国際相続に強い税理士・弁護士の選び方【失敗しない5つのポイント】

- 国際相続は税理士・弁護士の両方が必要になるケースが多い
- 国際相続の実績件数と対応国の確認が最重要
- 外国語対応力と現地専門家とのネットワークも重要な判断基準
- 費用は通常の相続より高額になるため、事前に見積もりを取得する
- 申告期限(10ヶ月)を考慮し、早めに専門家を探すことが重要
「海外に財産があるのですが、どんな専門家に相談すればいいですか?」
国際相続は、日本国内だけの相続と比べて格段に複雑です。
税理士だけでなく、弁護士、現地の専門家など、複数の専門家の連携が必要になることも珍しくありません。
しかし、国際相続に対応できる専門家は限られています。
「相続に強い」と謳っている事務所でも、国際相続の経験がほとんどないケースも少なくありません。
この記事では、東京・新宿・横浜を拠点に相続税申告を専門とする税理士が、国際相続に強い専門家の選び方を解説します。
目次
国際相続が「普通の相続」より難しい5つの理由
国際相続で専門家選びがこれほど重要なのは、国内だけの相続にはない次のような難しさがあるからです。「相続に強い」だけでは対応できない論点ばかりで、ここに対応できるかどうかが事務所選びの判断材料になります。
理由①:誰の・どの財産に日本の相続税がかかるかが複雑
被相続人と相続人の住所や国籍によって、国外財産まで日本の相続税の対象になるか(無制限納税義務者か制限納税義務者か)が変わります。判定を誤ると課税範囲そのものを間違えます。詳しくは国際相続における相続税の納税義務の判定を徹底解説!と【国際相続】国内財産、国外財産の判定をわかりやすく徹底解説をご覧ください。
理由②:海外財産の評価が国内と異なる
海外の不動産や株式は、日本の財産評価基本通達ではそのまま評価できず、現地の時価や外貨換算が必要です。評価の根拠資料を現地から取り寄せる手間もかかります。
理由③:二重課税の調整が必要
海外でも相続税に相当する税が課される場合、相続税の外国税額控除をわかりやすく徹底解説で日本の税額から一定額を差し引けます。特に米国財産では日米相続税条約とは|二重課税を防ぐ仕組みと外国税額控除も関係します。
理由④:海外手続き(プロベート)に時間がかかる
アメリカ・イギリス・香港・シンガポールなどでは、裁判所を通じたプロベートとは?国別の費用・期間・手続きを徹底比較【税理士解説】が必要で、半年〜1年以上かかることもあります。日本の申告期限(10ヶ月)との両立には段取りが欠かせません。
理由⑤:海外資産は税務署に把握されている
CRS(共通報告基準)と相続|海外資産は税務署に把握される?【税理士解説】による口座情報の自動交換や、国外財産調書制度を徹底解説!提出義務から書き方まで完全ガイドにより、海外資産も税務署に把握されています。「海外だからバレない」は通用しません。申告漏れの具体例は【税務調査で追徴】国際相続の失敗実例10選|海外資産の申告漏れはこうして見つかるも参考になります。
国際相続で必要になる専門家
まず、国際相続ではどのような専門家が必要になるのか、整理しておきましょう。

税理士の役割
税理士は、日本の相続税申告を担当します。
・日本の相続税申告書の作成・提出
・海外財産の評価(外貨換算、不動産評価など)
・外国税額控除の計算
・国外財産調書制度を徹底解説!提出義務から書き方まで完全ガイドの作成支援
・税務署への対応・税務調査の立会い
・納税資金対策のアドバイス
国際相続では、海外財産の評価方法や外国税額控除の計算など、国内相続にはない専門知識が必要です。
弁護士の役割
弁護士は、法的な問題の解決や海外での手続きを担当します。
・遺産分割協議の支援・紛争解決
・遺言書の検認・執行
・相続人間の紛争解決(調停・訴訟)
・海外のプロベートとは?国別の費用・期間・手続きを徹底比較【税理士解説】の連携
・国際相続があった場合の準拠法の判断
・相続放棄・限定承認の手続き
特に、相続人間で争いがある場合や、海外でのプロベート手続きが必要な場合は、弁護士の関与が不可欠です。
その他の専門家
・不動産の相続登記
・法定相続情報一覧図の作成
行政書士
・書類の翻訳・認証手続き
・アポスティーユの取得代行
・各種届出書類の作成
現地弁護士(海外)
・プロベート手続きの代理
・現地の銀行口座解約
・現地不動産の名義変更
翻訳者
・戸籍謄本等の英訳
・契約書・遺言書の翻訳
税理士と弁護士、どちらに先に相談すべきか
一般的には、まず税理士に相談することをお勧めします。
その理由は以下の通りです。
・紛争がない場合、弁護士は不要なケースも多い
・税理士から必要に応じて弁護士を紹介してもらえる
・費用面でも、まず税理士に相談する方が効率的
ただし、以下の場合は最初から弁護士への相談をお勧めします。
・遺言書の有効性に疑問がある
・海外で訴訟が必要になりそう
・相続放棄を検討している
国際相続に強い税理士の選び方5つのポイント
ポイント①:国際相続の実績件数
最も重要なのは、国際相続の実務経験です。
単に「相続税に強い」だけでなく、「国際相続の実績がある」かどうかを確認してください。
国際相続は、国内相続とは全く異なる知識とノウハウが必要です。
・国際相続を年間何件くらい手がけていますか?
・これまでの累計件数は?
・どのような国の財産を扱った経験がありますか?
ポイント②:対応可能な国・地域
海外財産がある国の相続制度に詳しいかどうかを確認しましょう。
特にプロベートが必要な国(アメリカ、イギリス、香港、シンガポール等)の経験があるかが重要です。
| 財産所在国 | 確認すべきポイント |
| アメリカ | 州ごとの制度の違い、遺産税、FATCA |
| イギリス | プロベート制度、相続税(IHT) |
| 香港 | プロベート制度、相続税なし |
| シンガポール | プロベート制度、相続税なし |
| 中国 | 領事認証、現地手続きの複雑さ |
ポイント③:外国語対応力
英語での書類確認や、現地専門家との連絡が必要になることがあります。
・事務所内に英語対応できるスタッフがいるか
・海外の専門家と直接やり取りできるか
・通訳・翻訳のサポート体制があるか
外国語対応ができない事務所の場合、翻訳を外注する必要があり、時間とコストがかかります。
ポイント④:現地専門家とのネットワーク
海外でのプロベート手続きには、現地の弁護士との連携が不可欠です。
信頼できる現地専門家のネットワークを持っているかどうかも重要な判断基準です。
・提携している海外の弁護士事務所はあるか
・過去に連携した実績はあるか
・紹介してもらえる場合、費用はどのくらいか
ポイント⑤:費用の透明性
国際相続は通常の相続より複雑なため、費用も高額になりがちです。
事前に詳細な見積もりを取得し、追加費用の発生条件も確認しておきましょう。
・税理士報酬(基本報酬+海外財産加算)
・翻訳・認証費用
・現地弁護士への依頼費用(概算)
・追加調査費用
・税務調査対応費用
| 費用項目 | 目安 |
| 税理士報酬(国際相続) | 通常報酬の1.5〜2倍程度 |
| 翻訳費用 | 1通5,000円〜20,000円 |
| 認証・アポスティーユ | 1通5,000円〜10,000円 |
| 現地弁護士費用 | 50万〜300万円(国・内容による) |
専門家を探す方法
インターネット検索
「国際相続 税理士」「海外財産 相続 専門」などのキーワードで検索します。
ホームページで国際相続の実績や対応可能な国を確認しましょう。
紹介
知人や他の専門家からの紹介も有効です。
既に取引のある税理士や弁護士がいれば、国際相続に強い事務所を紹介してもらえることがあります。
セミナー・相談会
国際相続に関するセミナーや無料相談会に参加し、専門家の雰囲気や対応を確認するのも良い方法です。
専門家を探すタイミング
相続が発生したら、できるだけ早く専門家を探し始めてください。
日本の相続税申告期限は10ヶ月ですが、海外財産の調査やプロベート手続きには時間がかかります。
・相続発生後1〜2ヶ月以内:専門家に相談
・相続発生後3ヶ月以内:海外財産の調査開始
・相続発生後6ヶ月以内:遺産分割協議の目処をつける
・相続発生後10ヶ月以内:相続税申告書の提出

特にプロベートが必要な国に財産がある場合は、プロベートだけで6ヶ月〜1年以上かかることがあります。
早めに動き出すことが重要です。なお、相続人に海外居住者がいる場合の手続きは非居住者がいる相続税申告を徹底解説:必要手続きと注意点を、全体の流れは国際相続スケジュール|発生から申告まで時系列で解説もあわせてご確認ください。
国際相続の専門家選びに関するQ&A
海外にしか財産がない場合でも、日本で相続税の申告は必要ですか?
A:被相続人と相続人の住所・国籍によって決まります。
日本に住所のある相続人が取得する財産は、原則として国外財産も含めて日本の相続税の対象になります。判定は複雑なため、国際相続における相続税の納税義務の判定を徹底解説!で確認するか、専門家にご相談ください。
海外にある財産は、日本の税務署に把握されるのですか?
A:はい、把握されていると考えてください。
CRS(共通報告基準)による各国税務当局間の口座情報の自動交換や、国外送金等調書などにより海外資産も把握されています。詳しくはCRS(共通報告基準)と相続|海外資産は税務署に把握される?【税理士解説】をご覧ください。
日本と海外で二重に相続税がかかることはありますか?
A:外国税額控除で調整できます。
海外で相続税に相当する税が課された場合、相続税の外国税額控除をわかりやすく徹底解説により日本の相続税から一定額を差し引けます。米国財産の場合は日米相続税条約とは|二重課税を防ぐ仕組みと外国税額控除も関係します。
地方に住んでいますが、東京の専門家に依頼できますか?
A:可能です。
国際相続に対応できる専門家は都市部に集中しているため、遠方の専門家に依頼するケースは珍しくありません。オンライン面談や郵送でのやり取りで対応してもらえます。
複数の専門家から見積もりを取るべきですか?
A:はい、2〜3社から取ることをお勧めします。
費用だけでなく、対応の丁寧さや専門性も比較検討してください。初回相談が無料の事務所も多いので、まずは相談してみましょう。税理士報酬の相場は税理士が調査!相続税申告の税理士報酬相場の目安と計算方法も参考になります。
国際相続の実績はどうやって確認できますか?
A:ホームページの実績紹介や、初回相談時に直接確認してください。
「国際相続を年間何件くらい手がけているか」「どの国の案件が多いか」「具体的にどのような案件を扱ったか」などを質問するとよいでしょう。一般的な【現役税理士による】相続税に強い税理士の選び方を徹底解説も合わせてご確認ください。
まとめ
- 国際相続は税理士・弁護士の両方が必要になることが多い
- 国際相続の実績件数と対応国の確認が最重要
- 外国語対応力と現地専門家ネットワークも重要
- 費用は通常より高額になるため事前に見積もりを取得
- 申告期限(10ヶ月)を考慮し早めに専門家を探す
国際相続は、専門家選びで結果が大きく変わります。
経験豊富な専門家に依頼することで、手続きがスムーズに進み、税務上のリスクも軽減できます。
当事務所は相続税を専門とし、国際相続の実績も豊富です。
アメリカ、イギリス、香港、シンガポール、オーストラリアなど、様々な国の財産がある相続を手がけてきました。
「海外に財産があるが、どこに相談すればいいか分からない」
「国際相続の経験がある専門家を探している」
そのようなお悩みがありましたら、ぜひ一度ご相談ください。
初回面談は無料です。
相続税の申告手続き、トゥモローズにお任せください
相続税の手続きは慣れない作業が多く、日々の仕事や家事をこなしながら進めるのはとても大変な手続きです。
また、適切な申告をしないと、後の税務調査で本来払わなくても良い税金を支払うことにもなります。
税理士法人トゥモローズでは、豊富な申告実績を持った相続専門の税理士が、お客様のご都合に合わせた適切な申告手続きを行います。
初回面談は無料ですので、ぜひ一度お問い合わせください。
タップで発信
0120-916-968
平日 9:00~21:00 土日 9:00~17:00




