相続で必要な翻訳・公証・認証手続きを完全解説【海外提出用書類の準備】
- 海外での相続手続きには、日本の書類の英訳と認証が必要
- 「翻訳→公証人認証→法務局の押印証明→アポスティーユ」の流れが一般的
- 公証人認証は公証役場で行い、費用は1通5,500円〜11,000円程度
- アポスティーユは外務省で取得、費用は無料
- 全体で2〜4週間程度かかるため、余裕を持ったスケジュールが必要
「海外の銀行から、戸籍謄本を英訳して認証を受けるように言われました。どうすればいいですか?」
海外で相続手続きを行う場合、日本の書類をそのまま提出することはできません。
英訳し、公的な認証を受ける必要があります。
「翻訳」「公証」「認証」「アポスティーユ」など、似たような用語が多く、混乱する方も少なくありません。
この記事では、年間350件超の相続税申告を手がける相続専門税理士が、相続で必要な翻訳・公証・認証手続きを分かりやすく解説します。
翻訳・認証が必要になるケース
主なケース
・アメリカ、イギリス、香港、シンガポール等での遺産管理状の取得
・裁判所への提出書類として認証付き翻訳が必要
海外の銀行口座の解約
・相続人であることの証明
・死亡の証明
海外不動産の名義変更
・現地での登記手続き
・所有権移転の証明
海外の保険金請求
・受取人であることの証明
・被保険者の死亡証明
用語の整理
まず、似たような用語を整理しておきましょう。
| 用語 | 意味 | 取得先 |
| 翻訳 | 日本語の書類を英語に訳すこと | 翻訳会社、行政書士、自分 |
| 公証人認証 | 私文書に公証人が認証を付けること | 公証役場 |
| 押印証明 | 公証人の印が真正であることの証明 | 法務局 |
| アポスティーユ | 日本の公文書を海外で使用するための認証 | 外務省 |
| 領事認証 | 提出先国の大使館・領事館での認証 | 各国大使館・領事館 |
翻訳・認証の流れ
書類の種類によって、必要な手続きが異なります。
公文書の場合(戸籍謄本、住民票など)
公文書は、そのままアポスティーユを取得できます。
↓
STEP2:外務省でアポスティーユを取得
↓
STEP3:英訳を作成(必要に応じて)
私文書の場合(翻訳文、遺産分割協議書など)
私文書は、公証人認証を経てからアポスティーユを取得します。
↓
STEP2:公証役場で公証人認証を取得
↓
STEP3:法務局で公証人押印証明を取得
↓
STEP4:外務省でアポスティーユを取得
注意:公証役場によっては、STEP2〜3を同時に行える「ワンストップサービス」を提供している場合があります。事前に公証役場に確認してください。
各手続きの詳細
翻訳の作成
| 方法 | 費用目安 | メリット・デメリット |
| 翻訳会社に依頼 | 5,000円〜20,000円/通 | 専門性が高く安心、ただし費用がかかる |
| 行政書士に依頼 | 10,000円〜30,000円/通 | 認証手続きまで一括依頼可能 |
| 自分で翻訳 | 0円 | 費用不要、ただし専門用語に注意が必要 |
戸籍謄本の翻訳は、専門用語が多いため、翻訳会社や行政書士に依頼することをお勧めします。
提出先によっては「認定翻訳者(certified translator)」による翻訳を求められる場合もありますので、事前に確認してください。
公証人認証
公証役場で、書類の作成者が「この書類は私が作成したものであり、内容は正確である」と宣誓し、公証人がその宣誓を認証します。
・認証を受ける書類(翻訳文など)
・原本(戸籍謄本など。参考資料として)
・本人確認書類(運転免許証、パスポートなど)
・印鑑(認印可)
費用
・5,500円〜11,000円程度/通(認証の種類による)
所要時間
・30分〜1時間程度
法務局の押印証明
公証人が押印した印鑑が真正であることを、法務局が証明します。
公証役場と同じ建物内にある場合が多く、公証人認証と同日に取得できることがあります。
アポスティーユ
外務省で取得します。
・外務省 東京(東日本)
・外務省 大阪分室(西日本)
申請方法
・窓口申請:翌日〜数日で取得可能
・郵送申請:約1週間
費用
・無料
費用と期間のまとめ
費用の目安
| 項目 | 費用目安 |
| 翻訳(1通) | 5,000円〜20,000円 |
| 公証人認証(1通) | 5,500円〜11,000円 |
| 法務局押印証明 | 無料 |
| アポスティーユ | 無料 |
| 合計(1通あたり) | 10,500円〜31,000円程度 |
期間の目安
| 項目 | 期間目安 |
| 翻訳 | 数日〜1週間 |
| 公証人認証+押印証明 | 即日〜数日 |
| アポスティーユ(窓口) | 翌日〜数日 |
| アポスティーユ(郵送) | 約1週間 |
| 合計 | 2〜4週間程度 |
翻訳・認証に関するQ&A
Q1:自分で翻訳しても認証を受けられますか?
A:可能です。
公証役場では、翻訳者本人が「この翻訳は正確である」と宣誓すれば認証を受けられます。
ただし、戸籍謄本などは専門用語が多いため、翻訳会社に依頼することをお勧めします。
Q2:戸籍謄本1通の翻訳・認証にいくらかかりますか?
A:翻訳会社への依頼+公証人認証で、合計15,000円〜30,000円程度です。
自分で翻訳する場合は、公証人認証の5,500円〜11,000円程度で済みます。
Q3:どのくらいの期間がかかりますか?
A:全体で2〜4週間程度が目安です。
急ぎの場合は、翻訳を急いでもらい、窓口でアポスティーユを取得することで、1〜2週間に短縮できることもあります。
Q4:認証済みの書類に有効期限はありますか?
A:認証自体に有効期限はありません。
ただし、基となる戸籍謄本等の発行日から一定期間内のものを求められることがあります(例:発行から3ヶ月以内、6ヶ月以内など)。
提出先に事前に確認してください。
Q5:複数の書類をまとめて認証できますか?
A:可能です。
公証役場で複数の書類をまとめて認証してもらえます。
まとめて依頼した方が効率的です。
まとめ
- 海外での相続手続きには英訳と認証が必要
- 私文書は「翻訳→公証人認証→押印証明→アポスティーユ」の流れ
- 公文書は「アポスティーユ」のみで可能な場合も
- 費用は1通あたり10,000円〜30,000円程度
- 全体で2〜4週間程度かかるため、早めに準備を開始
翻訳・公証・認証の手続きは複雑ですが、一度流れを理解すれば難しくありません。
早めに準備を始め、余裕を持ったスケジュールで進めましょう。
当事務所では年間350件超の相続税申告を行っており、国際相続の実績も豊富です。
「海外で相続手続きが必要だが、書類の準備方法が分からない」
「翻訳・認証を含めてサポートしてほしい」
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