【遺言書は検索できる!】遺言書検索システムの利用方法を解説!

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相続対策

遺言書は、亡くなった人の想いや財産の相続について記載されている大事な書類です。
しかし「遺言書があっても見つけることができないケース」や「遺言書があるかどうかわからないケース」も少なくありません。

遺言書が自宅や貸金庫から発見することができない場合、遺言書を検索することができる便利な仕組みがあります。
ここでは、「遺言検索システム」について詳しく紹介します。

遺言の全体像を詳しく知りたい人は、遺言を書いて争族回避! 遺言書の作成方法、効力等をわかりやすく徹底解説!をご参照ください。

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検索できる遺言の種類は?

遺言書を検索する仕組みは2種類あり、遺言の種類によって利用する仕組みが異なります。

保管制度を利用した場合の自筆証書遺言の検索

自筆証書遺言とは、遺言者が財産目録を除く全ての遺言を自筆で作成する遺言書です。
紙とペンさえあれば気軽に作成することができますが、自筆証書遺言があることを誰も知らずに相続を終えてしまう可能性があります。

そのため、2020年より自筆証書遺言を法務局で保管してもらえる「自筆証書遺言書保管制度」が開始し、この制度を利用した自筆証書遺言については相続人が法務局に申請することで自筆証書遺言の有無を確認することができます。

自筆証書遺言書保管制度については「自筆証書遺言の保管制度をわかりやすく徹底解説」で詳しく紹介していますのでご覧ください。

公証役場で作成した遺言書の検索システム

公証人が関与して作成する「公正証書遺言」と「秘密証書遺言」は、どちらも遺言書を作成したことが「遺言検索システム」に記録されており、全国どの公証役場からでも遺言書の有無を確認することができます。

公正証書遺言については「公正証書遺言の効果と作成方法をわかりやすく解説!!」をご覧ください。

自筆証書遺言を検索するには?

法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用している場合、「遺言書保管事実証明書の交付請求」を行うことで、遺言書が法務局へ預けられているかどうかを確認することができます。

また、遺言者が亡くなった後に相続人等へ自筆証書遺言の保管があることを通知する制度を利用しているなど、確実に自筆証書遺言が法務局に保管されている場合は「遺言書情報証明書の交付請求」を行うことで、遺言の内容を確認することができます。

遺言書保管事実証明書の交付請求を行う手順

法務局に自筆証書遺言が保管してあるかどうかを調べる「遺言書保管事実証明書の交付請求」は次の手順で行います。

①必要書類を準備する

遺言書保管事実証明書の交付請求を行うには次の書類が必要です。

・戸籍(除籍)謄本等(遺言者が死亡したことを確認できる書類)
・請求者(利害関係者)の住民票の写し
・請求者(利害関係者)が遺言者の相続人であることが確認できる戸籍謄本
・請求者(利害関係者)の顔写真付きの身分証明書(運転免許証,マイナンバーカード等)

なお、証明書1通につき800円の手数料がかかります。

②交付請求書の作成する

法務局のホームページより交付請求書の様式を印刷し、交付請求書を作成します。

法務局の交付請求書ダウンロード

③交付請求の予約を行う

交付請求の手続きは、全国どこの法務局でもできます。また、郵送による手続きも可能です。

実際に法務局の遺言書保管所で交付請求を行う場合には、予約が必須になります。予約は30日前から行うことができますので、早めに予約しましょう。

予約方法は「法務局手続案内予約サービスの専用HPでの予約」と「遺言書保管所への電話又は窓口での予約」で行うことができます。

法務局手続案内予約サービスの専用HP

④遺言書保管所に交付請求を行う

予約した日時に法務局の遺言書保管所で交付請求を行います。準備した交付請求書と必要書類を提出しましょう。

⑤証明書の受け取り

身分証明書等で請求者の本人確認後、遺言書保管事実証明書を受け取ることができます。
遺言書が保管されていない場合であっても、保管されていない事実証明書が発行されます。

遺言書保管事実証明書

(出典:法務局HP)

公正証書遺言の検索を行うには?

遺言が公正証書遺言で作成されていることが分かっている場合、公証役場の遺言検索システムにより遺言書を見つけ出すことができます。

遺言検索システムは、日本全国の公証人が公正証書遺言の情報を提供し、データベース化したシステムです。
平成元年以降に作成された公正証書遺言は全て登録されており、遺言者の住所、氏名、生年月日、遺言作成日、作成した公証役場などの情報が登録されています。

遺言検索システムを利用した公正証書遺言の有無の確認は全国どこの公証役場でも問い合わせることができます。
ここで公正証書遺言の存在が確認できた場合は、その遺言書が作成された公証役場にて公正証書遺言書の謄本の請求と受け取りができます。

公正証書遺言の検索方法

公正証書遺言が存在しているのか調べるためには、次の手順で行います。

①必要書類を準備する

公正証書遺言を検索するためには、遺言者と法律上の利害関係のある法定相続人・受遺者・遺言執行者等が公証役場へ「遺言書の存否の照会請求」を行う必要があります。
委任を受けた代理人でも請求することができます。

遺言書の存否の照会請求には次の書類が必要です。

【利害関係者が請求する場合】

・戸籍(除籍)謄本等(遺言者が死亡したことを確認できる書類)
・利害関係者が遺言者の相続人であることが確認できる戸籍謄本
・利害関係者の顔写真付きの身分証明書(運転免許証,マイナンバーカード等)

 

【利害関係者の代理人が請求する場合】

上記に加え、
・利害関係人の委任状
・利害関係人の印鑑証明書(発行から3か月以内)
・代理人の身分証明書

②公証役場へ出向く

必要書類を持って公証役場の窓口に向かいましょう。基本的には予約の必要はありませんが、混み具合によっては待たされることもあります。

提出の際には、戸籍謄本等の原本とコピーを提出し、原本を返却してもらうと他の相続手続きに戸籍謄本等の原本が利用できるので便利です。

なお、遺言書の存否の照会請求には費用はかかりません。

③結果を受け取る

公正証書遺言が存在する場合には、どこの公証役場で保管されているのかを記した書面をもらうことができます。
検索を行った公証役場と同一である場合は、続けて「遺言書謄本の請求手続き」に移ります。

保管している公証役場が検索を行った公証役場と同一ではない場合は、その公証役場で「遺言書謄本の請求手続き」を行う必要があります。
以前は必ず出向いて請求しなければなりませんでしたが、2019年4月1日より郵送による遺言書謄本の請求ができるように改正されています。

④遺言書謄本の請求手続きを行う

遺言書が検索した公証役場と同じ公証役場で保管されている場合、続けて遺言書謄本の請求手続きを行います。
必要な書類は、遺言書の存否の照会請求と同じため、追加で必要になる書類はありません。

遺言書謄本の交付については、1ページあたり250円の手数料が必要になります。

郵送で遺言書謄本の請求を行う場合

郵送で遺言書謄本の請求を行う場合には、検索した公証役場から「公正証書謄本交付申請書の署名認証」が必要になります。署名認証には2,500円の手数料が発生します。

遺言書が保管されている公証役場に「署名認証を受けた公正証書謄本交付申請書」と遺言書の存否の照会請求で用意した必要資料を同封し、レターパックを利用して送付します。(返信用のレターパックも同封しましょう。)

遺言書が保管されている公証役場に申請書が届くと公証役場から連絡があり、遺言書謄本の交付手数料の金額が伝えられます。
その金額を入金後、公正証書謄本(公正証書遺言)が送られてきます。

【遺言書は検索できる!】遺言書検索システムの利用方法を解説!の写真

この記事の執筆者:大塚 英司

東京税理士会新宿支部所属
登録番号:117702

埼玉県所沢市出身、東日本税理士法人、EY 税理士法人を経て、税理士法人トゥモローズ代表社員就任。相続に関する案件は、最新情報を駆使しながらクライアント目線を貫き徹底的な最適化を実現します。

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