遺産分割協議書は自分で作れる?行政書士に依頼するケース・費用・流れ
10秒でわかる この記事の要約
- 遺産分割協議書は、相続人全員の合意した分け方を書面にしたもの。不動産の相続登記・預貯金の解約・相続税申告などで必要。
- 自分でも作れるが、財産の特定不足や全員の署名・実印・印鑑証明の不備で、法務局・金融機関に受け付けられないことがある。
- 相続人が多い・疎遠、未成年者や行方不明者がいる、数次相続などのケースは手続きが複雑で専門家向き。
- 行政書士は争いがない前提で戸籍収集・財産調査・協議書作成を支援。費用は範囲・内容で変わるので見積もりで確認を。
「遺産分割協議書は自分で作れるのか、専門家に頼むべきか」。相続手続きを進めるなかで、多くの方が迷うポイントです。結論からいえば、自分でも作れます。ただし、書き方の不備や財産の特定漏れがあると、法務局や金融機関で受け付けてもらえず、作り直しになることもあります。
本記事では、相続を専門に扱う行政書士法人トゥモローズが、遺産分割協議書を自分で作る場合と行政書士に依頼するケース・費用・流れを整理します。なお、具体的な書き方のルールはグループの税理士法人トゥモローズの解説が詳しいため、要所でご案内します。相続登記は提携司法書士、相続税は税理士法人トゥモローズ、相続人間で争いがある場合は弁護士と連携します。
遺産分割協議書とは・いつ必要か
遺産分割協議書とは、相続人全員で「誰が・どの財産を・どれだけ受け取るか」を話し合い(遺産分割協議)、合意した内容を書面にまとめたものです。相続人全員の合意を証明する、相続手続きの基礎となる書類です。
主に、不動産の相続登記(法務局)、預貯金の解約、証券・自動車の名義変更、相続税の申告などで提出を求められます。一方、有効な遺言ですべての分け方が決まっている場合や、相続人が1人だけの場合などは、作成が不要なこともあります。どの手続きで必要になるかの詳細は、税理士法人トゥモローズの解説が網羅的なので、そちらをご覧ください。本記事では「自分で作るか・行政書士に依頼するか」の判断に絞ります。
▶ 関連解説(税理士法人トゥモローズ):遺産分割協議書はいつ必要?|必要になる手続きは6つ
遺産分割協議書だけの作成依頼も可能です
「合意はできているが、金融機関や法務局で使える協議書になるか不安」「戸籍収集や財産調査から任せたい」「数次相続・未成年者・行方不明者がいて整理が難しい」という方へ。争いのない相続を前提に、戸籍収集・相続人確定・財産資料の整理・遺産分割協議書の作成まで対応します。相続登記は提携司法書士、相続税は税理士法人トゥモローズと連携してご案内します。
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自分で作れる。でも「不備で受け付けられない」に注意
遺産分割協議書は、決まった書式があるわけではなく、自分で作ることもできます。費用をかけずに進めたい、財産がシンプルで相続人も少ない、という場合は十分に可能です。
ただし、次のような不備があると、法務局や金融機関で受け付けてもらえないことがあります。
- 財産の特定があいまい:不動産は登記事項証明書のとおりに、預貯金は金融機関・支店・口座番号まで正確に書く必要がある
- 相続人全員が参加していない:1人でも欠けると、その協議は無効
- 署名・押印の不備:実印での押印と、印鑑証明書の添付が求められるのが一般的
- 記載漏れ:あとから財産が見つかったときの取り決めがない
こうした書き方のルールを誤ると、作り直しで二度手間になります。無効にならない書き方の詳細は、税理士法人トゥモローズの解説が網羅的です。自分で作る場合は、あわせて確認しておくと安心です。
▶ 関連解説(税理士法人トゥモローズ):これだけは押さえよう|遺産分割協議書が無効にならない書き方
なお、相続手続き全体を自分でやるか専門家に頼むかの判断軸は、別記事「相続手続きは自分でできる?専門家に頼むべき人の判断基準」で整理しています。
行政書士に依頼したほうがよいケース
次のようなケースは、自分だけで進めると負担やつまずきが大きく、専門家に相談したほうが安心です。
- 相続人が多い・疎遠で連絡が取りにくい:戸籍の収集や全員の署名・実印集めに手間がかかる
- 相続人に未成年者がいる:親権者と子の利益が対立する遺産分割では、家庭裁判所で特別代理人の選任が必要になることがある(民法826条)
- 相続人に行方不明者がいる:不在者財産管理人の選任に加え、その管理人が遺産分割を行うには家庭裁判所の権限外行為許可が必要になることがある
- 数次相続が起きている:相続の途中で別の相続人が亡くなり、関係者が増えて書き方が難しい
- 財産の種類が多い・把握できていない:調査に時間がかかり、漏れると作り直しになる
これらに当てはまるほど、「自分で進める時間と手間」と「専門家に頼む費用」を比べて判断する意味が大きくなります。数次相続の協議書の書き方は、税理士法人トゥモローズの解説も参考になります。
▶ 関連解説(税理士法人トゥモローズ):数次相続が発生した遺産分割協議書の書き方をわかりやすく徹底解説
誰に頼む?費用の考え方
遺産分割協議書まわりは、困っている内容によって依頼先が変わります。
- 行政書士:争いがない前提での、戸籍収集・相続人の確定・財産資料の整理・遺産分割協議書の作成・預貯金解約等に必要な書類整理と手続支援
- 司法書士:不動産の相続登記(本人が自分で申請することもできますが、代理で依頼する場合は司法書士の業務)
- 税理士:相続税の試算・申告
- 弁護士:相続人間で争いがある場合の交渉・代理
費用は、依頼する範囲(協議書の作成だけか、戸籍収集や財産調査も含むか)・財産の種類や量・相続人の数によって変わります。相続登記や相続税申告が必要なら、その費用も加わります。「いくらかかるか」は内容で変わるため、依頼前に範囲と内訳の見積もりを確認するのが確実です。複数の専門家が必要な場合は、窓口を一本化できる事務所に相談すると、戸籍・財産資料の共有や連携がスムーズです。
詳しい士業別の違いは「相続は誰に頼む?行政書士・司法書士・税理士・弁護士の違い」、必要書類は「相続手続きの必要書類一覧」で解説しています。
自分で作る場合と依頼する場合の比較
| 項目 | 自分で作る | 行政書士に依頼する |
|---|---|---|
| 費用 | 実費中心で抑えられる | 報酬がかかる(範囲・内容で変動) |
| 手間・時間 | 戸籍収集・財産調査・作成を自分で行う | 手間を減らせる |
| 不備のリスク | 財産特定・署名押印の不備で受け付け不可も | 不備や漏れを減らしやすい |
| 複雑な相続 | 数次相続・未成年者・行方不明者の対応が難しい | 整理・連携を任せられる |
| 向いている人 | 相続人が少なく財産がシンプル・時間が取れる | 相続人が多い・複雑・平日に動けない |
財産がシンプルで相続人も少ないなら自分で作る選択もありますが、事情が複雑なほど、専門家に頼む価値が大きくなります。全部を任せる必要はなく、協議書の作成だけを依頼することもできます。
相続手続きの全体像や必要書類については、こちらもあわせてご覧ください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 遺産分割協議書は必ず作らないといけませんか?
A. 場面によります。不動産の相続登記、金融機関での預貯金の解約、相続税の申告などでは、遺産分割協議書の提出を求められるのが一般的です。一方、有効な遺言ですべての財産の分け方が決まっている場合や、相続人が1人だけの場合などは、作成が不要なこともあります。まず自分のケースで必要かどうかを確認するのが出発点です。
Q2. 遺産分割協議書は自分で作っても大丈夫ですか?
A. 自分で作ることもできます。ただし、財産の書き方が不正確だったり、相続人全員の署名・実印や印鑑証明書がそろっていなかったりすると、法務局や金融機関で受け付けてもらえないことがあります。作り直しになると手間がかかるため、書き方のルールを確認し、不安があれば専門家のチェックを受けると安心です。
Q3. 遺産分割協議書の作成を行政書士に頼むと、何をしてくれますか?
A. 争いがない前提で、戸籍の収集による相続人の確定、財産資料の整理、遺産分割協議書の作成、預貯金解約等に必要な書類整理・手続支援を行います。不動産の相続登記は司法書士、相続税の申告は税理士、相続人間で争いがある場合の交渉・代理は弁護士の業務のため、必要に応じて連携して進めます。
Q4. 依頼する場合の費用はどのくらいですか?
A. 費用は、依頼する範囲(協議書の作成だけか、戸籍収集や財産調査も含むか)、財産の種類や量、相続人の数によって変わります。相続登記が必要なら司法書士、相続税申告が必要なら税理士の費用も加わります。総額は内容で変わるため、依頼前に範囲と内訳の見積もりを確認するのが確実です。
Q5. 相続人に未成年者や行方不明者がいる場合はどうなりますか?
A. そのままでは協議を進められないことがあります。未成年の子と親がともに相続人で、両者の利害がぶつかる場合は、家庭裁判所に特別代理人を選んでもらう必要が出てきます。相続人が行方不明のときは、不在者財産管理人を立てたうえで、その人が分割に加わるには家庭裁判所の許可(権限外行為許可)が別途必要です。いずれも手続きが増えるため、早めに専門家へご相談ください。
Q6. 遺産分割協議書を作ったあとに、やり直すと税金はかかりますか?
A. いったん有効に成立した遺産分割を相続人の合意でやり直すと、財産の移転とみなされて贈与税や譲渡所得税の対象になることがあります。一方、協議に無効・取消しの原因がある場合などは扱いが異なります。税務の判断は税理士の業務のため、やり直しを検討する場合は事前に税理士へ確認することが大切です。
まとめ
遺産分割協議書は、相続人全員の合意した分け方を書面にしたもので、不動産の相続登記・預貯金の解約・相続税申告などで必要になります。自分でも作れますが、財産の特定不足や、全員の署名・実印・印鑑証明の不備があると、法務局や金融機関で受け付けられず作り直しになることがあります。書き方のルールは事前に確認しておきましょう。
相続人が多い・疎遠、未成年者や行方不明者がいる、数次相続が起きている、といったケースは手続きが複雑で、専門家に頼む価値が大きくなります。行政書士は、争いのない前提で戸籍収集・財産調査・協議書作成を支援します。全部を任せる必要はなく、協議書の作成だけの部分依頼も可能です。費用は範囲・内容で変わるため、見積もりで内訳を確認して判断しましょう。
行政書士法人トゥモローズは、東京・八丁堀(東京メトロ日比谷線「八丁堀駅」徒歩3分)を拠点に、首都圏とオンライン(Google Meet・全国対応)で、相続手続きのご相談に対応しています。相続登記は提携司法書士、相続税は税理士法人トゥモローズ、争いがある場合は弁護士と連携します。
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遺産分割協議書の書き方・必要な手続きもあわせてご確認ください
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根拠法令・公的資料
- 民法第906条(遺産分割の基準)・第907条(遺産分割の協議・審判等)・第909条(遺産分割の遡及効)
- 民法第826条(利益相反行為・特別代理人)・第25条以下(不在者財産管理人)
- 税理士法第2条・第52条(相続税の計算・申告は税理士の業務)/司法書士法第3条(登記申請の代理)
- 行政書士法第1条の3(業務)・第1条の4(相談等)。他の法律で制限された業務を除く
