相続手続きの費用相場|パターン別の総額と内訳【2026年版】
10秒でわかる この記事の要約
- 相続手続きの費用は、実費(戸籍取得手数料等)・公租公課(登録免許税・相続税等)・士業報酬・公証役場費用の合計で決まります。
- 総額の目安は、シンプル(預金のみ)で15〜25万円、標準(不動産+預金)で40〜70万円、相続税申告まで含むと80〜150万円、複雑案件で200万円〜です。
- 民法第885条は相続財産に関する費用を相続財産から支弁すると定めていますが、士業報酬等を誰が負担するかは契約内容・相続人間の合意で整理し、遺産分割協議書に明記しておくと安全です。
- 相続税申告は税理士の業務(税理士法第2条・第52条)のため、行政書士報酬とは別に税理士報酬が発生します。
相続手続きの費用とは、実費(戸籍取得手数料等)・公租公課(登録免許税・相続税等)・士業報酬(行政書士・司法書士・税理士・弁護士の報酬)・公証役場費用の合計コストのことです。 民法第885条は、相続財産に関する費用を相続財産の中から支弁すると定めています。ただし、士業報酬を誰が負担するかは依頼契約の内容や相続人間の合意によるため、立替払いをした場合は誰がどの範囲で負担するかを相続人間で協議し、遺産分割協議書に明記すると安全です。
「相続手続きにいくらかかるのか」——最も気になる費用について、相続案件を扱う行政書士法人トゥモローズが、2026年最新の相場感とパターン別総額をお届けします。
相続費用の4区分
| 区分 | 内容 | 説明 |
|---|---|---|
| 実費 | 戸籍・住民票・郵送費・交通費など | 手続きを進めるための実費 |
| 公租公課 | 登録免許税・相続税・延滞税・加算税など | 国・自治体へ納める税金等 |
| 士業報酬 | 行政書士・司法書士・税理士・弁護士の報酬 | 依頼範囲・難易度で変動 |
| 公証役場費用 | 公正証書遺言・任意後見契約等の公証人手数料 | 主に生前対策・契約作成で発生 |
実費・公租公課・公証役場費用の内訳
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 戸籍謄本 | 450円/通 |
| 除籍・改製原戸籍 | 750円/通 |
| 住民票 | 300円程度 |
| 印鑑証明書 | 300円程度 |
登録免許税は、相続登記の場合、原則として不動産の固定資産税評価額の0.4%です。ただし、土地の相続登記については一定の免税措置が適用される場合があります(法務局「相続登記の登録免許税の免税措置」参照)。
公証人手数料は、公正証書の作成が必要な場合に、手続きの種類・契約内容・財産価額に応じて発生します。公正証書遺言は財産価額に応じて手数料が変わり、任意後見契約は1契約13,000円が基本手数料です(公証人手数料令・日本公証人連合会)。
士業報酬の相場
| 士業 | 業務 | 相場 |
|---|---|---|
| 行政書士 | 戸籍収集・遺産分割協議書作成・預貯金等の相続手続き支援 | 15〜30万円 |
| 司法書士 | 相続登記 | 5〜10万円 |
| 税理士 | 相続税申告 | 30〜100万円 |
| 弁護士 | 紛争解決 | 30万円〜(着手金) |
パターン別の総額試算
| パターン | 総額目安 |
|---|---|
| シンプル(預金のみ) | 15〜25万円 |
| 標準(不動産+預金) | 40〜70万円 |
| 標準+相続税申告 | 80〜150万円 |
| 複雑(紛争・特殊財産) | 200万円〜 |
シンプル相続の総額
ケース
- 預金のみ・1,000万円
- 相続人2名(争いなし)
- 基礎控除以下で相続税不要
内訳
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 戸籍・住民票・印鑑証明 | 5,000円 |
| 行政書士報酬(遺産分割協議書・預金解約) | 15万円 |
| 合計 | 約16万円 |
標準相続の総額
ケース
- 不動産(相続税評価額2,000万円)+預金1,500万円
- 相続人2名
- 基礎控除(3,000万円+600万円×2名=4,200万円)以下で相続税申告不要
内訳
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 戸籍・住民票等 | 1万円 |
| 行政書士報酬 | 20万円 |
| 司法書士報酬(登記) | 8万円 |
| 登録免許税(固定資産税評価額により変動) | 8万円 |
| 合計 | 約37万円 |
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相続税申告ありの相続の総額
ケース
- 不動産+預金+有価証券+事業資産で総額1億円
- 相続税申告必要
- 相続人4名
内訳
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 戸籍・住民票等 | 2万円 |
| 行政書士報酬 | 30万円 |
| 司法書士報酬 | 12万円 |
| 登録免許税 | 24万円 |
| 税理士報酬(相続税申告) | 80万円 |
| 合計 | 約148万円 |
紛争性のある案件や、非上場株式・海外資産・不動産多数・事業承継税制などが絡む案件では、総額が200万円を超えることがあります(後述のケースD参照)。
【実務上のポイント】
行政書士法人トゥモローズの相続手続きサポートは、ライトプラン165,000円〜・サポートプラン330,000円〜・フルサポートプラン550,000円〜(いずれも税込)です。相続税申告とあわせてご依頼いただく場合、行政書士法人の相続手続き報酬にセット割引(ライト40%・サポート30%・フルサポート20%OFF)を適用します(税理士の申告報酬は割引対象外)。
費用を抑えるための実務的工夫
法定相続情報一覧図でコピー代を削減
複数機関への提出が必要な戸籍束は、各機関で原本還付してもらうにしてもコピー代・郵送費がかさみます。法定相続情報一覧図を作成すれば、必要な通数の写しが無料で交付され、戸籍束の代わりに使えるため、実費を抑えられます。交付後5年間は再交付を受けられますが、再交付の申出は当初の申出人に限られます。また、提出先によっては追加書類が必要な場合があります。
同一グループ依頼でセット割引
行政書士・税理士・司法書士を別事務所に依頼すると、各士業の最低料金がそれぞれ発生します。同一グループまたは連携体制のある事務所に依頼すると、書類の重複取得を抑えられるほか、当法人グループの場合は相続税申告とあわせたご依頼で行政書士法人の相続手続き報酬にセット割引が適用されます(税理士の申告報酬は割引対象外)。
業務範囲の絞り込み
ご自身で対応可能な部分(戸籍取得・銀行への問い合わせ等)は自分でやり、複雑な部分(遺産分割協議書・遺言執行・税申告)だけ専門家に依頼することで、コストを抑えられます。当法人ではご希望に応じた「ライトプラン」もご用意しています。プランの詳細は相続手続き代行の料金プランでご確認いただけます。
早期着手による期限超過回避
相続税の申告が期限後になると、税額や申告時期に応じて無申告加算税・延滞税が生じる場合があり、相続税額の大きい案件ではその負担も大きくなります。早期に専門家へ依頼して期限管理を行うことが、こうした追加負担の回避につながります。
▶ 関連解説(税理士法人トゥモローズ):申告期限までに遺産分割が決まらない場合の未分割申告
費用構造の具体事例とシミュレーション
ケースA: 「兄弟2人で実家を相続」
被相続人が父、相続人が成人した子2名のケース。実家戸建て(評価額1,500万円)と預金1,500万円、合計3,000万円のシンプル案件です。戸籍取得実費5,000円・行政書士報酬20万円・司法書士報酬8万円・登録免許税6万円・印紙代等3,000円=合計34.8万円で完結します。
ケースB: 「自宅+金融資産で相続税申告必要」
被相続人が配偶者を10年前に亡くした父、相続人が子3名のケース。自宅(評価額4,000万円)・預金5,000万円・有価証券3,000万円、合計1.2億円。基礎控除超過のため相続税申告が必要です。実費1万円・行政書士報酬30万円・司法書士報酬12万円・登録免許税16万円・税理士報酬80万円=合計139万円となります。
ケースC: 「相続人多数・遠方財産」
被相続人がおひとりさまで、相続人が甥姪5名(うち1名は海外在住)のケース。財産は地方の不動産2件・預金3,000万円。実費3万円・行政書士報酬50万円(遠方加算・相続人多数加算込み)・司法書士報酬20万円・登録免許税10万円=合計83万円程度を要します。
ケースD: 「事業承継を含む」
被相続人が中小企業オーナー、後継者である子に株式・事業用資産を承継するケース。事業承継税制活用で相続税の納税猶予を選択。行政書士報酬40万円・税理士報酬200万円(事業承継税制申請含む)・司法書士報酬30万円・登録免許税30万円=合計300万円超となります。
費用見積もりの実務知識
「概算」と「正式見積もり」の違い
一般的には、初回相談時の概算にはある程度の幅があり、財産調査・相続人確定の後に正式な見積もりが出ます。当法人では、初回相談でご状況をうかがった上でその場で正式なお見積りを提示し、追加費用が発生し得る条件も契約前に明示します。
「見積もり項目」の精査
見積書には、業務範囲・実費・追加費用が発生する条件を明示してもらいます。「これ以外に発生する費用は」と必ず質問し、書面で確認します。
「分割払い」の柔軟性
相続税納付前は資金繰りが厳しいケースが多いため、報酬の分割払いに柔軟に対応する事務所が望ましいです。着手金・中間金・完了金の3分割が標準的です。
「相続財産からの支払い」
民法第885条は、相続財産に関する費用はその財産の中から支弁すると定めています(相続人の過失による費用は除きます)。同条の「費用」は遺産の管理・保存等に関する費用を指すと解されており、士業報酬が当然に含まれるわけではありません。士業報酬などを誰が負担するかは依頼契約・相続人間の合意によるため、遺産分割協議書に費用負担の方法を明記しておけば、相続人間の費用負担争いを避けられます。
「税務上の取扱い」
相続開始後に相続人が依頼した行政書士・司法書士・税理士等の専門家報酬は、通常、相続税の債務控除の対象にはなりません。債務控除の対象は、原則として被相続人の死亡時に現に存在した確実な債務です(相続税法第13条)。葬式費用は債務ではありませんが、一定の範囲で相続税の計算上控除できます(香典返しや初七日などの法事費用は含まれません)。具体的な税務処理は税理士法人トゥモローズが対応します。
▶ 関連解説(税理士法人トゥモローズ):葬式費用で相続税の節税! 項目ごとに控除可否を一覧表示
よくある誤解と正しい理解
相続費用については、誤解されやすい論点があります。第一に「専門家に頼まなければ費用ゼロ」という誤解です。自分で手続きしても、戸籍取得実費・登録免許税・郵送費・交通費は必ず発生します。加えて平日の窓口対応のための休暇取得など、見えない時間コストも相当な規模になります。
第二に「報酬の安い事務所が一番得」という誤解です。報酬が安い場合は、業務範囲・追加費用・実費・対応範囲を契約前に確認することが重要です。手続きの漏れや期限超過による加算税の方が高くつくこともあるため、総コストとリスクのバランスで判断しましょう。
第三に「費用は依頼者が自腹で払う」という誤解です。民法第885条により、相続財産に関する費用は相続財産から支弁されることがあります。ただし、士業報酬等の負担は契約・合意によるため、遺産分割協議書に「相続費用は相続財産から支出する」と明記しておくと、相続人間の負担争いを予防できます。
相続手続きの料金プランとサポート内容の全体像は、こちらにまとめています。
よくある質問(FAQ)
Q1. 相続手続きの費用は誰が払いますか?
A. 民法第885条は、相続財産に関する費用を相続財産の中から支弁すると定めています。ただし、行政書士・司法書士・税理士等の士業報酬を誰が負担するかは、依頼契約の内容や相続人間の合意で整理する必要があり、遺産分割協議書に負担方法を明記しておくと安全です。
Q2. 相続税申告の費用は別ですか?
A. 相続税申告は税理士の業務(税理士法第2条・第52条)のため、行政書士の費用とは別に税理士報酬が発生します。当法人グループでは税理士法人トゥモローズが連携対応します。
Q3. 見積もり料金で総額確定できますか?
A. はい。当法人では初回相談でご状況をうかがい、その場で正式なお見積りを提示します。基本報酬・実費に加え、追加費用が発生し得る条件も契約前にご説明します。
Q4. 分割払いはできますか?
A. はい、ご相談に応じて分割払いも対応しています。
Q5. 成功報酬制ですか?
A. いいえ、原則として固定報酬制です。明朗会計をモットーとしています。
まとめ
相続費用は「実費・公租公課(税金)・士業報酬・公証役場費用」の4区分で把握すると、全体像が見えやすくなります。実費は法定または公定の固定費、士業報酬は事務所により変動する選択費、税金は財産規模と特例適用で大きく動く変数——この性質の違いを理解すれば、どこにコスト削減の余地があるかも自然と見えてきます。お見積もりを取る際は、表面の報酬額だけでなく、実費の扱い・追加費用の発生条件・支払い時期まで含めた総額で比較してください。費用の透明性は、事務所の信頼性を測る最良の物差しでもあります。
相続手続きの費用は、シンプル15〜25万円・標準40〜70万円・複雑200万円〜が目安です。実費と士業報酬の合計で総額を試算しましょう。
行政書士法人トゥモローズは、初回相談時に正式なお見積りを提示し、相続税申告とあわせたご依頼ではセット割引(行政書士法人の相続手続き報酬が対象)も適用しています。事務所は東京・八丁堀(東京メトロ日比谷線「八丁堀駅」徒歩3分)で、首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)に対応し、Google Meetによるオンライン相談なら全国に対応します。
相続のこと、まずは無料相談で整理しませんか?
相続手続き・遺言・おひとりさま終活まで、相続を専門とする行政書士が対応します。「何から始めればいいか」というご質問だけでも、お気軽にご相談ください。
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相続税の費用・税額はこちら(税理士法人トゥモローズ)
相続税の税額や控除については、グループの税理士法人トゥモローズの解説記事もご参照ください。
相続税の税額控除をわかりやすく解説。相続人の税額から一定額を差し引く制度
根拠法令・公的資料
- 民法第885条(相続財産に関する費用)
- 相続税法第13条(債務控除)・第27条(相続税の申告書)
- 税理士法第2条・第52条(税理士の業務・税理士業務の制限)
- 登録免許税法
- 公証人手数料令
