【税務調査で追徴】国際相続の失敗実例10選|海外資産の申告漏れはこうして見つかる

最終更新日:

国際相続

10秒でわかる この記事の要約
・国際相続の失敗は「知らなかった」が原因のことがほとんど
・海外金融口座の申告漏れは、CRS等により税務調査で発覚する可能性が高い
・プロベートが長期化し、遺産分割が10か月に間に合わず未分割申告が必要になるケースが多い
・外国税額控除の適用漏れで数百万円の損失も
・専門家選びの失敗が手続き全体に影響

「海外財産の相続で、こんなはずじゃなかった…」

国際相続では、国内相続にはない特有の失敗が起こりがちです。

当事務所には、他の事務所で相続税申告をした後に「修正申告したい」「更正の請求をしたい」というご相談も少なくありません。

今回は、国際相続でよくある失敗事例10選を紹介し、その回避策を解説します。

なお、相続税申告でお急ぎの方はお電話、またはLINEにてお問い合わせいただけます。

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目次

失敗事例1:海外財産の申告漏れ

事例

被相続人がシンガポールに銀行口座を持っていたが、相続人が知らなかったため申告から漏れた。

税務調査で指摘され、過少申告加算税5%~15%+延滞税を追加で支払うことになった。

なぜ起きたか

・被相続人が海外口座の存在を家族に伝えていなかった
・遺品整理で海外からの郵便物を見落とした
・「海外だから税務署にはバレない」と思っていた

回避策

CRS(共通報告基準)により、海外金融機関の口座情報は、各国の税務当局間で自動的に交換されています。

申告漏れは税務調査で発覚する可能性が高く、結果として追徴のリスクが大きいため、最初から漏れなく申告することが重要です。
被相続人の書類を徹底的に調査し、海外口座の有無を確認しましょう。

CRS(共通報告基準)と相続|海外資産は税務署に把握される?」をご参照ください。

失敗事例2:申告期限に間に合わない

事例

アメリカの不動産のプロベートが長引き、相続税申告期限の10か月に遺産分割が確定しなかった。

申告期限を過ぎてから申告したため、無申告加算税10%~20%が課された。

なぜ起きたか

・プロベートに1年以上かかることを知らなかった
・「海外の手続きが終わってから申告すればいい」と思っていた
・未分割申告という選択肢を知らなかった

回避策

相続財産が分割されていない場合でも、申告期限(10か月)は延びません。期限内に法定相続分で申告(未分割申告)します。

未分割でも期限内申告が必要です。あわせて、『申告期限後3年以内の分割見込』の届出を行い、分割後に特例適用のため更正の請求等を検討します

【相続税】申告期限までに遺産分割が決まらない場合の未分割申告」をご覧ください。

失敗事例3:外国税額控除の適用漏れ

事例

イギリスで相続税を支払ったが、日本の申告で外国税額控除を適用しなかった。

後から気づいたが、法定申告期限から5年を過ぎており、更正の請求ができなかった(※後発的理由がある場合など、例外あり)。

なぜ起きたか

・担当した税理士が国際相続に詳しくなかった
・イギリスで支払った税金の証明書を取得していなかった
・外国税額控除の制度を知らなかった

回避策

海外で相続税(遺産税)を支払った場合は、必ず外国税額控除を検討しましょう。

相続税の外国税額控除をわかりやすく徹底解説」をご参照ください。

失敗事例4:海外不動産の評価ミス

事例

ハワイの不動産を日本の路線価方式で評価しようとしたが、海外には路線価がないことに気づかず、申告が遅れた。

なぜ起きたか

・海外不動産の評価方法を理解していなかった
・現地の鑑定評価を取得する時間がなかった

回避策

海外不動産は原則として時価で評価します。実務では、売買事例や鑑定評価、精通者意見などを参考に時価を固めます。

早めに現地の不動産鑑定士や専門家に依頼しましょう。

海外不動産の相続税評価の方法と注意点をわかりやすく解説」をご覧ください。

失敗事例5:プロベート回避策を知らなかった

事例

父がアメリカに不動産を単独名義で所有していた。プロベートに2年、費用200万円以上かかった。

国や州の制度によっては、Joint Tenancy等によりプロベート負担を軽減できる場合があります。
ただし、名義変更には別の税務・法務リスクもあるため、生前に日本の税理士や現地の専門家と相談しましょう。

なぜ起きたか

・プロベートという制度を知らなかった
・Joint Tenancyや受益者指定、信託など、国・州によって利用できるプロベート回避策を知らなかった
・生前対策をしていなかった

回避策

海外に不動産を持っている場合は、生前にプロベート回避策を検討しましょう。

ジョイントテナンシー(合有不動産権)と相続税・贈与税の注意点」、「プロベートとは?国別の費用・期間・手続きを徹底比較【税理士解説】」をご参照ください。

失敗事例6:国外財産調書の未提出

事例

相続人(日本居住者)に国外財産調書の提出義務があるにもかかわらず未提出(または記載漏れ)だった。
海外財産の申告漏れが発覚し、国外財産調書制度により加算税5%が上乗せされた。

なぜ起きたか

・国外財産調書の制度を知らなかった
・5,000万円超の基準を認識していなかった

回避策

5,000万円超の国外財産がある場合は、毎年6月30日までに国外財産調書を提出しましょう。

国外財産調書制度を徹底解説!提出義務から書き方まで完全ガイド」をご覧ください。

失敗事例7:署名証明書の取得遅れ

事例

海外在住の相続人がいたが、署名証明書の取得に時間がかかり、遺産分割協議書の作成が遅れた。

結果として、相続税申告期限ギリギリになってしまった。

なぜ起きたか

・海外在住者の手続きに時間がかかることを想定していなかった
・署名証明書の取得方法を知らなかった
・在外公館の予約が取りにくかった

回避策

海外在住の相続人がいる場合は、早めに署名証明書の取得を進めましょう

非居住者がいる相続税申告を徹底解説」をご参照ください。

失敗事例8:小規模宅地等の特例の適用漏れ

事例

被相続人が老人ホームに入居しており、自宅が空き家だった。

「家なき子特例」が適用できるケースだったが、担当税理士が見落とし、数百万円の相続税を余分に支払った

なぜ起きたか

・国際相続に気を取られ、国内の特例を見落とした
・非居住者は小規模宅地の特例の適用ができないと思いこんでいた

回避策

国際相続でも、国内の各種特例・控除は適用可能です。

国際相続における小規模宅地等の特例の留意点」をご覧ください。

失敗事例9:専門家選びの失敗

事例

地元の税理士に依頼したが、国際相続の経験がなく、海外財産の評価や外国税額控除の適用に誤りがあった。

後日、税務調査で指摘され、修正申告と追徴税の支払いが発生した。

なぜ起きたか

・「どの税理士でも同じ」と思っていた
・国際相続の専門性を確認しなかった
・報酬の安さだけで選んだ

回避策

国際相続は専門性が必要です。

経験豊富な専門家を選びましょう。

国際相続に強い税理士・弁護士の選び方【失敗しない5つのポイント】」をご参照ください。

失敗事例10:配偶者の税額軽減と二次相続の失敗

事例

配偶者に財産を多く相続させ、一次相続の相続税を抑えた。

しかし、数年後に配偶者が亡くなり、二次相続で海外財産の手続きを再度行うことになり、多額の費用と手間がかかった。

なぜ起きたか

・一次相続の節税だけを考えた
・二次相続のシミュレーションをしなかった
・海外財産の手続きコストを考慮しなかった

回避策

国際相続こそ、二次相続までを見据えた遺産分割が重要です。

海外財産は子供世代に相続させ、プロベート手続きを1回で済ませることも検討しましょう。

相続税の節税は二次相続で決まる!一次相続の遺産分割と対策の重要性」をご覧ください。

よくある質問

Q1. 申告漏れがあった場合、自分から修正申告すべきですか?

はい、税務調査の通知が来る前に自主的に修正申告すれば、ペナルティが軽減される場合があります。申告漏れに気づいたら、できるだけ早く専門家に相談してください。

Q2. 海外財産の存在を知らなかった場合も、ペナルティはかかりますか?

原則として、「知らなかった」は言い訳になりません。ただし、合理的な努力をしても発見できなかった場合は、重加算税(35~40%)ではなく、過少申告加算税(10~15%)が適用されることがあります。

Q3. 税理士の選び方で、具体的にどこを確認すべきですか?

国際相続の申告実績、海外の専門家(弁護士・CPA)とのネットワーク、外国語対応の可否などを確認しましょう。また、初回相談時に具体的な対応方針を説明してもらえるかも重要です。

Q4. 失敗に気づいたのが申告期限後です。今からでも対応できますか?

更正の請求(申告期限から5年以内)や修正申告により対応できる場合があります。期限を過ぎているからと諦めず、専門家にご相談ください。

Q5. セカンドオピニオンを取ることはできますか?

はい、可能です。当事務所でも、他の事務所で申告した方からのセカンドオピニオンのご相談を承っております。申告内容に不安がある場合は、お気軽にご相談ください。

まとめ:失敗を防ぐための3つの原則

国際相続の失敗を防ぐには、以下の3つが重要です。

国際相続の失敗を防ぐ3原則
1. 早めに動く:申告期限10か月は短い。海外手続きには時間がかかる
2. 専門家を選ぶ:国際相続の経験がある税理士・弁護士に依頼する
3. 情報を集める:海外財産の全容を把握し、制度を理解する

「知らなかった」「間に合わなかった」では済まされないのが国際相続です。

当事務所では、国際相続の失敗を防ぐためのサポートを行っております。
海外財産がある相続でお困りの方は、お早めにご相談ください。

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この記事の執筆者:角田 壮平

東京税理士会京橋支部所属 
登録番号:115443

相続税専門である税理士法人トゥモローズの代表税理士。年間取り扱う相続案件は350件。税理士からの相続相談にも数多く対応しているプロが認める相続の専門家。謙虚に、素直に、誠実に、お客様の相続に最善を尽くします。

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相続税の手続きは慣れない作業が多く、日々の仕事や家事をこなしながら進めるのはとても大変な手続きです。

また、適切な申告をしないと、後の税務調査で本来払わなくても良い税金を支払うことにもなります。

税理士法人トゥモローズでは、豊富な申告実績を持った相続専門の税理士が、お客様のご都合に合わせた適切な申告手続きを行います。

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