相続があった場合の不動産所得の注意点(被相続人の準確定申告、相続人の確定申告)

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この記事の執筆者:角田 壮平

相続税専門である税理士法人トゥモローズの代表税理士。年間取り扱う相続案件は200件以上。税理士からの相続相談にも数多く対応しているプロが認める相続の専門家。謙虚に、素直に、誠実に、お客様の相続に最善を尽くします。

みなさんこんにちは!
相続専門の税理士法人トゥモローズです。

亡くなった人が賃貸業をやっていた場合に亡くなった人とその相続人の所得税の確定申告が必要となります。
相続があった場合に両者の不動産所得で気をつけないといけない論点が複数存在します。

今回は、相続があった場合の不動産所得で特に留意すべき項目をわかりやすくまとめます。

なお、準確定申告の詳しい解説は、【準確定申告】申告期限は4カ月!提出していなかった場合のペナルティも解説!をご参照ください。

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1.収入

(1)賃貸料の計上時期

①原則

不動産所得の賃貸料については、権利確定主義に基づき原則として下記のタイミングで収入計上します。

■契約又は慣習により支払日が定められているもの:その支払日
■支払日が定められていないもの:実際に支払を受けた日
■請求があったときに支払うべきものと定められているもの:その請求日

②例外1(発生主義)

権利確定主義の例外として貸付期間に対応する収入を計上する方法、いわゆる発生主義も認められています。

発生主義を採用する場合には下記の要件を満たす必要があります。

■事業的規模に該当する場合
 ☑帳簿に継続的に記帳している
 ☑1年超の貸付期間の賃貸料も含めすべての賃貸料につき継続的に発生主義を採用していて、前受収益、未収収益の経理が行われている
 ☑前受収益、未収収益についての明細書を確定申告書に添付している
■事業的規模に該当しない場合
 ☑帳簿に継続的に記帳している
 ☑1年以内の期間に係る賃貸料の全部につき継続的に発生主義を採用していて、前受収益、未収収益の経理が行われている

なお、事業的規模とは、貸付事業がある程度の規模で行われていることを示す基準で5棟10室基準とも言われます。
貸家だったら5棟以上、貸室だったら10室以上の規模で貸付事業が行われていたら事業的規模に該当するというものです。
詳しくは、国税庁HP 事業としての不動産貸付けとそれ以外の不動産貸付けとの区分をご参照ください。

③例外2(現金主義)

権利確定主義の例外として現金預金の入金があった時点で収入計上する方法、いわゆる現金主義も認められています。
現金主義を採用する場合には下記の要件を満たす必要があります。

☑青色申告者であること
☑前々年分の不動産所得等の金額の合計額が300万円以下であること(小規模事業者)
現金主義による所得計算の特例を受けることの届出書を税務署に提出していること

ちなみに、この現金主義は死亡した年は適用できませんので被相続人の準確定申告では採用できません。
したがって、これから説明する具体例では現金主義は含めないこととします。

【具体例1】

死亡日:5月20日
賃貸借契約:翌月分賃料を当月末日までに支払う

①原則(権利確定主義)
被相続人の準確定申告:4ヶ月分を収入計上(1月末~4月末までの確定分)
相続人の確定申告:8ヶ月分を収入計上(5月末~12月末までの確定分)
②例外(発生主義)
被相続人の準確定申告:1/1~5/20までの期間に対応する賃料を収入計上
相続人の確定申告:5/21~12/31までの期間に対応する賃料を収入計上

【具体例2】

死亡日:1月10日
賃貸借契約:翌月分賃料を当月末日までに支払う

①原則(権利確定主義)
被相続人の準確定申告:収入計上なし(死亡日に権利が確定している収入がないため)
相続人の確定申告:12ヶ月分を収入計上(1月末~12月末までの確定分)
②例外(発生主義)
被相続人の準確定申告:1/1~1/10までの期間に対応する賃料を収入計上
相続人の確定申告:1/11~12/31までの期間に対応する賃料を収入計上

【具体例3】

死亡日:9月26日
賃貸借契約:支払日の定めなし
賃料の収入状況:死亡日まで7ヶ月分、死亡後に5ヶ月分の支払いを入居者から受けた

①原則(権利確定主義)
被相続人の準確定申告:7ヶ月分(死亡日まで実際に支払いを受けた金額)
相続人の確定申告:5ヶ月分を収入計上(死亡日後年末までに実際に支払いを受けた金額)
②例外(発生主義)
被相続人の準確定申告:1/1~9/26までの期間に対応する賃料を収入計上
相続人の確定申告:9/27~12/31までの期間に対応する賃料を収入計上

【具体例4】

死亡日:7月15日
賃貸借契約:1年分を12月末日までに支払う

①原則(権利確定主義)
被相続人の準確定申告:収入計上なし(死亡日に権利が確定している収入がないため)
相続人の確定申告:1年分を収入計上
②例外(発生主義)
被相続人の準確定申告:1/1~7/15までの期間に対応する賃料を収入計上
相続人の確定申告:7/16~12/31までの期間に対応する賃料を収入計上

(2)未分割財産の賃貸料の帰属

相続が発生して賃貸不動産の遺産分割が決まるまでの期間の賃貸料収入をどのように相続人に帰属させるかという問題があります。

結論としては、未分割期間については、民法上の相続分により帰属させます。

民法上の相続分とは、遺言がある場合にはその遺言による指定相続分となり、遺言がない場合には民法に定める法定相続分によります。
法定相続分の詳しい解説は、相続が発生したら誰が「相続人」なの?意外と知らない法定相続人の範囲と相続分をご参照ください。

【具体例】
被相続人:父
相続人:母、長男、長女
遺言:なし
死亡日:3月10日
遺産分割協議日:10月25日
賃貸不動産の取得者:長女
賃貸借契約:翌月分賃料を当月末日までに支払う
月額賃料:100万円

【被相続人、相続人の収入帰属額】
父の準確定申告:200万円の収入計上(1月2月分)
母の確定申告:350万円の収入計上(700万円(3月~9月分)✕1/2(母の法定相続分))
長男の確定申告:175万円の収入計上(700万円(3月~9月分)✕1/4(長男の法定相続分))
長女の確定申告:475万円の収入計上(700万円(3月~9月分)✕1/4(長男の法定相続分)+300万円(10月~12月分))

2.必要経費

不動産所得の必要経費算入時期は、債務が確定したタイミングとなります。
これを、債務確定主義といいます。
債務が確定しているとは、下記の要件により判定します。

☑債務が成立していること
☑その債務に基づいて具体的な給付をすべき原因となる事実が発生していること
☑その金額が合理的に算定できること

この原則を頭に入れつつ具体的な費目ごとに確認していきましょう。

(1)固定資産税

固定資産税は納税通知がいつあったかにより被相続人と相続人の必要経費計上額が変わってきます。

①死亡前に納税通知があった場合

下記のいずれかを選択可能です。

計上基準 被相続人の
準確定申告
相続人の
確定申告
納税通知基準 年税額 ゼロ
納期到来基準 死亡日までに納期が到来した税額 死亡後に納期が到来した税額
納付額基準 死亡日までに納付した税額 死亡後に納付した税額

したがって、被相続人と相続人の所得税率を比較して上記のうち有利な方法を選択しましょう。

②死亡後に納税通知があった場合

死亡後に納税通知があった場合には、被相続人の準確定申告で必要経費に算入する金額はありません。
したがって、相続人の確定申告で年税額、納期到来額、納付済額のいずれかを必要経費に算入します。

被相続人の
準確定申告
相続人の
確定申告
ゼロ ・年税額
・納期到来額
・納付済額
のいずれかを採用

ちなみに、相続税申告においては賦課期日である1月1日に債務を認識するため固定資産税の全額を債務控除することが可能です。
債務控除の詳しい解説は、【相続税申告】債務控除をわかりやすく徹底解説をご参照ください。

(2)相続登記費用

賃貸不動産を相続した場合には名義変更の登記が必要となります。
その登記にかかる登録免許税、司法書士報酬等の相続登記費用は相続人の確定申告にて必要経費に算入が可能です。

なお、自宅不動産等の非業務用資産と賃貸不動産等の業務用資産の両方の相続登記費用がある場合には、業務用資産の相続登記費用のみ必要経費に算入できます。
非業務用資産の相続登記費用は家事費となります。
ちなみに、平成17年1月1日より前に相続により取得した賃貸不動産の相続登記費用は家事費とされていて必要経費算入は認められていませんでした。今では昔の話です。

(3)減価償却費

減価償却資産を相続した場合の減価償却費の計算は結構複雑です。

ポイントとしては下記の2つです。

①月数按分
②何を引き継ぎ、何を引き継がないか

まずは簡単な月数按分から解説します。

①月数按分

年の途中で相続が発生した場合には被相続人の準確定申告でも相続人の確定申告でも減価償却費を1年分計上できるわけではなく月数按分が必要です。

償却月数については下記の通りです。

被相続人の準確定申告 相続人の確定申告
1/1から死亡日までの月数
(1月未満切上)
死亡日から12/31までの月数
(1月未満切上)

例えば、5/10に亡くなった場合には、
被相続人の準確定申告で5/12を計上し、
相続人の確定申告で8/12を計上します。

すなわち、被相続人の準確定申告と相続人の確定申告を合計すると1年間で13ヶ月分の減価償却費が計上できるのです。

不思議ですがそのようなルールなのです。

②何を引き継ぎ、何を引き継がないか

減価償却費の計算要素には下記のものが存在します。

■取得価額
■未償却残高
■取得時期
■経過年数
■耐用年数
■償却方法

上記のうち引き継ぐものは、取得価額、未償却残高、取得時期、経過年数、耐用年数です。
耐用年数も被相続人のものを引き継ぐため中古耐用年数を相続人にて適用することはできません。

これに対し、唯一引き継がないものは償却方法です。

通常、相続や贈与による「取得」は新たな財産の取得とは考えずに、前所有者の状況をそのまま引き継ぐのですが、償却方法だけはそのような取り扱いはしません。
償却方法が規定されてい所得税法施行令第120条、120条の2の「取得」には相続や贈与による取得も含まれるものとされているからです。
根拠通達は、下記となります。

所得税基本通達49-1

令第120条第1項及び令第120条の2第1項に規定する取得には、購入や自己の建設によるもののほか、相続、遺贈又は贈与によるものも含まれることに留意する。

この償却方法のみ引き継ぐとされているから相続の場合の減価償却費の計算が複雑になるのです。

2つほど具体例を使って解説していきましょう。

【具体例①】
相続開始日:令和5年5月15日
減価償却資産:建物
取得価額:50,000,000円
取得日:平成17年12月
耐用年数:22年
生前の償却方法:旧定額法
相続開始時の未償却残高:13,775,000円

【相続人の確定申告における減価償却計算】
償却方法:定額法※1
減価償却費:
50,000,000円✕0.046※2✕8/12=1,533,333円
未償却残高:
13,775,000円-1,533,333円=12,241,667円

※1 被相続人が採用していた旧定額法ではなく令和5年に新たに取得したとした場合の償却方法である定額法を採用します。
※2 耐用年数は被相続人から引き継ぎますので中古耐用年数等は適用できません。

【具体例②】
相続開始日:令和5年5月10日
減価償却資産:建物
取得価額:10,000,000円
取得日:平成11年1月
耐用年数:22年
生前の償却方法:旧定額法
令和4年12月31日時点の未償却残高:500,000円(償却限度額95%に達した)

【被相続人の準確定申告における減価償却計算】
償却方法:均等償却※
減価償却費:
(500,000円-1円)÷5年✕5/12=41,667円
未償却残高:
500,000円-41,667円=458,333円

※ 令和4年12月において償却限度額95%に達したためその翌年からは未償却残高から1円を控除した金額を5年間で均等償却することとなります。

【相続人の確定申告における減価償却計算】
償却方法:定額法※1
減価償却費:
10,000,000円✕0.046※2✕8/12=306,667円
未償却残高:
458,333円-306,667円=151,666円

※1 被相続人が採用していた均等償却ではなく令和5年に新たに取得したとした場合の償却方法である定額法を採用します。
※2 耐用年数は被相続人から引き継ぎますので中古耐用年数等は適用できません。

(4)一括償却資産

一括償却資産とは、20万円未満の減価償却資産について3年間で均等償却をする資産のことをいいます。
一括償却資産を相続により取得した場合には下記の区分に応じて下記の通り処理をすることとなります。

①貸付事業を承継する相続人がいる場合

下記のいずれかを選択可能です。

No 被相続人の準確定申告 相続開始年の翌年の相続人の確定申告
1 未償却残高を
全額必要経費算入
必要経費算入額なし
2 一括償却資産の1/3
を必要経費算入
一括償却資産の1/3
を必要経費算入

②貸付事業を承継する相続人がいない場合

被相続人の準確定申告にて一括償却資産の未償却残高を全額必要経費に算入
※2年分が残っていたとしても一括必要経費に算入できます。

(5)借入金の利子

賃貸不動産を購入するために被相続人が借り入れをしてその残債が残っていた場合にはその借入金を相続人が引き継ぎます。
その借入金の利子について必要経費に算入できるかどうかという論点です。

賃貸不動産の取得者と借入金の引き継ぐ者が同一であれば特段問題は生じませんが、財産と債務を必ず紐付けなくてもよいので賃貸不動産と借入金の承継者が異なることもあるのです。

具体的事例で確認していきましょう。

①賃貸不動産の取得割合>借入金の承継割合

【具体例】
被相続人:母
相続人:長男、長女
賃貸不動産取得者:長男、長女が各1/2
借入金の承継者:長男の単独承継

【長男の確定申告】
支払った借入金の利子のうち1/2のみ必要経費算入
【長女の確定申告】
借入金の利子をそもそも支払っていないため必要経費算入額なし

②賃貸不動産の取得割合<借入金の承継割合

【具体例】
被相続人:母
相続人:長男、長女
賃貸不動産取得者:長男のみ単独承継
借入金の承継者:長男と長女で各1/2を承継

【長男の確定申告】
支払った借入金の利子のみ必要経費算入(すなわち、全借入金利子のうち1/2相当)
【長女の確定申告】
そもそも賃料収入がないため確定申告不要(支払った借入金利子は家事費となる)

③代償金を支払うための借入金利子

被相続人が母で相続人が長男と長女だったとします。

賃貸不動産を長男が取得し、長男から長女に対して代償金を1億円払ったとします。
ただ長男にはキャッシュがないので銀行から1億円を借りたとします。
この代償金を支払うための借入金の利子は、長男の不動産所得の必要経費に算入できるでしょうか?

答えは、算入することはできません。
代償金を支払うための借入金利子は賃貸不動産を取得するために直接生じた費用とは考えられないためです。

(6)青色申告特別控除

青色申告者には所得金額から下記の区分に応じて下記の金額を控除できるという青色申告特別控除という特例制度があります。

 控除額   要件 
55万円
☑事業的規模で不動産所得を生ずべき事業を営んでいること
☑不動産所得に係る取引を正規の簿記の原則(一般的には複式簿記)により記帳していること
☑貸借対照表および損益計算書を確定申告書に添付していること
☑申告期限までに申告書を提出すること
65万円
☑上記「55万円の青色申告特別控除」の要件に該当していること
☑その年分の事業に係る仕訳帳及び総勘定元帳について電子帳簿保存を行っていること
☑e-Taxで申告していること
10万円
☑青色申告者であること

基本的には、事業的規模かどうかで65万円(又は55万円)の控除ができるか、10万円の控除しかできないかが決まってきます。
したがって、事業的規模かどうかが青色申告特別控除の適用に当たり重要となってきますので相続における事業的規模の論点を簡単に解説します。

①未分割の場合の事業的規模の判定

賃貸事業を営んでいた人が亡くなって遺産分割確定前の相続人の確定申告の際の事業的規模の判断は、法定相続分を乗じないで判定が可能です。

例えば、被相続人が16室の賃貸アパートを1棟保有してた場合に、相続人が長男と次男であったとしましょう。
事業的規模の判定につき法定相続分で按分する必要があるならば、長男8室、次男8室となり両者とも事業的規模を満たさないこととなってしまいます。
しかし、そのような判定はせずに、長男16室、次男16室で判定することが可能なのです。

②年の途中で相続があった場合の事業的規模の判定

年の途中で相続により賃貸物件を取得し、事業的規模に達した場合には事業的規模の判定はどうすれば良いでしょうか?

すなわち、事業的規模の判定時期がいつなのかという論点です。
想定できる判定時期は、下記の通りです。

■12月31日
■1月1日
■1年間を通じて事業的規模でなければならない
■年中のいずれか任意の日に事業的規模であればよい

正解は、年中のいずれか任意の日に事業的規模であればよいとなります。

年末でも判定しませんし、年始でも判定しません。
また、1年を通じて事業的規模でなくてもいいのです。

したがって、相続人が年始に5部屋の賃貸物件を保有していて年中に相続により6部屋を取得した場合でも1年を通じて5棟10室ではありませんが、事業的規模と判断できるのです。

相続とは関係ありませんが、
年始に12部屋貸していて、年中に売却して、年末には8部屋しかなかった場合でもその年は事業的規模として判定が可能です。
もちろん、その翌年に1年を通じて8部屋しか貸していなければその翌年は事業的規模には該当しません。

3.その他

(1)青色申告承認申請

被相続人が青色申告者に該当した場合にその貸付事業を引き継いだ相続人が自動的に青色申告も引き継げるわけではありません。
したがって、相続人は別途青色申告承認申請をしなければなりません。

青色申告承認申請の提出期限は、下記の区分に応じて下記の通りとなります。

①被相続人が青色申告をしていなかった場合

ア. 相続人が相続開始以前より事業を営んでいたケース
相続開始の年の3/15迄に申請書を提出すると相続開始年から青色申告ができます。
したがって、3/16以後に相続の開始があった場合には、相続開始の年分については青色申告を受けられないことになります。

イ. 相続人が相続開始以前は事業を営んでいなかったケース
新たに事業を開始したときと同様に、事業を承継した日(相続開始日)から2か月以内に申請書を提出すると相続開始年から青色申告ができます。
但し、1/15迄の相続開始の場合には、3/15が提出期限となります。

②被相続人が青色申告をしていた場合

ア. 相続人が相続開始以前より事業を営んでいたケース
相続開始の年の3/15迄に申請書を提出すると相続開始年から青色申告ができます。
したがって、3/16以後に相続の開始があった場合には、相続開始の年分については青色申告を受けられないことになります。

イ. 相続人が相続開始以前は事業を営んでいなかったケース
青色申告者である被相続人の事業を承継したことにより新たに事業を開始した相続人の申請書の提出期限は相続の開始日により次の通りです。

相続開始日 提出期限
1/1~8/31 死亡日から4ヶ月以内
9/1~10/31 死亡年の12/31まで
11/1~12/31 死亡年の翌年2/15まで

(2)純損失の繰越

青色申告者には事業で生じた損失を3年間繰り越すことが認められています。
これを純損失の繰越といいます。

被相続人の準確定申告で純損失となった場合にその貸付事業を引き継いだ相続人にその純損失を引き継ぐことができるかどうかですが、
結論としては、被相続人の純損失を相続人に引き継ぐことはできません!

純損失を繰り越すことはできませんが、被相続人の前年の確定申告が黒字の場合で所得税を納税しているときは、その所得税の還付を請求することができます。
これを純損失の繰戻しといいます。

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