小規模宅地の特例 選択換えができる場合、できない場合

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小規模宅地の特例

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この記事の執筆者:角田壮平

相続税専門である税理士法人トゥモローズの代表税理士。年間取り扱う相続案件は200件以上。税理士からの相続相談にも数多く対応しているプロが認める相続の専門家。謙虚に、素直に、誠実に、お客様の相続に最善を尽くします。

みなさんこんにちは!
相続専門の税理士法人トゥモローズです。

小規模宅地の特例について、一度選択した宅地を別の宅地に変更することができるでしょうか?

できる場合もあれば、できない場合もあります。
今回は、小規模宅地の特例の選択換えについて徹底解説します。

なお、小規模宅地の特例の詳しい解説は、小規模宅地等の特例をわかりやすく解説! 相続した土地にかかる相続税を最大80%減額をご参照下さい。

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①適用可能な宅地から適用可能な宅地への選択換え

特定居住用宅地500㎡と貸付事業用宅地200㎡があって、特定居住用宅地を選択して小規模宅地の特例の適用を受けた当初申告をしました。
その後、特定居住用宅地の土地の評価がもっと低くなることを発見し、貸付事業用宅地を選択したほうが相続税が低くなることが判明しました。
更正の請求において、特定居住用宅地から貸付事業用宅地への選択換えは認められるでしょうか?

認められません

【解説】
複数の特例対象宅地がある場合に、どの宅地を選択するかは納税者の任意の選択に委ねられています。
当初申告で特定居住用宅地を選択したことが、国税通則法第23条第1項の更正の請求の事由である「国税に関する法律の規定に従っていなかったこと又は当該計算に誤りがあったこと」に該当しません。
したがって、本ケースでは選択換えは認められません。

②適用不可の宅地から適用可能な宅地への選択換え

特定居住用宅地500㎡と貸付事業用宅地200㎡があって、特定居住用宅地を選択して小規模宅地の特例の適用を受けた当初申告をしました。
その後、税務調査において特定居住用宅地が小規模宅地の特例の要件を満たしていないとの結論になりました。
修正申告において、貸付事業用宅地への選択換えは認められるでしょうか?

認められます

【解説】
小規模宅地の特例は修正申告においても認められています。
当初申告で適用できない宅地を選択してしまって、修正申告で適用要件を満たす宅地に修正申告する場合には、選択換えが認められることとなります。

③新たに発覚した宅地へ選択換え

当初申告では被相続人が所有する土地は特定居住用宅地の一つのみと把握していましたが、その後、別の市区町村に貸駐車場も所有していることがわかりました。
当初申告で選択した特定居住用宅地よりも新たに発覚した貸駐車場で小規模宅地の特例を適用したほうが有利となりました。
修正申告において、貸駐車場への選択換えは認められるでしょうか?

認められません

【解説】
上記①と異なり、更正の請求ではなく修正申告となりますが、当初申告において適切に小規模宅地の特例の適用をしているため修正申告では認められません。
小規模宅地の特例に当初申告要件が存在するためです。

④遺留分減殺に伴う修正申告及び更正の請求における小規模宅地等の選択替え(令和元年7月1日前に開始した相続) 国税庁質疑応答事例参照

被相続人甲(平成31年3月10日相続開始)の相続人は、長男乙と長女丙の2名です。乙は甲の遺産のうちA宅地(特定居住用宅地等)及びB宅地(特定事業用宅地等)を遺贈により取得し、相続税の申告に当たってB宅地について小規模宅地等の特例を適用して期限内に申告しました。
その後、丙から遺留分減殺請求がなされ、家庭裁判所の調停の結果B宅地は丙が取得することになりました。
そこで、小規模宅地等の対象地を、乙は更正の請求においてA宅地と、丙は修正申告においてB宅地とすることができますか(限度面積要件は満たしています。)。なお、甲の遺産の内小規模宅地等の特例の対象となる宅地等は、A宅地及びB宅地のみです。

認められます

【解説】

当初申告におけるその宅地に係る小規模宅地等の特例の適用について何らかの瑕疵がない場合には、その後、その適用対象宅地の選択換えをすることは許されないこととされていますが、照会の場合は遺留分減殺請求という相続固有の後発的事由に基づいて、当初申告に係る土地を遺贈により取得できなかったものですから、更正の請求においてA宅地について小規模宅地等の特例を適用することを、いわゆる選択替えというのは相当ではありません。
したがって、乙の小規模宅地等の対象地をA宅地とする変更は、更正の請求において添付書類等の要件を満たす限り認められると考えられます。また、当初申告において小規模宅地等の対象地を選択しなかった丙についても同様に取り扱って差し支えないと考えられます。

⑤遺留分侵害額の請求に伴い取得した宅地に係る小規模宅地等の選択換え(令和元年7月1日以後に開始した相続) 国税庁質疑応答事例参照

被相続人甲(令和元年8月1日相続開始)の相続人は、長男乙と長女丙の2名です。乙は甲の遺産のうちA宅地(特定居住用宅地等)及びB宅地(特定事業用宅地等)を遺贈により取得し、相続税の申告に当たってこれらの宅地について小規模宅地等の特例を適用して期限内に申告しました(小規模宅地等の特例の適用要件はすべて満たしています。)。
その後、丙から遺留分侵害額の請求がなされ、家庭裁判所の調停の結果、乙は丙に対し遺留分侵害額に相当する金銭を支払うこととなりましたが、乙はこれに代えてB宅地の所有権を丙に移転させました(移転は相続税の申告期限後に行われました。)。
丙は修正申告の際にB宅地について小規模宅地等の特例の適用を受けることができますか。

認められません

【解説】

民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律(平成30年法律第72号)による改正により、令和元年7月1日以後に開始した相続から適用される民法第1046条《遺留分侵害額の請求》に規定する遺留分侵害額の請求においては、改正前の遺留分減殺請求権の行使によって当然に物権的効力が生じるとされていた(遺贈又は過去の贈与が無効となり、遺贈又は贈与をされていた財産に関する権利が請求者に移転することとされていた)規定が見直され、遺留分に関する権利の行使によって遺留分侵害額に相当する金銭債権が生じることとされました。
照会の場合、遺留分侵害額の請求を受けて乙はB宅地の所有権を丙に移転していますが、これは、乙が遺留分侵害額に相当する金銭を支払うために丙に対し遺贈により取得したB宅地を譲渡(代物弁済)したものと考えられ、丙はB宅地を相続又は遺贈により取得したわけではありませんので、小規模宅地等の特例の適用を受けることはできません。なお、丙は、遺留分侵害額に相当する金銭を取得したものとして、相続税の修正申告をすることになります。

(注) 乙がB宅地を遺贈により取得した事実に異動は生じず、また、乙がB宅地を保有しなくなったのは相続税の申告期限後であることから、遺留分侵害額の請求を受けてB宅地の所有権を丙に移転させたとしても、乙はB宅地についての小規模宅地等の特例の適用を受けることができなくなるということはありません。なお、乙は、遺留分侵害額の請求に基づき支払うべき金銭の額が確定したことにより、これが生じたことを知った日の翌日から4月以内に、更正の請求をすることができます。

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