再婚家庭の生前対策|養子縁組をしていない連れ子に相続権はない
10秒でわかる この記事の要約
- 再婚した方の相続では、思っている相手と、法律上の相続人がずれます。
- 一緒に暮らして育ててきた連れ子でも、養子縁組をしていなければ法定相続人になりません。血族の関係が生じないためです(民法727条)。
- 一方、前の配偶者との子は相続人のままです。離婚しても親子の関係は終わらないからです(民法887条1項)。
- 何年も会っていなくても、養育費を払っていなくても、変わりません。
- 誤解されがちですが、現在の配偶者と、被相続人の実子・養子も法定相続人です。法定相続分がないのは、養子縁組をしていない連れ子です。
- 本記事では、誰が相続人になるのかを整理したうえで、元気なうちに決めておくことをまとめます。
再婚された方から、よくこう言われます。
「この子は私が育てたので、当然うちの子です」
気持ちのうえではそのとおりですが、相続の場面では別の扱いになります。
しかも、この類型は相続人どうしに面識がなく、感情的な対立が生じやすいのが特徴です。
今の家族と、前の家庭の子。互いに面識がないまま、遺産分割の席で初めて会うことになります。
本記事では、まず誰が相続人になるかを条文で確認し、そのうえで元気なうちに打てる手を整理します。
誰が相続人になるのか
はじめに、相続人の範囲を確認します。
民法第887条第1項は「被相続人の子は、相続人となる」と定めています。
ここでいう子に、離婚したかどうかは関係ありません。
離婚によって終わるのは配偶者との関係であって、親子の関係は続きます。
民法第728条第1項も、離婚によって終了するのは姻族関係だと定めています。
一方、連れ子はどうか。
民法第727条は、養子と養親およびその血族との間に養子縁組の日から血族間におけるのと同一の親族関係を生ずるとしています。
裏を返せば、縁組をしていない連れ子との間には、血族の関係が生じません。
何年一緒に暮らしていても、生活費を出していても、同じ姓を名乗っていても変わりません。
整理すると、こうなります。
| 誰 | 相続人になるか | 根拠 |
|---|---|---|
| 今の配偶者 | なる | 民法890条 |
| 今の配偶者との間の子 | なる | 民法887条1項 |
| 前の配偶者との間の子 | なる | 民法887条1項。離婚しても親子関係は続く |
| 前の配偶者本人 | ならない | 離婚により配偶者ではなくなる |
| 連れ子(縁組なし) | ならない | 民法727条。血族の関係が生じない |
| 連れ子(縁組あり) | なる | 民法809条により嫡出子の身分を取得する |
太字の2行が、この類型の核心です。
養子縁組をしていない連れ子には法定相続分がなく、前婚の子には法定相続分があります。
何もしなければ、そうなります。
ただし、「今の家族には何も渡らない」という意味ではありません。
現在の配偶者も、その配偶者との間の子も、相続人です。
渡らないのは、あくまで養子縁組をしていない連れ子です。
そして、前婚の子も法律上は被相続人の子です。
対立する2つの家族という構図で考えると、設計を誤ります。
もうひとつ、相続人にならないことと、何も受け取れないことは別です。
民法第725条第3号は、三親等内の姻族を親族としています。
配偶者の子である連れ子は一親等の姻族なので、親族にはあたります。
そして民法第1050条第1項は、被相続人に対して無償で療養看護その他の労務を提供し、財産の維持または増加について特別の寄与をした被相続人の親族が、相続人に対して特別寄与料を請求できるとしています。
縁組をしていない連れ子は相続人ではないため、この請求ができる可能性があります。
ただし、これは相続権ではありません。
要件を満たした場合に認められる金銭の請求権で、自動的に財産が渡る制度ではありません。
しかも期限が短く、相続の開始と相続人を知った時から6か月、相続開始の時から1年を過ぎると、家庭裁判所への請求ができなくなります(同条2項ただし書)。
確実に渡したいなら、やはり遺言か縁組で備えることになります。
なお、相続人が確定しないと手続きは進みません。
被相続人の出生から死亡までの戸籍・除籍・改製原戸籍をたどり、前婚の子や認知した子、養子まで含めて相続人を確定します(相続手続きに必要な戸籍の取り方)。
遺言作成サポートの内容と料金の全体像は、こちらにまとめています。
連れ子に遺す中心的な2つの方法
連れ子へ財産を渡す中心的な方法は、2つです。
遺言で遺贈するか、養子縁組をするか。
このほか生命保険や死因贈与を使う方法もありますが、まずは「特定の財産を渡したいのか」「相続人にしたいのか」を分けて考えてください。
性格がまったく違うので、分けて考えてください。
| 遺言で遺贈する | 養子縁組をする | |
|---|---|---|
| 効果 | 指定した財産が渡る | 相続人になる(民法809条) |
| 本人の関与 | 不要(遺言者が一人で作れる) | 必要(当事者の合意と届出) |
| 戸籍 | 変わらない | 養子と記載される |
| あとから変えられるか | 書き直せる | 離縁の手続きが必要 |
| 遺留分 | 取得しない | 子として取得する |
| 相続税の2割加算 | 原則として対象 | 原則として対象外 |
| 他の相続人への影響 | 相続人の数は変わらない | 相続人が1人増え、各人の取り分が変わる |
判断が分かれるのは、いちばん下の行です。
縁組をすると相続人が増えるため、前婚の子の取り分と遺留分が減ります。
なお、前婚の子の同意は、養子縁組の法的な要件ではありません。
ただし取り分が減る以上、後の紛争を考えて、事前に説明しておくかどうかは検討したほうがよい場面です。
ここで、縁組について押さえておくべき区別があります。
普通の養子縁組では、実の親との関係は続きます。
民法第727条は養親側との親族関係が生じると定めるだけで、実方との関係を切る規定ではありません。
つまり、連れ子は実の父(母)からも相続します。
これに対し、家庭裁判所が成立させる特別養子縁組は別です。
民法第817条の9は、養子と実方の父母およびその血族との親族関係は特別養子縁組によって終了すると定めています。
ただし特別養子縁組は原則として15歳未満が対象で、要件も手続きも重いものです。
再婚にともなう連れ子の縁組で使われるのは、通常は普通の養子縁組です。
手続きの面でも、押さえておく点が2つあります。
1つ目は、誰が縁組の意思を示すかです。
民法第797条第1項は、養子となる者が15歳未満のときはその法定代理人が代わって縁組を承諾できると定めています。
つまり、15歳以上なら子本人が縁組の意思を示します。
成人しているかどうかではなく、15歳が基準です。
なお、令和8年4月1日から、父母の離婚後の親権等について改正法が施行されています。
民法第824条の2第1項は、親権は父母が共同して行うと定めています(一方のみが親権者であるときなどの例外があります)。
離婚後も父母が共同で親権を行う場合、15歳未満の子の代諾には、原則として父母双方の関与が必要になります。
一方が承諾しないときは、同条3項により、家庭裁判所がその事項について一方の単独行使を定められる場合があります。
代諾が必要な場面では、まず現在の親権者を戸籍と取決めで確認してください。
2つ目は、家庭裁判所の許可です。
民法第798条は、未成年者を養子とするには家庭裁判所の許可を得なければならないとしつつ、ただし書で自己又は配偶者の直系卑属を養子とする場合はこの限りでないとしています。
連れ子は配偶者の直系卑属にあたるため、この許可は不要です。
入口が軽いぶん、影響の大きさが見落とされがちです。
特に見落とされるのが、次の点です。
その後に離婚しても、連れ子との養親子関係は自動では終わりません。
終わらせるには、民法第811条以下の離縁の手続きが別に必要です。
「再婚しているあいだだけ親子になる」制度ではないのです。
私見ですが、縁組をするかどうかは、相続だけで決めないでください。
氏がどうなるか(民法810条)、扶養の義務が生じること、離縁には手続きが要ること。
生活そのものが変わる話なので、家族全員で話してから決めるべきです。
遺言書の準備、お済みですか?
公正証書遺言作成サポートなら、
原案作成から公証役場の調整・
証人手配まで一括対応。
税理士法人との連携で
相続税試算までワンストップ。
平日 9:00〜21:00 土日祝 9:00〜17:00
配偶者に全部遺したい、と言われたら
この類型でいちばん多いご希望が、これです。
「今の妻(夫)に全部遺したい」
遺言に書くこと自体はできます。
ただし、前の配偶者との子にも相続人としての立場があるため、全部を渡す内容にすると、遺留分を請求される可能性が残ります。
遺留分をどう見込むかは事案によって変わるため、配分を決める前に弁護士や税理士と検討してください。
そのうえで、実務でお願いしていることが3つあります。
| やること | 理由 |
|---|---|
| 公正証書遺言にする | 方式の不備による無効のリスクを大きく下げ、本人の意思と作成時の状況を証拠として残しやすい |
| 遺言執行者を第三者にする | 遺言執行者を窓口にでき、相続人の協力を求めずに進められる手続きが増える |
| 現金を用意しておく | 遺留分を請求されたときに支払う原資がないと、自宅を売る話になる |
3つ目が、いちばん抜けます。
遺産が自宅しかない場合、請求された側は現金を用意できません。
生命保険で用意しておく方法もあります。受取人を指定した保険金は受取人固有の権利として受け取れるためです。
ただし、税金の扱いは別です。
誰が保険料を負担していたかで、相続税・所得税・贈与税のどれになるかが変わります。
この部分は税理士に確認してください。
遺言執行者については遺言執行業務の流れ|就任から完了までの実務スケジュールにまとめました。
第三者を指定しておけば、相続人の協力を求めずに進められる手続きが増えます。
ただし、税務の申告や登記申請の代理まで遺言執行者が担えるわけではありません。
前の家庭の子に、何を伝えておくか
書面を整えても、実際に動くのは人です。
この類型で揉める原因は、金額より情報の非対称です。
前の家庭の子からすれば、ある日突然、知らない家族から連絡が来ます。
そこで初めて、父(母)が亡くなったことと、遺言があることを知る。
感情の問題になりやすいのは、この入り方のせいです。
打てる手として、次のものがあります。
- 遺言に付言を書き、なぜこの配分にしたのかを自分の言葉で残す
- 連絡先(住所・氏名)を、今の家族が把握できる形で残しておく
- 生前に連絡が取れる関係なら、遺言の存在だけでも伝えておく
1つ目の付言に法的な効力はありません。
それでも、争いを和らげる方向には働きます。
「放っておかれた」と「事情があった」では、受け取り方が変わるためです。
書き方は付言(ふげん)とは|遺言書に書く意味・法的効果と文例にまとめました。
2つ目も実務的に重要です。
遺産分割協議をする場合は、相続人全員を確定し、全員に参加してもらう必要があります。遺言がある場合も相続人の確定は必要ですが、遺言執行者を指定しておけば、相続人全員の協力を求めずに進められる手続きがあります。
連絡先が分からなければ、戸籍の附票をたどるところから始まります。
それでも所在が分からなければ、手続きは長期化します(相続人と連絡が取れない・音信不通のときの遺産分割)。
残された家族の負担を減らす意味でも、分かる範囲で書き残しておいてください。
なお、財産の一覧も同じです。
どこに口座があるか分からなければ、探すところからになります(ネット銀行・ネット証券の一覧の作り方)。
夫婦それぞれで、順番も考える
再婚のご夫婦では、どちらが先に亡くなるかで結論が大きく変わります。
たとえば、夫に前の配偶者との子がいて、妻に連れ子がいる場合。
夫が先に亡くなれば、夫の相続人は妻と、前の配偶者との子です。
妻が先に亡くなれば、妻の相続人は夫と、妻の子(連れ子)です。
同じ家族でも、順番によって誰に渡るかが変わります。
さらに、その後の二次相続まで見ておく必要があります。
夫が先に亡くなり、妻が財産を引き継いだとします。
その妻が亡くなったとき、夫の子は妻の相続人ではありません(妻と養子縁組をしていない限り)。
夫から妻へ承継された財産のうち、妻の死亡時に残っているものは妻の相続財産となり、妻に遺言などがなければ、妻の法定相続人へ承継されます。
ここで、はっきりさせておくべきことがあります。
夫が「妻に全部遺す」と書いても、その後の行き先までは固定できません。
妻は受け取った財産を使うことも、売ることも、生前に贈与することも、自分の遺言を書き直すこともできるからです。
「妻の生活を守り、妻の死後は自分の子へ戻したい」という希望は、夫婦それぞれの単純な遺言だけでは実現しません。
この場合、最初から財産を分けて遺す、住まいと生活資金を分けて設計する、といった別の組み立てを検討することになります。
信託を使う方法もありますが、費用・税務・遺留分・受託者の選定まで見る必要があります。
ここは税理士・弁護士と一緒に検討してください。
そのうえで、夫婦それぞれが遺言を作ってください。
片方だけ用意して、用意しなかったほうが先に亡くなる例を実際に見ています。
書くときは、2人が同じ証書に書かないでください。
民法第975条は、二人以上の者が同一の証書で遺言することを禁じています(共同遺言の禁止とは|夫婦連名の遺言が無効になる理由と正しい作り方)。
あわせて、相手が自分より先に亡くなった場合をどうするかも書いておきます。
民法第994条第1項は、遺言者の死亡以前に受遺者が死亡したときは遺贈の効力を生じないとしています。
民法第995条により、その分は原則として相続人に帰属します。
たとえば配偶者へ遺贈する遺言を作っていても、その配偶者が先に亡くなれば、その配偶者の子である連れ子へ自動的に渡るわけではありません。
次に誰へ渡すかまで書いておく予備的遺言を入れてください(予備的遺言とは|受遺者・相続人が先に亡くなった場合に備える書き方)。
作る前に確かめておくこと
最後に、実務で必ず確認している項目です。
| 確認すること | なぜ必要か |
|---|---|
| 戸籍で相続人を確定する | 把握していない子がいることがある。認知した子も相続人になる |
| 連れ子と縁組しているかどうか | 「家族として暮らしてきた」と縁組の有無は別。戸籍で確認する |
| 財産の内訳と、現金の割合 | 自宅しかない場合、遺留分を請求されると支払えない |
| 夫婦それぞれの遺言があるか | 順番によって結論が変わる。片方だけでは足りない |
| 前の家庭の子の連絡先 | 分からないと手続きが長期化する |
1つ目を軽く見ないでください。
ご本人が把握していない子が見つかることが、実際にあります。
遺言を作る前に戸籍をたどっておけば、前提が崩れずに済みます。
2つ目も、思い込みが起きやすいところです。
「再婚したときに一緒に手続きしたはず」と思っていても、婚姻届と養子縁組届は別の届出です。
戸籍を見れば、その場ではっきりします。
税金についても、触れておきます。
相続税の基礎控除は法定相続人の数で変わるため、縁組をすると計算が変わります。
一般に、法定相続人の数に算入できる養子の数には制限があります(実子がいる場合は1人、いない場合は2人まで)。
ただし、連れ子の縁組には重要な例外があります。
国税庁タックスアンサーNo.4170は、被相続人の配偶者の実の子供で被相続人の養子となっている人を、実子として扱うものとして挙げています。
つまり、配偶者の実子である連れ子を養子にした場合は、相続税上も実子として扱われ、人数制限の対象外になります。
「連れ子」と呼んでいても、配偶者の実子なのか、配偶者が養子にした子なのかで扱いが変わります。
戸籍で確認したうえで、税理士に当てはめてもらってください。
「養子は1人までしか数えられない」と思い込んでいると、判断を誤ります。
さらに、縁組をすれば一親等の法定血族になるため、原則として相続税の2割加算の対象外になります。
縁組をしていない連れ子が遺贈を受ける場合は、原則として2割加算の対象です。
| 税務の項目 | 縁組なしの連れ子への遺贈 | 配偶者の実子で、被相続人と養子縁組した連れ子 |
|---|---|---|
| 法定相続人 | 含まれない | 含まれる |
| 基礎控除の人数 | 増えない | 配偶者の実子なら実子扱いで人数制限の対象外 |
| 相続税の2割加算 | 原則として対象 | 原則として対象外 |
| 遺留分 | ない | 子としてある |
それでも、縁組を相続税の観点だけで判断しないでください。
税額の計算は税理士の業務です。配分を決める段階で相談してください。縁組にともなう税務上の論点とトラブルの例は関連解説(税理士法人トゥモローズ)「【養子縁組で相続税対策】パターンごとのトラブル対処法を紹介」にまとまっています。
私見ですが、この類型でいちばん大事なのは、先に戸籍を取ることです。
誰が相続人かが分かって初めて、何を書くべきかが決まります。
順番を逆にすると、書き直すことになります。
よくある質問(FAQ)
Q1. 再婚したとき、連れ子とも自動的に親子になっているのではないですか?
A. なりません。婚姻届と養子縁組届は別の手続きです。婚姻によって配偶者の子と姻族の関係にはなりますが、血族の関係は生じないため、相続人にはなりません。同じ姓を名乗っていても同じです。縁組しているかどうかは戸籍を見れば分かります。連れ子の戸籍に養親としてご自身の名前が記載されていれば縁組済みです。心当たりがない場合は、遺言を作る前に確認してください。
Q2. 前の配偶者との子に、財産を渡したくありません。可能ですか?
A. 遺言で現在の配偶者や連れ子へ遺す内容にすることはできます。ただし、その子は相続人であるため、遺留分を請求される可能性が残ります。請求されたときに支払う現金を用意しておくか、配分をあらかじめ調整しておくかの判断になります。なお、生前に「相続させない」という念書を交わしても効力はありません。相続放棄は相続開始後にしかできない手続きだからです。一方、遺留分については、民法1049条1項により、相続開始前でも家庭裁判所の許可を受ければ放棄できます。ただし許可は当然に下りるものではなく、本人の自由な意思や合理的な理由が確認されます。本人に持ちかける前に、弁護士に相談してください。
Q3. 養子縁組をすると、連れ子は実の父からも相続できなくなりますか?
A. 普通の養子縁組であれば、実の父母との関係は続くため、実の父からも相続します。関係が終了するのは、家庭裁判所が成立させる特別養子縁組の場合です(民法817条の9)。再婚にともなう縁組で使われるのは通常、普通の養子縁組です。つまり連れ子は、養親と実親の双方の相続人になります。実の父の側の相続でトラブルにならないよう、事情を整理しておくとよいでしょう。
Q4. 離婚した元配偶者に、私の財産が渡ることはありますか?
A. あなた自身の相続では渡りません。離婚によって配偶者ではなくなるため、元配偶者は相続人になりません。ただし、間接的に渡る道はあります。前婚の子があなたの財産を取得した後、その子が亡くなった場合、その子に子がいなければ、直系尊属である親が相続人になります(民法889条1項1号)。結果として、元配偶者へ財産が移ることがあります。それが気になる場合は、誰に何を遺すかを決める段階で考慮してください。なお、その方との間の子はあなたの相続人です。子が未成年の場合、その子が取得した財産は、原則としてその子について親権を行う父母または未成年後見人が管理します。令和8年4月1日から父母の離婚後の親権等について改正法が施行されているため、親権者が元配偶者1人とは限りません。なお、民法830条1項は、無償で子に財産を与える第三者が、親権を行う父母に管理させない意思を表示したときは、その財産は父母の管理に属しないと定めています。遺言でこの定めを置き、別の財産管理者を指定する方法があります。対象財産・権限・報告の方法まで書き分ける必要があるため、専門家と設計してください。
遺言作成サポートの内容と料金の全体像は、こちらにまとめています。
まとめ
再婚した方の相続では、思っている相手と法律上の相続人がずれます。
連れ子は、養子縁組をしなければ相続人になりません(民法727条)。
一方、前婚の子は相続人のままです(民法887条1項)。
遺言がなければ、現在の配偶者と、被相続人の実子・養子・前婚の子が法定相続分に従って相続します。
法定相続分がないのは、あくまで養子縁組をしていない連れ子です。
連れ子へ渡す中心的な方法は、遺言による遺贈と、養子縁組の2つです。
縁組は相続人の数そのものを変えるため、他の相続人の取り分にも影響します。
そして、夫婦それぞれが別の証書で遺言を作ってください(民法975条)。
どちらが先に亡くなるかで、財産の行き先が変わるためです。
最初にやることは、戸籍を取って相続人を確定することです。
誰が相続人かが分かって初めて、何を書くべきかが決まります。
行政書士法人トゥモローズは、東京・八丁堀(東京メトロ日比谷線「八丁堀駅」徒歩3分)の事務所を拠点に、首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)とオンライン(Google Meet・全国対応)で、再婚されたご家庭の相続人の確定から、公正証書遺言・付言の設計まで一体でお手伝いしています。
遺言書の準備、お済みですか?
公正証書遺言作成サポートなら、
原案作成から公証役場の調整・
証人手配まで一括対応。
税理士法人との連携で
相続税試算までワンストップ。
平日 9:00〜21:00 土日祝 9:00〜17:00
再婚家庭・遺言のあわせて読みたい記事
- 共同遺言の禁止とは|夫婦連名の遺言が無効になる理由と正しい作り方
- 予備的遺言とは|受遺者・相続人が先に亡くなった場合に備える書き方
- 付言(ふげん)とは|遺言書に書く意味・法的効果と文例
- 相続手続きに必要な戸籍の取り方は?必要な戸籍の範囲や取得する手順を解説!
税務の観点もあわせてご確認ください
養子縁組をすると法定相続人の数が変わり、相続税の計算に影響します。算入できる養子の数には制限があるため、税理士法人トゥモローズの解説もあわせてご確認ください。
根拠法令・公的資料
- 民法第887条第1項(被相続人の子は、相続人となる。離婚しても親子関係は終了しない)
- 民法第725条第3号(三親等内の姻族は親族とする。配偶者の子である連れ子は一親等の姻族)
- 民法第889条第1項第1号(第887条により相続人となるべき者がない場合、直系尊属が相続人となる)
- 民法第890条(被相続人の配偶者は、常に相続人となる)
- 民法第727条(縁組による親族関係の発生。養子と養親及びその血族との間においては、養子縁組の日から、血族間におけるのと同一の親族関係を生ずる)
- 民法第809条(養子は、縁組の日から、養親の嫡出子の身分を取得する)
- 民法第797条第1項(養子となる者が15歳未満であるときは、その法定代理人が代わって縁組の承諾をすることができる)
- 民法第798条(未成年者を養子とするには家庭裁判所の許可を要する。ただし自己又は配偶者の直系卑属を養子とする場合はこの限りでない)
- 民法第811条(協議上の離縁等。離婚だけでは養親子関係は終了しない)
- 民法第810条(養子は養親の氏を称する。婚姻により氏を改めた者についての例外あり)
- 民法第728条第1項(姻族関係は、離婚によって終了する)
- 民法第729条(離縁による親族関係の終了)
- 民法第817条の2(特別養子縁組は家庭裁判所が成立させる)・第817条の9(養子と実方の父母及びその血族との親族関係は、特別養子縁組によって終了する)
- 民法第975条(共同遺言の禁止。二人以上の者が同一の証書ですることができない)
- 民法第994条第1項(遺言者の死亡以前に受遺者が死亡したときは、遺贈は効力を生じない)・第995条(その場合、受遺者が受けるべきであったものは相続人に帰属する)
- 民法第896条(相続人は、相続開始の時から被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する)
- 民法第830条第1項(無償で子に財産を与える第三者が、親権を行う父又は母に管理させない意思を表示したときは、その財産は父母の管理に属しない)
- 民法第1049条第1項(相続の開始前における遺留分の放棄は、家庭裁判所の許可を受けたときに限り、その効力を生ずる)
- 民法第1050条第1項(被相続人に対して無償で療養看護その他の労務の提供をし、財産の維持又は増加について特別の寄与をした被相続人の親族(相続人等を除く)は、相続人に対し特別寄与料の支払を請求できる)・第2項ただし書(家庭裁判所への請求は、相続の開始及び相続人を知った時から6か月、相続開始の時から1年を経過したときはできない)
- 民法第824条の2第1項(親権は、父母が共同して行う。ただし一方のみが親権者であるとき等は一方が行う)・第3項(父母間に協議が調わない場合、家庭裁判所が一方の単独行使を定められる)
- 国税庁タックスアンサーNo.4170(相続人の中に養子がいるとき。被相続人の配偶者の実の子供で被相続人の養子となっている人は実子として扱われ、養子の数の制限を受けない。当法人確認日 2026年8月21日)
- 民法等の一部を改正する法律(父母の離婚後等の子の養育に関する見直し)※令和8年4月1日施行
- ※相続税の基礎控除や法定相続人の数に算入できる養子の数の制限は税理士、家庭裁判所へ提出する養子縁組許可の申立書は司法書士・弁護士、登記申請の代理は司法書士の業務です
