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海外相続で使う英文Death Certificate(死亡証明書)の入手・活用実務|日本の死亡届受理証明書・除籍謄本との使い分けと英訳認証

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行政書士法人トゥモローズ 代表行政書士(日本行政書士会連合会 登録番号 第18082222号)

大塚 英司


10秒でわかる この記事の要約

  • 海外金融機関に相続手続きを申し立てる際、多くの機関から英文の死亡証明書(Death Certificate)の提出が求められます。日本には米国の州発行「Death Certificate」に相当する単一書式がないため、提出先の指定がない場合は日本の死亡届受理証明書・除籍謄本の英訳+認証を実務上の出発点とします(金融機関によっては除籍謄本だけ、指定フォームだけで足りる場合もあります)。
  • 被相続人が米国内で死亡した場合は、州(または郡)発行のCertified Copy of Death Certificateを米国内の役所から取り寄せます。日本国内で死亡した場合とは入手ルートが根本的に異なります。
  • 日本の死亡診断書・死体検案書は、医師が交付する医学的・法律的な死亡証明書ですが、市区町村長や法務局長が発行する公文書ではないため、海外金融機関向けには公文書扱いの死亡届受理証明書・届書記載事項証明書・除籍謄本の英訳の方が受理されやすい傾向があります。
  • 翻訳文自体は私文書で、翻訳者宣言書(Translator’s Affidavit)と一体で公証人認証を受け、その上でアポスティーユまたは領事認証を組み合わせて提出します。

海外金融機関に相続手続きを申し立てる際、多くの機関から「Death Certificateを提出してください」と求められます。これは相続手続き全体の起点となる書類で、Death Certificateの提出が不十分だとその後のFamily Tree・Affidavit of Domicile・遺産分割協議書等の書類も受理されません。

日本には米国の州発行「Death Certificate」に相当する単一書式がないため、日本の死亡届受理証明書・除籍謄本・死亡届記載事項証明書のいずれかを英訳+認証したパッケージで対応します。また、被相続人が米国内で死亡した場合は、米国内の州(または郡)から発行される正式のDeath Certificateを取り寄せる別の実務が発生します。

本記事では、海外相続で使う英文Death Certificateを、日本発行の代替書類・米国発行のDeath Certificate入手・英訳・認証・使い分けまで、行政書士の書類作成支援目線で7つのステップに整理して解説します。

なお、本記事は海外提出用Death Certificate(相当書類)の一般的な実務を解説するもので、国・金融機関・時期により指定書式や要求される認証パッケージは異なります。実際の書類作成は各金融機関の指示に従い、現地代理業務・法的判断は現地弁護士・現地専門家、税務判断は税理士と連携して進めます。

東京・八丁堀の行政書士法人トゥモローズは、海外相続で使うDeath Certificate相当書類の入手・英訳手配、翻訳者宣言書・公証・アポスティーユの進行管理を全国オンラインで対応しています。


海外金融機関がDeath Certificateを求める理由

海外金融機関がDeath Certificateを求める背景には、次の3つの理由があります。

理由1:相続手続きの起点となる公的な死亡事実の証明

海外金融機関は、被相続人の死亡事実を公的機関発行の書類で独立に確認する必要があります。口座凍結・資産移転・受取人請求のいずれも、まず「本人が確かに死亡した」ことの証明がないと開始されません。Death Certificateは、その最も基本かつ最重要の起点書類です。

理由2:AML/CFT・KYCコンプライアンス

海外金融機関のマネロン・テロ資金供与対策(AML/CFT)の観点から、被相続人の死亡事実・死亡日・死亡地・死亡原因(場合により)をコンプライアンス部門が独立に検証する必要があります。Death Certificateは、身元・関係性・受取根拠を確認するための核心資料の位置付けです。

理由3:プロベート・受取人請求の根拠書類

米国・英国・オーストラリア等のプロベート(検認)制度がある国では、プロベート裁判所への申立てにDeath Certificateの提出が必須です。TOD/POD受取人指定資産の請求でも、金融機関がDeath Certificateを受領して初めて受取人請求手続きが開始されます。

海外提出用書類の翻訳・公証・認証の全体像は、関連解説(税理士法人トゥモローズ)「相続で必要な翻訳・公証・認証手続きを完全解説」もあわせてご確認ください。


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日本の死亡関連書類——4種類の使い分け

日本国内で死亡した場合、海外提出用のDeath Certificate相当書類として使える公的書類は次の4種類があります。海外金融機関の指示・提出先国の慣行によって使い分けます。

① 死亡届受理証明書(市区町村長発行の公文書)

  • 遺族が市区町村役場に死亡届を提出した際、市区町村長が「死亡届を受理した」旨を証明する書類
  • 死亡日・死亡地・被相続人氏名・届出人氏名等が記載される公文書
  • 外務省で直接アポスティーユを取得できる場合がある
  • 海外金融機関で最も広く受理される日本発行のDeath Certificate相当書類

② 死亡届記載事項証明書・届書記載事項証明書(市区町村または管轄法務局で取得する公文書)

  • 死亡届の記載内容について証明する書類
  • 死亡届受理証明書より記載内容が詳細(死因・場所・立会人等の記載が含まれる場合がある)
  • 届書類は原則非公開であり、戸籍法48条により利害関係人で、かつ特別の事由がある場合に限り請求できる
  • 請求先は、届出時期・届出地・本籍地・保管状況により、市区町村または管轄法務局に分かれる(東京法務局の案内でも、令和6年3月1日以降に届け出られた届書類については、市区町村が請求窓口となる場合がある旨が示されているため、事前に管轄機関に確認)
  • 海外金融機関から詳細な死亡情報を求められた場合の代替として使用(海外金融機関の要求書面等を提示して特別の事由を明示)

③ 除籍謄本(市区町村長発行の公文書)

  • 被相続人の死亡により戸籍から除籍された事実を記載する公文書
  • 死亡日・死亡地に加えて、被相続人の身分関係(配偶者・子・親)も明示される
  • 死亡証明と身分関係証明を一書類で兼ねられるため実務上効率的
  • 詳細は、戸籍謄本・除籍謄本の英訳実務の記事もあわせてご確認ください

④ 死亡診断書・死体検案書(医師が交付する医学的・法律的証明書)

  • 被相続人の死亡直後に医師が交付する書類で、死亡届の添付書類として提出する
  • 厚生労働省の説明では、「人の死亡を医学的・法律的に証明するために医師が交付する文書」で、単なる私的メモではない
  • ただし海外提出用の認証実務では、市区町村長や法務局長が発行する公文書ではないため、翻訳者宣言書の認証は「翻訳の正確性」を証明するもので、医師発行文書そのものの公文書性を証明するものではない
  • 実務では、海外金融機関向けには死亡届受理証明書・届書記載事項証明書・除籍謄本などの公文書ベースの英訳・認証パッケージの方が受理されやすい傾向
  • 死亡診断書を使う場合は、翻訳者宣言書+公証人認証+アポスティーユを組み合わせて補足資料として添付

実務上の推奨順(提出先指定がない場合の出発点)

海外金融機関の指定書式がない場合、以下の順で書類を用意するのが実務上の出発点となります(金融機関によっては除籍謄本だけ、Death Certificate指定フォームだけ、Certified Copyだけで足りる場合もあります)。

  1. 死亡届受理証明書+除籍謄本の英訳+認証パッケージ
  2. 詳細な死亡情報が求められた場合、届書記載事項証明書の英訳を追加
  3. 医師交付の死亡診断書・死体検案書は、必要に応じて補足資料として翻訳・添付

書類の種類ごとの請求先

死亡関連書類の請求先は、書類の種類により異なります。

  • 死亡届受理証明書:原則として死亡届を受理した市区町村に請求(死亡届は、死亡者の死亡地・本籍地・届出人所在地の市区町村に提出できるため、届出先が請求先となる)
  • 除籍謄本本籍地の市区町村に請求
  • 届書記載事項証明書:届出時期・保管先に応じて市区町村または管轄法務局に請求

発行に1〜2週間かかることもあるため、初動の早い段階で申請するのが実務的です。遠方の場合は郵送申請も可能です。


海外相続の英文Death Certificate入手・英訳・認証パッケージまで、丁寧にサポート。

東京・八丁堀の行政書士法人トゥモローズが、海外金融機関に提出する英文Death Certificate相当書類の入手支援、日本の死亡届受理証明書・除籍謄本の英訳手配、翻訳者宣言書・公証・アポスティーユの進行管理を全国オンラインで対応します(現地代理業務・法的判断は現地弁護士、税務判断は税理士と連携)。初回相談無料。

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被相続人が米国内で死亡した場合——州発行Death Certificateの入手

被相続人が米国内で死亡した場合、日本の死亡届受理証明書ではなく、米国内の州(または郡)から発行されるCertified Copy of Death Certificateを入手する必要があります。州によって発行機関・手続き・費用が異なるため、案件ごとに現地の州法・郡制度に従います。

発行機関——州のVital Records Office

米国のDeath Certificateは、州のVital Records Office(戸籍・生命統計局)で発行されます。州名により正式名称は異なり、たとえばNY州は「NYS Department of Health Bureau of Vital Records」、CA州は「California Department of Public Health Vital Records」等です。郡単位のOffice of the Registrar-Recorder経由で発行される州もあります。米国CDC(疾病対策予防センター)の「Where to Write for Vital Records」ページでは、米国の死亡・出生・婚姻等の証明書について、発生した州・地域を特定したうえで各州・地域のVital Records窓口に申請する必要がある旨が案内されています(州別窓口の一覧をCDCサイトで確認)。

入手ルートの選択

米国のDeath Certificateは、以下のいずれかで取得します。

  • 相続人が渡米して直接取得:州のVital Records Office・郡役場に予約を取り、パスポート・被相続人との関係証明書類を持参して取得
  • 現地代理人・現地弁護士経由:POAで現地代理人に取得を委任
  • オンライン申請:VitalChek等のオンラインサービスで申請可能な州もある
  • 郵送申請:本人証明書類のコピー・申請手数料を同封して郵送

入手費用と所要期間

  • 費用:1通あたり$15〜$40程度(州により異なる)
  • 所要期間:オンライン申請で1〜2週間、郵送申請で3〜8週間、緊急発行(Rush Service)で数日
  • 追加費用でRush Service(緊急発行)を利用できる州もある

Certified CopyとInformational Copyの違い

米国のDeath Certificateには2種類あり、相続手続きにはCertified Copyを取得します。

  • Certified Copy(認証済謄本):州の公印付きで、法的効力を持つ書類。金融機関・裁判所への提出用
  • Informational Copy(情報用謄本):情報確認用のコピーで、法的効力を持たない

誤ってInformational Copyを取得すると、Transfer Agent・金融機関から差し戻されるため、必ずCertified Copyを申請します。

アポスティーユの要否は提出先で分かれる

米国発行のCertified Copy of Death Certificateに必要な認証は、提出先で分かれます。

  • 米国金融機関・Transfer Agentに提出する場合:Certified Copyのみで足りることが多く、アポスティーユまでは求められないケースが多い
  • 日本その他の米国外で使用する場合:発行州の州務長官(Secretary of State)等でアポスティーユを取得することがある(米国はアポスティーユ条約締約国のため、締約国内で使用する場合はアポスティーユで足ります)

必要な認証は提出先金融機関・提出国により異なるため、米国金融機関向けか、日本国内手続向けかを分けて事前確認します。

取り寄せる通数

米国内・日本国内の複数金融機関で相続手続きを進める場合、複数通のCertified Copyを最初から取り寄せておくと効率的です。多くの金融機関は原本提示を求め、原本返却しないケースもあるため、5〜10通程度を目安に取得することが実務的です。


英訳の実務——記載事項の英訳ポイント

日本の死亡届受理証明書・除籍謄本を英訳する場合の実務ポイントを整理します。単純な単語置換ではなく、海外金融機関の担当者が短時間で死亡事実を把握できる形の英訳が求められます。

死亡届受理証明書の英訳ポイント

  • タイトル → Certificate of Acceptance of Death Notification
  • 発行機関 → 「市区町村長」→ Mayor of [Municipality]
  • 被相続人の氏名 → パスポート表記に合わせる
  • 死亡年月日 → DD Month YYYY形式(例:15 March 2026)
  • 死亡時刻 → Time of Death(記載がある場合)
  • 死亡地 → Place of Death(住所を英字表記で並び替え)
  • 届出人 → Person Reporting the Death
  • 届出日 → Date of Notification
  • 受理年月日 → Date of Acceptance

除籍謄本の死亡関連記載の英訳ポイント

  • 「死亡」→ Death
  • 「死亡日」→ Date of Death
  • 「死亡時分」→ Time of Death
  • 「死亡場所」→ Place of Death
  • 「死亡届出人」→ Person Reporting the Death
  • 「戸籍から除籍」→ Removed from the Family Register(due to death)
  • 「除籍日」→ Date of Removal from the Register

注意すべき記載——医学用語

死亡診断書を英訳する場合、医学用語(疾患名・死因分類コード等)の翻訳精度が問われます。医学専門用語の翻訳は、通常の相続書類翻訳より高度なスキルを要するため、医学翻訳の経験がある専門翻訳者への依頼が推奨されます。

バイリンガル書式の採用

翻訳文は、日本語原本と英訳を左右並記または上下並記したバイリンガル書式で作成することがあります。海外金融機関の担当者が原本との照合を確認しやすいためです。ただし、金融機関の指示により英訳のみを提出する運用もあるため、事前確認します。

翻訳者宣言書(Translator’s Affidavit)

翻訳文には翻訳者宣言書を添付し、翻訳者本人が公証役場で公証人認証を受けます。翻訳者宣言書には以下を英文で記載します。

  • 翻訳者の氏名・住所・資格
  • 翻訳対象書類の特定(発行日・発行元)
  • 翻訳の完全性・正確性を宣言する文言
  • 翻訳者の署名・日付

詳細は、戸籍謄本・除籍謄本の英訳実務の記事で解説した翻訳者宣言書の作り方と同様です。


認証パッケージ——公文書と私文書の使い分け

英文Death Certificate相当書類を海外金融機関に提出する際の認証パッケージは、書類の性質(公文書か私文書か)によって認証ルートが分かれます。

日本の死亡届受理証明書・除籍謄本(公文書)

  • 市区町村長発行の公文書に該当
  • 外務省で直接アポスティーユを取得できる場合がある
  • 提出先国がアポスティーユ条約非締約国の場合、外務省公印確認+在日大使館領事認証を組み合わせる

英訳文(私文書)

  • 翻訳者が作成した私文書に該当
  • 翻訳者宣言書と一体で公証人認証を受ける
  • 公証人押印証明を経て、外務省アポスティーユまたは公印確認+領事認証へ進む

米国発行Death Certificate(公文書)

  • 米国の州発行の公文書に該当
  • 米国金融機関・Transfer Agentに提出する場合:州または郡のVital Records Office等が発行したCertified Copyが基本で、アポスティーユまでは求められないことが多い
  • 米国外で使用する場合(日本その他):提出先の指定に応じて、発行州のSecretary of State等でアポスティーユを取得(米国はアポスティーユ条約締約国のため、締約国内で使う場合はアポスティーユで足りる)
  • 日本国内での使用の場合、必要に応じて日本語翻訳+翻訳者宣言書を添付

認証パッケージの標準構成

実務上、日本の被相続人・米国の被相続人それぞれで以下の構成となります。

日本国内で死亡した被相続人の場合

  1. 死亡届受理証明書(日本語原本)+外務省アポスティーユ(または公印確認+領事認証)
  2. 死亡届受理証明書の英訳(翻訳者作成)
  3. 翻訳者宣言書(Translator’s Affidavit)——翻訳者署名済み・公証済み
  4. 上記3の翻訳者宣言書に対する外務省アポスティーユ(または公印確認+領事認証)
  5. 補足として、除籍謄本(公文書)+英訳+翻訳者宣言書のセット

米国内で死亡した被相続人の場合

  1. 米国金融機関・Transfer Agent向け:Certified Copy of Death Certificate(米国州発行原本)
  2. 日本その他の米国外提出向け:Certified Copy of Death Certificate+発行州のアポスティーユ(Secretary of State等)
  3. 日本国内手続向け:必要に応じて日本語翻訳+翻訳者宣言書を添付。日本国籍者の場合は日本側にも死亡届を提出し、戸籍反映後の除籍謄本等も併用する(死亡の事実を知った日から3か月以内の死亡届提出)

認証パッケージの綴じ方

認証パッケージの綴じ方、契印・割印の要否は公証役場・外務省・提出先金融機関の指定に従います。翻訳文と翻訳者宣言書を一体で認証する場合は、公証役場での綴じ・認証方法を事前に確認します。

外務省は「証明(公印確認・アポスティーユ)」および「申請手続きガイド 1 証明できる書類」ページで、私文書は直接証明できず、公証役場で公証人認証を受けた上で公証人押印証明があれば外務省の証明を取得できる旨を説明しています(外務省ウェブサイトでご確認ください)。


所要期間・費用・複数通の入手戦略

英文Death Certificate相当書類の入手・認証にかかる所要期間・費用の目安を整理します。

所要期間の目安

日本発行書類の場合

  • 死亡届受理証明書の発行:1〜2週間(市区町村役場)
  • 除籍謄本の発行:1〜3週間(本籍地の市区町村役場)
  • 英訳+翻訳者宣言書の作成:1〜2週間(翻訳者)
  • 翻訳者宣言書の公証:数日〜1週間(公証役場)
  • 外務省アポスティーユ:1〜2週間(郵送または窓口)
  • トータル:4〜8週間

米国発行書類の場合

  • 州のVital Records OfficeでのCertified Copy取得:オンライン申請1〜2週間、郵送申請3〜8週間、Rush Serviceで数日
  • 米国州務長官のアポスティーユ:1〜3週間(州により異なる)
  • トータル:3〜10週間

費用の目安

日本発行書類の場合

  • 死亡届受理証明書の発行:350円/通(市区町村により異なる)
  • 除籍謄本の発行:750円/通(市区町村により異なる)
  • 英訳の作成:1通あたり1万円〜3万円
  • 翻訳者宣言書+公証:1万円〜2万円
  • 外務省アポスティーユ:無料(窓口)または郵送費のみ

米国発行書類の場合

  • Certified Copy of Death Certificate:$15〜$40/通(州により異なる)
  • Rush Service(緊急発行):+$20〜$100/通
  • 州務長官アポスティーユ:$10〜$50/通(州により異なる)

複数通入手のポイント

海外相続では、複数の金融機関・機関にDeath Certificate原本を提出することが多いため、初回申請時に複数通(5〜10通)を取り寄せておくのが実務的です。追加取得は再度発行手数料・郵送費が発生し、時間もかかるためです。

入手戦略の例

  • 日本国内金融機関3〜5行・海外金融機関1〜3行(米国・英国・シンガポール等)の相続手続き案件では、日本の死亡届受理証明書を10通、除籍謄本を5通、その英訳を5通程度用意しておくと安心
  • 米国内で死亡した被相続人の場合、Certified Copy of Death Certificateを10通程度取得し、州務長官アポスティーユを付与
  • コスト増を避けるため、金融機関の要求書類リストを先に確認し、必要通数を精査するのも有効

認証パッケージ完成後の書類管理

認証完了後の書類は、原本1式を大切に保管し、金融機関への送付時は追跡可能な国際郵便(FedEx、DHL等)を使用します。原本返却されない金融機関がある場合、複数通の予備を確保しておく戦略が有効です。


Death Certificate関連の実務トラブルと対処

Death Certificate相当書類の提出でよくある実務トラブルと対処を整理します。

トラブル1:金融機関がCertified Copyの原本のみを要求

多くの海外金融機関は、Death Certificateの原本の原本(コピーではない発行機関発行のCertified Copy原本)の提出を要求します。コピーで対応しようとすると「Original Certified Copy is required」と差し戻されます。対処法は、初回申請時から複数通のCertified Copyを取り寄せておくことです。1通目を米国内金融機関、2通目を英国金融機関、3通目を日本国内で保管、というように配分します。

トラブル2:死亡診断書のみ英訳して提出した

医師が交付する死亡診断書・死体検案書は医学的・法律的な死亡証明書ですが、市区町村長や法務局長が発行する公文書ではないため、公証を経ずに翻訳のみで提出しても海外金融機関に受理されにくいケースがあります。対処法は、死亡診断書ではなく、公文書である死亡届受理証明書または除籍謄本の英訳で対応することです。死亡診断書を使う場合は、翻訳者宣言書+公証人認証+アポスティーユを組み合わせます。

トラブル3:死亡届記載事項証明書の用途制限で発行を拒否された

死亡届記載事項証明書は用途が制限される公文書で、原則として「相続手続き・保険金請求」等の特定用途に限って発行されます。海外相続の用途でも発行を受けられる場合がありますが、法務局側で用途確認を求められることがあります。対処法は、法務局に「海外金融機関への相続手続き提出用」である旨を明示し、必要に応じて金融機関からの請求書類を提示することです。

トラブル4:米国のDeath Certificate入手に時間がかかる

米国の州のVital Records Officeは、州により発行に3〜8週間かかることがあります。特にCA州・NY州・TX州等の大規模州では申請が集中し、通常発行でも数か月かかることがあります。対処法は、Rush Service(緊急発行)を利用して数日〜1週間で取得することです(追加費用が発生)。また、被相続人が現地在住であった場合は、現地の親族・現地弁護士に現地取得を依頼するルートが有効です。

トラブル5:アポスティーユが未取得で差し戻された

Death Certificateの原本と英訳を送付しても、外務省アポスティーユが未取得の場合、提出先金融機関から差し戻されることがあります。対処法は、提出先の指定を確認し、必要な場合にアポスティーユまで取得することです。提出先により、Certified Copyのみで足りる場合、英訳+翻訳者証明のみで足りる場合、公証・アポスティーユ付きまで必要な場合と異なります。米国発行のDeath Certificateも、日本国内金融機関に提出する場合は米国州務長官アポスティーユが必要になることがあります。

トラブル6:氏名の表記揺れ

パスポート表記と戸籍・住民票の英字表記に揺れがあると、Death Certificateの英訳とパスポートで氏名が一致せず、金融機関から「name inconsistency」と追加確認を求められることがあります。対処法は、翻訳者に対してパスポート表記に完全一致させるよう事前に指示することです。英字表記が複数存在する場合は、パスポート原本のコピーを翻訳者に共有し、その表記を採用します。


よくある質問(FAQ)

Q1. 日本の死亡診断書を英訳すれば、海外金融機関に受理されますか?

A. 受理される場合もありますが、実務上は死亡診断書だけでは受理されにくい傾向があります。医師が交付する死亡診断書・死体検案書は医学的・法律的な死亡証明書ですが、市区町村長や法務局長が発行する公文書ではないため、翻訳者宣言書+公証人認証+アポスティーユを組み合わせても、海外金融機関の担当者が公文書ベースの書類を求めることがあります。実務では、市区町村長発行の死亡届受理証明書・届書記載事項証明書(市区町村または管轄法務局)・除籍謄本の英訳が受理されやすい傾向にあります。金融機関の指定書類を事前に確認し、公文書ベースの認証パッケージで提出するのが安全です。

Q2. 米国の州発行Death Certificateは、日本国内の相続手続きでも使えますか?

A. 米国発行のCertified Copy of Death Certificateは、日本国内でも被相続人の死亡事実を示す重要な証明資料になります。ただし、日本国籍者が米国で死亡した場合は、原則として日本側にも死亡届を提出し、戸籍に死亡記載を反映させたうえで、国内金融機関・法務局・税務署等では除籍謄本等を使用するのが通常です(死亡の事実を知った日から3か月以内の死亡届提出が必要)。米国Death Certificateは、日本側死亡届や戸籍反映のための添付資料、または外国籍被相続人の死亡証明資料として位置付けるのが安全です。米国州務長官(Secretary of State)のアポスティーユと日本語翻訳+翻訳者宣言書を組み合わせて使用します。

Q3. 海外金融機関が「Original Death Certificate」を要求してきましたが、原本は1通しかありません。どうすればよいですか?

A. 多くの金融機関は原本(Certified Copy原本)の提出を要求しますが、原本返却の可否は金融機関により異なります。原本返却不可の機関に1通しかない原本を送付すると、他の金融機関で使えなくなります。対処法は、①金融機関に原本返却の可否を事前確認する、②原本返却しない機関に対しては予備のCertified Copyを追加取得する、③海外金融機関にコピー+公証済み謄本での対応可否を交渉する、の3つです。日本発行書類の場合は市区町村役場で1〜2週間で追加発行できるため、複数通を最初から取り寄せておくのが実務的です。

Q4. 被相続人が観光旅行中に海外で亡くなった場合、Death Certificateはどう入手しますか?

A. 被相続人が観光旅行等の短期滞在中に海外で亡くなった場合、まず現地当局(病院・警察・現地当局)から現地発行のDeath Certificateを取得し、その国のアポスティーユ発行機関でアポスティーユを取得します。並行して、日本大使館・領事館に死亡届を提出することで、日本の戸籍に死亡が記載され、日本での死亡届受理証明書・除籍謄本も取得できます。海外金融機関への提出用には、原則として現地発行のDeath Certificate(死亡地の公文書)の方が受理されやすい傾向があるため、現地取得を優先します。現地入手には現地代理人・現地弁護士のサポートが必要になることが多いため、初動の連携体制を早めに整えます。

Q5. Death Certificateの複数通取得は最初から何通くらい取ればよいですか?

A. 案件により異なりますが、実務標準としては日本の死亡届受理証明書10通・除籍謄本5通、米国発行の場合はCertified Copy of Death Certificate 10通程度を目安に取得します。提出先の内訳としては、日本国内金融機関3〜5行、海外金融機関1〜3行、税務署(相続税申告用)、法務局(不動産相続登記用)、生命保険会社2〜3社、社会保険事務所1件、控え1通、というイメージです。追加取得は1回あたり1〜3週間かかるため、初動段階で必要通数を洗い出して一括取得するのがコスト・時間の両面で効率的です。


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まとめ

海外相続で使う英文Death Certificate(死亡証明書)は、被相続人の死亡事実を海外金融機関・プロベート裁判所・現地弁護士に証明するための相続手続きの起点書類です。日本国内で死亡した場合は、死亡届受理証明書・除籍謄本を英訳+認証パッケージで用意し、医師発行の死亡診断書は補足資料として使うのが実務標準です。

被相続人が米国内で死亡した場合は、州のVital Records OfficeでCertified Copy of Death Certificateを取得し、米国州務長官のアポスティーユを付与します。米国発行書類は日本国内で被相続人の死亡事実を示す証明資料として使えますが、日本国籍者の場合は日本側にも死亡届を出して戸籍反映後、国内手続では除籍謄本等を使うのが通常です(日本語翻訳+翻訳者宣言書を添付)。

認証パッケージは、日本の公文書(死亡届受理証明書・除籍謄本)は外務省で直接アポスティーユを取得でき、翻訳文(私文書)は翻訳者宣言書と一体で公証人認証を受けた上でアポスティーユまたは公印確認+領事認証を組み合わせます。所要期間は4〜8週間、複数通の入手が実務の要諦です。日本の行政書士は書類の入手・英訳手配・認証進行管理の領域で相続人の負担軽減に貢献できます。

行政書士法人トゥモローズは、東京・八丁堀(東京メトロ日比谷線「八丁堀駅」徒歩3分)の事務所を拠点に、首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)とオンライン(Google Meet・全国対応)で、海外相続で必要な英文Death Certificate相当書類(死亡届受理証明書・除籍謄本の英訳、米国発行Death Certificate入手支援)、翻訳者宣言書・公証・アポスティーユの進行管理を、全国オンラインで対応しています。アメリカ・英国・シンガポール・香港・オーストラリア等、主要国の金融機関実務に対応可能で、現地代理業務・法的判断は現地弁護士、税務判断は税理士法人トゥモローズと連携します。


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根拠法令・公的資料

  • 民法882条(相続の開始)
  • 戸籍法48条(届書類の記載事項証明書は利害関係人で特別の事由がある場合に限り請求可)
  • 戸籍法86〜88条(死亡届の届出義務・届出地・記載事項)
  • 戸籍法施行規則(死亡届受理証明書・除籍謄本の発行手続)
  • 医師法20条(死亡診断書の発行根拠)
  • 公証人法(公証人による認証の根拠)
  • 外国公文書の認証を不要とする条約(アポスティーユ条約、日本は1970年批准)
  • 行政書士法1条の3・1条の4(行政書士の業務範囲)

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この記事の執筆者:大塚 英司

行政書士法人トゥモローズ 代表行政書士(日本行政書士会連合会 登録番号 第18082222号)
税理士(東京税理士会新宿支部 登録番号 117702)

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