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この記事の執筆者:角田壮平

相続税専門である税理士法人トゥモローズの代表税理士。年間取り扱う相続案件は100件以上、謙虚に、素直に、誠実に、お客様の相続に最善を尽くします。

相続税の納税義務者 パターン別に徹底解説!

最終更新日:

相続税申告

みなさん、こんにちは。
相続税専門の税理士法人トゥモローズです。

相続税を納める義務がある人のことを相続税の納税義務者といいます。
自分が相続税の納税義務者に該当するのかどうかについて以下のような疑問を覚えた人も多いでしょう。

□法定相続人以外も納税義務者になるのか?
□相続税の基礎控除以下でも納税義務者になるのか?
□外国籍でも納税義務者になる可能性はあるのか?
□国外に住んでいるのに日本の相続税がかかるのか?
□個人でない会社も納税義務者になるのか?、

今回は、相続税の納税義務者についてパターン別に徹底解説します。

相続税の納税義務者の基本

相続税の納税義務者について、基本に立ち返り条文を確認してみましょう。(専門家以外は読み飛ばしてください。)

相続税法第1条の3(相続税の納税義務者)

次の各号のいずれかに掲げる者は、この法律により、相続税を納める義務がある。
一 相続又は遺贈(贈与をした者の死亡により効力を生ずる贈与を含む。以下同じ。)により財産を取得した次に掲げる者であつて、当該財産を取得した時においてこの法律の施行地に住所を有するもの
 イ 一時居住者でない個人
 ロ 一時居住者である個人(当該相続又は遺贈に係る被相続人(遺贈をした者を含む。以下同じ。)が一時居住被相続人又は非居住被相続人である場合を除く。)

二 相続又は遺贈により財産を取得した次に掲げる者であつて、当該財産を取得した時においてこの法律の施行地に住所を有しないもの
 イ 日本国籍を有する個人であつて次に掲げるもの
 (1) 当該相続又は遺贈に係る相続の開始前十年以内のいずれかの時においてこの法律の施行地に住所を有していたことがあるもの
 (2) 当該相続又は遺贈に係る相続の開始前十年以内のいずれの時においてもこの法律の施行地に住所を有していたことがないもの(当該相続又は遺贈に係る被相続人が一時居住被相続人又は非居住被相続人である場合を除く。)
 ロ 日本国籍を有しない個人(当該相続又は遺贈に係る被相続人が一時居住被相続人又は非居住被相続人である場合を除く。)

三 相続又は遺贈によりこの法律の施行地にある財産を取得した個人で当該財産を取得した時においてこの法律の施行地に住所を有するもの(第一号に掲げる者を除く。)

四 相続又は遺贈によりこの法律の施行地にある財産を取得した個人で当該財産を取得した時においてこの法律の施行地に住所を有しないもの(第二号に掲げる者を除く。)

五 贈与(贈与をした者の死亡により効力を生ずる贈与を除く。以下同じ。)により第二十一条の九第三項の規定の適用を受ける財産を取得した個人(前各号に掲げる者を除く。)

上記の条文は専門家であっても非常にわかりづらく煩雑です。
以前はもう少しシンプルでした。国際的な手法で相続税を逃れようとする一部の富裕層の租税回避を防止するために税制改正をしたところ日本で働く善良な外国人に思わぬ相続税がかかってしまうことになってしまい、その微調整をしているうちにややこしくなってしまいました。

上記条文は一項から五項に大きく分けられてひとつひとつ解説することも考えましたが、誰も読まないなと思い、条文の解説は省略します。詳しくは、次のパターン別に徹底解説をご参照ください。
ちなみに、上記の条文を図化したものが下記となります。

相続税の納税義務者

相続税の納税義務者をパターン別に徹底解説

被相続人の財産が相続税の基礎控除以下の場合

申告義務なし

【解説】
相続税には一定の非課税枠が設けられていて、3,000万円+600万円✕法定相続人の数という基礎控除を超えなければ相続税を納める義務はありません。
相続税の基礎控除の詳しい説明は、【相続税申告の基礎知識】基礎控除と法定相続人(法定相続分)について詳しく解説します相続税の基礎控除(非課税枠)をパターン別に徹底解説!を参照してください。

被相続人の財産が相続税の基礎控除を超えるが、配偶者の税額軽減、小規模宅地等の特例で相続税がゼロとなる場合

申告義務あり

【解説】
配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例には申告要件がありますので、これらの適用により相続税がゼロとなったとしても相続税の申告義務はあります。
配偶者の税額軽減の詳しい説明は、相続税の配偶者控除(配偶者の税額軽減)で税額を抑える方法【注意点も合わせて解説】を参照してください。
小規模宅地等の特例の詳しい説明は、小規模宅地等の特例をわかりやすく解説。相続した土地にかかる相続税を最大80%減額を参照してください。

被相続人の財産が相続税の基礎控除を超えるが、障害者控除、未成年者控除、相次相続控除で相続税がゼロとなる場合

申告義務なし

【解説】
障害者控除、未成年者控除、相次相続控除には申告要件がありませんのでこれらの税額控除適用後に相続税がゼロになる場合には相続税の申告をする必要はありません。

法定相続人以外の場合

申告義務あり

【解説】
「相続税の納税義務=法定相続人」という算式は成立しません。
上記の条文にも法定相続人や相続人というワードは一切出てきません。
相続税の納税義務者には、相続又は遺贈により財産を取得した者すべてが該当します。
すなわち、相続人以外でも遺言で指定された受遺者や生命保険の受取人等は相続税を納める義務があるのです。

会社が受遺者の場合

申告義務なし

【解説】
相続税は個人にかかる税金で会社は相続税を納める義務はありません。
例えば、遺言書で同族会社に遺贈すると書いたとしてもその会社には相続税はかからないのです。
それならオーナー経営者は同族会社に財産を遺贈すれば相続税を回避できちゃうと思うかもしれませんが、相続税より重い税金がかかる可能性があるため皆さんやりません。
というのも、会社には相続税はかからなくてもその遺贈を受けた財産につき受贈益として法人税がかかります。また、その遺贈した財産が不動産等の譲渡所得の対象となる財産であれば被相続人の準確定申告で所得税がかかる可能性があります。さらに、その遺贈により法人の株価が増加した場合には、その株価が増加した部分について他の株主に対する贈与とみなされ贈与税や相続税がかかることもあります。
このように、会社自体には相続税はかからなくても最悪の場合、法人税、所得税、贈与税(相続税)のトリプルパンチになる可能性があるのです。

人格のない社団が受遺者の場合

申告義務あり

【解説】
代表者又は管理者の定めのある人格のない社団に財産を遺贈した場合には、その社団は個人とみなされて相続税の納税義務があります。

被相続人や相続人が国外にいる場合や相続人が日本国籍でない場合

パターン解説に入る前に相続税の納税義務論点に出てくる独特の用語を確認しておきましょう。

□一時居住被相続人:在留資格で滞在している者で、相続開始前15年以内において国内に住所を有していた期間の合計が10年以下の被相続人
□一時居住者:在留資格で滞在している者で、相続開始前15年以内において国内に住所を有していた期間の合計が10年以下の者

①被相続人:国内に住所あり(一時居住被相続人でない)、相続人:条件なし

国内財産及び国外財産が相続税の対象

【解説】
被相続人の住所が日本にあり、一時居住被相続人に該当しない場合には、相続人が国外在住でも外国人でも一切関係なく国内財産、国外財産のすべてについて相続税がかかります。

②被相続人:国内に住所あり(一時居住被相続人)、相続人:一時居住者

国内財産のみ相続税の対象

【解説】
このパターンは国外財産については相続税の対象に含める必要はありません。

③被相続人:国内に住所あり(一時居住被相続人)、相続人:相続開始時に国内に住所なし(相続開始前10年間に国内に住所あった時期あり)、日本国籍あり

国内財産及び国外財産が相続税の対象

【解説】
被相続人が一時居住者被相続人に該当し、相続人が相続開始前10年以内に日本に住所があって、かつ、日本国籍がある人の場合には国内外の財産のすべてについて相続税がかかります。

④被相続人:国内に住所あり(一時居住被相続人)、相続人:国内に住所なく、日本国籍なし

国内財産のみ相続税の対象

【解説】
被相続人が一時居住者被相続人に該当し、相続人が相続開始時に国内に住所がなく、かつ、外国人の場合には国内財産のみが相続税の対象となります。

⑤被相続人:日本人で相続開始時に国内に住所なし(相続開始前10年間に国内に住所あった時期あり)、相続人:条件なし

国内財産及び国外財産が相続税の対象

【解説】
被相続人が相続開始時に日本に住所がなくても、日本人であり、かつ、相続開始前10年間の間に日本に住所があった人の場合には、相続人が外国人であろうが、日本に住んでいなかろうが、国内外の財産のすべてに相続税がかかります。

⑥被相続人:外国人で相続開始時に国内に住所なし(相続開始前10年間に国内に住所あった時期あり)、相続人:国内に住所あり(一時居住者)

国内財産のみ相続税の対象

【解説】
被相続人が外国人で相続開始時に日本に住んでいなくて、相続人が一時居住者に該当する場合には、国内財産のみが相続人の対象となります。

⑦被相続人:相続開始前10年超日本に住所なし、相続人:外国人で国内に住所なし

国内財産のみ相続税の対象

【解説】
被相続人がずっと海外に住んでいて、相続人も海外に住んでいて日本国籍がない場合には国内財産のみが相続税の対象となります。

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