開業前、開業3年未満、休業中、清算中の会社の株価は?

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事業承継

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この記事の執筆者:大塚 英司

埼玉県所沢市出身、東日本税理士法人、EY 税理士法人を経て、税理士法人トゥモローズ代表社員就任。相続に関する案件は、最新情報を駆使しながらクライアント目線を貫き徹底的な最適化を実現します。

こんにちは。
事業承継に専門特化した税理士法人トゥモローズです。

非上場の同族会社のオーナーは、事業の引継ぎ手が見つからなかった場合や事業を承継する必要がないと判断した場合には、会社をたたみ清算をするという選択肢を採ることもあります。この様な選択をし、清算の手続きの最中において、仮にオーナーが不慮の事故などでお亡くなりになった場合、清算中であったとしてもその会社の株式は一定の価値を有していますので、清算中の会社の株式は相続人である家族に引き継がれることとなります。
また、それが開業前の時点であったとしても同様です。

今回は、この様な非上場会社が開業前、開業して間もない会社や休業中・清算中の会社であった場合の株式評価について確認します。

Point!
✔ 会社が置かれている特殊な状況に着目して実態に応じた評価方法が定められている
 「類似業種比準方式」は適用できず、原則として「純資産価額方式」による

非上場会社の株式の評価は、上場株式の様に証券取引所における日々の取引相場が存在しないため、「取引相場のない株式」として、その会社が置かれている状況やその会社の従業員数、取引規模などの会社規模等によって、それぞれ実態に即した評価方法で評価を行います。
この取引相場のない株式の中でも、未だ開業するに至っていない場合、開業して間もない場合、休業中である場合、又は既に清算手続きに入っている場合など、特殊な状況にある会社の株式については、その会社が置かれている状況に着目して、それぞれの株式の実態に応じた評価方法が定められています。
なお、取引相場のない株式の評価方法である「類似業種比準方式」と「配当還元方式」は、会社が継続して事業活動を行っていることを前提とした評価方法であって、その計算要素として「利益」や「配当」を拠り所として計算がされます。したがって、上述の様な会社ではこの様な要素の数値を求めることができませんので、「類似業種比準方式」と「配当還元方式」は採用できず、それぞれ以下の様に評価していくこととなります。

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1.開業前の会社

● 開業前の会社とは、会社設立の登記は完了している状態ですが、現時点ではまだ事業活動を開始するまでに至っていない会社をいいます。

● 開業前の会社に該当する場合の株式の評価は、「純資産価額方式」により評価を行います。設立したてということで払込金額によって評価することも考えられますが、設立から開業まで相当期間経過していることも想定され、必ずしも「払込金額 =
評価金額」となるとは限りませんので、純資産価額により評価を行います。

2.開業3年未満の会社

● 開業3年未満の会社とは、①株価を評価するときに開業後3年未満であって、②その直前期末の1株当たりの「配当金」「利益」「純資産(簿価)」の要素すべてが“ゼロ”の状態にある会社をいいます

● 開業3年未満の会社に該当する場合の株式の評価は、「純資産価額方式」により評価を行います。
なお、取得者及びその同族関係者の議決権割合の合計が50%以下の場合には、純資産価額の80%評価ができます。
また、同族株主以外の株主(少数株主)が取得した場合には、配当還元方式によって評価することもできますので、純資産価額と配当還元価額とのいずれか低い金額が株式の評価額となります。

3.休業中の会社

● 休業中の会社とは、会社が相当長期間にわたって休業状態にある会社をいいます。したがって、その休業が一時的なもので、近々再開が見込まれている場合には休業中の会社には該当しません。

●休業中の会社に該当する場合の株式の評価は、「純資産価額方式」により評価を行います。

4.清算中の会社

● 清算中の会社とは、解散決議後にそれまで積み上げてきた経済的関係の整理を行う清算決了までの期間にある会社をいいます。

● 清算中の会社に該当する場合の株式の評価は、原則的には「清算分配見込額」のより評価を行います。つまり、清算の結果、分配として受け取ることができると見込まれる金額をその会社の評価時点における価値に換算して計算をします。

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基準年利率・複利現価率については、国税庁HPに個別通達として毎年公表されています。
平成28年分の基準年利率について(法令解釈通達)

● 分配を行わずに長期間にわたり清算中のままの会社の場合には、清算の結果としての清算分配見込額の算出やその期間の算定が困難なことなどから「純資産価額」により評価を行います。

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