地下埋設物がある土地の相続税評価

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土地評価

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この記事の執筆者:角田壮平

相続税専門である税理士法人トゥモローズの代表税理士。年間取り扱う相続案件は200件以上。税理士からの相続相談にも数多く対応しているプロが認める相続の専門家。謙虚に、素直に、誠実に、お客様の相続に最善を尽くします。

みなさん、こんにちは!
相続専門の税理士法人トゥモローズの角田です。

相続した土地の地下にゴミや産業廃棄物等の埋設物があった場合にその土地は評価減の対象となるのでしょうか?
今回は、地下埋設物が地中に埋まっている土地の相続税評価について徹底解説します。

相続税申告における土地評価の基本について詳しく知りたい人は、相続税の土地評価 申告で使えるすべての方法をわかりやすく徹底解説をご参照ください。

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地下埋設物とは

地下埋設物とは、建築資材、コンクリート、ブロック、矢板、ガラ、古い井戸、土管、浄化槽、産業廃棄物等をいいます。
もう少し広義に定義付けすると、埋蔵文化財や土壌汚染も地下埋設物といえますが、これらが地中に存在する土地については下記コラムを参照してください。
埋蔵文化財包蔵地の相続税評価
土壌汚染地の相続税評価

地下埋設物があるとどのような問題があるのか

地下埋設物があると地盤の強度に影響を及ぼす可能性があります。
地盤が弱い土地の上に建物を建築してしまった場合には地震等の際に倒壊等のリスクが高くなるのです。
また、地下埋設物が有害物質等の場合には衛生面、健康面で大きな問題が生じることもあるでしょう。

このような理由から地下埋設物がある場合には適切に撤去する必要があるのです。
この撤去費用等が発生することから地下埋設物がある土地はそれがない土地に比べ価値が下がります。

地下埋設物の調査方法

地下埋設物の調査方法は主に下記の3つがあります。

地歴調査

地歴調査とは過去その土地にどのような建築物が建っていたのかを調査する方法です。
地下埋設物の調査で最初に取り掛かるべき調査方法です。
古地図、過去の住宅地図、公図、地質図、地形図、航空写真、登記簿謄本等を確認します。
例えば、過去クリーニング店やガソリンスタンドの敷地であった場合には土壌汚染等が疑われるでしょう。

非破壊検査

非破壊検査とは地中レーダーを使って地下埋設物があるかどうか調査する方法です。
地歴調査の結果、地下埋設物が存在する可能性がある場合には非破壊検査を実施します。

ボーリング調査

地歴調査、非破壊検査の結果、地下埋設物が存在する可能性が高い場合に、ボーリング調査を実施します。
ボーリング調査では実際に地下を掘って埋設物がないかどうか調査します。

地下埋設物がある土地の相続税評価

地下埋設物がある土地の相続税評価は下記算式により算出します。

地下埋設物がないものとした場合の相続税評価額 - 撤去費用の見積額 ✕ 80%

なお、地下埋設物がある土地すべてにおいて減額評価ができるわけではありません。
相続開始時の現況として、地下埋設物が存在しても有効に土地利用されているものは撤去費用の控除を認められていないのです。
これに対し、地下埋設物があることにより利用が制限されていたり、相続後に売却した際にその売却代金に地下埋設物の存在が考慮されていた場合などには地下埋設物の減額が可能となっています。
詳しくは最後に転載している裁判例等を参照してください。

参考となる裁判例等

路線価に既に地中埋設物であるゴミの影響が反映されているとして納税者の主張が退けられた事例

平成23年4月12日 名古屋国税不服審判所裁決

請求人らは、相続により取得した各土地(本件各土地)の地中にごみが埋設されている事情が、本件各土地に係る路線価の評定に当たり考慮されておらず、また、本件各土地に建物を建築するためには、ごみを処分する必要があるところ、財産評価基本通達(評価通達)にはごみの処分費用について何ら定められていないから、当該事情は本件各土地を評価するに当たり減額の理由になるとして、評価通達により難い特別な事情があり、本件各土地の価額は不動産鑑定評価による評価額(本件鑑定評価額)とすべきである旨主張する。しかしながら、本件各土地を含む地区内の土地においては、建物の建築に伴い、基礎工事のために必要な限度において、地中のごみを処分する必要があると認められるところ、当該地区が地中にごみが埋設されている地区であるということは周知の事実となっており、一般的に、このような事情があるということは、当該地区の土地の売買価額の形成に当たって確実に反映されているものとみるのが相当で、また、地価事情精通者の意見価格の算出に当たっても、地中にごみが埋設されていることが考慮されているものと認められることからすると、売買実例価額及び地価事情精通者の意見価格等を参酌して評定される路線価についても、その事情は反映されているものと認めるのが相当である。したがって、本件各土地における通常の基礎工事に係るごみ処分費用については、本件各土地に適用する路線価の評定に当たって考慮されているものと認められる。また、評価通達に定められた評価方法により算定される土地の価額が客観的交換価値を上回っているといえるためには、これを下回る不動産鑑定評価が存在し、少なくとも、その不動産鑑定評価が、一応公正妥当な鑑定理論に従っている必要があるところ、本件鑑定評価額は、本件各土地の地積に建ぺい率を乗じて算出した面積に相当する土地に埋設されている深さ2メートル分のごみのすべてを処分する必要と判断しており、その判断は妥当性を欠くものといわざるを得ない。したがって、本件各土地について、評価通達により難い特別の事情があるとはいえず、本件鑑定評価額をもって本件各土地の価額とすることはできない。

ガソリンスタンドとして有効利用されていることから地下埋設物撤去費用等の減額が認められないとして納税者の主張が退けられた事例

平成28年6月27日 関東信越国税不服審判所裁決

請求人らは、相続(本件相続)により取得したガソリンスタンドの敷地である土地(本件5土地、本件7土地及び本件8土地)については、地下タンクの撤去費用の負担、土壌汚染に係る調査費用及び土壌改良費等の負担又は土壌汚染に起因する心理的嫌悪感による市場性の減退という各事情を、また、ガソリンスタンドの隣接地である土地(本件6土地)については、上記市場性の減退という事情を、それぞれ考慮すべきであり、具体的には、不動産鑑定士が見積もった価額を上記各土地の評価額から控除すべき旨主張する。しかしながら、本件5土地から本件8土地までの各土地は、本件相続の開始時において、土壌汚染対策法で規定する要措置区域にも形質変更時要届出区域にも指定されておらず、また、ガソリンスタンドの敷地として使用されていた本件5土地、本件7土地及び本件8土地について本件相続の開始時以前に土壌汚染調査は行われていないことが認められ、本件5土地から本件8土地までの各土地が本件相続の開始時において汚染されていたと認めるに足りる証拠資料は存しないから、本件相続の開始時において、本件5土地から本件8土地までの各土地が汚染されていたと認めることができない。また、本件5土地、本件7土地及び本件8土地は、本件相続の開始時において、賃借人である本件会社がガソリンスタンドとして使用し、地下タンクなどのガソリンスタンドに係る設備を所有していたことが認められるところ、財産評価基本通達1《評価の原則》(2)が、相続の開始時における当該財産の現況により評価する旨定めていることからすれば、地下タンクの撤去を前提として上記各土地の価額を評価することは、上記各土地の現況により評価したことにならないから、地下タンク撤去費用の見込額を控除することはできない。以上のとおり、ガソリンスタンドの敷地又はその隣地であることに伴う市場性の減退の考慮は不要であり、また、地下タンク撤去費用の見込額を評価額から控除しなかったことが不合理とはいえない。

地中埋設物撤去費用の80%相当ではなく撤去費用の実額の控除を控除すべきとする納税者の主張が受け入れられた事例

平成20年8月29日 東京地方裁判所判決

納税者が支出した地中埋設物処理費用について、評価通達が地価公示価格の80パーセント相当である路線価を基準に土地の価格を評価していることを根拠として、土地の評価額から控除することができるのは、その80パーセントのみであるとする課税庁の主張が、路線価が評価上の安全性を配慮して定められていることに照らすと、課税庁が主張するように、評価通達が土地の評価における積極的要因について80パーセント相当で評価しているとして、消極的要因についても同様に80パーセント相当で評価すべきと直ちにいうことができるかは疑問があり、土地の評価額から控除することができる地中埋設物処理費用は、その80パーセントのみである旨の課税庁の主張を直ちに採用することはできないとして排斥された事例

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