【現役税理士による】相続税に強い税理士の選び方を徹底解説

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相続税申告

相続税理士の選び方
10秒でわかる この記事の要約

  • 相続税に強い税理士の選び方は「相続専門」かどうかが重要
  • 年間の相続税申告件数が多い事務所を選ぶべき
  • 土地評価の経験が豊富かどうかで税額が大きく変わる
  • 知人紹介の税理士でも相続に弱いケースがあるので要注意
  • 複数の税理士から見積もりを取って比較することを推奨

相続税申告を依頼する税理士はどのような基準で選べば良いか、わからないですよね?
相続税申告は、多くの方にとって経験の少ない不慣れな手続きです。

そのような中で、

  • 「相続税申告をお願いする税理士を誰にするか?」
  • 「まずはどこに相談すればいいのか?」
  • 「どのような基準で選べばいいのか?」

と、わからないことが多く不安だらけだと思います。

一番怖いのは、思考停止に陥ること。特に怖いのは、知人等から紹介を受けた税理士に何も考えずに依頼することです。

税理士である私のもとには、こんな相談が多く寄せられます。

相続がおきて、生命保険の外交員、金融機関、不動産会社、友人などから税理士を紹介されたのだけど話を進めていくうちに、「この税理士さん、大丈夫だろうか?」と思うことが多くなった。できれば契約解除したい。

という相談です。

税理士が信頼できなくなる理由としては、「相続税の知識が乏しい」「レスポンスが非常に悪い」「スケジュール感が見えづらく申告期限まで迫ってきた」「親身になって相談に乗ってくれない」などです。また、一度契約をすると解除するのはお金もかかるし、ストレスもかかります。

もちろん、知人等から紹介を受けた税理士がすべて悪いと言っているわけではありません。しっかりと検討した結果、紹介を受けた税理士が素晴らしい税理士である可能性もあります。

ただし、紹介を受けたというだけで、自分で検討もしないまま、税理士を決めないほうが良いでしょう。

しっかりと自分でも税理士を探し、比較検討を重ねた上で税理士に依頼するべきです。
相続は自分にとって大切な人が遺してくれた大切な財産を引き継ぐ手続きだからこそ、慎重によく考えて進めるべきなのです。

この記事では、「税理士の選び方や税理士報酬」について、わかりやすく解説します。
記事を読み進めていく中で、「相続税申告をどのように進めるべきか」「どんな税理士に頼むべきか」がわかるようになります。参考になれば幸いです。

動画で知りたい人は下記YouTubeから、テキストで確認したい人はこのままスクロールして一番最後までお読みください!

相続の相談を誰にすべきか等の詳しい解説は、相続の相談は誰にすべき? 相続の相談先をフローチャートで徹底解説をご参照ください。

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相続税の申告手続きを依頼する税理士の選び方と7つの基準

相続税申告を税理士に依頼する際は、「選び方の基準」を抑えて税理士を探すことが重要です。

ここでは、以下の7つの基準をご紹介します。

相続に強い税理士を見抜く7つの基準(相続専門・担当者の実績・税理士資格・適正報酬・二次相続提案・税務調査率・アフターサービス)

① 相続専門の税理士法人であること

内科医に外科の手術をお願いしないのと同様に相続税は相続専門の税理士法人に依頼すべきです。
相続専門を謳っている税理士法人は多数ありますが、本当の相続専門の税理士法人は数えるほどしかありません。
ほとんどの税理士法人は、相続税業務と一緒に会社の顧問や決算業務等もやっています。

相続専門かどうか確認する方法は、電話や面談で、
「貴社の売上のうち相続業務の構成比はどのくらいですか?」
と聞いてみると良いでしょう。

売上の8割以上が相続業務であればその税理士法人は相続専門と言えるでしょう。

なぜ相続専門でなければならないかというと相続以外に法人税の業務とかをやっているとその法人税の知識も同時に深めていかなければなりません。税制改正も毎年ありますのでアップデートも大変です。
相続専門であれば相続の知識の探求に注力できますのでそれだけ質の高いサービスをお客様に提供できるようになるのです。

また、税理士向けの専門書籍を発行しているかどうかも重要です。
一般向けの書籍は相続の専門性が高くなくても広告目的で出版が可能です。
これに対し、専門家向け、税理士向けの書籍は税務系の出版社から依頼がないと出版できませんし、専門家向けに書籍を出せるということは専門家も参考になるほどの知識や経験あるという裏付けになります。
したがって、その税理士が税理士向けに相続関連の書籍を発行しているかどうかも確認してみましょう。

② 相続税申告の実績と経験が豊富であること

相続税申告を依頼する税理士を選ぶ上で一番重要なポイントは、その税理士の実績と経験です。相続税の実務経験が5年以上で、年間50件以上の実績のある税理士に頼むべきでしょう。

重要なのは、税理士法人全体の実績ではなく担当者個人の実績です。

例えば、大手税理士法人の場合、その法人の申告実績が年間500件以上であったとしても、その法人の専門職が50人いれば、一人あたりの実績は平均で10件程度になります。

また、大手税理士法人の場合には、上司の税理士と担当者の二名体制で初回面談することが多いです。初回面談の際は、「実際に自分の申告手続きを担当するのはどちらなのか」を必ず確認し、その担当者個人の申告実績を確認しましょう。

実績と経験のない税理士に誤って頼んでしまった場合には、財産評価に必要以上の時間がかかったり、将来の税務調査でミスが発覚し、追徴課税を受けてしまったりということにもなりかねません。

依頼する前には、その担当税理士の実績と経験を必ず確認するように心掛けましょう。

③ 担当者が税理士資格を持っていること

初回面談では、「担当者となる人の名刺に税理士の記載があるかどうか」を確認しましょう。

相続税申告は被相続人が遺した大切な財産を任せる、とても重要な手続きです。その手続を任せる担当者が税理士資格を持っていないのは問題です。

例えば、税理士資格がない担当者は、将来、「書面添付制度における意見聴取」が必要となった場合でも、その者一人で税務署職員と折衝することはできず、税理士資格を有した者の同席が必要となるケースが多いです。つまり、税理士資格がない担当者は、税務署対応ができないわけです。

また、初回面談で対応する担当者が税理士でなく、営業職員という税理士法人も存在します。その営業職員がとてもいい感じの人であっても、実際に相続税申告を担当する人ではありません。依頼する時は、実際に担当する税理士と面談してから決めるべきでしょう。

④ 税理士報酬の額が適正であること

相続税の税理士報酬の相場は、遺産総額(※)の0.5%~1%と言われています。
※小規模宅地特例、生命保険等の非課税、借入金等の債務の控除前の金額

つまり、遺産総額が2億円の場合、100万円から200万円程度が相場と言えるでしょう。以下のような特殊事情がない限り、この範囲に納まらない場合には、その税理士の報酬は適正であると言えません。遺産総額別の報酬早見表や加算報酬の内訳、計算方法は税理士が調査!相続税申告の税理士報酬相場の目安と計算方法で詳しく解説しています。

相続税申告と特殊事情

  • 相続人の数が多数
  • 土地の数が多い
  • 非上場株式が遺産に含まれる
  • 延納や物納制度を適用する
  • 農地や非上場株式の納税猶予を適用する

また、報酬が相場と比べて高すぎるのはもってのほかですが、安すぎるのも注意しなければなりません。最近は相続税を専門に謳う税理士が増え、安かろう悪かろうの税理士もいないとは限りません。

⑤ 二次相続の提案があること

父又は母のいずれかが先になくなった場合の相続を一次相続といいます。その後、遺された父又は母が亡くなった場合の相続を二次相続といいます。

相続税は、この一次相続、二次相続、双方の相続税を抑えられるように、一次相続の遺産分割や二次相続発生前の相続対策を考えなければなりません。二次相続を見据えた分け方の詳しい解説は相続税の節税は二次相続で決まる! 一次相続の遺産分割と対策の重要性をご覧ください。

今、頼もうとしている税理士が、「相続税の専門家として二次相続を踏まえた提案をできるかどうか」もよく確認しましょう。

⑥ 税務調査率が低いこと

せっかく税理士に頼むのだから、税務調査には入られたくないですよね。税理士に依頼する際は、その税理士の相続税の税務調査率を聞いてみましょう。税務調査率を公表している税理士は多くはありませんが、集計している税理士はそれなりにいると思います。

ちなみに、書面添付制度を適用している相続税申告の税務調査率は2.7%です。つまり、書面添付制度をデフォルトで適用している税理士は、税務調査率も数%に抑えられるはずなのです。書面添付制度の詳細は書面添付制度(相続税申告)とは? メリットは税務調査対策、デメリットはある?、税務調査に入られやすいケースは相続税の税務調査に入られやすいケース8選とその対策を徹底解説!で解説しています。

⑦ アフターサービスが充実していること

相続税申告が終わった後も、

  • 相続不動産の売却
  • 相続した金融資産の資産運用の相談
  • 二次相続対策
  • 相続不動産の確定申告
  • 税務調査対応

など、様々なイベントが待ち構えています。

相続税専門を謳う税理士法人では、「相続した不動産の確定申告や相続した同族会社の法人税の申告は請け負いません」というところも少なくありません。せっかくならば、相続税申告が終わった後も長く付き合っていけるような税理士に頼むべきでしょう。

面談で確認したい5つの質問

上の7つの基準は、面談での質問でかなり見極められます。次の質問をぶつけてみると、その税理士が相続に強いかどうかが見えてきます。

面談で確認したい質問 何がわかるか
売上に占める相続業務の割合はどのくらいですか? 8割以上なら相続専門の可能性が高い
私の申告を担当するのは誰で、その方の年間実績は? 法人全体ではなく担当者個人の経験を確認できる
担当者は税理士資格をお持ちですか? 税務署対応(意見聴取など)ができるかどうか
二次相続も踏まえた提案はできますか? 一次・二次トータルでの節税力がわかる
税務調査率や書面添付制度の活用状況は? 税務調査対策にどれだけ力を入れているか

税理士に依頼する際の報酬の目安

税理士に依頼する際に気になるのが、「一体いくら払う必要があるのか?」というポイントです。

相続税申告の税理士報酬の相場は、一般に遺産総額の0.5%~1%が目安で、「基本報酬+加算報酬(土地の数・相続人の数・非上場株式の有無など)」によって決まります。

遺産総額別の詳しい基本報酬の相場表や、加算報酬・オプション報酬の内訳、計算方法は、税理士が調査!相続税申告の税理士報酬相場の目安と計算方法で詳しく解説しています。当事務所の具体的な料金は料金体系をご覧ください。

報酬だけでなく、実績や相性も考慮する

報酬はあくまで税理士法人を選ぶ上での参考の一つです。実際に選ぶ際は、その税理士法人の担当者と面談して、

  1. 信頼が置けそうか
  2. 専門性が高そうか
  3. 相続税申告の経験は十分か
  4. コミュニケーション能力は問題ないか
  5. 税理士資格はあるか

などを総合的に考慮して担当者を判断するようにしましょう。

大手税理士法人の場合には、スタッフの人数も多いため、どの担当者に当たるかにより品質がかなり異なります。

実際に初回の面談で会った担当者が、「本当に相続税申告という非常に重要な手続きを任せられるに値する人物かどうか」を、しっかり確認するようにしましょう。

相続税の申告手続きは自分で行うより、税理士に依頼するのがベスト

相続税申告を自分でやるのか税理士に頼むのか、迷う人は多いでしょう。

相続税申告件数の約9割が税理士に依頼して申告するケースです。約1割は自分で申告しているということですが、この1割の中には「特例で相続税がゼロになる人」も含みますので、相続税が発生する場合には、ほとんどの方が税理士に頼んでいることが想像できます。

以下では、相続税申告を自分でした場合、税理士に頼んだ場合のメリット・デメリットをわかりやすくまとめます。

自分で申告する場合と税理士に依頼する場合の比較

観点 自分で申告 税理士に依頼
費用 税理士報酬はかからない 報酬がかかる(遺産総額の0.5%〜1%が目安)
申告の正確性 過大・過少申告のリスクがある 専門知識で正確に申告できる
手間・時間 財産評価などに多大な時間がかかる 任せられて手間がかからない
税務調査 入られやすく、ペナルティの恐れ 調査を見越した対応をしてもらえる
申告後の対応 自分で対応する必要がある 売却・確定申告・二次相続対策も相談できる

費用がかからない点は自分で申告する最大のメリットですが、過大・過少申告のリスクや、財産評価にかかる手間・時間は大きなデメリットです。自分で申告する場合の手順や注意点は相続税申告は自分でできるがデメリット大!申告手続きの手順を税理士が解説で詳しく解説しています。

申告した後のことも考えると税理士に依頼した方が良い

自分で申告したことにより、税理士に頼んだ場合の税理士報酬以上に過大に相続税を納めることになることもあります。逆に、過少申告となってしまい、後日税務調査を受けたときに、過少申告加算税や重加算税のペナルティもかかる可能性もあります。

また、所得税の確定申告などは自分ひとりの問題なので、たとえ間違えたとしても自分に不利益が被るだけです。

しかし、相続税申告を誤ってしまった場合には、自分のみならず、他の相続人へ迷惑がかかることになるので、できれば相続税専門の税理士に頼んだほうが無難でしょう。

さらに、相続税申告を税理士に依頼した場合には、その他のアフターサービスを依頼できる税理士もいますので、相続税申告については税理士に頼んだほうが良いでしょう。

相続税に強い税理士の選び方に関するよくある質問

Q. 初回相談は無料ですか?
A. 事務所によりますが、初回相談を無料としている相続税専門の事務所が多くあります。料金だけでなく担当者との相性も確認するため、複数の事務所に相談することをおすすめします。
Q. 申告期限が近いですが、今から依頼できますか?
A. 相続税の申告期限は、相続の開始を知った日の翌日から10か月以内です。期限が近い場合でも対応できる事務所はありますが、期限間際は加算報酬がかかることもあるため、早めの相談をおすすめします。
Q. 知人から紹介された税理士は断ってもいいですか?
A. 問題ありません。紹介された税理士でも、合わないと感じたら自分で比較検討して別の税理士を選んで構いません。相続税申告は専門性が高く税額にも大きく影響する重要な手続きなので、紹介というだけで決めず、複数を比較して納得して依頼しましょう。
Q. 相続税の税理士は自宅の近くで探すべきですか?
A. 近さよりも相続の専門性で選ぶことをおすすめします。資料のやり取りは郵送やオンラインででき、遠方の事務所でも問題なく依頼できるケースがほとんどです。立地にこだわらず、相続専門で実績のある事務所を選びましょう。
Q. 依頼した税理士を途中で変更できますか?
A. 変更できます。ただし、契約内容によっては進んだ工程分の報酬が発生することがあります。違和感があれば早い段階で見極めることが大切です。詳しくは相続税申告の税理士は変更できる?!をご覧ください。

相続税申告を依頼する税理士の選び方まとめ

「相続税税理士の選び方」「相続税申告の税理士報酬」「相続税申告は自分でできるのか」について詳しく確認してきました。

最後に私個人の気持ちを申し上げると、相続税申告は相続税専門の誠実な税理士に頼むのが一番だと思います。

重要なのは、「誠実」ということです。

相続というのは大切な方が亡くなって、その大切な財産を引き継ぐ手続きです。報酬も実績ももちろん大切ですが、その担当する税理士が「誠実かどうか」も忘れずに確認しましょう。



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この記事の執筆者:角田 壮平

東京税理士会京橋支部所属 
登録番号:115443

相続税専門である税理士法人トゥモローズの代表税理士。年間取り扱う相続案件は350件。税理士からの相続相談にも数多く対応しているプロが認める相続の専門家。謙虚に、素直に、誠実に、お客様の相続に最善を尽くします。

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相続税の手続きは慣れない作業が多く、日々の仕事や家事をこなしながら進めるのはとても大変な手続きです。

また、適切な申告をしないと、後の税務調査で本来払わなくても良い税金を支払うことにもなります。

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