相続コラム

ホーム相続コラム一般貨物自動車運送事業の個人事業主が死亡したら|相続認可は60日以内

一般貨物自動車運送事業の個人事業主が死亡したら|相続認可は60日以内

最終更新:

相続手続き

アバター画像

行政書士法人トゥモローズ 代表行政書士(日本行政書士会連合会 登録番号 第18082222号)

大塚 英司


10秒でわかる この記事の要約

  • 本記事の対象は、一般貨物自動車運送事業の許可を個人名義で受けていた方が亡くなった場合です。
  • 相続人が続けるには、死亡後60日以内に国土交通大臣の認可が必要です(貨物自動車運送事業法第31条第1項)。
  • 期限内に申請すれば、死亡の日から通知の日まで許可が相続人にされたものとみなされます(第31条第2項)。
  • 相続人が2人以上なら承継する1人を定め、他の相続人全員の同意書を提出します。遺産分割協議書とは別の書類です。
  • 相続認可の申請は、法令試験の対象です。申請様式に受験予定者の氏名を記載します。
  • 軽貨物(黒ナンバー)は認可ではなく、死亡後30日以内の死亡届出です(第36条第5項)。期限は一般貨物より短くなります。
  • 法人が許可を持っている場合、第31条の認可は不要です。許可は法人に残ります。

「父が個人名義で、緑ナンバーの運送業をしていました」

このご相談で、まず確認するのは事業規模ではありません。

許可の名義が、法人か個人かです。

法人であれば、代表者が亡くなっても許可は法人に残ります。

ところが個人事業の許可は、その人個人に与えられたものです。

相続人が当然に引き継げるわけではありません。

貨物自動車運送事業法は、そのための制度を用意しています。

第31条の相続認可です。

期限は、被相続人の死亡後60日以内。

戸籍を集めて協議をまとめる時間としては、決して長くありません。

しかも、集めるのは戸籍だけではないのです。

事業計画、車両、運行管理の体制、資金の裏づけ。

そして、承継する方ご本人が受ける法令試験があります。

本記事では、条文と公式の申請様式を確認しながら、何をいつまでにするのかを整理します。

建設業許可は建設業許可の相続認可とは、個人事業全体の手続きは個人事業主が亡くなったときの手続きにまとめました。


まず、許可の名義と事業の種類を確認する

運送業といっても、根拠と期限は事業の種類で分かれます。

亡くなった方の事業 手続き 期限 根拠
個人・一般貨物 相続認可 死亡後60日以内 第31条第1項
個人・特定貨物 相続認可 死亡後60日以内 第35条第6項による準用
個人・軽貨物 死亡届出 死亡後30日以内 第36条第5項
法人の代表者 相続認可は不要 — 許可は法人に残る

期限が逆転している点に注意してください。

認可が必要な一般貨物が60日、届出で足りる軽貨物が30日です。

手続きが軽いほうが、期限は短いのです。

なお、許可証や届出書の控えが見つからないことがあります。

その場合は、緑ナンバーか黒ナンバーかが手がかりになります。

緑ナンバーなら一般貨物または特定貨物、黒ナンバーなら軽貨物です。

確実な確認は、管轄の運輸支局へ許可名義を照会してください。


相続手続きの料金プランとサポート内容の全体像は、こちらにまとめています。

相続手続き、まるごとおまかせ。行政書士法人トゥモローズの相続手続きサポート

死亡後60日以内に、相続認可を申請する

根拠は貨物自動車運送事業法第31条第1項です。

一般貨物自動車運送事業者が死亡した場合において、相続人(相続人が二人以上ある場合においてその協議により当該一般貨物自動車運送事業を承継すべき相続人を定めたときは、その者。次項において同じ。)が被相続人の経営していた一般貨物自動車運送事業を引き続き経営しようとするときは、被相続人の死亡後六十日以内に、国土交通大臣の認可を受けなければならない。

起算点は「被相続人の死亡後」です。

知った日ではなく、亡くなった日から数えます。

相続放棄の3か月のように「自己のために相続の開始があったことを知った時から」とは書かれていません。

遠方に住んでいて連絡が遅れた場合でも、日数は進んでいるのです。

ここで、条文と実務の書き方の違いに触れておきます。

条文は「認可を受けなければならない」と書いています。

一方、国土交通省の手続案内は、この認可の提出時期を「被相続人の死亡後60日以内」としています。

つまり、実務では60日以内に申請を出すことになります。

ただし、60日を準備期間と考えないでください。

同じ案内によれば、標準処理期間は地方運輸局長の権限に係るもので1〜2か月、大臣の権限に係るもので2〜3か月です。

審査そのものに数か月かかるということです。

だからこそ、次の項で見るみなし規定が用意されています。

なお、申請先は国土交通大臣とありますが、実際には営業所を管轄する運輸支局を経由して提出します。

手数料はかかりません。

まず電話で、残り日数と現在の許可の状況を伝えてください。

許可番号と営業所の所在地が分かるものを手元に置くと、話が早く進みます。


死亡日から逆算して、60日の工程を組みます

相続認可では、戸籍のほかに、他の相続人全員の同意書、事業計画と車両明細、運行管理者・整備管理者・運転者の確保、施設と車両の使用権原、資金の裏づけ、そして承継する方ご本人の法令試験まで、同時に進める必要があります。残り日数を確認し、管轄運輸支局との事前協議から書類作成まで行政書士が整理します。

0120-600-232

平日 9:00〜21:00 土日祝 9:00〜17:00


期限内に申請すれば、許可があるものとみなされる

実務でいちばん効くのが、第31条第2項です。

相続人が前項の認可の申請をした場合には、被相続人の死亡の日からその認可をする旨又はその認可をしない旨の通知を受ける日までは、被相続人に対してした一般貨物自動車運送事業の許可は、その相続人に対してしたものとみなす。

申請をすれば、処分が出るまでは許可が続いているものとして扱われます。

しかも、みなされる起点は申請日ではありません。

条文は「被相続人の死亡の日から」と書いています。

亡くなった日にさかのぼって、空白が埋まるのです。

運送業は、止めた瞬間に荷主が離れます。

認可が下りるのを待っていては、事業そのものが持ちません。

だから、この規定が用意されています。

ただし、この規定が埋めるのは許可上の空白だけです。

実際に翌日から荷物を運べるかどうかは、別の話になります。

運行管理者と整備管理者がいるか、運転者を確保できているか、車両と車庫を使い続けられるか、燃料代と給与を払える資金があるか。

これらは、みなし規定では埋まりません。

そして、申請をしなければ、この規定は働きません。

協議がまとまらないから申請も待つ、という判断は避けてください。


承継する1人を決める|同意書と遺産分割協議書は別の書類

第31条第1項の括弧書きに、こうあります。

相続人が二人以上ある場合においてその協議により当該一般貨物自動車運送事業を承継すべき相続人を定めたときは、その者

共同で承継する形は想定されていません。

許可は事業を遂行する能力に着目して与えられるものだからです。

そして、承継する人を決めたことを示す書類が要ります。

求められているのは、同意書です。

これは様式の都合ではなく、省令に定めがあります。

貨物自動車運送事業法施行規則第19条第2項第3号です。

申請者以外に相続人がある場合にあっては、当該一般貨物自動車運送事業を申請者が継続して経営することに対する当該申請者以外の相続人の同意書

施行規則第19条第1項は、申請書に申請者の氏名・住所と被相続人との続柄、被相続人の氏名・住所、相続の開始の日を記載すると定めています。

遺産分割協議書ではありません。

この2つは、決めている中身が違います。

何を決める書類か 使う書類
誰が事業を承継するか 他の相続人全員の同意書
トラックを誰が取得するか 遺産分割協議書、遺言など
車庫・営業所の土地建物を誰が取得するか 遺産分割協議書、遺言など
預貯金・売掛金・債務をどう分けるか 遺産分割協議書など

許可を継ぐ人と、事業に必要な資産を取得する人がずれると動きません。

ただし、別の相続人が取得しても、それだけで認可できなくなるわけではありません。

申請書の添付書類として求められるのは、所有権ではなく使用権原を証する書類です。

自己所有なら車検証の写し、リースならリース契約書の写しが挙げられています。

他の相続人から借りる形でも、契約で示せれば要件は満たせます。

営業所や車庫も同じで、賃貸借契約書等で使用権原を示すことになります。

とはいえ、承継する人と主要な資産の取得者をそろえたほうが手続きは簡潔です。

同意書と遺産分割は、セットで組み立ててください。


承継する相続人本人が、法令試験を受ける

見落とされやすいのが、この点です。

相続認可の申請は、法令試験の対象です。

関東運輸局の相続認可申請書に付いている様式1-1、事業用自動車の運行管理及び整備管理の体制の欄に、「法令試験受験予定者の氏名」を書く場所があります。

戸籍と同意書を出せば終わる手続きではないのです。

個人が申請者になる場合、受験するのは申請者本人です。

つまり、事業を承継する相続人ご本人ということになります。

試験は隔月で実施されています。

関東運輸局が公表している実施分の一覧を見ると、1月、3月、5月、7月、9月、11月に行われています。

ここで、60日という期限が重くのしかかります。

受験の機会が限られているため、承継する人を決めるのが遅れると、日程が合わなくなるのです。

出題数や合格基準、再試験の取扱いは、管轄の運輸局が公示している実施要領によります。

受験の時期と要領は、必ず管轄運輸支局へご確認ください。

戸籍を集めながら、並行して試験の準備を始めることになります。


認可申請でそろえる書類

関東運輸局の申請様式の目次から、求められている内容を整理します。

分類 主な提出・確認事項
相続関係 申請者と被相続人との続柄を証する書類(戸籍謄本等)、相続開始の日
他の相続人 事業を継続して経営することへの同意書
事業計画 事業計画および申請車両明細一覧
管理体制 運行管理および整備管理の体制、有資格の運転者を確保する計画
資金 事業開始に要する資金および調達方法、残高証明書等
施設 営業所・車庫等の概要と付近の状況、使用権原を証する書面、都市計画法等に抵触しない旨の宣誓書
車両 使用権原を証する書類(売買契約書、リース契約書、車検証の写しなど)
試験 法令試験受験予定者の氏名

施設に関する書類には、「変更があった場合に限る」との注記があります。

亡くなった方が使っていた営業所と車庫をそのまま使うのであれば、省略できる書類があるということです。

この点で、新規の許可申請とまったく同じではありません。

ただし、車庫や営業所が故人の所有だった場合は注意が要ります。

使用権原を、承継する人の側で示し直す必要が出てきます。

賃貸なら契約名義、所有なら相続の関係を整理することになります。


誰でも継げるわけではない|欠格事由と許可基準が準用される

第31条第3項は、第5条と第6条を準用しています。

第5条は欠格事由です。

たとえば、1年以上の拘禁刑に処せられて執行を終わった日から5年を経過していない場合、許可を受けられません。

運送事業の許可の取消しを受けて5年を経過していない場合も同じです。

第6条は許可基準です。

三 その事業を自ら適確に、かつ、継続して遂行するに足る経済的基礎及びその他の能力を有するものであること。

事業計画が輸送の安全を確保するため適切であること、車両数や車庫の規模が適切であることも求められます(同条第1号・第2号)。

相続人であるというだけで、認可されるわけではありません。

「父がやっていたのだから同じ体制で続けます」という説明だけでは足りず、承継する方自身がその体制を維持できることを示すことになります。

なお、実務でいちばん詰まるのは管理者です。

亡くなった方が運行管理者や整備管理者を兼ねていた場合、後任が要ります。

有資格者が社内にいないと、そこで手続きが止まります。

資格者の有無は、真っ先に確認してください。


軽貨物は「60日の認可」ではなく「30日以内の死亡届出」

黒ナンバーの貨物軽自動車運送事業は、届出制です(貨物自動車運送事業法第36条第1項)。

一般貨物のような相続認可の制度はありません。

ただし、手続きが無いわけではありません。

同条第5項が、こう定めています。

貨物軽自動車運送事業者が死亡したときは、相続人(相続人が二人以上ある場合においてその協議により当該貨物軽自動車運送事業を承継すべき相続人を定めたときは、その者)は、被相続人の死亡後三十日以内に、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。

死亡後30日以内の死亡届出です。

一般貨物の60日より短いので、注意してください。

相続人が2人以上いる場合に、協議で承継する人を定める点は一般貨物と同じ立て付けになっています。

区分 一般貨物 軽貨物
手続き 相続認可 死亡届出
期限 死亡後60日以内 死亡後30日以内
審査 あり(欠格事由・許可基準) —
法令試験 対象 —
根拠 第31条 第36条第5項

認可が要らないから急がなくてよい、ということではありません。

なお、事業用の軽自動車、いわゆる黒ナンバーの名義も動かす必要があります。

手続きは軽自動車の所有者が死亡したときの名義変更にまとめました。

一方、特定貨物自動車運送事業には第31条が及びます。

第35条第6項が「第三十条から第三十三条まで」を準用しているためです。


事業を継がない場合は、直ちに運輸支局へ相談する

承継しないという選択もあります。

ここで、混同しやすい条文があります。

第32条は、こう定めています。

一般貨物自動車運送事業者は、その事業を休止し、又は廃止しようとするときは、その三十日前までに、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。

これは、事業者自身が事前に届け出る規定です。

既に亡くなっている場面に、そのまま当てはめることはできません。

30日前にさかのぼって届け出ることは、現実にできないからです。

したがって「継ぐなら60日、畳むなら30日前」という対比は成り立ちません。

承継しない場合にすべきことは、まず営業を続けないことです。

そのうえで、次の処理を管轄運輸支局へ直ちに確認してください。

  • 許可の台帳上の処理
  • 緑ナンバー車両の抹消・用途変更・売却
  • 運行管理者・整備管理者に関する処理
  • 事業用自動車等連絡書
  • 営業所・車庫・休憩睡眠施設の扱い
  • 未提出の運賃料金や実績報告

死亡後に承継しない場合の必要書類と時期は、公開資料だけでは一律に定まりません。

運用が管轄によって分かれるため、早い段階で相談してください。

なお、60日を過ぎると、続ける道は新規の許可申請だけになります。

先に方針を決めて、そのうえで期限に合わせて動いてください。


法人が許可を持っていた場合

法人が許可名義であれば、第31条の相続認可は不要です。

許可は法人に残ります。

相続の対象になるのは、亡くなった方が保有していた株式や持分です。

ただし、何もしなくてよいわけではありません。

  • 後任の代表者を選ぶ
  • 代表者の変更登記をする
  • 運輸支局へ役員変更の届出をする
  • 銀行・荷主・保険会社・リース会社へ権限の変更を伝える
  • 故人が運行管理者や整備管理者だった場合は後任を選任する
  • 故人が保有していた株式の相続を整理する

許可が法人に残ることと、会社の意思決定が止まらないことは別です。

とくに、亡くなった方が唯一の取締役だった場合や、議決権の多くを持つ株主だった場合は、株式の相続や権利行使の整理が進まないことで、後任代表者の選任が滞ることがあります。

登記は司法書士、株式をめぐる争いは弁護士の業務になります。

早めに専門家を交えて整理してください。


誰に頼めるか(業際の整理)

手続きごとに、担当できる資格者が分かれます。

やること 担当
相続認可の申請、戸籍の収集、同意書と申請書類の作成 行政書士
合意済みの内容を書面にする遺産分割協議書の作成 行政書士
役員変更登記、不動産の相続登記 司法書士
相続税・準確定申告 税理士
従業員の社会保険・労務手続き 社会保険労務士
相続人の間で争いがある場合の交渉・代理 弁護士

運送業の許可申請は、行政書士の代表的な業務のひとつです。

相続認可も、行政書士が代理で申請できます。

ただし、法令試験は承継する方ご本人が受けるものです。

代わりに受けることはできません。

当法人では、税理士法人トゥモローズと連携しています。

相続税の申告が必要になる場合は、そちらへお引き継ぎします。

なお、事業用の土地には評価を下げる特例があります。

事務所や車庫の建物または構築物の敷地であることなど、複数の要件を満たす場合には、特定事業用宅地等として小規模宅地等の特例の対象になることがあります。

単なる更地では対象になりません。

要件の詳細は関連解説(税理士法人トゥモローズ)「特定事業用宅地等とは?400㎡80%減の要件と計算を税理士が解説」をご確認のうえ、適用の可否は税理士にご相談ください。


よくある質問(FAQ)

Q1. 60日を過ぎてしまいました。もう続けられませんか?

A. 相続認可という形では続けられません。貨物自動車運送事業法第31条第1項が「被相続人の死亡後六十日以内に」と定めているためです。事業を続けるのであれば、承継する方がご自身で新規の許可を申請することになります(同法第3条)。新規申請は、車両数や車庫、資金の要件を含めて一から審査されるため、時間も費用もかかります。なお、許可のない状態で事業用自動車を使って運送を行うことはできません。過ぎてしまった場合は、まず営業を止めたうえで、管轄の運輸支局にご相談ください。

Q2. 相続人が3人いて、まだ協議がまとまっていません。どうすればよいですか?

A. 協議の完了を待って60日を過ぎることは避けてください。第31条第2項のみなし規定は、申請をした場合に働くものだからです。申請をしないまま期限が過ぎると、営業を続ける根拠がなくなります。実務では、まず管轄の運輸支局へ状況を伝え、どの段階の書類で受け付けてもらえるかを確認します。取扱いは管轄によって異なりますので、電話で確認したうえで動いてください。あわせて、事業を承継する方を先に決め、同意書の部分だけ先行して整えておく方法もあります。

Q3. 借入金やトラックのリースが残っています。認可を受けたら全部引き継ぐことになりますか?

A. 認可によって承継されるのは、被相続人の許可に基づく権利義務です(第31条第4項)。借入金、リース契約、個人保証、未払賃金、社会保険料などをどう負担するかは、それぞれの契約内容と相続の処理によって決まる別の問題です。相続放棄や限定承認を検討している場合は、注意が必要になります。事業を続けたいからと故人の口座から支払いをしたり、車両を売却したりすると、相続を承認したと扱われるおそれがあるためです。判断の前に、司法書士または弁護士へご相談ください。

Q4. 事業用の口座が凍結されました。燃料代や給与を払えません。

A. 金融機関が死亡を把握すると口座は凍結されます。相続認可のみなし規定は許可上の空白を埋めるものであって、資金繰りまでは解決しません。実務では、承継する予定の方が一時的に立て替えることもあります。その場合は、支払日・支払先・金額・支払目的を記録し、後日、相続人の間で負担関係を整理します。ただし、故人の預金から直接引き出す行為は、相続放棄を検討している場合に不利に働くことがあります。取引金融機関へ死亡と事業承継の予定を早めに伝え、必要な書類を確認してください。荷主への入金先変更の連絡も、あわせて進めることになります。


相続手続きの料金プランとサポート内容の全体像は、こちらにまとめています。

相続手続き、まるごとおまかせ。行政書士法人トゥモローズの相続手続きサポート

まとめ

本記事の対象は、一般貨物自動車運送事業の許可を個人名義で受けていた方が亡くなった場合です。

続けるなら、死亡後60日以内に国土交通大臣の認可を受けます(貨物自動車運送事業法第31条第1項)。

起算点は亡くなった日で、知った日ではありません。

期限内に申請すれば、死亡の日から通知の日まで、許可が相続人にされたものとみなされます(第31条第2項)。

ただし、埋まるのは許可上の空白だけです。

運行管理者、運転者、車両、資金は、みなし規定では解決しません。

相続人が2人以上いる場合は、承継する1人を定めます。

このとき出すのは、他の相続人全員の同意書です。

トラックや車庫を誰が取得するかは、遺産分割協議書で別に決めます。

そして、相続認可の申請は法令試験の対象です。

承継する方ご本人が受験します。試験は隔月で実施されています。

軽貨物は、認可ではなく死亡後30日以内の死亡届出です(第36条第5項)。

手続きは軽いのに、期限は一般貨物より短くなっています。

なお、承継しない場合は、営業を止めたうえで直ちに運輸支局へご相談ください。

第32条の30日前の届出は、事業者自身が事前に行う規定であり、死亡後の場面にそのまま当てはめることはできません。

行政書士法人トゥモローズは、東京・八丁堀(東京メトロ日比谷線「八丁堀駅」徒歩3分)の事務所を拠点に、首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)とオンライン(Google Meet・全国対応)で、運送業の相続認可、戸籍の収集、遺産分割協議書の作成をお手伝いしています。


あわせて読みたい


根拠法令・公的資料

  • 貨物自動車運送事業法第3条(一般貨物自動車運送事業を経営しようとする者は、国土交通大臣の許可を受けなければならない)
  • 貨物自動車運送事業法第31条第1項(一般貨物自動車運送事業者が死亡した場合において、相続人(相続人が二人以上ある場合においてその協議により当該一般貨物自動車運送事業を承継すべき相続人を定めたときは、その者。次項において同じ。)が被相続人の経営していた一般貨物自動車運送事業を引き続き経営しようとするときは、被相続人の死亡後六十日以内に、国土交通大臣の認可を受けなければならない)
  • 貨物自動車運送事業法第31条第2項(相続人が前項の認可の申請をした場合には、被相続人の死亡の日からその認可をする旨又はその認可をしない旨の通知を受ける日までは、被相続人に対してした一般貨物自動車運送事業の許可は、その相続人に対してしたものとみなす)
  • 貨物自動車運送事業法第31条第3項(第五条及び第六条の規定は、第一項の認可について準用する)※欠格事由と許可基準が適用されます
  • 貨物自動車運送事業法第31条第4項(第一項の認可を受けた者は、被相続人に係る第三条の許可に基づく権利義務を承継する)
  • 貨物自動車運送事業法第32条(一般貨物自動車運送事業者は、その事業を休止し、又は廃止しようとするときは、その三十日前までに、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない)※事業者自身が事前に届け出る規定であり、死亡後の場面にそのまま当てはめることはできません
  • 貨物自動車運送事業法第35条第6項(…第三十条から第三十三条までの規定は特定貨物自動車運送事業者について…準用する)※特定貨物にも第31条が及びます
  • 貨物自動車運送事業法第36条第1項(貨物軽自動車運送事業を経営しようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、営業所の名称及び位置、事業用自動車の概要その他の事項を国土交通大臣に届け出なければならない)
  • 貨物自動車運送事業法第36条第5項(貨物軽自動車運送事業者が死亡したときは、相続人(相続人が二人以上ある場合においてその協議により当該貨物軽自動車運送事業を承継すべき相続人を定めたときは、その者)は、被相続人の死亡後三十日以内に、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない)
  • 貨物自動車運送事業法第6条第3号(その事業を自ら適確に、かつ、継続して遂行するに足る経済的基礎及びその他の能力を有するものであること)
  • 貨物自動車運送事業法施行規則第19条第1項(法第三十一条第一項の規定により相続による一般貨物自動車運送事業の継続の認可を申請しようとする相続人は、次に掲げる事項を記載した事業の継続認可申請書を提出しなければならない。一 氏名及び住所並びに被相続人との続柄 二 被相続人の氏名及び住所 三 相続の開始の日)
  • 貨物自動車運送事業法施行規則第19条第2項第3号(申請者以外に相続人がある場合にあっては、当該一般貨物自動車運送事業を申請者が継続して経営することに対する当該申請者以外の相続人の同意書)
  • 租税特別措置法第69条の4第1項(…被相続人等の事業の用又は居住の用に供されていた宅地等…で財務省令で定める建物又は構築物の敷地の用に供されているもの…)※更地は対象になりません

公的機関・根拠リンク

アバター画像

この記事の執筆者:大塚 英司

行政書士法人トゥモローズ 代表行政書士(日本行政書士会連合会 登録番号 第18082222号)
税理士(東京税理士会新宿支部 登録番号 117702)

相続を専門に取り扱う行政書士・税理士。相続手続き・遺言・おひとりさま終活の実務に幅広く従事し、戸籍収集や遺産分割協議書の作成から、死後事務委任契約・任意後見契約といった生前対策の設計まで、ご相談者お一人おひとりの状況に応じて丁寧にサポートしている。