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公正証書遺言の検索方法|遺言検索システムで遺言の有無を調べる

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遺言書作成

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行政書士法人トゥモローズ 代表行政書士(日本行政書士会連合会 登録番号 第18082222号)

大塚 英司


10秒でわかる この記事の要約

  • 故人が公正証書遺言を残したか不明なときは、日本公証人連合会の「遺言検索システム」で全国の有無を調べられる(平成元年以降の作成分・検索の申出は無料)。
  • 遺言者の死亡後、相続人・受遺者・遺言執行者などの利害関係人が、最寄りの公証役場で照会できる。生前は本人のみ。
  • 検索で分かるのは遺言の有無・作成役場などの情報。内容(謄本)は作成した公証役場で別途請求する。公正証書遺言は検認が不要。
  • 自筆証書遺言は、法務局の保管制度なら「遺言書保管事実証明書」で有無を、「遺言書情報証明書」で内容を確認でき、検認も不要。遺産分割の前にまず有無を確認する。

「親が遺言を残していたかもしれないが、見つからない」。相続では、こうした場面がよくあります。遺言があるかどうか分からないまま遺産分割を進めてしまうと、後から遺言が出てきて、協議をやり直すことになりかねません。

実は、公正証書遺言については、全国の有無をまとめて検索できる「遺言検索システム」があります。本記事では、遺言を専門に扱う行政書士法人トゥモローズが、公正証書遺言の検索方法・必要書類・流れと、自筆証書遺言の確認方法までを整理します。


公正証書遺言は「遺言検索システム」で調べられる

公正証書遺言は、公証役場で公証人が作成し、その情報が日本公証人連合会のシステムに登録されています。この仕組みを使った「遺言検索システム」により、全国の公証役場で作成された公正証書遺言の有無を、まとめて調べられます。検索の申出自体は無料です。

このシステムには、平成元年(1989年)以降に作成された公正証書遺言の情報が登録されています(それより前の遺言は登録されていない可能性があるため、作成役場が分かる場合は個別に確認します)。遺言を作成した公証役場が遠方であっても、検索によって、その存在を確認できます。「どこかの公証役場で遺言を作ったらしいが、どこか分からない」というときに、有力な手がかりになります。

故人が「遺言を作った」と言っていた、あるいは作った可能性があると感じたら、まずこの遺言検索システムで確認するのが、相続手続きの確実な第一歩です。


検索できる人・必要書類(死亡後は利害関係人)

遺言検索を請求できる人は、時期によって異なります。

  • 遺言者の生存中:原則として、遺言者本人しか検索できません(プライバシー保護のため)
  • 遺言者の死亡後相続人・受遺者・遺言執行者などの利害関係人が検索を請求できます

死亡後に相続人などが請求する場合、一般的に次の書類が必要です。

書類内容
遺言者の死亡が分かる書類除籍謄本など
請求者が相続人等であることを示す書類戸籍謄本など(続柄の確認)
請求者の本人確認書類顔写真付きの運転免許証・マイナンバーカードなど

請求者が相続人の場合は、上記の戸籍などで相続人であることを示します。受遺者や遺言執行者として請求する場合は、遺言の存在や立場を示す資料が必要になることがあります。また、相続人本人ではなく代理人が請求するときは、委任状や印鑑登録証明書(発行後3か月以内など)を求められることがあります。

請求は、全国どこの公証役場でもできます。遠方の公証役場で作成された遺言でも、最寄りの公証役場で有無を調べられます。必要書類は事案や立場により異なるため、事前に公証役場へ確認してから出向くとスムーズです。


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検索から内容確認までの流れ

遺言検索システムで分かるのは、公正証書遺言の有無と、作成した公証役場・作成日・証書番号などの情報です。検索だけでは、遺言の内容そのものは分かりません。

そのため、流れは次の二段階になります。

  1. 有無の検索:最寄りの公証役場で、遺言検索を請求し、公正証書遺言があるか・どの公証役場で作成されたかを確認する
  2. 内容の確認:遺言があった場合、その遺言を作成した公証役場で、遺言公正証書の謄本を請求して内容を確認する

内容の請求は、原則として作成した公証役場で行います。謄本の発行には所定の手数料がかかり、遠方の場合の郵送対応の可否・必要書類は、作成した公証役場へ確認します。公正証書遺言は、自筆証書遺言と違い家庭裁判所の検認が不要です(民法第1004条第2項)。内容が確認できれば、その遺言にもとづいて相続手続きを進められます。


自筆証書遺言の確認方法

遺言検索システムで調べられるのは、あくまで公正証書遺言です。自筆証書遺言は対象外ですが、別の方法で確認できる場合があります。

故人が法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用していた場合、相続人などは、次の2つの証明書を使い分けます。

証明書目的
遺言書保管事実証明書法務局に自分が関係する自筆証書遺言が保管されているか(有無)を確認する
遺言書情報証明書保管されている遺言書の内容を確認し、相続手続きに使う

まず「遺言書保管事実証明書」で保管の有無を確認し、保管が確認できたら「遺言書情報証明書」を取得して内容を確認する流れです。法務局に保管されている自筆証書遺言は、家庭裁判所の検認が不要です(法務局における遺言書の保管等に関する法律第11条)。なお、相続人などの1人が遺言書情報証明書の交付を受けると、法務局(遺言書保管官)から、ほかの相続人などに対して、その遺言書を保管している旨が通知されます(同法第9条第5項)。

保管制度を使っていない自筆証書遺言は、自宅・貸金庫・親族や専門家への預け先・重要書類の保管場所などを確認して探します。銀行の貸金庫に入っている可能性もあります。こうして見つかった自筆証書遺言は、原則として家庭裁判所の検認が必要です。

確認方法のまとめ

遺言の種類有無の確認方法内容の確認検認
公正証書遺言公証役場の遺言検索システム作成公証役場で謄本請求不要
法務局保管の自筆証書遺言遺言書保管事実証明書遺言書情報証明書不要
自宅保管の自筆証書遺言自宅・貸金庫・親族・専門家保管先を確認現物を確認原則必要
秘密証書遺言保管場所・公証関係資料を個別確認現物を確認原則必要

遺産分割の前に確認を|後から見つかった場合

大切なのは、遺産分割を始める前に、遺言の有無を確認することです。公正証書遺言は遺言検索システム、自筆証書遺言は法務局の保管制度と、それぞれの方法でまず有無を確認してから手続きを進めましょう。

それでも、遺産分割協議の後に遺言が見つかることがあります。この場合、常に機械的にすべてやり直しになるとは限りません。遺言の内容、遺言執行者の有無、相続人・受遺者全員の合意、すでに行った名義変更や処分、相続税の申告状況によって対応が変わります。遺言の内容によっては、遺産分割のやり直し、名義変更の再整理、相続税申告の修正が必要になることもあります。発見された遺言の内容を確認したうえで、方針を判断することが大切です。

遺言の確認・戸籍の収集・相続手続きの整理は行政書士が対応し、遺言の有効性や分割済み財産をめぐる争いは弁護士、不動産登記は司法書士、相続税の申告は税理士法人トゥモローズと連携します。遺言の有無は相続税の申告内容にも影響するため、税務面もあわせて確認します。

▶ 関連解説(税理士法人トゥモローズ):公正証書遺言の効果と作成方法をわかりやすく解説!!


遺言の作成・確認や相続手続きについては、こちらもあわせてご覧ください。

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よくある質問(FAQ)

Q1. 故人が遺言を残したか分かりません。調べる方法はありますか?

A. 公正証書遺言については、日本公証人連合会の「遺言検索システム」で、全国の公証役場で作成された公正証書遺言の有無を調べられます。相続人などの利害関係人が、最寄りの公証役場で照会を請求できます。自筆証書遺言は、法務局の保管制度を使っていれば、遺言書保管事実証明書で保管の有無を確認できます。

Q2. 遺言検索は誰でもできますか?

A. 遺言者の生存中は、原則として遺言者本人しか検索できません。遺言者が亡くなった後は、相続人・受遺者・遺言執行者などの利害関係人が検索を請求できます。請求の際は、遺言者の死亡が分かる書類や、請求者が相続人等であることを示す戸籍、本人確認書類などが必要です。

Q3. 検索すると遺言の内容まで分かりますか?

A. 遺言検索システムで分かるのは、公正証書遺言の有無と、作成した公証役場・作成日・証書番号などの情報です。遺言の内容そのものは、作成した公証役場で別途、遺言公正証書の謄本を請求して確認します。検索でまず存在を特定し、その後に内容を取り寄せる、という二段階になります。

Q4. どこの公証役場で検索できますか?

A. 遺言検索の照会は、全国どこの公証役場でも請求できます。遺言が作成された公証役場が遠方でも、最寄りの公証役場で有無を調べられます。ただし、遺言の内容(謄本)の請求は、原則としてその遺言を作成した公証役場で行います。まず近くの公証役場で検索し、必要に応じて作成役場へ謄本を請求します。

Q5. 遺言を探さずに遺産分割を進めても大丈夫ですか?

A. おすすめできません。遺産分割協議を終えた後に遺言が見つかると、遺言の内容によっては協議をやり直すことになり、手続きの二度手間や争いの原因になります。遺言があるか不明な場合は、まず遺言検索システムや法務局の保管制度で有無を確認してから、遺産分割を進めるのが安全です。

Q6. 法務局に預けられた自筆証書遺言は、どう確認しますか?

A. 法務局の自筆証書遺言書保管制度では、2つの証明書を使い分けます。まず「遺言書保管事実証明書」で、自分が関係する遺言書が保管されているかどうか(有無)を確認します。保管が確認できたら、「遺言書情報証明書」を取得して内容を確認し、相続手続きに使います。法務局に保管された自筆証書遺言は、家庭裁判所の検認が不要な点も特徴です。


まとめ

故人が公正証書遺言を残したか不明なときは、日本公証人連合会の「遺言検索システム」で、全国の公正証書遺言の有無を調べられます(平成元年以降の作成分・申出は無料)。遺言者の死亡後、相続人などの利害関係人が、最寄りの公証役場で照会できます。検索で分かるのは有無・作成役場などで、内容は作成した公証役場で謄本を請求します。公正証書遺言は検認が不要です。自筆証書遺言は、法務局の保管制度なら遺言書保管事実証明書で有無を、遺言書情報証明書で内容を確認でき、検認も不要です。遺産分割を始める前に、まず遺言の有無を確認することが、やり直しや争いを防ぐ確実な進め方です。万一あとから遺言が見つかった場合も、内容や関係者の合意に応じて、専門家と連携して対応を判断します。

行政書士法人トゥモローズは、東京・八丁堀(東京メトロ日比谷線「八丁堀駅」徒歩3分)を拠点に、首都圏とオンライン(Google Meet・全国対応)で、遺言の確認を含む相続手続きのご相談に対応しています。相続税は税理士法人トゥモローズと連携します。


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根拠法令・公的資料

  • 公証人法(公正証書・公証人制度の根拠)
  • 民法第969条(公正証書遺言)・第1004条第1項(遺言書の検認)・第1004条第2項(公正証書遺言は検認不要)・第1005条(検認・開封違反の過料)
  • 法務局における遺言書の保管等に関する法律(自筆証書遺言書保管制度。第9条で遺言書情報証明書の交付・他の相続人等への通知、第11条で法務局保管の遺言書は検認不要)
  • 税理士法第2条・第52条(相続税の計算・申告は税理士の業務)
  • 行政書士法第1条の3(業務)・第1条の4(相談等)。他の法律で制限された業務を除く

公的機関・根拠リンク

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この記事の執筆者:大塚 英司

行政書士法人トゥモローズ 代表行政書士(日本行政書士会連合会 登録番号 第18082222号)
税理士(東京税理士会新宿支部 登録番号 117702)

相続を専門に取り扱う行政書士・税理士。相続手続き・遺言・おひとりさま終活の実務に幅広く従事し、戸籍収集や遺産分割協議書の作成から、死後事務委任契約・任意後見契約といった生前対策の設計まで、ご相談者お一人おひとりの状況に応じて丁寧にサポートしている。