ゴルフ会員権の相続手続き|名義書換・退会・預託金の返還
10秒でわかる この記事の要約
- 預託金返還請求権などの財産的権利は相続財産になる。一方、会員資格を引き継げるか・名義書換できるかは、そのゴルフ場の会則(規約)による。引き継ぐなら名義書換(名義書換料)、引き継がないなら退会・預託金返還請求。
- 預託金は据置期間があり、ゴルフ場の経営状況によっては予定どおり返還されないことも。会則と預託金額の確認が先。
- 会員権の種類(預託金会員制・株主会員制)で手続きが変わる。会員証券・会則で種類を確認する。
- 会員権は相続税の課税対象。評価・相続税は税理士法人と連携。手続き面は行政書士法人が対応。
ゴルフ会員権の相続手続きとは、亡くなった方が持っていたゴルフ会員権について、相続人が引き継ぐ場合の名義書換、引き継がない場合の退会・預託金返還請求を、そのゴルフ場の会則に従って進める一連の手続きのことです。 預貯金や不動産とは異なり、各ゴルフ場の会則(規約)が手続きの内容を決める点が特徴です。
本記事では、相続を専門に扱う行政書士法人トゥモローズが、ゴルフ会員権の相続を手続き目線で整理します。なお、会員権の評価・相続税の計算・申告は税理士法人トゥモローズが対応します。
まず「会員権の種類」と「会則」を確認する
ゴルフ会員権の手続きは、種類によって変わります。
| 種類 | 性質 | 相続の主な論点 |
|---|---|---|
| 預託金会員制 | ゴルフ場に預託金を預けて会員になる | 名義書換/退会と預託金返還請求 |
| 株主会員制 | 運営会社の株式を保有して会員になる | 株式の名義書換が絡む |
| 社団法人制 | 社団の社員としての地位 | 会則による(相続不可の場合も) |
最も多いのが預託金会員制です。いずれの場合も、手続きの可否・方法・費用はそのゴルフ場の会則(規約)に定められています。まずは会員証券(預託金証書)と会則を確認し、ゴルフ場へ相続による手続きが可能かを問い合わせるのが第一歩です。
引き継ぐ場合|名義書換の手続き
会員権を相続人が引き継ぐ場合は、ゴルフ場へ名義書換を申請します。
- ゴルフ場(運営会社)へ会員の死亡を連絡する
- 相続による名義書換が可能か、必要書類・名義書換料を確認する
- 戸籍一式・遺産分割協議書・印鑑証明書・会員証券などを提出する
- ゴルフ場の承認を経て、会員の名義が相続人に書き換えられる
注意したいのが名義書換料です。ゴルフ場によって金額が大きく異なり、数十万円規模になることもあります。引き継ぐかどうかは、会員権の現在の価値・年会費・利用頻度と、名義書換料を比べて判断するとよいでしょう。
ゴルフ会員権の手続き、相続まるごとお任せ
会則の確認、名義書換・退会の準備、戸籍収集・遺産分割協議書の作成まで。預貯金・証券などほかの相続手続きとあわせて、行政書士法人トゥモローズがまとめてサポートします。会員権の評価・相続税は税理士法人と連携してご案内します。
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引き継がない場合|退会と預託金の返還
「ゴルフをしないので会員権はいらない」という場合は、退会して預託金の返還を請求する方法があります。
ただし、ここには注意点があります。
- 据置期間: 預託金には据置期間が設けられていることが多く、期間が経過しないと返還を請求できないことがあります
- ゴルフ場の財務状況: 経営状況によっては、予定どおり返還されない、減額されることもあります
- 会則の確認が先: 返還条件・据置期間・手続きは会則に定められています
預託金会員制では、会員はゴルフ場に対して預託金の返還請求権(金銭債権)を持ちます。これも相続財産の一部です。まず会則と預託金額を確認し、返還が見込めるかを把握してから判断します。
返還時期の延期・分割返還・減額返還などをゴルフ場から求められ、返還額や時期をめぐる交渉・請求が必要になる場合は、弁護士の業務です。当法人は会則・証券・相続書類の整理までを支援し、紛争性がある場合は提携弁護士へ引き継ぎます。
なお、これは相続全体を放棄する「相続放棄」とは別の手続きです。相続放棄は、原則として相続財産全体を引き継がない手続きであり、ゴルフ会員権だけを選んで放棄する制度ではありません。会員権を利用しない場合は、相続人間で取得者や処理方法を決めたうえで、退会・預託金返還請求・売却などを検討します。
引き継ぐ・退会・売却・放棄の判断
| 選択肢 | 向いているケース | 注意点 |
|---|---|---|
| 名義書換して引き継ぐ | 相続人が実際にゴルフ場を利用する | 名義書換料・年会費・承認要件を確認 |
| 退会して預託金返還請求 | 利用予定がなく、預託金返還が見込める | 据置期間・返還遅延・減額返還のリスク |
| 売却する | 市場価値があり、買い手が見込める | 会則上の譲渡制限・名義書換料・仲介手数料 |
| 相続放棄を検討 | 会員権以外も含め債務超過の可能性がある | 家庭裁判所での相続放棄。会員権だけの放棄ではない |
評価・相続税は税理士法人と連携
ゴルフ会員権は、相続税の課税対象になります。取引相場のあるゴルフ会員権は、原則として課税時期の通常の取引価格の70%で評価し、取引価格に含まれない預託金等があれば、返還時期に応じて返還可能額または複利現価を加算します(国税庁No.4647)。取引相場のない会員権や株主会員制では、別の評価方法になります。
評価方法や相続税の計算・申告は税理士の業務のため、税理士法人トゥモローズと連携して確認します。当法人(行政書士法人)は、名義書換や退会・返還請求などの手続き面を担当し、評価・申告は税理士、紛争性のある対応は提携弁護士と役割を分けて進めます。
▶ 関連解説(税理士法人トゥモローズ):ゴルフ会員権の相続税評価方法を図解で徹底解説!
名義書換・退会に必要な書類
ゴルフ場によって異なりますが、一般的には次の書類が必要です。
| 書類 | 備考 |
|---|---|
| 戸籍一式または法定相続情報一覧図 | 被相続人の死亡と相続人の範囲を証明 |
| 遺産分割協議書 | 会員権の取得者を明記。相続人全員の実印 |
| 取得する相続人の印鑑証明書 | 実印もあわせて準備 |
| 会員証券(預託金証書) | 紛失時は別途手続きが必要 |
| ゴルフ場所定の申請書・名義書換料 | 金額・様式はゴルフ場による |
預貯金・証券の相続で集めた戸籍・印鑑証明書は、ゴルフ会員権の手続きにも流用できる場合があります。ただし、発行期限・原本提出の要否・原本還付の可否はゴルフ場ごとに異なるため、事前に確認してください。ばらばらに進めるより、相続手続き一式の中でまとめて進める方が効率的です。
▶ 関連解説(税理士法人トゥモローズ):【2026年最新】相続税申告の必要書類一覧|ダウンロード可能
相続手続きの料金プランとサポート内容の全体像は、こちらにまとめています。
よくある質問(FAQ)
Q1. ゴルフ会員権は相続できますか?
A. 相続できる場合が多いですが、最終的にはそのゴルフ場の会則(規約)によります。会則で相続による承継を認めている場合は、所定の名義書換手続きと名義書換料の支払いにより、相続人が会員の地位を引き継げます。一方、会則で相続を認めていない、または承認されない場合は、退会して預託金の返還を受ける形になります。
Q2. 名義書換の手続きはどう進めますか?
A. まずゴルフ場(または運営会社)へ会員の死亡を連絡し、相続による名義書換が可能か、必要書類と名義書換料を確認します。一般に、戸籍一式・遺産分割協議書・取得する相続人の印鑑証明書・会員証券などを提出し、ゴルフ場の承認を経て名義が書き換えられます。名義書換料は数十万円規模になることもあり、ゴルフ場ごとに大きく異なります。
Q3. 会員権を相続したくない場合はどうすればよいですか?
A. 会員権を引き継がず、退会して預託金の返還を請求する方法があります。ただし、預託金には据置期間が設けられていることが多く、すぐに全額が返ってくるとは限りません。ゴルフ場の財務状況によっては、返還が困難なケースもあります。なお、これは相続全体を放棄する「相続放棄」とは別の手続きで、相続放棄はゴルフ会員権だけを選んで放棄する制度ではありません。返還額・時期をめぐる交渉や紛争が必要な場合は弁護士の業務となります。
Q4. 預託金は必ず返ってきますか?
A. 必ず返ってくるとは限りません。預託金会員制では、会員はゴルフ場に預託金の返還請求権を持ちますが、据置期間の経過が必要で、ゴルフ場の経営状況によっては予定どおり返還されないこともあります。返還条件・据置期間は会則に定められているため、まず会則と預託金額を確認することが大切です。
Q5. 会員権の種類によって手続きは違いますか?
A. 違います。代表的なのは、ゴルフ場に預託金を預けて会員になる「預託金会員制」と、運営会社の株式を持つ「株主会員制」です。預託金会員制では名義書換・退会と預託金返還が中心、株主会員制では株式の名義書換が絡みます。自分の会員権がどの種類かによって手続きが変わるため、会員証券や会則で確認します。
Q6. ゴルフ会員権の評価や相続税はどうなりますか?
A. ゴルフ会員権は相続税の課税対象です。取引相場のある会員権は原則として課税時期の通常の取引価格の70%で評価し、取引価格に含まれない預託金等があれば返還時期に応じて加算します(国税庁No.4647)。取引相場のない会員権や株主会員制は別の評価方法になります。評価・相続税の計算・申告は税理士の業務のため税理士法人トゥモローズと連携し、当法人(行政書士法人)は名義書換や退会・返還請求などの手続き面を担当します。
Q7. 名義書換に必要な書類は何ですか?
A. 一般的には、被相続人の死亡と相続人の範囲が分かる戸籍一式(または法定相続情報一覧図)、遺産分割協議書、取得する相続人の印鑑証明書、会員証券(預託金証書)、ゴルフ場所定の名義書換申請書などです。ゴルフ場によって必要書類・様式・名義書換料が異なるため、事前に確認してから準備します。
Q8. ゴルフ会員権の相続手続きを行政書士に依頼できますか?
A. 当法人では、戸籍収集・相続人の確定・遺産分割協議書の作成、ゴルフ場への名義書換・退会手続きの準備をサポートします。預貯金・証券などほかの相続手続きとあわせて進められ、効率的です。会員権の評価・相続税は税理士法人トゥモローズ、紛争性のある対応は提携弁護士と連携します。
まとめ
ゴルフ会員権の相続は、①会員権の種類と会則の確認 → ②引き継ぐなら名義書換(名義書換料)/引き継がないなら退会・預託金返還請求 → ③評価・相続税は税理士法人と連携という流れで進みます。手続きの内容はゴルフ場の会則によって決まり、預託金は据置期間や経営状況により予定どおり返還されないこともあります。まず会則と預託金額を確認することが、判断の出発点です。
行政書士法人トゥモローズは、東京・八丁堀(東京メトロ日比谷線「八丁堀駅」徒歩3分)の事務所を拠点に、首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)とオンライン(Google Meet・全国対応)で、戸籍収集・遺産分割協議書の作成・名義書換の準備をサポートしています。会員権の評価・相続税は税理士法人トゥモローズと連携し、相続手続き全体を窓口ひとつで進められます。
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税務の観点もあわせてご確認ください
ゴルフ会員権の相続税評価方法については、グループの税理士法人トゥモローズの解説記事もご参照ください(評価・相続税の試算・申告は税理士法人トゥモローズが対応します)。
根拠法令・公的資料
- 民法第896条(相続の一般的効力。預託金返還請求権などの財産的権利も相続財産)
- 民法第915条(相続の承認・放棄の期間。相続放棄との違い)
- 各ゴルフ場の会則(規約)(名義書換・退会・預託金返還の取扱い)
- 財産評価基本通達211(ゴルフ会員権の評価)
- 行政書士法第1条の3(業務)・第1条の4(提出手続代理・相談等)
- 税理士法第2条・第52条(会員権の評価・相続税の申告は税理士の業務)
- 弁護士法第72条(預託金返還の交渉・紛争対応は弁護士の業務)
