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昭和22年5月2日以前の相続|旧民法の家督相続人・遺産相続人の調べ方

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相続手続き

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行政書士法人トゥモローズ 代表行政書士(日本行政書士会連合会 登録番号 第18082222号)

大塚 英司


10秒でわかる この記事の要約

  • 「祖父名義のままの土地が見つかった」「何十年も動いていない名義人が、もう何代も前の人だった」——。長く名義変更されずに残った財産を手続きしようとすると、まず立ちはだかるのが「当時の法律で誰がどう承継したか」という問題です。
  • ポイントは相続がいつ・どんな原因で開始したかです。おおむね明治31年7月16日から昭和22年5月2日までに開始した相続は、原則として旧民法(家督相続・遺産相続)で処理します。しかも家督相続は死亡だけでなく、隠居などでも開始しました。現在の民法の感覚のままでは、承継者を取り違えるおそれがあります。
  • 古い相続を放置してきた場合、その後さらに承継者が亡くなり(数次相続)、各代で当時の法律が異なるため、代ごとに適用法を確認しながら権利関係をたどる、根気のいる作業になります。現在の相続人が多数になることも珍しくありません。
  • 本記事では、適用される法律の期間区分、戸主の家督相続と家族の遺産相続の区別、家督相続人・遺産相続人の順位、経過規定、古い戸籍と数次相続の調べ方までを、戸籍収集を専門に扱う行政書士が解説します(不動産の登記は司法書士、相続税は税理士、相続資格や帰属に争いがある場合は弁護士と連携します)。

最初に確認する8つのポイント

最初に確認すること 意味
名義人の死亡日 適用される法律の基本判定
隠居などの記載 死亡前に家督相続が開始していないか
戸主か家族か 家督相続か遺産相続か
家督相続人の記載 原則的な単独承継者
明治31年7月16日より前か 明治民法施行前は個別検討
昭和22年5月3日以後か 応急措置法・戦後民法の確認
後続相続人の死亡日 各代の適用法の確認
相続登記の有無 令和9年3月31日等の期限確認

「相続登記のために相続関係を整理してほしい」と司法書士や銀行から言われた。けれども、名義人が家督を継いだのは戦前——。こうしたご相談は実務で確実に一定数あります。

長年放置された財産の手続きでいちばん重いのは、当時の法律にもとづく権利関係の整理です。開始の時期と原因によって適用される法律が変わり、承継者もその後の数次相続も、各代で判定し直す必要があります。

この分野は、旧戸籍の収集と相続関係の整理・相続関係説明図や財産目録の作成・遺産分割協議書の作成という、行政書士の中心業務に直結します。不動産の相続登記は司法書士、相続税の申告は税理士、相続資格や所有権の帰属に争いがある場合は弁護士が担い、行政書士はこれらと連携して手続き全体を支えます。


「いつ・どんな原因で相続が開始したか」で適用法が変わる

適用される法律の期間区分

古い相続では、開始の時期によって、承継者を決める法律が変わります。おおまかな区分は次のとおりです。

相続等の開始時期 原則的な取扱い
明治31年7月15日以前 明治民法の施行前。当時の法令・慣習等を個別に確認
明治31年7月16日〜昭和22年5月2日 原則として旧民法。戸主なら家督相続、家族なら遺産相続
昭和22年5月3日〜12月31日 応急措置法。家督相続は適用せず、同法の相続順位・相続分
昭和23年1月1日〜昭和55年12月31日 戦後民法。ただし法定相続分は現在と異なる
昭和56年1月1日以後 昭和55年改正後の法定相続分
平成13年7月1日〜平成25年9月4日 既に確定した法律関係を除き、嫡出でない子と嫡出子を同等に扱う可能性(最高裁違憲決定の影響)
平成25年9月5日以後 改正民法により嫡出でない子と嫡出子の相続分を同等に

注意したいのは、明治民法(親族編・相続編)は明治31年7月16日の施行であり、それより前に開始した相続に明治民法を機械的にあてはめてはいけない点です。また、後続する数次相続も、それぞれの相続開始時に施行されていた法律で判定します。「昭和23年以後は現在の民法と同じ」ではなく、昭和55年改正(昭和56年1月1日〜)や平成25年改正(平成25年9月5日〜)で法定相続分が変わっている点にも注意が必要です。

応急措置法期間(昭和22年5月3日〜12月31日)の相続

この短い期間は、家督相続の規定は適用されません。相続順位は直系卑属→直系尊属→兄弟姉妹で、配偶者は常に相続人です。配偶者の相続分は、直系卑属と共同なら3分の1、直系尊属と共同なら2分の1、兄弟姉妹と共同なら3分の2です。

家督相続は「死亡」だけで開始したわけではない

旧民法964条により、家督相続は次の原因で開始しました。

  1. 戸主の死亡・隠居・国籍の喪失
  2. 戸主が、婚姻または養子縁組の取消しによってその家を去ったとき
  3. 女戸主の入夫婚姻、または入夫の離婚

そのため、死亡日だけでなく、旧戸籍に記録された家督相続の原因・開始日を確認する必要があります。最初に確認するのは、戸主・家族の別/家督相続日/家督相続の原因/前戸主/家督相続人/隠居・入夫婚姻等の記載/財産留保の可能性です。


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戸主の「家督相続」と家族の「遺産相続」を区別する

旧民法には、名義人が戸主か、戸主以外の家族かで、性格の異なる2種類の相続がありました。

旧戸籍上の立場 相続の種類 原則
戸主 家督相続 家督相続人1人が権利義務を承継
戸主以外の家族 遺産相続 旧民法994条以下の順位で相続

家族の遺産相続の順位

戸主以外の家族が亡くなったときの遺産相続では、旧民法994条以下により、①直系卑属→②直系卑属がいなければ配偶者→③配偶者もいなければ直系尊属→④それもいなければ戸主の順で相続人になりました。現在の民法のように、配偶者が常に子と共同で相続する制度ではありません

家督相続人の順位——「男が先」だけではない(旧民法970条)

家督相続人は、単純に長男で決まるわけでも、「男が常に女より先」でもありません。まず旧戸籍上、被相続人の家に属する直系卑属かを確認し(旧民法970条は「被相続人の家族たる直系卑属」を対象とします)、次の順で1人に絞られました。

旧民法970条の優先順位 内容
① 親等 被相続人に親等の近い直系卑属が優先
② 性別 同じ親等なら男が女に優先
③ 嫡出の別 同じ親等の男女それぞれでは、嫡出子が優先
④ 嫡出子・庶子と私生子 嫡出子・庶子は、女であっても私生子より優先
⑤ 年齢 以上が同じなら年長者

たとえば、嫡出子である長女は、庶子や私生子である男子より先になり得ます。被相続人より先に死亡した家督相続人がいる場合の代襲に相当する規定(旧民法974条)や、養子・入籍・離籍等による家族身分も確認します。この順位で定まる者を法定の推定家督相続人(第1種法定家督相続人)といいます。

推定家督相続人がいない場合の「5段階の全体順位」

法定の推定家督相続人がいない場合でも、直ちに自由な選定に進むわけではありません。次の5段階の順に確認します。とくに旧民法984条は「選定」ではなく、家に属する直系尊属のうち親等の最も近い者が法律上当然に家督相続人となる(第2種法定家督相続人)規定である点に注意が必要です。

順位 種類 根拠(旧民法)
1 法定の推定家督相続人 970条・972条・974条
2 指定家督相続人 979条〜981条
3 第1種選定家督相続人 982条
4 第2種法定家督相続人 984条
5 第2種選定家督相続人 985条

戸籍に家督相続人・家督相続日・原因が明記されている場合は、その記載を起点に整理します。現在の相続人が任意に家督相続人を選び直せる制度ではありません

家督相続人が全財産を取得しない例外——財産留保・国籍喪失

家督相続は原則として1人が全部を承継しますが、例外があります。隠居する戸主や、入夫婚姻をする女戸主は、確定日付のある証書によって財産を留保できました(旧民法988条)。また、国籍の喪失による家督相続では、家督相続人が承継する権利の範囲が限定される(旧民法990条)取扱いがありました。旧戸籍に隠居・入夫婚姻・国籍喪失の記載がある場合は、留保財産の有無や承継範囲を個別に確認します。


戦前の名義のままで止まっている相続を、旧戸籍の読み解きと事実関係の整理から支えます。

旧戸籍から相続開始日・原因・戸主か家族か・家督相続人などの事実関係を整理し、弁護士・司法書士による法的確認と登記判断に利用できる資料を作成します。東京・八丁堀の行政書士法人トゥモローズが、旧戸籍・除籍・改製原戸籍の収集、家督相続・遺産相続・数次相続を反映した相続関係説明図や遺産分割協議書の作成を、相続人からの委任に応じて支援します。適用法や所有権帰属の法的判断は弁護士、登記は司法書士、相続税は税理士へ連携し、手続き全体を支えます(全国オンライン相談・郵送に対応)。初回相談無料。

03-6280-5188

平日 9:00〜21:00 土日祝 9:00〜17:00


経過規定と数次相続——各代の適用法を確認する

「決まっていなければ新民法」ではない

経過規定はしばしば誤解されます。正しくは、昭和22年5月2日以前に家督相続が開始していても、昭和23年1月1日以後に旧民法上の選定家督相続人を選定すべき状態であった場合には、昭和22年法律222号附則25条2項により新民法が適用されます。単に名義変更・届出がされていない、戸籍調査が未了というだけで新民法へ切り替わるわけではありません

財産分配請求の経過措置(附則27条)——現在は新たに行えない

日本国憲法公布日である昭和21年11月3日以後に戸主の死亡による家督相続が開始した場合には、同法附則27条による財産分配請求の経過措置が存在しました。ただし、この財産分配請求は現在新たに行えるものではありません。協議に代わる処分を家事審判所へ請求できる期間は、昭和23年1月1日の新法施行から1年以内に限られていました。現在の調査では、その期間中に分配協議や審判が行われ、すでに権利関係が変動していないかを資料で確認します。

数次相続は各代の開始時の法律で判定する

家督相続人がその後亡くなれば、その人を次の被相続人として相続がつながります(数次相続)。このとき、各代の相続は、その相続開始日に施行されていた民法・経過規定で相続人と相続分を判定します。「昭和23年以後だから現在と同じ」ではなく、昭和55年改正(昭和56年〜)や平成25年改正(嫡出でない子の相続分)など、各代の時点の法を確認します。何代も積み重なると現在の関係者が多数になり、面識のない遠縁が含まれることもあるため、相続関係説明図で全体像を可視化します。財産の洗い出しは相続財産の調べ方の記事もご覧ください。


古い戸籍の集め方——旧戸籍・除籍を段階ごとに読み解く

必要な戸籍の範囲は「各段階と身分」で変わる

必要となる戸籍の範囲は、各相続段階と戸籍上の身分によって異なります。元の名義人については、死亡・隠居等の家督相続原因、戸主・家族の別、家督相続人の記載を含む旧戸籍を確認し、その後は各被相続人について、相続関係を整理するのに必要な戸籍を順次収集します。「とにかく全員分の連続戸籍を機械的に集める」のではなく、段階ごとに必要な範囲を見極めます。

旧戸籍で確認する主な項目

戦前の戸籍は手書き(毛筆)で、旧字体や変体仮名が混じり、様式も現在と異なります。確認するのは、戸主・前戸主・家督相続人・家督相続年月日・家督相続原因・入籍・離籍・隠居・養子縁組や離縁・入夫婚姻・廃家や絶家や分家などの記載です。読み方の基本は改製原戸籍の記事、集め方は相続の戸籍収集の記事で解説しています。

戸籍が滅失している場合

戦災・災害で戸籍が焼失・滅失していることもあります。その場合は、市区町村の滅失・廃棄に関する証明、残存する戸籍・除籍、旧登記簿・土地台帳、親族関係の資料、関係者の上申書などを組み合わせて検討します。必要な資料と受理の可否は、提出先・事案によって異なります。不動産登記が関わる場合は、司法書士を通じて管轄法務局へ事前に確認します。


相続関係を整理した後の手続きと、専門家の役割分担

単独承継の段階と、共同相続の段階を分けて考える

家督相続で1人が単独承継している段階では、その家督相続人を次の被相続人として後続相続をたどります。この段階では、他の親族全員の同意が必要になるわけではありません。一方、遺産相続や、その後の民法下の相続で共同相続となった段階については、必要に応じて、その段階の権利承継者による遺産分割協議を行います。

協議が調わない場合

共同相続となっている段階で全員の合意が得られなければ、任意の遺産分割協議は成立しません。その場合は遺産分割調停・審判等を検討します(連絡が取れない相続人がいる場合の対応は相続人と連絡が取れない場合の記事もご覧ください)。協議書の作り方は遺産分割協議書の記事で解説しています。

役割分担

  • 旧法の適用・相続資格・所有権の帰属に争いがある場合:弁護士
  • 相続登記の登記原因・中間の相続登記の要否や申請順序・登記申請:司法書士
  • 相続税の評価・修正申告等:税理士
  • 旧戸籍等の収集・相続関係資料の整理・争いのない遺産分割協議書等の作成:行政書士

行政書士は、相続人間に争いがない範囲で、旧戸籍・除籍・改製原戸籍の収集、家督相続・遺産相続・数次相続を反映した相続関係資料の整理、相続関係説明図・財産目録・相続人全員の合意内容に基づく遺産分割協議書等の作成を支援し、司法書士・税理士等と連携して手続き全体を進めます。


相続登記の義務化と、放置しないための注意

過去に開始した相続も義務化の対象

2024年(令和6年)4月1日から相続登記が義務化されました。令和6年4月1日より前に開始した相続でも、相続登記がされていない不動産は義務化の対象です。起算点は、自己のために相続の開始があったことと、その不動産の所有権を取得したことの双方を知った日です。令和6年4月1日より前にこの双方を知っていた場合は原則として令和9年3月31日まで、令和6年4月1日以後に双方を知った場合はその日から3年以内に登記する必要があります。義務化の詳細は、関連解説(税理士法人トゥモローズ)「相続登記義務化2024年4月施行!3年以内に登記しないと罰則も」もあわせてご確認ください。

期限内に調査が終わらないときは相続人申告登記

古い相続関係の調査・遺産分割が期限内に終わらない場合には、基本的な義務を履行するため相続人申告登記(不動産登記法76条の3)を検討します。ただし、遺産分割が成立した後は、その成立日から3年以内に、分割内容を反映した登記が別途必要です。登記手続きそのものや登記原因の判断は司法書士が担当します。

標準的な進め方

  1. 開始時期・原因の確認:旧戸籍で死亡・隠居等の原因と開始日、戸主・家族の別を確認し、適用法を整理(法的判断は弁護士・司法書士と確認)
  2. 旧戸籍の収集:家督相続人の記載を含む旧戸籍を確認し、各段階で必要な戸籍を収集
  3. 相続関係の整理:家督相続・遺産相続・数次相続を反映した相続関係説明図を作成
  4. 共同相続段階の協議:必要な段階で権利承継者による遺産分割協議・協議書作成
  5. 登記・名義変更:不動産は司法書士、預貯金・株式などを承継

放置するほど数次相続で関係者が増え、必要な戸籍も費用も膨らみます。古い名義を見つけたら、まず相続関係の整理から着手するのが結果的にいちばんの近道です。


よくある質問(FAQ)

Q1. 名義人がいつ・どんな原因で家督を継いだか分かりません。どう確認しますか?

A. 旧戸籍(除籍謄本・改製原戸籍)の記載で確認します。まず名義人が戸主か家族かを見て、戸主であれば家督相続、家族であれば遺産相続です。家督相続は死亡だけでなく、隠居・国籍喪失・婚姻や養子縁組の取消し・女戸主の入夫婚姻などでも開始したため、死亡日だけでなく、戸籍に記録された家督相続の原因・開始日を確認する必要があります。開始の時期によって適用される法律(明治民法・応急措置法・戦後民法)が変わるため、まずは旧戸籍を取り寄せ、戸主・家族の別、家督相続日・原因、家督相続人の記載を押さえることが出発点です。

Q2. 家督を継いだ人も、すでに亡くなっています。相続はどうなりますか?

A. その人を次の被相続人として相続がつながります(数次相続)。このとき大切なのは、各代の相続を、その相続開始日に施行されていた民法・経過規定で判定することです。「いまの民法で確定する」のではなく、代ごとに適用法を確認します。たとえば昭和23年以後に開始した相続でも、昭和55年改正(昭和56年1月1日〜)で配偶者の法定相続分が変わり、平成25年改正(平成25年9月5日〜)で嫡出でない子の相続分が嫡出子と同等になっています。何代も積み重なると関係者が多数になるため、各代の開始日と適用法を整理し、相続関係説明図で可視化することが重要です。

Q3. 古い戸籍が戦災で焼けていて取れないと言われました。手続きはできませんか?

A. 進められる場合があります。戸籍が滅失・廃棄されている場合は、市区町村が発行する滅失・廃棄に関する証明のほか、残存する戸籍・除籍、旧登記簿・土地台帳、親族関係の資料、関係者の上申書などを組み合わせて検討します。ただし、必要な資料の組み合わせや受理の可否は、提出先や事案によって異なります。とくに不動産登記が関わる場合は、司法書士を通じて管轄の法務局へ事前に確認しながら進めます。取得できない戸籍があるからといって、直ちに手続きが不可能になるわけではありません。

Q4. 先祖名義の土地があります。相続登記もお願いできますか?

A. 登記申請そのものや、中間の相続登記の要否・申請順序の判断は司法書士の業務のため、行政書士は代理できません。ただし、その前提となる旧戸籍・除籍・改製原戸籍の収集、家督相続・遺産相続・数次相続を反映した相続関係資料の整理、相続関係説明図や遺産分割協議書の作成は行政書士が担えます。当法人では、これらを整えたうえで、登記は司法書士、相続税は税理士と連携して手続き全体を支援します。令和6年4月1日から相続登記は義務化され、過去に開始した相続分も対象のため、先祖名義のままの不動産は早めの着手をおすすめします。


相続手続きの料金プランとサポート内容の全体像は、こちらにまとめています。

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まとめ

長く名義変更されずに残った財産では、まず相続がいつ・どんな原因で開始したかを見極めます。おおむね明治31年7月16日から昭和22年5月2日までに開始した相続は原則として旧民法で、戸主なら家督相続(1人が単独承継)、家族なら遺産相続(旧民法994条以下の順位)です。家督相続は死亡だけでなく隠居などでも開始し、家督相続人は単純な長男ではなく旧法の順位で定まります。

経過規定は、昭和23年以後に選定家督相続人を選定すべき状態だった場合に新民法が適用(昭和22年法律222号附則25条2項)されるもので、名義変更が未了というだけで新民法にはなりません。数次相続は各代の開始時の法律で判定し、昭和55年・平成25年の相続分改正にも注意します。

2024年4月から相続登記が義務化され、過去の相続分も対象です(期限内に終わらなければ相続人申告登記を検討)。旧法の適用や帰属の争いは弁護士、登記は司法書士、相続税は税理士の領域で、行政書士は争いのない範囲で旧戸籍の収集・相続関係の整理・遺産分割協議書等の作成を支援し、司法書士・税理士等と連携して手続き全体を支えます。

行政書士法人トゥモローズは、東京・八丁堀(東京メトロ日比谷線「八丁堀駅」徒歩3分)の事務所を拠点に、首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)とオンライン(Google Meet・全国対応)で、旧民法・家督相続がからむ古い相続について、開始時期・原因の判定、旧戸籍の収集、家督相続・遺産相続・数次相続を反映した相続関係説明図の作成、争いのない遺産分割協議書の作成を、相続人からの委任に応じて支援します(全国オンライン相談・郵送に対応)。不動産の相続登記は司法書士、相続税の申告は税理士法人トゥモローズと連携して対応します。


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根拠法令・公的資料

  • 民法施行法1条・91条(明治民法の施行・経過。明治民法親族編・相続編は明治31年7月16日施行)
  • 旧民法964条〜968条(家督相続の開始原因=死亡・隠居・国籍喪失・婚姻や養子縁組の取消し・女戸主の入夫婚姻等)
  • 旧民法970条・972条・974条(法定の推定家督相続人の順位・代襲)/979条〜981条(指定家督相続人)/982条(第1種選定家督相続人)/984条(第2種法定家督相続人=家に在る直系尊属中の最近親者)/985条(第2種選定家督相続人)
  • 旧民法988条(隠居者・入夫婚姻をする女戸主の財産留保)・990条(国籍喪失による家督相続での承継範囲)
  • 旧民法986条〜988条・992条〜1005条(遺産相続。遺産相続人の順位=994条以下=直系卑属→配偶者→直系尊属→戸主)
  • 日本国憲法の施行に伴う民法の応急的措置に関する法律7条〜9条(昭和22年5月3日〜12月31日。家督相続を適用せず、順位・相続分を定める)
  • 昭和22年法律222号附則25条〜28条(新旧民法の経過規定。25条2項=選定すべき状態なら新民法/27条=財産分配請求)
  • 昭和55年法律51号附則(配偶者の法定相続分等の改正。昭和56年1月1日〜)
  • 平成25年法律94号附則(嫡出でない子の相続分を嫡出子と同等とする改正。平成25年9月5日以後)
  • 不動産登記法76条の2・76条の3・164条(相続登記の申請義務・相続人申告登記・過料。登記手続きは司法書士)
  • 参考資料:法務省「相続登記の申請義務化について」「相続人申告登記について」、国立国会図書館「民法(第四編第五編)明治31年法律第9号」、国立公文書館「民法施行法」

公的機関・根拠リンク

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この記事の執筆者:大塚 英司

行政書士法人トゥモローズ 代表行政書士(日本行政書士会連合会 登録番号 第18082222号)
税理士(東京税理士会新宿支部 登録番号 117702)

相続を専門に取り扱う行政書士・税理士。相続手続き・遺言・おひとりさま終活の実務に幅広く従事し、戸籍収集や遺産分割協議書の作成から、死後事務委任契約・任意後見契約といった生前対策の設計まで、ご相談者お一人おひとりの状況に応じて丁寧にサポートしている。