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バイクの所有者が死亡したときの名義変更|原付・軽二輪・小型二輪の必要書類

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相続手続き

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行政書士法人トゥモローズ 代表行政書士(日本行政書士会連合会 登録番号 第18082222号)

大塚 英司


10秒でわかる この記事の要約

  • 最初に確認するのは排気量ではありません。車検証等に書かれた所有者と使用者です。
  • ローンが残っていると、所有者が販売店や信販会社になっていることがあります。
  • 内燃機関のバイクは125cc以下/125cc超250cc以下/250cc超の3区分です。電動は排気量ではなく定格出力などで判定します。
  • 125cc以下は市区町村、125cc超は運輸支局等です。四輪と違い、軽自動車検査協会は使いません。
  • 四輪のような移転登録はありません。軽二輪は届出済証、250cc超は車検証の記載を変えます。
  • 軽二輪も250cc超も、原則15日以内です(施行規則第63条の5、法第67条第1項)。
  • 車庫証明は排気量を問わず不要です。令和8年4月からのOSSも、相続は対象外です。

「父のバイクなんですが、車と同じでいいんですよね」

同じではありません。

バイクは、四輪とは制度そのものが別です。

ただ、その説明に入る前に、確認していただきたいことがあります。

排気量ではありません。

車検証や届出済証に書かれた「所有者」です。

ここが販売店や信販会社になっていると、話がまるごと変わります。

所有者の確認が済んだら、次が車両区分です。

内燃機関のバイクは、125cc以下、125cc超250cc以下、250cc超の3つに分かれます。

そして、どれも四輪のような移転登録ではありません。

道路運送車両法第4条が、登録を受けるべき自動車から「軽自動車」と「二輪の小型自動車」を明文で除いているからです。

窓口も、125cc以下なら市区町村、125cc超なら運輸支局等に分かれます。

四輪の軽自動車と違い、軽自動車検査協会は使いません。

本記事では、所有者の確認から順に、区分ごとの窓口・必要書類・期限を整理します。

四輪の普通車は車(自動車)の相続手続き、四輪の軽自動車は軽自動車の所有者が死亡したときの名義変更にまとめました。


最初に「所有者」と「使用者」を確認する

排気量を調べる前に、手元の書類を見てください。

250cc超なら車検証、125cc超250cc以下なら軽自動車届出済証、125cc以下なら標識交付証明書です。

確認するのは2点です。

  • 所有者が、亡くなった方になっているか
  • 所有者と使用者が同じか

ローンで購入した場合、所有者が販売店や信販会社のままのことがあります。

いわゆる所有権留保です。

この場合、亡くなった方はそのバイクの所有者ではありません。

相続で名義を移すという話にはならず、残債の確認や契約の扱いを先に決めることになります。

なお、250cc超は令和5年から電子車検証に移行しています。

ICタグに情報が入る形式で、所有者の氏名や住所は券面に表示されません

車検証閲覧アプリか、交付時に受け取る自動車検査証記録事項で確認してください。

所有者が誰かによって、進む道が分かれます。

亡くなった方が所有者なら相続の手続き、販売店等が所有者なら契約の処理が先です。


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バイクに四輪のような「移転登録」はない

道路運送車両法第4条は、こうなっています。

自動車(軽自動車、小型特殊自動車及び二輪の小型自動車を除く。以下第二十九条から第三十二条までを除き本章において同じ。)は、自動車登録ファイルに登録を受けたものでなければ、これを運行の用に供してはならない。

括弧の中に、「軽自動車」と「二輪の小型自動車」が入っています。

125ccを超えるバイクは、このどちらかに当てはまります。

125cc超250cc以下は軽自動車、250cc超は二輪の小型自動車です。

つまり、両方とも登録の対象から外れているのです。

125cc以下は原動機付自転車で、そもそも自動車の登録制度の外にあります。

ここでいう「小型」は道路運送車両法上の区分です。

運転免許の区分とは基準が異なりますので、混同しないでください。

登録の対象から外れているため、登録を移す手続き、すなわち移転登録も存在しません。

ただし、公的な手続きが何も無いという意味ではありません。

正確には、四輪に適用される自動車登録ファイルによる登録制度の対象外だということです。

250cc超には車検証があり、125cc超250cc以下には届出済証と車両番号の指定があります。

変えるのは、その記載の側です。

なお、所有権の考え方も四輪とは違います。

同法第5条第1項は、登録を受けた自動車について、登録しなければ所有権の得喪を第三者に対抗できないとしています。

バイクは登録の対象外なので、この規定は及びません。


車両書類の写真から、必要な手続きを判定します

バイクの相続は、排気量だけでは決まりません。所有者と使用者、ローン会社の所有権留保、引き継ぐのか売るのか、内燃機関か電動かで手続きが変わります。車検証・自動車検査証記録事項・軽自動車届出済証・標識交付証明書のいずれかをご用意ください。戸籍の収集から窓口への申請まで、相続を専門に扱う行政書士が整理します。

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区分は3つ|電動は排気量では判定できない

内燃機関のバイクは、次の3つに分かれます。

区分 法令上の区分 窓口 主な手続き 車検 原則期限
125cc以下 原動機付自転車 市区町村 軽自動車税の申告と標識関係の手続き なし 条例・自治体の運用による
125cc超250cc以下
(通称126〜250cc)
二輪の軽自動車(軽二輪) 運輸支局等 軽自動車届出済証の記入申請 なし 15日以内
250cc超
(通称251cc以上)
二輪の小型自動車(小型二輪) 運輸支局等 自動車検査証の変更記録 あり 15日以内

四輪との最大の違いは、軽自動車検査協会を使わないことです。

四輪の軽自動車は協会が窓口になります。

ところがバイクは、125ccを超えるとすべて運輸支局等です。

「軽」という字に引きずられて協会へ行くと、二度手間になります。

なお、この区分は内燃機関のバイクについてのものです。

電動バイクは、排気量では判定できません。

道路運送車両法施行規則第1条第1項第2号は、内燃機関以外を原動機とする二輪について、定格出力1.00キロワット以下を原動機付自転車としています。

外見や商品名で判断せず、標識交付証明書や届出済証に記載された区分を確認してください。

もう一点、原付の中の区分も変わりました。

施行規則第1条第2項は、総排気量0.050リットル以下(二輪で最高出力4.0キロワット以下のものは0.125リットル以下)を第一種原動機付自転車としています。

排気量だけでは第一種か第二種かが決まらなくなっているのです。

最後に、相続でまず用意するものを区分別にまとめます。

区分 まず用意するもの 確認先
125cc以下 標識交付証明書、ナンバープレート、届出人の本人確認書類、亡くなった事実と相続関係が分かる戸籍等 旧所有者と新所有者の市区町村
125cc超250cc以下 軽自動車届出済証、新使用者の住所を証する書面、亡くなった事実と相続関係が分かる戸籍等、誰が引き継ぐかが分かる書面 使用の本拠の位置を管轄する運輸支局等
250cc超 車検証または自動車検査証記録事項、新使用者の住所を証する書面、亡くなった事実と相続関係が分かる戸籍等、誰が引き継ぐかが分かる書面 使用の本拠の位置を管轄する運輸支局等

相続の添付書類は、管轄によって運用が分かれます。

上の表は出発点で、最終的には管轄の窓口へご確認ください。

なお、売買で名義を変える場合の書類とは別のものです。

売買では旧所有者の譲渡証明書を使いますが、相続ではそれに代わるものが必要になります。


125cc以下は市区町村へ|税の申告を放置すると過料の対象になり得る

原付の名義変更には、道路運送車両法上の手続きがありません。

代わりに動くのが、地方税法です。

地方税法第452条第1項は、こう定めています。

軽自動車税の納税義務者は、当該市町村の条例で定めるところにより、総務省令で定める様式により、軽自動車税の賦課徴収に関し必要な事項を記載した申告書又は報告書を市町村長に提出しなければならない。

標識、つまりナンバープレートの交付は、市町村の条例で標識を付すべき旨を定めている場合について、同法第451条第3項が徴収の方法を定めています。

標識の交付や返納の具体的な手続きは、各市区町村の条例と運用によります。

この申告と標識の手続きが、実務上の名義変更にあたります。

旧所有者の市区町村での返納と、新所有者の市区町村での交付の2段階になるのが一般的です。

同じ市区町村内なら、一度で済むこともあります。

なお、申告をしなかった場合の定めもあります。

地方税法第454条は、第452条により申告・報告すべき事項について正当な事由がなくて申告等をしなかった場合に、市町村が条例で10万円以下の過料を科する旨の規定を設けることができるとしています。

名義変更の遅れに当然10万円が科される、という規定ではありません。

適用があるかどうかは、各市区町村の条例と個別の事情によります。

ただ、実際に困るのは税金のほうです。

軽自動車税は4月1日時点の所有者等に課されます(同法第449条)。

登録情報を変えないままだと、納税通知書が旧名義・旧住所あてに送られ続けることがあります。

必要書類は自治体ごとに異なります。

標識交付証明書、ナンバープレート、届出人の本人確認書類、死亡と相続関係が分かる戸籍などを求められることがあります。

委任状や押印の要否を含め、双方の市区町村にご確認ください。


125cc超250cc以下(軽二輪)は運輸支局等へ|こちらも15日以内

軽二輪には車検がありません。

その代わり、届出をして車両番号の指定を受けています(道路運送車両法第97条の3第1項)。

そして、期限があります。

道路運送車両法施行規則第63条の5第1項です。

検査対象外軽自動車の使用者は、軽自動車届出済証の記載事項について変更があつたときは、その日から十五日以内に、当該事項の変更について、運輸監理部長又は運輸支局長が行う軽自動車届出済証の記入を受けなければならない。

車検が無いから期限も無い、ということではありません。

250cc超と同じく、原則15日以内です。

遺産分割に時間がかかることはありますが、法令上の期限が消えるわけではないのです。

誰が引き継ぐか決まったら、速やかに窓口へご相談ください。

必要書類の基本形は、次のとおりです(売買などで名義を変える場合)。

  • 譲渡証明書
  • 申請書(軽二輪第1号様式)
  • 軽自動車届出済証
  • 新使用者の住所を証する書面(発行から3か月以内)
  • 軽自動車税申告書

ナンバープレートが変わる場合は、自賠責保険の証明書とナンバープレートも持参します。

なお、申請先は住所地とは限りません。

第97条の3は「使用の本拠の位置を管轄する地方運輸局長」としています。

使用の本拠の位置について、関東運輸局はこう説明しています。

自動車を使用する場合において、その使用、整備等自動車の使用を管理する場所のことです。車検証の使用者欄に記載される人が個人の場合は、その方の住所が記載されます。

個人であれば、通常はその方の住所です。

実家に保管しているというだけで、実家が使用の本拠になるわけではありません。

住所と異なる場所を使用の本拠とする場合は、その場所を継続して使っていることを示す書類を求められることがあります。


250cc超(小型二輪)は車検証を書き換える|手数料は無料

250cc超には車検があります。

したがって、書き換えるのは車検証です。

期限は15日以内です(道路運送車両法第67条第1項)。

必要書類の基本形は、次のとおりです(売買などで名義を変える場合)。

書類 備考
申請書(第1号様式) ※手数料:無料ですと案内されています
譲渡証明書 旧所有者が用意するもの
自動車検査証 車検証そのもの
新使用者の住所を証する書面 住民票・戸籍謄本・抄本など、発行から3か月以内
軽自動車税申告書 税については市区町村の担当窓口へ
ナンバープレート代 管轄区域外からの転入や番号変更の場合のみ

変更記録そのものに、申請手数料はかかりません。

これは、普通車などの登録自動車の移転登録とは異なる点です。

移転登録は、道路運送車両法関係手数料令第1条の表の三により1台につき700円と定められています。

バイクは登録の対象外なので、この規定が及びません。

なお、四輪でも軽自動車の名義変更には手数料がかかりません。

「四輪はすべて有料」ではありませんので、比較の対象にご注意ください。

なお、車検が切れている場合の扱いにも触れておきます。

第67条第1項のただし書は、効力を失っている車検証について、変更記録を受けるべき時期を「当該自動車を使用しようとする時とすることができる」としています。

できる、という書き方であって、義務が消えるわけではありません。

実際の取扱いは管轄によって分かれるため、事前にご確認ください。


車庫証明は、排気量を問わず要らない

四輪の相続手続きでつまずきやすいのが、車庫証明です。

バイクには、これがありません。

自動車の保管場所の確保等に関する法律第2条第1号を見てください。

自動車 道路運送車両法(昭和二十六年法律第百八十五号)第二条第二項に規定する自動車(二輪の小型自動車、二輪の軽自動車及び二輪の小型特殊自動車を除く。)をいう。

この法律でいう「自動車」の定義から、二輪が丸ごと抜かれています。

250cc超であっても、車庫証明は不要です。

警察署へ行く必要はありません。

なお、四輪では車庫証明の有効期間が実務上の制約になります。

実施要領で証明の日から概ね1か月以内とされているため、戸籍集めが長引くと取り直しになるのです。

バイクにはその制約がないので、書類の準備は四輪より楽になります。


相続の名義変更に、OSSは使えない

オンライン申請についても触れておきます。

国土交通省は、報道発表でこう公表しています。

令和8年4月1日から二輪の軽自動車(軽二輪)をOSSの対象とすることとしました。

対象は、新車新規届出、記載事項変更、軽自動車届出済証返納(一時使用中止)の3つです。

ただし、相続では使えません。

国土交通省のワンストップサービスのポータルは、軽二輪の記載事項変更について「相続による自動車の譲渡、譲受である場合は対象外となります」としています。

四輪の移転登録についても、同様に相続は対象外です。

したがって、本記事で扱う手続きは、125cc超については、原則として運輸支局等の窓口へ書面を提出する形になります。

125cc以下は市区町村の事務で、郵送を受け付けている自治体もあります。

オンラインで済ませられると思って準備すると、予定が狂います。

戸籍を集める時間と、窓口へ行く時間の両方を見込んでください。


相続のときに何を出すかは、管轄への事前確認が要る

必要書類について、大事な前提があります。

二輪の相続だけを扱った、全国共通の分かりやすい案内は限られています。

運輸局が公表しているのは、主に次の2種類です。

  • 二輪の名義変更(売買などを想定した基本形)
  • 四輪の登録自動車についての相続手続き(移転登録)

四輪の相続の案内は、遺産分割協議書に相続人全員の実印、戸籍謄本等または法定相続情報証明書、新所有者の印鑑証明書という構成です。

これをそのままバイクに当てはめることはできません。

根拠になる制度が移転登録であり、バイクには移転登録が無いからです。

実務では、売買のときの譲渡証明書に代わるものとして、亡くなった事実と相続人であることが確認できる戸籍謄本等、そして誰が引き継ぐかが分かる書面を求められます。

運輸局が公表する自動車登録業務等実施要領にも、相続その他の一般承継を証する書面の取扱いが定められています。

ただし、何をどこまで求めるかは管轄によって運用が分かれます。

関東運輸局自身が、四輪についてこう案内しています。

相続の手続きは非常に複雑ですので、不明な場合には、自動車検査証(車検証)、自動車検査証記録事項をお手元にご準備の上、事前に自動車の使用の本拠の位置を管轄する運輸支局又は自動車検査登録事務所にご相談ください。

姿勢は二輪でも同じです。

先に電話で確認してから、書類を集めてください。

順序を逆にすると、集めた戸籍が足りなかったり、要らないものを取っていたりします。


引き継がない場合|売る・使用をやめる・解体するで手続きが違う

残さないという選択もあります。

ただし、まとめて「廃車」と呼べるものではありません。

次の3つは別の手続きです。

意向 手続き
買取業者へ売る 所有者の変更と譲渡の手続き
当面使わないが保管する 一時使用中止・返納の手続き
解体・廃棄する 返納と解体に伴う手続き

軽二輪の返納は、道路運送車両法施行規則第63条の6が定めています。

使用を廃止したときなどに、遅滞なく軽自動車届出済証を返納する、という内容です。

売却する場合、相続人名義への変更を必ず先に単独で行うとは限りません。

買取業者が一連の手続きとして扱えることがあるためです。

先に名義を移すべきか、業者へ渡してから進めるかは、業者と管轄の双方に確認してください。

なお、いずれの場合も亡くなった事実と相続人であることを示す書類は求められます。

125cc以下は市区町村、125cc超は運輸支局等が窓口です。


誰に頼めるか(業際の整理)

手続きごとに、担当できる資格者が分かれます。

やること 担当
戸籍の収集、合意済みの内容を書面にする遺産分割協議書の作成 行政書士
運輸支局等・市区町村への申請書の作成と代理申請 行政書士
軽自動車税に関する一定の税務書類の作成 税理士法第51条の2の範囲で行政書士
相続税の申告・税額の計算・税務相談 税理士
不動産の相続登記 司法書士
家庭裁判所へ提出する書類の作成 司法書士または弁護士
家庭裁判所での手続の代理 原則として弁護士
相続人の間で争いがある場合の交渉・代理 弁護士

税理士法第51条の2は、行政書士について「ゴルフ場利用税、自動車税、軽自動車税、事業所税その他政令で定める租税に関し税務書類の作成を業として行うことができる」と定めています。

軽自動車税の申告書はこの範囲に入りますが、税額の相談や税務代理まで行えるわけではありません。

また、遺産分割協議書の作成は、合意済みの内容を書面にする業務です。

相続人の間で意見が割れている状態での交渉は、弁護士の業務になります。

当法人では、税理士法人トゥモローズと連携しています。

相続税の申告が必要になる場合は、そちらへお引き継ぎします。

なお、申告が必要かどうかは、バイク単体では決まりません。

相続財産の総額で判定します。

バイクの評価の考え方は、関連解説(税理士法人トゥモローズ)「自動車(車両)の相続税評価を徹底解説」をご確認ください。


よくある質問(FAQ)

Q1. 何年も乗っていない原付が物置から出てきました。ナンバーもありません。どうすればよいですか?

A. まず、その原付に課税が続いていないかを、市区町村の税務担当窓口でご確認ください。標識が返納されないまま登録が残っていると、軽自動車税の課税が続いている場合があります。軽自動車税は4月1日時点の所有者等に課されるためです(地方税法第449条)。なお、乗っていないという理由だけでは廃止の申告を受け付けない運用の自治体もあります。標識も標識交付証明書も見当たらない場合の取扱いは市区町村ごとに異なりますので、車台番号の分かる写真を用意してご相談ください。

Q2. 亡くなった父の名義のまま乗り続けても問題はありませんか?

A. おすすめしません。理由は2つあります。1つは税で、登録情報を変えない限り納税通知書が旧名義・旧住所あてに送られ続けることがあります。もう1つは保険で、任意保険の契約者や記名被保険者が亡くなった方のままだと、事故のときに支払いをめぐって問題になることがあります。自賠責保険と任意保険の取扱いは保険会社によって異なりますので、名義変更とあわせて契約先へご確認ください。なお、法令上の期限は、軽二輪が施行規則第63条の5、250cc超が法第67条第1項で、いずれも原則15日以内です。

Q3. ローンが残っていて、販売店や信販会社が所有者になっています。この場合はどうなりますか?

A. 亡くなった方が所有者である車両を相続名義へ変えるケースとは異なります。ただし、手続きが何も要らないという意味ではありません。所有者欄と使用者欄、ローン残高、死亡時の保障の有無、契約を承継できるか、車両を返却するのか、完済して所有権を解除するのかを確認してください。処理の方向によって、使用者の変更、所有権の解除、相続人への直接の移転などの手続きが必要になります。なお、残っているローンの支払義務は相続の対象です。相続放棄を検討している場合は、支払いや処分をする前に司法書士または弁護士にご相談ください。

Q4. 相続人が3人います。バイクは1台しかありません。どう決めればよいですか?

A. 誰が取得するかを遺産分割協議で決め、その内容を書面にします。窓口では、誰が引き継ぐかが分かる書面を求められるためです。民法第898条第1項により、遺産分割が終わるまで相続財産は共有になりますので、共有すること自体ができないわけではありません。ただし、届出上の使用者は1人に定めることになり、売却や廃止のたびに全員の関与が必要になります。実務では、1人が単独で取得する形をおすすめしています。バイクの評価額が他の財産と釣り合わない場合は、取得する方が他の相続人へ差額を支払う形で調整することもあります。書面の作り方は、管轄が求める様式にも影響しますので、先に窓口へご確認ください。


相続手続きの料金プランとサポート内容の全体像は、こちらにまとめています。

相続手続き、まるごとおまかせ。行政書士法人トゥモローズの相続手続きサポート

まとめ

バイクの相続手続きは、所有者の確認から始めます

ローンが残っていると、所有者が販売店や信販会社のことがあります。

250cc超は電子車検証に移行しており、所有者の情報は券面に表示されません。

車検証閲覧アプリか自動車検査証記録事項で確認してください。

内燃機関のバイクは、125cc以下、125cc超250cc以下、250cc超の3区分です。

電動は排気量ではなく、定格出力などで判定します。

125cc以下は市区町村、125cc超は運輸支局等です。

四輪の軽自動車と違い、軽自動車検査協会は使いません。

四輪のような移転登録はありません。

道路運送車両法第4条が、登録の対象から二輪の小型自動車を除いているためです。

軽二輪も250cc超も、原則15日以内です。

車検が無いから期限も無い、ということではありません。

車庫証明は、排気量を問わず不要です。

令和8年4月から軽二輪の一部手続きがOSSの対象になりましたが、相続は対象外です。

窓口へ書面を提出する前提で、日程を組んでください。

なお、相続で何を出すかは管轄によって運用が分かれます。

戸籍を集め始める前に、管轄の運輸支局等へ電話でご確認ください。

行政書士法人トゥモローズは、東京・八丁堀(東京メトロ日比谷線「八丁堀駅」徒歩3分)の事務所を拠点に、首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)とオンライン(Google Meet・全国対応)で、バイク・普通車・軽自動車の名義変更、戸籍の収集、遺産分割協議書の作成をお手伝いしています。


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根拠法令・公的資料

  • 道路運送車両法第4条(自動車(軽自動車、小型特殊自動車及び二輪の小型自動車を除く。以下第二十九条から第三十二条までを除き本章において同じ。)は、自動車登録ファイルに登録を受けたものでなければ、これを運行の用に供してはならない)※250cc超の二輪も登録の対象外であり、移転登録は存在しません
  • 道路運送車両法第5条第1項(登録を受けた自動車の所有権の得喪は、登録を受けなければ、第三者に対抗することができない)※二輪は登録の対象外のため適用されません
  • 道路運送車両法第67条第1項(自動車の使用者は、自動車検査証記録事項について変更があつたときは、その事由があつた日から十五日以内に、当該変更について、国土交通大臣が行う自動車検査証の変更記録を受けなければならない。ただし、その効力を失つている自動車検査証については、これに変更記録を受けるべき時期は、当該自動車を使用しようとする時とすることができる)※250cc超に適用されます
  • 道路運送車両法第97条の3第1項(検査対象外軽自動車は、その使用者が、その使用の本拠の位置を管轄する地方運輸局長に届け出て、車両番号の指定を受けなければ、これを運行の用に供してはならない)※125cc超250cc以下に適用されます
  • 道路運送車両法施行規則第63条の5第1項(検査対象外軽自動車の使用者は、軽自動車届出済証の記載事項について変更があつたときは、その日から十五日以内に、当該事項の変更について、運輸監理部長又は運輸支局長が行う軽自動車届出済証の記入を受けなければならない)
  • 道路運送車両法施行規則第63条の6第1項(検査対象外軽自動車の使用者は、次の各号のいずれかに該当するときは、遅滞なく、当該軽自動車届出済証を運輸監理部長又は運輸支局長に返納しなければならない)
  • 道路運送車両法施行規則第1条第1項(法第二条第三項の総排気量又は定格出力は、次のとおりとする。一 内燃機関を原動機とするものであつて、二輪を有するもの…にあつては、その総排気量は〇・一二五リツトル以下…二 内燃機関以外のものを原動機とするものであつて、二輪を有するものにあつては、その定格出力は一・〇〇キロワツト以下…)
  • 道路運送車両法施行規則 別表第一(軽自動車のうち二輪自動車は、内燃機関を原動機とする自動車にあつてはその総排気量が〇・二五〇リットル以下のものに限る)
  • 自動車の保管場所の確保等に関する法律第2条第1号(自動車 道路運送車両法…第二条第二項に規定する自動車(二輪の小型自動車、二輪の軽自動車及び二輪の小型特殊自動車を除く。)をいう)※二輪は排気量を問わず車庫証明が不要です
  • 地方税法第452条第1項(軽自動車税の納税義務者は、当該市町村の条例で定めるところにより、総務省令で定める様式により、軽自動車税の賦課徴収に関し必要な事項を記載した申告書又は報告書を市町村長に提出しなければならない)
  • 地方税法第454条(市町村は、軽自動車税の納税義務者…が第四百五十二条の規定により申告し、又は報告すべき事項について正当な事由がなくて申告又は報告をしなかつた場合には、その者に対し、当該市町村の条例で十万円以下の過料を科する旨の規定を設けることができる)※名義変更の遅れ一般に当然に科されるものではありません
  • 地方税法第449条(軽自動車税の賦課期日は、四月一日とする)
  • 地方税法第451条第3項(市町村は、当該市町村の条例で、軽自動車等に当該市町村の交付する標識を付すべき旨を定めている場合には…当該軽自動車等の所有者に標識を交付するときに、証紙徴収の方法によつて、軽自動車税を徴収することができる)
  • 税理士法第51条の2(行政書士又は行政書士法人は、それぞれ行政書士又は行政書士法人の名称を用いて、他人の求めに応じ、ゴルフ場利用税、自動車税、軽自動車税、事業所税その他政令で定める租税に関し税務書類の作成を業として行うことができる)
  • 道路運送車両法関係手数料令第1条の表の三(移転登録を申請する者 自動車一両につき七百円(電子申請による場合にあつては、六百円))※四輪の登録自動車の規定であり、二輪には適用されません

公的機関・根拠リンク

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この記事の執筆者:大塚 英司

行政書士法人トゥモローズ 代表行政書士(日本行政書士会連合会 登録番号 第18082222号)
税理士(東京税理士会新宿支部 登録番号 117702)

相続を専門に取り扱う行政書士・税理士。相続手続き・遺言・おひとりさま終活の実務に幅広く従事し、戸籍収集や遺産分割協議書の作成から、死後事務委任契約・任意後見契約といった生前対策の設計まで、ご相談者お一人おひとりの状況に応じて丁寧にサポートしている。