故人のSNS・サブスクの死後手続き|アカウント解約・削除の進め方
10秒でわかる この記事の要約
- 故人のSNS・サブスクを放置すると、課金の継続・なりすまし・乗っ取りのリスク。亡くなったら早めに洗い出して対応する。
- 多くのSNSでは利用規約上、アカウントの譲渡・承継が制限され、相続人がそのまま使い続けることは想定されていない。削除・追悼アカウント化など各サービスの正規手続きで対応する。
- ID・パスワードが分かっても、本人になりすましてログイン・操作するのは規約違反・不正アクセスのおそれ。各サービスの正規手続きで進める。
- 電子マネー残高・ネット口座・暗号資産など金銭価値のあるものは相続財産。評価・相続税は税理士法人と連携。
故人のSNS・サブスクの死後手続きとは、亡くなった方が使っていたSNSアカウントや定額サービス(サブスク)を、放置によるトラブルを防ぐために解約・削除・整理する一連の対応のことです。 スマートフォンが生活の中心になった今、相続では「現金や不動産」だけでなく、こうしたデジタルの後始末が避けて通れません。
放置すれば課金が続き、乗っ取りやなりすましの被害にもつながります。本記事では、相続を専門に扱う行政書士法人トゥモローズが、SNS・サブスクの死後手続きの進め方と、金銭価値のあるアカウントの注意点を解説します。なお、相続税の評価・申告は税理士法人トゥモローズが対応します。
まず「何を使っていたか」を洗い出す
最初のステップは、故人が利用していたサービスの特定です。手がかりは次のとおりです。
| 手がかり | 分かること |
|---|---|
| 通帳・クレジットカードの明細 | 継続課金(サブスク)の引き落とし先 |
| スマートフォンのアプリ一覧 | SNS・配信・ゲーム・決済アプリ |
| メール・郵便物 | 登録確認メール、請求書、各種通知 |
| ブラウザのブックマーク・保存情報 | よく使うサービス |
特に継続課金は、解約しない限り引き落としが止まりません。通帳やカード明細を数か月分さかのぼると、見落としていたサブスクが見つかることがよくあります。
なお、ブックマークや保存情報は「どのサービスを使っていたか」を知る手がかりにとどめ、保存パスワード等を使って故人本人になりすましてログイン・操作することは避けてください。利用規約違反や不正アクセス禁止法上の問題が生じるおそれがあります。実際のアクセスや解約は、各サービスの死亡時手続き・遺族向け窓口から進めます。
SNSアカウントは規約で承継が制限される
ここが、預貯金や不動産との大きな違いです。
多くのSNSでは、利用規約上、アカウントの利用は本人に限られ、第三者への譲渡・承継が制限されています。そのため、相続人が故人のアカウントをそのまま使い続けるのではなく、各サービスの規約に沿って、削除・停止・追悼アカウント化などを申請する形になります(扱いはサービスごとに異なります)。
主な対応は次の3パターンです。
- 削除: アカウントとデータを消す
- 追悼アカウント化: 一部のSNSにある、故人を偲ぶ状態でアカウントを残す機能
- データの引き継ぎ申請: 規約で認められる範囲で、写真等のデータを受け取る
主要サービスの死亡時の対応の例は、次のとおりです(最新の手続きは各サービスの公式案内でご確認ください)。
| サービス例 | 死亡時の主な対応 |
|---|---|
| Facebook・Instagram | 追悼アカウント化・削除申請 |
| 故人アカウントの閉鎖申請、一定の場合のデータ提供申請 | |
| Apple | レガシーコンタクトによるデータアクセス申請 |
| サブスク系 | 契約の停止・解約、未払いの確認 |
| 電子マネー・ポイント | 承継・払戻しの可否を規約で確認 |
| 暗号資産 | 残高・ウォレット・取引所口座を確認し、税理士と評価を整理 |
注意したいのは、ID・パスワードが分かっていても、故人本人になりすましてログイン・操作するのは避けることです。サービスの利用規約違反や、不正アクセス禁止法(不正アクセス行為の禁止等に関する法律)上の問題が生じるおそれがあります。ログインできるかどうかではなく、各サービスが用意する「死亡時の手続き」の窓口から、正規の方法で進めるのが安全です(Googleも、故人アカウントの閉鎖申請や一定の場合のデータ提供には対応する一方、ログイン情報・パスワードは提供しないとしています)。
死後のデジタル対応は、「やってよいこと」と「避けること」を分けて考えると安全です。
| 対応 | 可否 | 理由 |
|---|---|---|
| 通帳・カード明細からサブスクを洗い出す | ○ | 契約先確認のため有効 |
| 各サービスの死亡時手続きから削除・解約を申請する | ○ | 正規の手続き |
| 電子マネー・暗号資産の残高を確認する | ○ | 相続財産の調査として必要 |
| 故人本人になりすましてログインする | × | 規約違反・不正アクセスのおそれ |
| ポイント・ギフト残高を当然に相続できると判断する | × | 承継・払戻しの可否は規約確認が必要 |
なお、当法人(行政書士法人)は、通帳・明細・郵便物等からの契約先の洗い出し、財産調査、預貯金・証券等の相続手続き、必要書類の整理を支援します。SNS・クラウド・サブスク等の削除・解約は、各サービスの規約・公式手続きに従い、ご遺族ご本人による申請を前提に整理します。
デジタルの後始末も、相続手続きとまとめて
通帳・明細・郵便物からの契約先の洗い出し(財産調査)から、預貯金・証券の相続手続きまで。行政書士法人トゥモローズが一体でサポートします。金銭価値のある資産の評価・相続税は税理士法人と連携してご案内します。
平日 9:00〜21:00 土日祝 9:00〜17:00
サブスク(定額サービス)の解約
動画・音楽配信、アプリ、クラウドストレージ、新聞・雑誌の電子版など、定額サービスは解約しない限り課金が続きます。
- 直接契約のサブスク: 各サービスのアカウントから解約します
- アプリ内課金・ストア経由の課金: スマートフォンのアカウント(各アプリストア)でまとめて契約していることがあり、機種・ストアごとの確認が必要です
- 携帯キャリアのオプション: 通信契約に付帯するサービスは、キャリアの解約手続きとあわせて確認します
クレジットカードを解約すれば課金が止まると思われがちですが、請求が宙に浮いたり、未払い扱いになったりすることもあります。まずはサービス側を解約してから、カード・口座を整理するのが安全です。
金銭的な価値があるものは「財産」として扱う
SNSやサブスクの「削除」とは分けて考えるべきなのが、金銭的価値のあるデジタル資産です。
- ネット銀行・ネット証券の口座
- 暗号資産(仮想通貨)
- 電子マネーの残高、ポイント、投げ銭・ギフトの残高
ネット口座・暗号資産・電子マネー残高など、金銭的価値のあるものは相続財産として整理が必要です。もっとも、ポイント・ギフト残高・一部の電子マネーは、利用規約により払戻しや承継が制限される場合があります。残高の有無・換金性・承継や払戻しの可否を確認したうえで、相続手続き・相続税申告の対象になるかを整理します(国税庁は、金銭に見積もることができる経済的価値のあるものを相続税の対象としています)。評価や相続税の取扱いは税理士の業務のため、税理士法人トゥモローズと連携して確認します。
▶ 関連解説(税理士法人トゥモローズ):ネット口座、仮想通貨などのデジタル遺品と相続税
特に暗号資産は、取引所口座・ウォレットの把握と評価が重要です。
▶ 関連解説(税理士法人トゥモローズ):【5分でわかる】仮想通貨(暗号資産)の相続手続きとポイントを解説
生前の準備で遺族の負担は大きく減る
死後のデジタル手続きで遺族が最も困るのが、「何を使っているか分からない」「スマホが開けない」という状況です。これは、生前の準備で大きく軽減できます。
- 契約しているサービス・ID・連絡先をエンディングノート等に一覧化する(パスワードそのものは別管理にし、保管場所だけ記す)
- 不要なサブスク・アカウントは生前に整理しておく
- スマートフォンの管理方法を、信頼できる家族と共有しておく
なお、Appleには「レガシーコンタクト」、Googleには故人アカウントに関する申請手続きなど、死亡時のデータ管理を想定した仕組みがあります。利用しているサービスごとに、死亡時の手続きや事前設定の有無を確認しておくと、遺族の負担を減らせます。
ご本人の生前整理については、こちらもあわせてご覧ください。
相続手続きの料金プランとサポート内容の全体像は、こちらにまとめています。
よくある質問(FAQ)
Q1. 故人のスマホやパソコンのロックが解除できない場合はどうすればいいですか?
A. ロックが解除できないと、中の情報や財産にたどり着けないことがあります。メーカーやキャリアでも、本人以外のロック解除には応じないのが一般的です。まず、本人が書き残したパスワードのメモがないかを探します。ロック解除やデータ取得には、メーカー・キャリア・サービス提供者の規約や法令上の制約があるため、財産に関わる情報が必要な場合は、まず公式の遺族向け手続きを確認し、必要に応じて法令・規約に反しない範囲で専門家へ相談します。
Q2. 故人のSNSの投稿や写真を残すことはできますか?
A. サービスによっては、アカウントを「追悼アカウント」に切り替えて投稿を残せたり、遺族がデータのダウンロードを申請できたりする仕組みがあります。各サービスのヘルプで、追悼設定やデータの取得方法を確認します。大切な写真は、削除前にダウンロードしておくと安心です。
Q3. 解約し忘れた有料サブスクの過去分は返金されますか?
A. 返金の可否は、サービスの規約や契約形態(月額・年額、未使用期間の扱いなど)によります。すでに課金された分は返金されない取扱いもありますが、死亡時の特別対応や未使用期間の返金に応じるサービスもあり得るため、気づいた時点で速やかにサービス窓口へ連絡し、それ以上の課金を止めることが大切です。
Q4. 故人のメールアカウントはどう扱えばいいですか?
A. メールには、ネット銀行・証券・サブスクなどの重要な通知が届いていることが多く、財産や契約の手がかりになります。すぐに削除せず、必要な情報を確認してから解約・削除を検討します。メールアカウントの遺族対応は、提供事業者の案内に従います。
Q5. 故人がどんな有料サービスに加入していたか分からない場合の調べ方は?
A. クレジットカードの明細や預金通帳の引き落とし履歴、スマホのアプリ一覧、受信メールが手がかりになります。毎月・毎年の定期的な引き落としをたどると、サブスクや会員サービスを洗い出せます。把握しきれない場合は、専門家と一緒に整理すると漏れを防げます。
まとめ
故人のSNS・サブスクの死後手続きは、①利用サービスの洗い出し → ②サブスクの解約(課金停止)→ ③SNSの削除・追悼アカウント化 → ④金銭価値のある資産は相続財産として整理という流れです。SNSは原則そのまま相続できず、規約に沿った申請が必要です。ID・パスワードが分かっても、なりすましログインは避け、正規の手続きで進めましょう。生前の一覧化で、遺族の負担は大きく減らせます。
行政書士法人トゥモローズは、東京・八丁堀(東京メトロ日比谷線「八丁堀駅」徒歩3分)の事務所を拠点に、首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)とオンライン(Google Meet・全国対応)で、財産調査を含む相続手続きをまとめてサポートしています。「どこから手をつければいいか分からない」段階からご相談ください。
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税務の観点もあわせてご確認ください
電子マネー・ネット口座・暗号資産など、金銭価値のあるデジタル資産の相続税については、グループの税理士法人トゥモローズの解説記事もご参照ください(相続税の試算・申告は税理士法人トゥモローズが対応します)。
根拠法令・公的資料
- 民法第896条(相続の一般的効力。一身専属的な権利は相続の対象外)
- 不正アクセス行為の禁止等に関する法律(不正アクセス禁止法。なりすましログインの禁止)
- 各SNS・各サービスの利用規約(アカウントの相続・削除・追悼の取扱い)
- 各プラットフォームの死亡時の公式手続き(Facebook・Instagram・Google・Apple)
公的機関・根拠リンク
各サービスの死亡時手続き(公式)
- 亡くなった方のFacebookアカウントの扱い|Facebookヘルプ
- 亡くなった方のInstagramアカウントの報告|Instagramヘルプ
- 亡くなった方のApple Accountへのアクセス・削除|Appleサポート
- レガシーコンタクトの追加|Appleサポート
- Google「故人アカウントに関するリクエスト」(ヘルプセンターから申請。ログイン情報は提供されません)
