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相続登記の費用相場|司法書士に依頼する場合と自分でやる場合の比較

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相続手続き

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行政書士法人トゥモローズ 代表行政書士(日本行政書士会連合会 登録番号 第18082222号)

大塚 英司




10秒でわかる この記事の要約

  • 相続登記の費用は「登録免許税(法定税率0.4%・評価額に応じて変動)」と「司法書士報酬(自由化・事務所ごとに異なる)」の2要素で構成され、報酬は事務所間で2倍以上の差が出ることもある。
  • 登録免許税は固定資産税評価額の0.4%(評価額3,000万円なら12万円、複数物件は合算評価額で計算)。司法書士報酬の相場は5〜10万円程度。
  • 評価額3,000万円・単独相続の試算では、自分でやると約12.5万円、司法書士依頼で約20.5万円と差額は約8万円。時間が取れない方は依頼が結果的に効率的。
  • 令和9年(2027年)3月31日まで延長された免税措置があり、価額100万円以下の土地の相続登記など、一定の土地に関する登記では登録免許税が課されない場合がある。

相続登記の費用は、主に登録免許税、司法書士報酬、戸籍・住民票・固定資産評価証明書等の取得実費で構成されます。 登録免許税は、相続による所有権移転登記の場合、原則として不動産の価額(固定資産税評価額)の0.4%です。司法書士に依頼しない場合でも登録免許税や書類取得実費は発生し、依頼する場合は別途報酬がかかります。なお、相続登記の申請代理や法務局提出書類の作成は、行政書士法人では対応できない業務のため、当法人では戸籍収集・遺産分割協議書の作成までを行い、登記申請は提携司法書士と連携して進めます。実際の申請では、課税価格の端数処理、土地の免税措置、相続人に対する遺贈か相続人以外への遺贈かによる税率差も確認が必要です。

相続登記の費用は、登録免許税(法定税率・評価額に応じて変動)+司法書士報酬(事務所ごとに異なる)の2要素が中心です。物件数・評価額・複雑さで大きく変動するため、事前の試算が重要です。

本記事では、相続を専門に扱う行政書士法人トゥモローズが、相続登記の費用相場と判断基準を整理します。


相続登記の費用構造

費目 性質 支払い先
登録免許税 実費・必須 法務局(収入印紙等)
司法書士報酬 専門家依頼時 司法書士事務所
戸籍取得手数料 実費 市区町村
固定資産評価証明書 実費 市区町村

登録免許税の計算方法

基本式

固定資産税評価額 × 0.4%

評価額別の試算

評価額 登録免許税
1,000万円 40,000円
3,000万円 120,000円
5,000万円 200,000円
1億円 400,000円

端数処理

実際の申請では、課税価格は評価額合計から1,000円未満を切り捨て、登録免許税額は100円未満を切り捨てて計算します。計算した登録免許税額が1,000円未満の場合は1,000円となります。

複数物件の場合

複数物件を同一申請でまとめる場合は、原則として対象不動産の評価額を合算して課税価格を計算します。ただし、管轄法務局、登記原因、取得者、申請方法によって申請が分かれる場合があるため、実際の計算は提携司法書士に確認します。


司法書士報酬の相場

業務範囲 報酬相場
単独相続・1物件 50,000円〜80,000円
遺産分割・1物件 70,000円〜100,000円
複数物件 1物件追加で1〜2万円
戸籍取得込み +20,000円〜40,000円

司法書士報酬は自由化されており、事務所により幅があります。


追加費用が発生するケース

  • 数次相続(複数代にわたる相続)
  • 相続人多数
  • 遠方の不動産(出張費)
  • 未登記建物があり建物表題部の登記が必要な場合(相続登記とは別に土地家屋調査士の業務となり、司法書士報酬とは別の費用が発生することがあります)
  • 抵当権抹消が必要な場合

これらは追加報酬の対象となることが一般的です。


自分でやる場合の総額

試算例(評価額3,000万円・単独相続)

費目 金額
登録免許税 120,000円
戸籍・住民票取得 3,000円〜5,000円
固定資産評価証明書 数百円程度(自治体により異なる)
合計 約125,000円

自分で申請する場合、司法書士報酬は不要ですが、登録免許税、戸籍・住民票・評価証明書等の取得費、郵送費などの実費は発生します。

注意点

  • 時間と労力がかかる
  • 申請書ミスによる補正のリスク
  • 義務化期限(所有権取得を知った日から3年以内)への対応プレッシャー

司法書士依頼の総額

試算例(同条件)

費目 金額
登録免許税 120,000円
司法書士報酬 80,000円
戸籍・住民票取得 5,000円
固定資産評価証明書 数百円程度(自治体により異なる)
合計 約205,000円

差額は約8万円。時間と労力を考えれば、専門家依頼の方が結果的に効率的なケースが多いです。

【実務上のポイント】

当法人では、戸籍収集・遺産分割協議書の作成までを行い、登記は連携司法書士へ引き継ぎます。お客様が個別に司法書士を探す必要がなく、相続手続き全体を一つの窓口でご相談いただけます。


相続手続きの料金プランとサポート内容の全体像は、こちらにまとめています。

相続手続き、まるごとおまかせ。行政書士法人トゥモローズの相続手続きサポート

登録免許税の免税措置

相続登記の免税措置(令和9年3月31日まで)

租税特別措置法により、相続登記の登録免許税には令和9年(2027年)3月31日まで延長された免税措置が設けられています。代表的なのは次の2類型です。

  • 価額100万円以下の土地の相続による所有権移転登記(土地の価額が100万円以下であれば登録免許税が課されません。持分の場合は土地全体の価額に持分割合を乗じた額で判定します)
  • 相続人が登記をしないまま死亡した場合の中間の相続登記(過去の相続で登記を受ける前にその相続人が死亡し、次の相続が発生したケースで、中間の相続による所有権移転登記が免税となります)

免税措置は、主に土地に関する相続登記が対象です。建物の相続登記まで当然に免税になるわけではありません。また、適用を受けるには、申請書に租税特別措置法の該当条項を記載する必要があり、記載がないと免税措置を受けられません。適用要件や対象の詳細は法務局でご確認ください。

評価額の調査方法

固定資産税評価額は、市区町村役所が発行する固定資産評価証明書または名寄帳で確認できます。1月1日時点の所有者宛に毎年送付される「固定資産税納税通知書」にも記載があります。複数物件をお持ちの場合は名寄帳が便利です。

区分所有マンションの評価

区分所有マンションでは、専有部分の家屋評価額と敷地権部分の土地評価額を確認して登録免許税を計算します。敷地権部分は、土地全体の評価額に敷地権割合を反映して算定するため、固定資産評価証明書や名寄帳、登記事項証明書を確認する必要があります。複雑になりがちなため、司法書士への依頼が現実的です。

数次相続と中間の登記の省略

数次相続が発生している場合でも、常に中間の登記を省略できるわけではありません。中間の相続人が単独で権利を取得していた場合など、一定の条件を満たす場合に、最終取得者へ直接登記できることがあります。使えるかどうかは相続関係・遺産分割内容・登記原因により異なるため、提携司法書士に確認します。


相続登記費用の節約と落とし穴

司法書士報酬の比較ポイント

司法書士事務所は報酬自由化のため、事務所により料金差が大きいです。「基本報酬」「物件加算」「相続人加算」「遠方加算」などの内訳を比較します。同じ案件でも見積もりで2倍以上の差が出ることもあるため、3社程度の見積もり比較が推奨されます。

「登記簿の現状」を事前確認

被相続人名義の登記簿に抵当権・地上権・賃借権などが付着していると、その整理に追加費用が発生します。生前にローン完済済みでも、抵当権抹消登記が未了のままになっているケースがあり、相続登記の前に抹消登記が必要になります。

「持分のみ」の登記

被相続人が共有持分のみを所有していた場合、登記費用は持分割合に応じた評価額で計算されます。全体評価額に対する持分割合を正確に把握することが、費用試算の前提です。

数次相続のコスト圧縮

長期間相続登記が未了で数次相続が発生している場合、一定の条件を満たすときは中間の登記を省略して1回の登記で済ませられることがあり、登録免許税や手間の節約につながる場合があります。常に使えるわけではないため、提携司法書士と協議しながら、最適な登記方法を選択します。


相続登記の費用に関する基礎知識

「相続税」と「登録免許税」は別の税

相続税は相続財産全体に対する課税(基礎控除あり)、登録免許税は登記対象の不動産に対する課税で、両者は別の税目です。それぞれ独立して計算・納付します。相続税の試算・申告は税理士の業務のため、グループの税理士法人トゥモローズが対応します。

▶ 関連解説(税理士法人トゥモローズ):不動産(土地・建物)がある場合の評価方法・遺産分割・相続登記

取得原因による税率の違い

不動産取得時の登録免許税率は、取得原因によって異なります。相続による所有権移転登記は原則0.4%で、相続人に対する遺贈も0.4%で扱われる一方、相続人以外への遺贈や贈与による所有権移転登記は原則2%となります。遺言書の内容によって登録免許税が大きく変わることがある点に注意が必要です。

司法書士報酬は自由化されている

司法書士報酬は自由化されており、事務所によって料金差があります。日本司法書士会連合会が報酬アンケートの結果を公表していますが、これは目安であり拘束力はありません。基本報酬・物件加算・遠方加算などの内訳を確認し、複数の見積もりを比較すると安心です。


よくある誤解と正しい理解

相続登記の費用については、誤解されやすい論点があります。第一に「司法書士報酬さえ払えば全て込み」という誤解です。司法書士報酬とは別に、登録免許税(評価額の0.4%)・戸籍取得実費・固定資産評価証明書などの実費が必ず発生します。報酬と実費を分けて見積もりを確認することが重要です。

第二に「登録免許税はどこに頼んでも同じ」という正しい理解とセットで、「だから総額も同じ」という誤解があります。登録免許税は法定のため不変ですが、司法書士報酬は自由化されており事務所間で2倍以上の差が出ることもあります。複数見積もりの比較が有効です。

第三に「評価額が低い土地は登記しなくてよい」という誤解です。2024年4月1日から相続登記は義務化されており、評価額にかかわらず、相続により不動産の所有権を取得したことを知った日から3年以内に申請する必要があります(正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象となる可能性があります)。むしろ価額100万円以下の土地は免税措置(令和9年〔2027年〕3月31日まで)の対象となるため、費用負担が最小のうちに登記を済ませる好機といえます。


よくある質問(FAQ)

Q1. 相続登記の総額はどのくらいですか?

A. 標準的な戸建て住宅(評価額3,000万円)の場合、自分でやれば登録免許税12万円+戸籍・評価証明書等の取得実費(数千円程度)、司法書士依頼ではさらに報酬5〜10万円が追加されます。

Q2. 登録免許税の計算方法は?

A. 固定資産税評価額の0.4%です。例えば評価額3,000万円なら12万円。複数物件の場合は合算評価額で計算します。

Q3. 司法書士報酬に決まりはありますか?

A. 報酬は自由化されており、事務所によって異なります。一般的な相場は5〜10万円ですが、複雑物件や複数件まとめでは変動します。

Q4. 登録免許税の免税措置はありますか?

A. 令和9年(2027年)3月31日まで延長された相続登記の免税措置があります。価額100万円以下の土地の相続登記などが対象で、要件を満たせば登録免許税は課されません。

Q5. 行政書士に相続登記を頼めますか?

A. 相続登記の申請代理や法務局提出書類の作成は、行政書士法人では対応できない業務です。当法人では戸籍収集・遺産分割協議書の作成を行い、登記申請は提携司法書士と連携して進めます。


まとめ

相続登記の費用は、「登録免許税という法定実費(評価額の0.4%)」と「司法書士報酬という変動費」を分けて把握することが、正確な予算計画の第一歩です。義務化により先送りという選択肢はなくなりましたが、土地の免税措置など負担を抑える制度も整備されています。期限と費用の両面から、早期の着手をおすすめします。

相続登記の費用は、自分でやれば登録免許税+書類取得実費・司法書士依頼で報酬5〜10万円追加が目安です。複雑な物件や時間が取れない方は、専門家依頼が結果的に効率的です。

東京・中央区八丁堀の行政書士法人トゥモローズでは、戸籍収集・相続人確定・遺産分割協議書の作成までを整え、登記申請は提携司法書士、相続税申告は税理士法人トゥモローズと連携して進めます。

▶ 関連解説(税理士法人トゥモローズ):これだけは押さえよう|遺産分割協議書が無効にならないようにする書き方


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根拠法令・公的資料

  • 登録免許税法
  • 不動産登記法(第76条の2:相続登記の申請義務)
  • 租税特別措置法(相続登記の免税措置)
  • 司法書士法(登記申請代理・法務局提出書類作成の業務範囲)

公的機関・根拠リンク

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この記事の執筆者:大塚 英司

行政書士法人トゥモローズ 代表行政書士(日本行政書士会連合会 登録番号 第18082222号)
税理士(東京税理士会新宿支部 登録番号 117702)

相続を専門に取り扱う行政書士・税理士。相続手続き・遺言・おひとりさま終活の実務に幅広く従事し、戸籍収集や遺産分割協議書の作成から、死後事務委任契約・任意後見契約といった生前対策の設計まで、ご相談者お一人おひとりの状況に応じて丁寧にサポートしている。