死亡共済金の請求手続き|JA共済・県民共済・こくみん共済の進め方と注意点
10秒でわかる この記事の要約
- JA共済・県民共済・こくみん共済(全労済)・コープ共済などの死亡共済金も、生命保険金と同じように受取人が請求する。
- 保険法では共済契約も保険契約に含まれるため、受取人指定があれば受取人固有の財産で、原則として遺産分割の対象外。
- 共済は保険会社の保険とは別制度。加入していた共済ごとに、それぞれ請求が必要(複数加入に注意)。
- 請求権には時効(多くは3年)がある。早めに各共済へ連絡を。
- 被相続人が掛金を負担していた死亡共済金は、生命保険金と同様にみなし相続財産。受取人が相続人なら非課税枠の対象。ただし相続放棄者は非課税枠の対象外(建更など積立型は別扱い)。
JA共済・県民共済・こくみん共済(全労済)などで、被共済者(保障の対象となる人)が亡くなると、死亡共済金を受け取れることがあります。共済は生命保険会社の保険とは別の制度ですが、請求しないと受け取れない点や、受取人固有の財産になる点は、生命保険とよく似ています。
本記事では、相続を専門に扱う行政書士法人トゥモローズが、死亡共済金の請求手続き・必要書類・時効・相続税の扱いを整理します。なお、相続税の試算・申告は税理士法人トゥモローズと連携して対応します。
死亡共済金とは・生命保険との違い
共済は、JA(農協)・生協・労働組合などの協同組織が、組合員・会員のために行う保障の仕組みです。被共済者(保障の対象となる人)が亡くなったときに支払われるのが死亡共済金です。代表的なものに、JA共済、都道府県民共済(県民共済)、こくみん共済coop(全労済)、コープ共済などがあります。
法律上の扱いは、生命保険とよく似ています。保険法では「共済契約」も保険契約に含まれるため、受取人の指定や、受取人が固有の財産として共済金を取得するといった基本的な枠組みは、生命保険と同じように考えられます。
一方で、共済は保険会社の保険とは別の制度・別の窓口です。生命保険の請求とは別に、加入していた共済ごとに請求が必要な点に注意します。
なお、共済契約者と被共済者が別人の場合、契約者が亡くなっただけでは死亡共済金の請求ではなく、契約者変更や契約に関する権利の承継が問題になることがあります。誰が亡くなったか(被共済者か契約者か)で手続きが変わる点に注意します。
受取人指定がある場合の扱い
死亡共済金に受取人が指定されている場合、その受取人が固有の権利として共済金を取得すると考えられ、原則として遺産分割の対象になりません。受取人固有の財産という性質から、相続放棄をした人でも、受取人に指定されていれば共済金を受け取れる場合があります(ただし、相続税の非課税枠の扱いは別なので、後述のFAQもご確認ください)。
受取人の定めがない場合や、受取人が先に亡くなっている場合の扱いは、各共済の規約・約款によります。まずは共済証書や約款を確認し、不明な点は共済の窓口に問い合わせるのが確実です。生命保険金の考え方は、生命保険金の請求手続きもあわせてご覧ください。
請求手続きの流れ
死亡共済金の請求は、おおむね次の流れで進みます。
- 加入共済の確認:共済証書、口座からの掛金の引落とし、郵便物などから、どの共済に加入していたかを確認します。
- 共済へ連絡:加入していた共済(JA共済・県民共済・こくみん共済〈全労済〉など)へ、被共済者または共済契約者が亡くなったことを連絡し、死亡共済金の請求なのか、契約者変更・契約に関する権利の承継なのかを確認します。
- 必要書類の準備:共済所定の請求書、死亡を証する書類、受取人の本人確認書類などを用意します。
- 請求:受取人が共済金を請求します。受取人が複数・不明な場合は、戸籍で確認します。
- 入金の確認:受取人の口座へ共済金が支払われます。
複数の共済に加入していることもあるため、もらい忘れがないかを必ず確認しましょう。健康保険からの葬祭費・埋葬料などとあわせて確認すると、抜け漏れを防げます(葬祭費・埋葬料の請求手続き)。
必要書類と時効
必要書類は共済により異なりますが、一般的には次のとおりです。
| 書類 | 内容 |
|---|---|
| 共済所定の請求書 | 受取人が記入・署名 |
| 共済証書 | 紛失時は共済に相談 |
| 死亡を証する書類 | 死亡診断書の写し、死亡の記載のある戸籍など |
| 戸籍 | 受取人・相続人の確認用(受取人が複数・不明な場合など) |
| 受取人の本人確認書類 | 運転免許証・マイナンバーカード等 |
注意したいのが時効です。共済金の請求権は、多くの場合、請求権を行使できる時から3年で時効にかかります(保険法第95条)。起算点や取扱いは共済・契約内容によって異なることがあるため、期限を過ぎて請求できなくならないよう、早めに各共済へ確認しましょう。
死亡共済金の相続税の扱い
死亡共済金にかかる税金は、掛金の負担者・被共済者・受取人の関係によって、相続税・所得税・贈与税のいずれかに分かれます。被相続人が掛金を負担していた死亡共済金は、生命保険金と同様にみなし相続財産として相続税の対象になり、受取人が相続人であれば、500万円×法定相続人の数の非課税枠の対象になります。
なお、建物更生共済(建更)などの積立性のある共済では、死亡共済金だけでなく、契約に関する権利・満期共済金・解約返戻金相当額などが問題になる場合があります。被共済者が亡くなったのか、契約者が亡くなったのか、受取人が誰かによって課税関係が変わるため、個別に税理士に確認します。評価・申告は当法人グループの税理士法人トゥモローズが対応します。
▶ 関連解説(税理士法人トゥモローズ):生命保険金にかかる相続税 非課税枠と注意点を完全解説
手続きは誰に頼める?
死亡共済金は、生命保険・給付金など他の手続きとあわせて進めることが多い財産です。
- 行政書士:共済・保険・給付金の洗い出し、相続人の確定(戸籍収集)、各窓口への請求の段取り、相続人間で合意した内容に基づく遺産分割協議書の作成(受取人指定のある死亡共済金は、原則として遺産分割の対象外です)
- 税理士:死亡共済金を含む相続財産の評価・相続税の申告
当法人では、共済金の洗い出しや戸籍収集までを行い、相続税は税理士法人トゥモローズと連携して、窓口ひとつでご案内します。専門家の選び方は、相続は誰に頼む?もご覧ください。
相続手続きの料金プランとサポート内容の全体像は、こちらにまとめています。
よくある質問(FAQ)
Q1. 死亡共済金は遺産分割の対象になりますか?
A. 受取人が指定されている死亡共済金は、生命保険金と同様に、受取人が自分の固有の財産として取得すると考えられ、原則として遺産分割の対象にはなりません。保険法では共済契約も保険契約に含まれるため、基本的な扱いは生命保険と同じです。受取人の定めがない場合は、各共済の規約・約款によります。
Q2. 生命保険とは別に共済金の請求が必要ですか?
A. はい。共済は生命保険会社の保険とは別の制度のため、加入していた共済ごとに、それぞれ請求が必要です。JA共済・県民共済・こくみん共済(全労済)・コープ共済など複数に加入していることもあるため、証書や通帳の口座引落としから、漏れなく確認します。
Q3. 共済証書が見つからないときは、どうすればよいですか?
A. 証書が手元になくても、各共済に連絡すれば、所定の本人確認や相続関係の確認を経て、契約の有無を照会できる場合があります。通帳から掛金の引落としをたどると、加入していた共済を特定しやすくなります。証書の再発行や契約照会の方法は、加入先の窓口に問い合わせてください。
Q4. 受取人が指定されていない、または受取人が先に亡くなっている場合はどうなりますか?
A. その取扱いは、各共済の規約・約款によります。受取人の定めがないときは被共済者の法定相続人が受け取る扱いとされていることが多く、受取人が先に亡くなっているときは、その相続人が受け取るなどの定めが置かれていることがあります。まずは加入先の約款をご確認ください。
Q5. 相続放棄をしても死亡共済金は受け取れますか?
A. 受取人に指定されていれば、相続放棄をした方でも契約上の受取人として死亡共済金を受け取れることがあります。ただし、相続税の生命保険金等の非課税枠(500万円×法定相続人の数)は、放棄した方には適用されません。受け取れること自体と、税の非課税枠の可否は分けて考えます。
まとめ
JA共済・県民共済・こくみん共済(全労済)などの死亡共済金も、生命保険金と同じように受取人が請求します。保険法では共済契約も保険契約に含まれるため、受取人指定があれば受取人固有の財産で、原則として遺産分割の対象になりません。共済は保険会社の保険とは別制度のため、加入していた共済ごとに請求が必要で、時効(多くは3年)にも注意します。
被相続人が掛金を負担していた死亡共済金は、生命保険金と同様にみなし相続財産として相続税の対象になり、受取人が相続人であれば非課税枠の対象です。ただし、相続放棄をした人は非課税枠の対象外です(建更などの積立型は別扱い)。もらい忘れを防ぐため、加入していた共済を漏れなく確認し、葬祭費・埋葬料などの給付とあわせて手続きを進めましょう。
行政書士法人トゥモローズは、東京・八丁堀(東京メトロ日比谷線「八丁堀駅」徒歩3分)の事務所を拠点に、首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)とオンライン(Google Meet・全国対応)で、相続手続きのご相談に対応しています。共済金の洗い出しや戸籍収集は当法人が、相続税は税理士法人トゥモローズが連携して対応します。
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死亡共済金は、生命保険金と同様にみなし相続財産として相続税の対象になることがあります(非課税枠の対象になる場合も)。詳しい扱いは、グループの税理士法人トゥモローズの解説記事もご参照ください(相続税の試算・申告は税理士法人トゥモローズが対応します)。
根拠法令・公的資料
- 民法第896条(相続の一般的効力)
- 保険法第2条(保険契約の定義。共済契約も含まれる)・第95条(保険給付請求権等の消滅時効=3年)
- 農業協同組合法(JA共済の根拠)/消費生活協同組合法(県民共済・こくみん共済・コープ共済等の根拠)
- 相続税法第3条第1項第1号(みなし相続財産)/第12条第1項第5号(保険金等の非課税)
- 相続税法基本通達12-8(相続を放棄した者等が取得した保険金等には保険金の非課税の規定を適用しない)
- 行政書士法第1条の3・第1条の4(戸籍収集・書類作成・相談等)/税理士法第2条・第52条(相続税の計算・申告は税理士の業務)
