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お墓・仏壇など祭祀財産の承継|祭祀承継者の決め方と改葬の手続き

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行政書士法人トゥモローズ 代表行政書士(日本行政書士会連合会 登録番号 第18082222号)

大塚 英司




10秒でわかる この記事の要約

  • お墓・仏壇・位牌・系譜などの「祭祀財産」は、預貯金や不動産といった通常の相続財産とは別に扱われる。
  • 祭祀財産は、遺産分割の対象ではなく、原則として特定の「祭祀承継者」が承継する(民法第897条)。
  • 祭祀承継者は、被相続人の指定→地域の慣習→家庭裁判所の決定、の順で決まる。遺言で指定することもできる。
  • お墓を別の場所へ移す「改葬」や墓じまいには、市区町村長の改葬許可が必要(墓地埋葬法)。

お墓や仏壇、位牌といった「祭祀財産」は、預貯金や不動産などの通常の相続財産とは別のルールで承継されます。 これらは、お金で分けるべき財産ではなく、ご先祖の供養を引き継ぐためのものだからです。法律上も、遺産分割とは切り離して「祭祀承継者」が承継すると定められています(民法第897条)。

誰が承継するのか、お墓を移したいときはどうするのか、墓じまいの費用はどれくらいか、相続税はかかるのか——本記事では、相続を専門に扱う行政書士法人トゥモローズが、祭祀財産の承継と改葬・墓じまいの手続きを整理します。なお、相続税の判断は税理士法人トゥモローズが対応します。


祭祀財産は通常の相続財産と別

祭祀財産とは、系譜(家系図など)・祭具(仏壇・位牌・神棚など)・墳墓(お墓)のことです(民法第897条)。これらは、所有権の対象ではあるものの、預貯金や不動産のように相続人で分け合う通常の相続財産とは別に扱われます。

お墓を相続人で分割したり、仏壇を売却して現金化して分けたりするのは、供養の性質になじまないためです。そこで法律は、祭祀財産を遺産分割の対象から外し、特定の「祭祀承継者」が承継するとしています。相続放棄をした人でも、祭祀承継者になることはできます。逆に、祭祀財産を承継したからといって、預貯金や借金などの相続を承認したことにはなりません。


祭祀承継者の決め方(民法第897条)

祭祀承継者は、次の順序で決まります(民法第897条)。

順位 決め方
被相続人の指定(遺言でも、生前の口頭・書面でも可)
①がなければ、その地域の慣習による
①②で決まらなければ、家庭裁判所が定める

承継者は、必ずしも長男や相続人である必要はなく、親族以外の人を指定することもできます。遺言で「祭祀承継者を〇〇とする」と定めておくと、後の争いを防げます。慣習がはっきりせず、親族間で話がまとまらない場合は、家庭裁判所が一切の事情を考慮して承継者を定めます。確実に意思を残したい場合は、遺言での指定を検討するとよいでしょう。


お墓・仏壇の承継やお墓の引っ越しも、まとめてご相談を

祭祀承継者の整理、改葬許可など墓地に関する手続き、戸籍収集・相続手続き全体の段取りまで、相続を専門に扱う行政書士法人トゥモローズがサポートします。相続税は税理士法人トゥモローズ、紛争性のある対応は提携弁護士と連携します。

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祭祀承継者の役割と費用負担

祭祀承継者は、原則として特定の承継者が承継し、お墓や仏壇の管理、法要の主宰などを担います。具体的には、お墓の管理(管理費の支払い、清掃・修繕の手配)、仏壇・位牌の管理、法要の主宰、お墓の改葬や墓じまいの判断などです。

ただし、祭祀承継者になったからといって、これらの費用を全額負担する義務が法律で定められているわけではありません。管理費・法要費・墓じまい費用などは、当然に相続債務として各相続人へ割り付けられるものではなく、実際には親族で話し合って分担することも多くあります。承継者になることで過度な負担を負わないよう、事前に家族で相談しておくことが大切です。なお、祭祀財産を承継しても、その分だけ遺産の取り分が増えるわけではありません。承継の負担を考慮して、遺言や遺産分割で配慮するケースもあります。


お墓の引っ越し(改葬)の手続き

お墓を別の墓地へ移すことを改葬といいます。遠方のお墓を近くに移したい、墓じまいをして納骨堂や合祀墓へ移したい、といったときに必要になります。改葬には、市区町村長の「改葬許可」が必要です(墓地埋葬法)。

手続きの流れは、おおむね次のとおりです。

  1. 移転先の墓地・納骨堂を決め、受入証明書をもらう
  2. 今のお墓・納骨堂の管理者から、埋葬・埋蔵・収蔵の事実を証明する書面(埋蔵証明・収蔵証明など)をもらう
  3. 今のお墓・納骨堂がある市区町村改葬許可申請を行い、改葬許可証の交付を受ける
  4. 改葬許可証をもとに、遺骨を移す

改葬許可申請に必要な書類は墓地埋葬法施行規則第2条などに定められていますが、様式・呼称は市区町村により異なるため、事前に確認します。親族や今の墓地の管理者との調整も欠かせません。


墓じまいの流れと費用・離檀料の注意

墓じまいは、今あるお墓を撤去し、遺骨を別の形(納骨堂・合祀墓・永代供養・散骨など)で供養し直すことです。近年、お墓の承継者がいない、遠方で管理できないといった理由で増えています。

費用としては、墓石の撤去・整地費用、新しい納骨先の費用、改葬の手続き費用などがかかります。とくに注意したいのが、寺院墓地の場合の離檀料です。檀家をやめる際にお寺へ納めるお布施で、金額をめぐってトラブルになることがあります。金額に明確な決まりはなく、お寺との関係や地域によって異なります。

高額な離檀料を一方的に求められるなど、話し合いで折り合わずトラブルになった場合の交渉は弁護士の業務のため、提携弁護士と連携してご案内します。円満に進めるためにも、早めにお寺へ相談し、誠意をもって話し合うことが大切です。


祭祀財産と相続税

お墓・仏壇・位牌などの祭祀財産は、相続税の計算上、原則として非課税財産です。日常的に礼拝の対象となるこれらの財産には、相続税がかからないのが原則です。

ただし、骨とう的価値が高く投資の対象になるような仏像や、商品として所有しているものは、非課税の扱いにならないことがあります。生前にお墓や仏壇を購入しておくと、その分は現金が減り相続財産から外れる側面もありますが、過度に高額で投資性・換金性が強いものや、事業用・販売用として所有するものは、非課税財産と認められない可能性があります。節税目的だけで高額な祭祀財産を購入する場合は、相続税上の取扱いを事前に確認すべきです。どこまでが非課税かの判断は税理士の業務のため、税理士法人トゥモローズと連携して確認します。

▶ 関連解説(税理士法人トゥモローズ):相続税が非課税となるケースまとめ【基礎控除・非課税財産・保険金・退職金など】


行政書士法人トゥモローズのサポート

当法人では、祭祀承継者の整理や遺言での指定、改葬許可など墓地に関する手続き、戸籍収集・相続手続き全体をサポートします。お墓や仏壇をめぐる承継は、感情的な対立も生じやすいところです。手続き面を整理し、家族で円満に進められるようご案内します。

相続税の非課税の判断は税理士法人トゥモローズ、離檀料などの紛争は提携弁護士と連携します。祭祀の承継を確実にしたい場合は、遺言とあわせた設計もご相談ください。


相続手続きの料金プランとサポート内容の全体像は、こちらにまとめています。

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よくある質問(FAQ)

Q1. 祭祀承継者に指定されましたが、引き受けたくない場合は断れますか?

A. 祭祀承継者については、相続放棄のような明確な辞退制度はありません。そのため、親族間の協議や、必要に応じて家庭裁判所での承継者の決定、墓じまい・永代供養への切り替えなどで、現実的に調整するのが一般的です。実際の管理や費用は他の親族と分担することもできます。どうしても担えない事情がある場合は、早めに家族で話し合い、実質的な担い手を決めておくと安心です。

Q2. 改葬や墓じまいにはどれくらい費用がかかりますか?

A. 墓石の撤去・整地費用、新しい納骨先(納骨堂・永代供養墓など)の費用、改葬の手続き費用などがかかり、合計で数十万円から、規模により数百万円になることもあります。寺院墓地では離檀料が加わることもあります。複数の石材店や納骨先で見積りを取り、総額を把握してから進めると安心です。

Q3. 墓じまいで高額な離檀料を求められたらどうすればよいですか?

A. 離檀料の金額に法律上の決まりはなく、お寺との関係や地域によって異なります。一方的に高額を求められ、話し合いで折り合わない場合は、交渉や紛争対応は弁護士の業務になります。まずは誠意をもってお寺と話し合い、それでも解決しない場合に提携弁護士と連携してご案内します。

Q4. 祭祀承継者になると遺産の取り分は増えますか?

A. 増えません。祭祀財産の承継は、預貯金や不動産の遺産分割とは別のしくみで、承継者だから相続分が増減することはありません。ただし、お墓や法要の管理という負担を担うことになるため、その負担を考慮して、遺言や遺産分割協議で配慮する(取り分を多めにするなど)ことは可能です。

Q5. 散骨や手元供養をする場合も改葬許可は必要ですか?

A. すでにお墓に納められている遺骨を、別の墓地や納骨堂へ移す場合は改葬に当たり、市区町村長の改葬許可が必要です。一方、散骨や手元供養は、他の墳墓・納骨堂へ移すものではないため、自治体によっては改葬許可の対象外と扱われることがあります。遺骨を取り出す前に、現在のお墓がある市区町村と墓地管理者へ要否を確認してください。


まとめ

お墓・仏壇・位牌などの祭祀財産は、通常の相続財産と別に原則として特定の祭祀承継者が承継します(民法第897条)。承継者は指定→慣習→家庭裁判所の順で決まり、遺言での指定も可能です。お墓を移す改葬・墓じまいには市区町村長の改葬許可が必要で、費用や離檀料に注意します。祭祀財産は相続税が原則非課税。承継は対立も生じやすいため、遺言での指定や事前の家族の話し合いで備えましょう。

行政書士法人トゥモローズは、東京・八丁堀(東京メトロ日比谷線「八丁堀駅」徒歩3分)の事務所を拠点に、首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)とオンライン(Google Meet・全国対応)で、祭祀承継者の整理や遺言での指定、改葬許可・墓じまいの手続きから、戸籍収集・相続手続き全体まで、円満に進められるようサポートしています。相続税の非課税の判断は税理士法人トゥモローズと連携します。


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根拠法令・公的資料

  • 民法第897条(祭祀に関する権利の承継)
  • 墓地、埋葬等に関する法律第2条(改葬の定義)・第5条(改葬の許可)
  • 墓地、埋葬等に関する法律施行規則第2条(改葬許可申請に必要な書類)
  • 相続税法第12条(非課税財産・墓所、霊びょう及び祭具等)
  • 税理士法第2条・第52条(非課税の判断・相続税は税理士の業務)
  • 行政書士法第1条の3(改葬許可申請等の書類作成)

公的機関・根拠リンク

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この記事の執筆者:大塚 英司

行政書士法人トゥモローズ 代表行政書士(日本行政書士会連合会 登録番号 第18082222号)
税理士(東京税理士会新宿支部 登録番号 117702)

相続を専門に取り扱う行政書士・税理士。相続手続き・遺言・おひとりさま終活の実務に幅広く従事し、戸籍収集や遺産分割協議書の作成から、死後事務委任契約・任意後見契約といった生前対策の設計まで、ご相談者お一人おひとりの状況に応じて丁寧にサポートしている。