像)

法定相続人を確定するために必要な戸籍は、相続人が誰かによって範囲が変わります。

相続のパターン 必要な戸籍の範囲
配偶者・子が相続人 被相続人の出生〜死亡の全戸籍+相続人(配偶者・子)の現在戸籍
父母・祖父母などの直系尊属が相続人 上記+被相続人に子・代襲相続人がいないことを確認できる戸籍
兄弟姉妹が相続人 上記に加え、子・代襲相続人がいないこと、父母などの直系尊属が死亡していることを確認できる戸籍。父母それぞれの戸籍を遡るため通数が大幅に増える

※子が相続開始以前に亡くなっている場合(代襲相続)は、亡くなった子の出生から死亡までの戸籍と、代襲相続人(孫など)の現在戸籍も必要です(民法第887条第2項)。

ポイントは、兄弟姉妹が相続人になるおひとりさまのケースほど、必要な戸籍が爆発的に増えることです。被相続人だけでなく、その親世代の戸籍まで遡って「他に子がいないこと」を証明する必要があるためです。


自分で集める場合の基本(広域交付とその限界)

ご自身で集める場合、2024年3月に始まった戸籍の広域交付制度を使うと、本籍地が遠方でも最寄りの市区町村窓口でまとめて取得できます。ただし、次の限界があります。

  • 本人・配偶者・直系尊属・直系卑属のみ:本人・配偶者・父母・祖父母・子・孫などの戸籍に限られ、兄弟姉妹・甥姪の戸籍は取れません
  • 窓口のみ:郵送・代理請求では使えません
  • コンピュータ化済みのみ:コンピュータ化されていない一部の戸籍・除籍は対象外

つまり、配偶者と子だけが相続人のシンプルなケースなら広域交付で完結しやすい一方、兄弟姉妹相続や古い戸籍が絡むケースでは、結局、本籍地ごとに郵送請求が必要になります。基本的な請求手順(請求書の書き方・定額小為替・郵送の流れ)は税理士法人トゥモローズの解説記事をご参照ください。


行政書士の「職務上請求」による代行取得

ここからが、行政書士に依頼する場合の本題です。

行政書士は、受任した相続手続きに必要な範囲で、戸籍法に基づく「職務上請求書」を用いて、被相続人や相続人の戸籍を代行取得できます。ご本人が一つひとつの自治体に請求する代わりに、必要な戸籍を専門家がまとめて集める仕組みです。

代行取得のメリット

  • 複数自治体への請求を一括対応:転籍を繰り返している場合でも、必要な本籍地すべてに並行して請求します
  • 取得漏れを防ぐ:戸籍をたどって「次にどの戸籍が必要か」を判断するのは専門知識が要ります。職務上、連続性を確認しながら集めるため、漏れが起きにくくなります
  • 平日に動けない方でも進む:窓口や郵送のやり取りを代行するため、お仕事で時間が取れない方も手続きが止まりません

なお、職務上請求は行政書士が自由に戸籍を取得できる制度ではありません。遺産分割協議書の作成、法定相続情報一覧図の保管・交付の申出、相続関係説明資料の作成など、行政書士が受任した具体的な業務の遂行に必要な範囲でのみ利用でき、日本行政書士会連合会の規則により、身元調査など受任業務と無関係な目的に使用することは禁止されています。相続税申告のみ、不動産の相続登記申請のみを目的とする戸籍収集は、それぞれ税理士・司法書士の担当業務として整理されます。また、請求先の自治体の審査により追加資料や理由説明を求められることもあります。

【ポイント】広域交付は「ご本人の窓口請求」、職務上請求は「行政書士」

広域交付は、請求できるご本人(本人・配偶者・直系尊属・直系卑属)が市区町村の窓口で請求する制度で、郵送や代理人による請求はできません。そのため、ご本人が広域交付で取得できる戸籍はご本人に取得いただき、不足する戸籍・兄弟姉妹関係・古い本籍地への請求は、行政書士が受任した相続手続きに必要な範囲で職務上請求により補完します。この役割分担で、取得漏れと時間を抑えます。


戸籍集めでつまずいていませんか?

出生まで遡る戸籍収集、兄弟姉妹相続の親世代の戸籍、複数自治体への請求——煩雑な戸籍集めを、相続を専門とする行政書士が代行します。相続手続き一式の中でまとめてサポートします。

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平日 9:00〜21:00 土日祝 9:00〜17:00


代行が特に有効な「複雑なケース」

次のようなケースは、ご自身で進めると戸籍の取得漏れや読み取りミスが起きやすく、代行依頼の効果が大きい場面です。

兄弟姉妹が相続人(おひとりさまの相続)

被相続人に子・孫などの直系卑属がおらず、父母・祖父母などの直系尊属もすでに亡くなっている場合に、兄弟姉妹が相続人になります(民法第889条)。兄弟姉妹が相続開始以前に亡くなっている場合は、その子である甥姪が代襲相続人になります。このとき、被相続人の父母の出生から死亡までの戸籍を集め、「兄弟姉妹が誰か」を確定する必要があります。請求者から見て父母・祖父母など直系の戸籍は広域交付で取得できる場合がありますが、兄弟姉妹・甥姪など傍系親族の戸籍や、コンピュータ化されていない一部の古い戸籍は対象外です。そのため、広域交付だけでは完結せず、本籍地への請求や職務上請求が必要になることが多く、難易度が上がります。

養子縁組がある

被相続人が養子縁組をしている場合、普通養子縁組では実親との親子関係が存続するため、実親・養親双方の戸籍を辿る必要があります。一方、特別養子縁組では実親との法的な親子関係が解消されるため、戸籍の読み方が異なります。いずれも見落とすと相続人を取り違えるおそれがあります。

離婚・再婚の履歴がある

離婚歴がある場合、前の配偶者との間の子も法定相続人です。離婚後の転籍を追い切らないと、面識のない相続人を見落とすリスクがあります。

相続人に海外居住者・外国籍の方がいる

海外居住の相続人でも、日本人であれば本籍地(日本国内)で戸籍を取得します。ただし、遺産分割や金融機関の手続きでは、戸籍に加えて在外公館発行の在留証明・署名(サイン)証明、現地公的証明書の翻訳などが必要になることがあります。相続人に外国籍の方がいる場合は、現地の出生証明書・婚姻証明書・死亡証明書などで親族関係を確認します。国際相続が絡む場合は、連携する専門家とともに対応します。

古い戸籍が滅失・廃棄されている

戦災による滅失や保存期間の経過で古い戸籍が取得できない場合は、市区町村から廃棄済証明書・滅失(焼失)証明書・告知書など(名称は自治体により異なります)の発行を受け、現存する戸籍と組み合わせ、提出先に応じて上申書・事情説明書等を添えて手続きを進めます。明治31年式・大正4年式の改製原戸籍は縦書き・手書きで読み取りに専門知識を要します。


集めた戸籍は「法定相続情報一覧図」で効率化

集めた戸籍一式をもとに、法定相続情報一覧図(法務局が認証する相続関係の一覧図)を作成しておくと、戸籍の束の代わりに各種手続きで使えます。便利な制度ですが、できること・できないことの区別が重要です。

▶ 関連解説(税理士法人トゥモローズ):【相続手続きが簡単に!】法定相続情報一覧図の書き方・必要書類・取得方法

一覧図でできること 一覧図ではできないこと
戸籍の束の代わりに、金融機関・法務局・税務署などへ提出できる 相続放棄・遺産分割の結果は反映されない(実際には相続しない人も記載される)
無料で必要枚数の交付を受けられる 相続放棄申述受理証明書・遺産分割協議書・遺言書の代わりにはならない
複数の窓口へ同時に提出でき、手続きが並行して進む 提出先によっては追加書類(印鑑証明書・各機関所定の書類等)が別途必要
法定相続人の範囲を法務局の認証で示せる 被相続人や相続人が日本国籍でないなど、戸除籍謄抄本を提出できない場合は利用できないことがある

一覧図の保管・交付の申出は行政書士などの資格者に委任でき、当法人が戸籍収集とあわせてサポートします(一覧図を使った不動産の相続登記の申請代理は、提携司法書士が担当します)。

相続手続きの料金プランとサポート内容の全体像は、こちらにまとめています。

相続手続き、まるごとおまかせ。行政書士法人トゥモローズの相続手続きサポート

よくある質問(FAQ)

Q1. 戸籍収集を行政書士に代行してもらえますか?

A. はい。行政書士は、受任した相続手続きに必要な範囲で、職務上請求書を用いて被相続人・相続人の戸籍を代行取得できます。複数の本籍地にまたがる場合や、出生まで遡る古い戸籍がある場合に特に有効です。なお、広域交付制度は本人等の窓口請求に限られ、行政書士が代理人として利用することはできないため、行政書士は職務上請求で対応します。

Q2. 広域交付制度を使えば自分で全部取れますか?

A. 直系(本人・配偶者・父母・子など)の電子化済み戸籍は、2024年3月開始の広域交付制度により最寄りの市区町村窓口で取得できます。ただし郵送・代理請求はできず、兄弟姉妹・甥姪の戸籍やコンピュータ化されていない一部の古い戸籍は対象外で、これらは本籍地への請求が必要です。

Q3. 兄弟姉妹が相続人の場合、戸籍はどこまで必要ですか?

A. 被相続人の出生から死亡までの戸籍に加え、子・代襲相続人がいないこと、父母・祖父母などの直系尊属が死亡していることを確認できる戸籍が必要です。父母それぞれの戸籍を遡るため通数が増えます。請求者から見て直系尊属にあたる戸籍は広域交付で取得できる場合がありますが、兄弟姉妹・甥姪の現在戸籍やコンピュータ化されていない一部の古い戸籍は対象外のため、広域交付だけでは完結せず、本籍地への郵送請求や行政書士の職務上請求で補完することが多くなります。

Q4. 戸籍が見つからない・廃棄されている場合は?

A. 古い除籍・改製原戸籍が保存期間の経過や戦災で取得できない場合は、市区町村から廃棄済証明書・滅失(焼失)証明書・告知書など(名称は自治体により異なります)の発行を受け、現存する戸籍と組み合わせて手続きを進めます。提出先に応じて上申書・事情説明書等を添えて対応します。

Q5. 戸籍取得の代行費用はいくらですか?

A. 戸籍の実費は1通あたり戸籍謄本450円、除籍・改製原戸籍750円が一般的です。行政書士に代行を依頼する場合の報酬は事務所により異なりますが、複数自治体にまたがる収集を一括で任せられる点に価値があります。当法人では、必要な戸籍の範囲とお見積りを初回無料相談でご案内します。

Q6. 戸籍収集には何日くらいかかりますか?

A. 本籍地の数と転籍の回数によって大きく変わります。戸籍は1通取得すると次の請求先が判明する仕組みのため、転籍が多い場合は郵送請求を繰り返すことになり、数週間から数か月かかることもあります。行政書士に依頼すると、必要な本籍地への請求を並行して進められます。

Q7. 行政書士は兄弟姉妹や甥姪の戸籍も取れますか?

A. 受任した相続手続きの遂行に必要な範囲であれば、兄弟姉妹・甥姪など傍系親族の戸籍も職務上請求で取得できます。広域交付制度では取得できない範囲を補完できる点が職務上請求の特徴です。ただし、身元調査など受任業務と無関係な目的には使用できません。

Q8. 広域交付と職務上請求は何が違いますか?

A. 広域交付は、本人・配偶者・直系尊属・直系卑属が市区町村の窓口で請求する制度で、郵送・代理請求はできず、兄弟姉妹などの傍系の戸籍やコンピュータ化されていない戸籍は対象外です。職務上請求は、行政書士などの資格者が受任した業務に必要な範囲で行う請求で、傍系親族の戸籍や古い戸籍にも郵送で対応できます。

Q9. 法定相続情報一覧図だけで銀行解約できますか?

A. できません。一覧図は戸籍の束の代わりとして法定相続人を証明するもので、預金の解約には別途、遺言書または遺産分割協議書、相続人の印鑑証明書、金融機関所定の書類などが必要です。相続放棄や遺産分割の結果も一覧図には反映されません。


まとめ

相続の戸籍収集は、相続手続きの最初の関門です。配偶者・子だけの相続なら広域交付で進めやすい一方、兄弟姉妹相続・養子・離婚・海外・古い戸籍の滅失などが絡むと、自力では取得漏れや読み取りミスが起きやすくなります。

行政書士は、受任した相続手続きに必要な範囲で、職務上請求により戸籍取得をサポートできます。一方、広域交付は本人等が窓口で請求する制度であり、行政書士が代理人として利用することはできません。本人が広域交付で取得できる戸籍と、行政書士が職務上請求で補完する戸籍を整理することで、取得漏れを防ぎながら手続きを進められます。

当法人は東京・八丁堀の事務所を拠点に首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)のご相談に対応し、戸籍の請求は全国の本籍地へ郵送で行います。Google Meetによるオンライン相談は全国対応です。「出生まで遡るように言われたが進め方が分からない」「兄弟姉妹相続で親世代の戸籍が必要」といった場合は、初回無料相談で必要な戸籍の範囲とお見積りをご案内しますので、相続手続き一式とあわせてご相談ください。


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根拠法令・参考情報

  • 民法第887条・第889条・第890条(相続人の範囲と順位・代襲相続)
  • 戸籍法第10条(本人等による請求)・第10条の2(第三者請求・職務上請求)・第120条の2(広域交付)
  • 戸籍法施行規則
  • 行政書士法第1条の3・第1条の4(行政書士の業務)
  • 日本行政書士会連合会「職務上請求書の適正な使用及び取扱いに関する規則」

公的機関・根拠リンク

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この記事の執筆者:大塚 英司

行政書士法人トゥモローズ 代表行政書士(日本行政書士会連合会 登録番号 第18082222号)
税理士(東京税理士会新宿支部 登録番号 117702)

相続を専門に取り扱う行政書士・税理士。相続手続き・遺言・おひとりさま終活の実務に幅広く従事し、戸籍収集や遺産分割協議書の作成から、死後事務委任契約・任意後見契約といった生前対策の設計まで、ご相談者お一人おひとりの状況に応じて丁寧にサポートしている。