相続でサブスク地獄!? 遺族がやるべき順序と注意点

- 相続時のサブスク契約は見落としやすく、放置すると課金が続く。
- スマホやメールを早く解約すると手続きが途中で止まる。
- 課金明細とメール履歴から契約を特定するのが最初のステップ。
- 死亡連絡・データ保存・正式解約の順で行うのが安全。
- デジタル遺品の確認には専門家への相談が効果的。
目次
サブスク契約が相続手続きの「落とし穴」になる理由
相続に関しては不動産や預貯金などの手続きが優先されますが、近年は「サブスクリプション契約(定期課金)」が新たな課題となっています。
世帯主が亡くなった後も、Amazon Prime、Netflix、iCloudなどの月額課金サービスが継続するケースが多く、相続人が気づくまで長期間にわたって料金が発生することがあります。
解約を行うにも本人のスマホ・メール・二段階認証が必要な場合が多く、通信契約を先に止めてしまうとログイン自体が不可能になるのが実情です。
スマホやメールを「最後に解約すべき」理由
メール認証が多くのサービスに必須だから
NetflixやAppleは「本人確認のためのワンタイムコード」を登録メールやSMSに送信します。電話番号やメールが使えなくなると、解除コードを受け取れないため、結果的に解約不能に陥ります。
したがって、携帯電話やメール契約は、すべてのオンライン解約が完了するまで保持するのが安全です。
通信解約で「管理者アクセス」が失われる
企業向けクラウドサービスや写真共有サービスでは、アカウントを削除できるのは管理者本人だけという構造が多く、相続によるアクセス引継ぎに特別手続きが必要です。
個人のスマホ情報がその唯一の認証手段になっている場合、通信解約が引き金で完全ロックされたままになる例もあります。
裁判・税務署の照会ですら追跡困難に
デジタル契約は法的所在地が海外の場合も多く、たとえ遺族が請求してもデータ開示に数ヶ月かかることも。 後から「もう少し早く確認していれば」と後悔するケースが多く見られます。
相続時に優先すべき確認ポイント
| 確認項目 | 目的・内容 |
| クレジットカード明細 | 毎月同額の支払いがないか確認(例:980円、1,280円など) |
| メールの購読通知 | 「ご請求のお知らせ」「支払い確認」などの文面を検索 |
| スマホの定期購入履歴 | App Store/Google Playの「サブスクリプション」を開く |
| デバイスのホーム画面 | 使っていたアプリから継続課金サービスを推定 |
| 銀行の自動引落し記録 | サブスクの引落しが口座ベースで続いていないか確認 |
サブスク契約の実態:相続人が知っておくべき分類
1. エンタメ系(月額利用型)
Spotify、Netflix、YouTube Premiumなど。亡くなった後も自動課金されるため特に注意が必要です。
2. ストレージ・バックアップ系
iCloud、Google Driveなどは解約だけでなく、保存データの引継ぎも重要。バックアップを取らずに削除依頼すると大切な写真が失われます。
3. ソフトウェア・アプリ系
Adobe、Microsoft 365などのサブスクは法人名義との混同が起きやすい領域。業務データの引継ぎを忘れずに。
4. デジタル金融系
証券アプリ、仮想通貨取引所、クラウドバンクなども「自動課金」の一種に含まれます。これらは金銭資産に直結するため、優先確認対象です。
正しいサブスク解約の順序
- 現金・口座・カード情報から課金契約を洗い出す。
- 必要なデータをバックアップ(写真・文書・受信メールなど)。
- 各社に契約者死亡の連絡を行い、必要書類を提出。
- 遺族代表のアカウントとして解約・退会を申請。
- すべての契約終了後に、スマホ・メール・通信契約を停止。
損を防ぐための実践的な対策
1. 生前に「サブスク台帳」を作る
契約サービス名・支払い方法・連絡先をメモしておくことで、遺族が迷わずチェックできます。 これはエンディングノートやデジタル遺言の一部として活用可能です。
2. クラウド遺産管理サービスを利用する
Googleの「アカウント無効化管理ツール」などを使うと、最終アクセス後一定期間が経過した時点で家族に情報が通知されます。
3. 専門家と連携する
税理士・行政書士に依頼すれば、金融・税務・デジタルの情報整理を一括サポートしてもらえるケースもあります。 第三者による相続財産調査は、サブスクを含む請求履歴の洗い出しにも有効です。
こんなトラブルにも注意
| ケース | よくあるトラブル内容 |
| メールを先に解約 | 解約メールが届かず認証できない |
| スマホを初期化 | 保存データと解約情報が消える |
| カードを停止 | 残債が発生し、信用情報に傷が付く |
| 海外サブスクを放置 | 解約URLが国内から開けず手続き不能 |
Q&A:実務でよくある質問
Q. サブスクのIDやパスワードが分かりません。
死亡届提出後に、各社サポートへ「相続人照会書」を申請できます。戸籍謄本や相続関係説明図の提出が必要です。
Q. 解約に必要なメールアドレスが既に閉鎖されています。
通信会社に相談し、一時的に解約を取り消すことが可能な場合があります。早めに事情を説明しましょう。
Q. サブスクの残金やポイントは相続財産になりますか?
基本的には払い戻し対象になりますが、利用規約により無効となるケースもあります。
詳しくは、【マイルは相続できる!】手続き~相続税評価方法をわかりやすく解説をご参照ください。
Q. 家族が使っていた有料クラウドの中身を見たいです。
個人情報保護の観点から閲覧が制限されることも。証明書を添付の上で正式な開示請求を行いましょう。
まとめ:焦らず順序を守ることが最善
サブスクの解約は「誰もが避けて通れないデジタル時代の相続課題」です。 慌てて通信契約を止めると、確認や証明が取れずに長期課金が続くリスクがあります。
相続人はまず、課金の全体像を把握し、必要なデータを取得し、各サービスを正式に解約。 それが終わって初めて、スマホ・メール・回線の停止を行うのが安全です。
デジタル社会の今、相続においても「情報を絶やさない」ことが、最良の財産保全策になります。
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