マイナンバーカードの交付で預貯金口座の情報が税務署にバレる?!

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相続手続き

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この記事の執筆者:角田 壮平

相続税専門である税理士法人トゥモローズの代表税理士。年間取り扱う相続案件は200件以上。税理士からの相続相談にも数多く対応しているプロが認める相続の専門家。謙虚に、素直に、誠実に、お客様の相続に最善を尽くします。

みなさんこんにちは!
相続専門の税理士法人トゥモローズです。

マイナンバーカードの交付率が63.5%(2023年2月末時点)となりました。
交付枚数としては、約8,000万枚となります。

マイナンバー制度が創設されたのが平成28年1月のため7年かかって6割程度浸透してきた感じですね。

今回は、マイナンバーカードの交付によって預貯金の情報がどこまで国に把握されてしまうのかについて解説していきます。

動画で知りたい人は下記YouTubeから、テキストで確認したい人はこのままスクロールして一番最後までお読みください!

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マイナンバーカードの交付を受けても預貯金口座の情報は国に流れることはない!

いきなり結論からですが、マイナンバーカードの交付を受けたからといって預貯金の情報が国や税務署に自動的に流れるということはありません。

理由としては、現時点(令和5年3月時点)では預貯金口座とマイナンバーを強制的に紐付けることはできないためです。

預貯金口座とマイナンバーの紐付けは国民の判断に任されているのです。

預貯金口座とマイナンバーの紐付けの制度の詳細について次の項目で確認していきましょう。

マイナンバーと預貯金口座を紐付ける2つの制度

マイナンバーと預貯金口座を紐付ける制度は下記2つが存在します。

(1)預貯金口座付番制度⇒預貯金口座管理制度
(2)公金受取口座登録制度

(1)預貯金口座付番制度⇒預貯金口座管理制度

預貯金口座付番制度は2018年1月から制度が開始されています。
国民の任意で金融機関ごとにマイナンバーを紐付けることができるようになりました。
任意であること、金融機関の窓口でしか手続きできないこと、金融機関ごとに申し出する必要があること等の理由によりほぼ浸透してません。

そのような状況の中で預貯金口座付番制度は預貯金口座管理制度に制度変更される予定です。
新制度の預貯金口座管理制度は、その人が保有するすべての金融機関の口座につき一括でマイナンバーを紐付けることができるようになります。
これにより、相続時にマイナンバーですべての口座の名寄せが可能となり、相続手続きが圧倒的に楽になるというメリットがあります。

新制度の預貯金口座管理制度は2024年から運用開始がされる見込みです。

なお、預貯金口座管理制度も従前の預貯金口座付番制度と同様に強制ではなく任意です。

(2)公金受取口座登録制度

公金受取口座登録制度とは、年金、児童手当、税金還付金等の公金の受取口座を登録する制度です。
(1)預貯金口座付番制度は、金融機関を通じて各口座にマイナンバーを紐付けるのに対して、公金受取口座登録制度は、国民が直接国に対して届け出する制度です。

確定申告の際に公金受取口座を届け出ることもできます。

公金受取口座登録制度は2022年1月から運用が開始されています。

結局マイナンバーと預貯金口座を紐付けるべきか?

マイナンバーと預貯金口座を紐付けるべきかどうかは個人の考え方によるかと思います。

紐付けた場合のメリットとデメリットを解説しますので、下記を総合的に考えて各自で判断しましょう。

(1)紐付けた場合のメリット

①預貯金の相続手続きが圧倒的に楽になる
②給付金等を早く受け取れるようになる

①預貯金の相続手続きが圧倒的に楽になる

今の実務で預貯金の相続手続きが大変な理由は、下記の2つです。

■亡くなった人の預貯金を網羅的に把握すること(名寄せ)
■金融機関ごとに異なった書式、方法で名義変更、解約手続きをしなければならないこと

まずは、亡くなった人の預貯金口座を漏れなく把握することが大変なのです。
家の中で通帳等を捜索してそれぞれの金融機関に口座が存在するかどうか確認しなければなりません。
この作業だけで数週間かかることもあります。
また最近はネットバンク等の通帳がない金融機関も存在します。
その場合には相続手続きをしないまま放置されてしまう可能性もあるのです。

次に、預貯金口座の名義変更手続きが非常に煩雑です。
金融機関ごとに異なる雛形の相続手続き書類に必要事項を記載して、実印を押して、印鑑証明書や遺産分割協議書を添付したりして手続きする必要があります。

マイナンバーと預貯金口座を紐付けた場合には、将来的に、名寄せについては一つの金融機関にて亡くなった人が保有しているすべての金融機関の口座を一括で把握することができます。
これは非常に有用だと思います。

相続手続きについても将来的には預金保険機構を通じで一括で手続きできるようになったら相当有用ですね。

②給付金等を早く受け取れるようになる

公金受取口座を登録してマイナンバーと預貯金口座を紐付けると申請手続き時に口座情報の確認が不要となるため素早く給付金等を受け取ることが可能となります。

公金受取口座で受け取れる給付金としては下記のようなものです。

年金

子育て給付
就学支援
障害福祉
生活保護
労災保険・公務災害補償
失業保険
職業訓練給付
健康保険
介護保険
災害被災者支援
その他

詳しくは、デジタル庁HPをご参照ください。

(2)紐付けた場合のデメリット

①国や自治体に預金口座の存在を知られること
②マイナンバー経由での個人情報の流出?

①国や自治体に預金口座の存在を知られること

紐付けた場合に一番気になる点としては、自身の財産が「国や自治体に丸裸にされるのでは?」ということではないでしょうか?

公金受取口座を登録するだけだと当該預貯金口座の残高や取引履歴までは国に知られることはないとデジタル庁HPで記載されています。

デジタル庁HP よくある質問:公金受取口座登録制度について(総論)

Q1-10 口座を登録すると預貯金額や取引履歴(入出金履歴など)が国に知られるのですか。
A1-10

金融機関名や口座番号等の口座の情報が国に登録されることとなりますが、預貯金残高等の情報が知られることはありません。

これに対し、預貯金口座付番制度(預貯金口座管理制度)では、網羅的に口座情報を国に把握されることになるのではないでしょうか。
なお、何度も言いますが、預貯金口座とマイナンバーの紐付けは現状では任意ですので、国に知られたくない口座があれば預貯金口座とマイナンバーを紐付けなければ良いだけです。

ただし、国に口座を隠しても税務調査で指摘を受ける可能性も大きいため公明正大に生活している人であれば預貯金口座とマイナンバーの紐付けはそこまでハードルが高くないとは思います。

②マイナンバー経由での個人情報の流出?

一番怖いのがマイナンバーの情報が漏れたり、マイナンバーカードを紛失したら預貯金とかを勝手に誰かに引き出されてしまうのではないか?という疑問です。
こちらについてもデジタル庁HPでマイナンバーやマイナンバーカードだけで預貯金を引き出すことができないと明言しています。

デジタル庁HP よくある質問:公金受取口座登録制度について(総論)

Q1-12 他人にマイナンバーを知られたり、マイナンバーカードを盗難された場合、預貯金を引き出されたりしませんか。
A1-12

マイナンバーやマイナンバーカードだけで、預貯金の引き出しを行うことはできません。

また、マイナンバーカードを盗難された場合には、速やかに、最寄りの警察か交番に届け出てください。併せて、24時間365日、マイナンバーカードの一時機能停止を受け付けるマイナンバー総合フリーダイヤルに連絡してください(音声ガイダンスに従って、メニュー番号:2番の「マイナンバーカードの紛失・盗難 」を指定してください。)。 その後、市区町村に届け出て再交付の手続きをしてください。

マイナンバーと預貯金口座の紐付けは将来的に義務化されるのか?

預貯金とマイナンバーについては、現状公表されている制度だと国民の任意となっていて強制的に紐付けるという制度にはなっていません。
強制的にすべての口座にマイナンバーの付番が義務化されるとなると国民の反発も大きくなることが予想されるため直近での義務化は想定できませんが、
マイナンバー制度の創設趣旨を鑑みると将来的には義務化される可能性はあるのではないでしょうか。

相続税の申告手続き、トゥモローズにお任せください

相続税の手続きは慣れない作業が多く、日々の仕事や家事をこなしながら進めるのはとても大変な手続きです。

また、適切な申告をしないと、後の税務調査で本来払わなくても良い税金を支払うことにもなります。

税理士法人トゥモローズでは、豊富な申告実績を持った相続専門の税理士が、お客様のご都合に合わせた適切な申告手続きを行います。

初回面談は無料ですので、ぜひ一度お問い合わせください。

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