同族会社への貸付金の相続税評価をわかりやすく徹底解説

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この記事の執筆者:角田 壮平

相続税専門である税理士法人トゥモローズの代表税理士。年間取り扱う相続案件は200件以上。税理士からの相続相談にも数多く対応しているプロが認める相続の専門家。謙虚に、素直に、誠実に、お客様の相続に最善を尽くします。

みなさんこんにちは!
相続専門の税理士法人トゥモローズです。

会社経営者の相続で頻繁に論点となるのが会社に対する貸付金についてです。
生前に会社の資金繰りの関係で経営者が会社に多額のお金を貸し付けているケースが散見されます。
この貸付金についても原則として相続税の対象になってしまうのです。

相続人からしてみればほとんど価値のない財産だと思っている人も多いです。帳簿に数千万円と記載されていても実際にすぐに回収できるものでもありません。
そのような貸付金で涙を流した相続人も数知れず。

今回は貸付金の相続税評価や生前の貸付金の解消方法についてわかりやすく徹底的に解説します。

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1.貸付金債権の相続税評価

貸付金の相続税評価は、財産評価基本通達204に定められており、下記の合計額となります。

貸付金債権の元本価額 + 相続開始時までの既経過利息

社長が同族会社へ貸し付けるときには利息を取らないことが多いので基本的には相続開始時点における会社の借入金の帳簿残高が相続税評価額となります。

念のため財産評価基本通達を転載します。

財産評価基本通達204(貸付金債権の評価)

貸付金、売掛金、未収入金、預貯金以外の預け金、仮払金、その他これらに類するもの(以下「貸付金債権等」という。)の価額は、次に掲げる元本の価額と利息の価額との合計額によって評価する。

(1) 貸付金債権等の元本の価額は、その返済されるべき金額
(2) 貸付金債権等に係る利息(208≪未収法定果実の評価≫に定める貸付金等の利子を除く。)の価額は、課税時期現在の既経過利息として支払を受けるべき金額

2.回収不能の金額がある場合

貸付金の相続税評価は原則的には上記1に解説したように相続開始時点の貸付金額面の金額となります。
ただし、貸付先の経営状況等によっては額面以外の金額で評価できる場合もあります。
財産評価基本通達205に定められており、念のため転載します。(専門家以外は読み飛ばしてください。)

財産評価基本通達205(貸付金債権等の元本価額の範囲)

前項の定めにより貸付金債権等の評価を行う場合において、その債権金額の全部又は一部が、課税時期において次に掲げる金額に該当するときその他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるときにおいては、それらの金額は元本の価額に算入しない。(平12課評2-4外・平28課評2-10外改正)

(1) 債務者について次に掲げる事実が発生している場合におけるその債務者に対して有する貸付金債権等の金額(その金額のうち、質権及び抵当権によって担保されている部分の金額を除く。)
イ 手形交換所(これに準ずる機関を含む。)において取引停止処分を受けたとき
ロ 会社更生法(平成14年法律第154号)の規定による更生手続開始の決定があったとき
ハ 民事再生法(平成11年法律第225号)の規定による再生手続開始の決定があったとき
ニ 会社法の規定による特別清算開始の命令があったとき
ホ 破産法(平成16年法律第75号)の規定による破産手続開始の決定があったとき
ヘ 業況不振のため又はその営む事業について重大な損失を受けたため、その事業を廃止し又は6か月以上休業しているとき

(2) 更生計画認可の決定、再生計画認可の決定、特別清算に係る協定の認可の決定又は法律の定める整理手続によらないいわゆる債権者集会の協議により、債権の切捨て、棚上げ、年賦償還等の決定があった場合において、これらの決定のあった日現在におけるその債務者に対して有する債権のうち、その決定により切り捨てられる部分の債権の金額及び次に掲げる金額
イ 弁済までの据置期間が決定後5年を超える場合におけるその債権の金額
ロ 年賦償還等の決定により割賦弁済されることとなった債権の金額のうち、課税時期後5年を経過した日後に弁済されることとなる部分の金額

(3) 当事者間の契約により債権の切捨て、棚上げ、年賦償還等が行われた場合において、それが金融機関のあっせんに基づくものであるなど真正に成立したものと認めるものであるときにおけるその債権の金額のうち(2)に掲げる金額に準ずる金額

具体的には下記の2通りのアプローチがあります。

(1)形式的回収不能
(2)実質的回収不能

ひとつひとつ解説していきます。

(1)形式的回収不能

形式的回収不能とは、財産評価基本通達205の(1)~(3)の具体例に掲げるような法的に債権回収が不能な状態であることです。((1)のへは若干実質面も入りますが。。。)
形式的回収不能は通達に具体例もあるため実務上はそこまで悩ましいことはありません。

(2)実質的回収不能

実質的回収不能とは、形式的には回収不能とはなっていない(すなわち、上記(1)の事由は満たしていない)が、形式的回収不能に準ずるような状況である場合です。
形式的回収不能と同視し得る程度に会社の営業状況、資産状況等が客観的に破綻しているような状況にないといけません。

この実質的回収不能の根拠となる文章は財産評価基本通達205の前文の下記イエローハイライト部分のことです。

前項の定めにより貸付金債権等の評価を行う場合において、その債権金額の全部又は一部が、課税時期において次に掲げる金額に該当するときその他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるときにおいては、それらの金額は元本の価額に算入しない。

法律用語で「その他」とは並列の意味を表します。

少し脱線しますが、法律用語の解説を若干します。
「その他」と比較される法律用語としては「その他の」があります。最後に「の」が付くか否かで意味合いが大きく異なるのです。
「その他」は並列で、「その他の」は例示となります。
具体例で確認しましょう。
「その他」:チーズバーガー、テリヤキバーガーその他フィッシュバーガー
「その他」の前の各バーガーと「その他」の後のバーガーは同じ概念(レイヤー)のものですね。
これが並列ということです。

「その他の」:チーズバーガー、テリヤキバーガーその他のハンバーガー
「その他の」の前のバーガーは「その他の」の後のハンバーガーの例示ですよね。
すなわち、「その他の」の後のワードのほうが大きな概念(レイヤー)になっています。

話を貸付金に戻します。
通達では「その他」という並列の接続詞を使用しているため形式的回収不能と同レベルの状態にないと回収不能が認められないということになります。
形式的回収不能の同レベルかどうかの判定が実務上非常にややこしいのです。

実質的回収不能については次項のQ&Aで具体例を用いながら細かく確認していきましょう。

3.Q&A

(1)同族会社が債務超過の場合

Q 貸付先の同族会社の貸借対照表が下記の通りです。
資産 4,000万円(時価)
負債 1億円(全額社長借入金)
この場合、社長の相続において貸付金として1億円を相続財産に計上すべきか、それとも会社の資産である4,000万円のみでも良いのか教えてください。
ちなみに、会社は不動産賃貸業を営んでおり、毎年少しですが利益も出ていました。

A 貸付金の相続税評価額は額面の1億円となります。

【解説】
会社が債務超過であったとしても事業を継続して毎年少しでも利益が出ている場合には、形式的回収不能の事由と同視し得る程度に会社の状況が破綻しているとはいえません。
実質的回収不能は前述の通り形式的回収不能と同程度に会社が客観的に破綻している状況でないと貸付金評価の減額は出来ないのです。

【参考判例等】
神戸地裁 平成22年9月14日判決

(2)相続税の申告期限までに会社を清算した場合

Q 貸付先の同族会社が債務超過の状態で相続開始後に解散をし申告期限までに清算結了しました。
相続開始時点の貸付金の元本は6,000万円でしたが、相続開始後会社の保有不動産を売却し、解散過程において実際に相続人が回収できたのは1,400万円でした。
相続税の申告期限までに解散した場合にはその実際の回収額で貸付金を評価できると聞いたことがありますが、本件において相続税申告で貸付金の評価は1,400万円で良いでしょうか。
ちなみに、会社は小売業を営んでおり、毎年少しですが利益も出ていました。

A 貸付金の相続税評価額は額面の6,000万円となります。

【解説】
相続税の申告期限までに清算した場合には実際に回収した金額を貸付金として相続財産に計上すれば大丈夫と思っている税理士が多いです。
しかし、貸付金の評価はそこまで甘くないです。
相続税はあくまで相続開始時の現況で評価します。
したがって、相続開始後に会社を清算したとしても原則として貸付金評価に影響はないのです。
本事例の場合には確かに債務超過ではありますが、休業はしておらず毎年利益も出ていました。
清算をせずに営業を続けていれば借入金を完済できた可能性もあります。
相続開始時に債務超過であったとしても形式的回収不能の事由と同視し得る程度に会社の状況が破綻していないといけません。
同族会社の資産状況、営業状況等からみて事業経営が破綻していることが客観的に明白でないと貸付金を額面から減額することはできないのです。

【参考判例等】
東京地裁 令和5年8月31日判決

(3)社長と同族会社の間で金銭消費貸借契約書がない場合

Q 同族会社の貸借対照表に社長借入金が5,000万円計上されていますが、何十年も前から計上されていたものであり、借入当時の契約書もなく実際に社長(被相続人)から会社にお金が拠出されたものかも定かではありません。
もしかしたら過去の帳簿の辻褄を合わせた結果の差額概念の可能性もあります。
このような状態ですが、相続税申告で5,000万円もの根拠ない貸付金を相続財産に計上しないといけませんか。

A 貸付金の相続税評価額は額面の5,000万円となります。

【解説】
会社の会計帳簿は法律上公正な会計慣行に従って作成することが義務付けられており、貸借対照表等の決算書を作成する基礎となる重要な書類です。
事例の社長借入金がいくら差額概念であったとしても会計帳簿に記載されているということは重要な意味を持ちます。
また、社長と同族会社が個々の取引で金銭消費貸借契約書までは作成しないケースが多く、当該契約書がないことをもって借入金の存在がないということにはならないのです。

【参考判例等】 
大阪高裁 平成21年8月27日

(4)相続開始日において消滅時効期間が経過している場合

Q 貸付先の同族会社から最後に返済があったのが相続開始日から10年以上前であり消滅時効期間が経過しています。
同族会社の貸借対照表には社長借入金が1億円計上されています。
ちなみに、被相続人と同族会社の間で貸付金の返済期限は明確に決められていませんでした。
また、相続開始時に時効の援用はされていません。

A 貸付金の相続税評価額は額面の1億円となります。

【解説】
債権の消滅時効の完成による債権消滅の効果は、時効の援用がされたときにはじめて確定的に生じるものと解します。
単に消滅時効の期間の経過をもって確定的に生じるものではありません。
さらに、貸付金の返済期限が明確に定められていないならば消滅時効期間が経過しているとは認められない可能性もあります。

【参考判例等】
国税不服審判所 令和3年12月17日裁決

(5)相続開始日において休業状態であり相続開始直後に倒産した場合

Q 相続開始日の以前の5年間くらいずっと営業赤字であり、相続開始前1年以上休業状態でした。
そして社長(被相続人)が亡くなった後すぐに会社は倒産しましたがこの場合でも会社への貸付金を相続財産に計上しないといけませんか。
相続開始日は債務超過であり、社長借入金が3,000万円ありましたが1円も回収できませんでした。

A 貸付金の相続税評価額はゼロ円となります。

【解説】
相続開始時に休業状態であり、その前も継続的に営業赤字であったならば「形式的回収不能(1)へ」に該当すると考えられるため貸付金はゼロ評価とすべきと考えます。

【参考判例等】
国税不服審判所 平成14年6月28日裁決

4.生前における貸付金の解消方法

前述の解説を確認していただたらわかるように貸付金は額面(貸借対照表の帳簿価額)で評価すべきとの判断がほとんどです。
すなわち、亡くなった後にどうあがいても貸付金評価を減額するのは難しそうです。
それならば、生前であればどうでしょうか。
生前であれば会社への貸付金を解消する方法がいくつか存在します。

生前における貸付金の主な解消方法は以下のとおりです。
下記のいずれかの方法又は複数の方法の組み合わせによって貸付金を解消していきましょう。

(1)返済
(2)債権放棄
(3)DES
(4)疑似DES
(5)会社清算
(6)債権贈与

(1)返済

一番単純な貸付金の解消方法がズバリ返済です!

役員報酬を減額して一部を借入金の返済に充てるという手法が一般的です。役員報酬を減額することにより法人税は増加しますが、社長の所得税は減額できます。

ただし、この方法では相続税の節税には繋がりません。
社長にしたら債権という財産が現金になるだけで財産を圧縮できていないためです。

また、会社の資金繰りの関係で社長が会社に貸し付けていたケースが多い中で会社に資金繰りを悪化させる社長借入の返済なんてできない!という会社も多いでしょう。

以上のことから返済は一番シンプルな貸付金の解消方法ではあるのですが、実現可能性は高くはないでしょう。

(2)債権放棄

債権放棄とは社長が会社に対する貸付金の返済を放棄することです。
会社側の立場では債務免除となります。

債権放棄をした場合の課税関係は下記の通りです。

①会社側:法人税課税(債務免除益の益金算入)
②株主側:贈与税課税(相続税法基本通達9-2のみなし贈与)

詳しく確認していきましょう。

①会社側:法人税課税(債務免除益の益金算入)

借入金を免除してもらったので会社にとってはこれから返さないといけない借金を返さなくよくなったという得をしました。
この得した部分が益金に算入されて法人税の対象となります。

例えば、社長借入金が1億円あって、その全額を免除してもらった場合には、
社長借入金 1億円/債務免除益 1億円
という仕訳が切られて1億円について法人税の対象となるのです。

このように債権放棄は法人税が多額に発生する可能性があるため、下記のような検討を事前にするべきでしょう。

□同族会社に繰越欠損金があるかどうか
□債務免除益と相殺できる特別損失(社長への役員退職慰労金、固定資産の売却損等)があるかどうか

②株主側:贈与税課税(相続税法基本通達9-2のみなし贈与)

まずは通達から確認していきましょう。専門家以外は読み飛ばしてください。

相続税法基本通達9-2(株式又は出資の価額が増加した場合)

同族会社(法人税法(昭和40年法律第34号)第2条第10号に規定する同族会社をいう。以下同じ。)の株式又は出資の価額が、例えば、次に掲げる場合に該当して増加したときにおいては、その株主又は社員が当該株式又は出資の価額のうち増加した部分に相当する金額を、それぞれ次に掲げる者から贈与によって取得したものとして取り扱うものとする。この場合における贈与による財産の取得の時期は、財産の提供があった時、債務の免除があった時又は財産の譲渡があった時によるものとする。(昭57直資7-177改正、平15課資2-1改正)

(1) 会社に対し無償で財産の提供があった場合 当該財産を提供した者
(2) 時価より著しく低い価額で現物出資があった場合 当該現物出資をした者
(3) 対価を受けないで会社の債務の免除、引受け又は弁済があった場合 当該債務の免除、引受け又は弁済をした者
(4) 会社に対し時価より著しく低い価額の対価で財産の譲渡をした場合 当該財産の譲渡をした者

この課税関係は少しややこしいので簡単な具体例を用いて解説します。

【具体例】
株主:社長100株、社長の長男100株
債務免除額:1,000万円
株価:債務免除前10万円(1株当たり)、債務免除後15万円(1株当たり)

【解説】
社長の債務免除により会社の貸借対照表の負債の部が1,000万円減少します。
負債が1,000万円減少するということは純資産が1,000万円増加します。
純資産が1,000万円増加するということは株価が増加します。
具体例では債務免除により長男の株価は500万円増加しました。
長男からしたら何もしていないのに自身が保有している株価が1,000万円から1,500万円になりました。
この価値増加部分の500万円が債権放棄をした社長から贈与を受けたものとみなされ贈与税の対象になるということです。
ちなみに、債務免除後も債務超過の場合(すなわち、債務免除後も株価がゼロ)の場合にはみなし贈与課税の対象にはなりません。

債権放棄をすると法人税や贈与税が課税される可能性があることを理解してもらったと思います。

相続税の節税以上に法人税や贈与税がかかってしまっては本末転倒ですので債権放棄をする前に税金のシミュレーションは必須となります。

(3)DES

DESはデット・エクイティ・スワップの略です。

デット:債務
エクイティ:資本
スワップ:交換

会社側からすれば借入金を資本金に替えてもらうことです。
社長側からすれば貸付金を株式に替えることです。

このDESを本気で解説するとそれだけで1万文字くらいの分量になるため別のコンテンツに譲りますが、概要としては、社長目線で考えると1億円という会社への貸付金が同族会社株式に替わるのです。
貸付金の相続税評価額は原則として額面であるため1億円で評価されますが、非上場株式の相続税評価は出資額とイコールにはなりません。
詳しくは、非上場株式の評価 最低限知っておきたい基礎知識!をご参照ください。

相続税を圧縮するという観点からDESは有効なのです。
もちろんメリットだけでなくデメリットもありますので別のコンテンツにて詳しく解説します。

(4)疑似DES

疑似DESは名前はややこしそうですが、至ってシンプルです。

社長が社長借入金相当額を現金で出資します。
会社はその出資された現金で社長借入金を返済します。
結果としてDESと同じ効果があります。

ちなみに、上記とは順番を逆にして、
会社が社長に借入金を返済して、その後社長から出資するという手法もあり得ます。

疑似DESのデメリットとしては社長借入金相当の現金(見せ金)を用意しないといけないという点です。
また、DESによる債務免除益を逃れるために疑似DESをしたと国税当局から認定されるリスク(同族会社の行為計算の否認リスク)もゼロではありません。

(5)会社清算

会社清算は相続開始前に会社を畳むことです。
相続開始後に会社を清算しても相続開始時に事業継続されていれば貸付金は額面評価されてしまいます。
そうならないために相続開始前に会社を清算してしまうのです。
もちろん会社清算にあたり資産を換価しますので一部社長借入を返済できる部分があるかもしれませんが、債務超過の会社であれば額面全額を返済できることはありません。
したがって、額面評価されるよりは生前に会社を清算したほうが相続税の節税に繋がるのです。

また、上記(1)にて繰越欠損金を超える債務免除益が計上された場合には法人税課税の対象になる旨を解説しましたが、清算中の事業年度における債務免除益は一定の要件を満たせば期限切れ欠損金と相殺することも可能であるため法人税課税の観点からも会社清算は有効な手段となります。

(6)債権贈与

債権贈与は同族会社への貸付金を子や孫に贈与することです。
現金贈与と同じように相続税の節税の効果があります。
貸付金を返済等したわけではないので本質的な貸付金の解消にはなっていませんが、推定被相続人の貸付金の相続税課税を回避するという観点からは有効です。

現金贈与と異なり債権贈与の場合には公証役場で確定日付を取得する必要がある点です。
それは、民法第467条があるためです。

民法第467条(債権の譲渡の対抗要件)

1 債権の譲渡(現に発生していない債権の譲渡を含む。)は、譲渡人が債務者に通知をし、又は債務者が承諾をしなければ、債務者その他の第三者に対抗することができない。
2 前項の通知又は承諾は、確定日付のある証書によってしなければ、債務者以外の第三者に対抗することができない。

第2項に記載されてますね。
第三者というのが国税当局ということです。国税当局に対抗するためには債権譲渡(贈与)の証書は確定日付にすべきでしょう。

なお、会社の経営状況、資産状況等により贈与した債権の回収可能性に問題がある場合にはこの方法はおすすめしません。
将来的に贈与者(社長)、受贈者(子、孫)、同族会社との間でトラブルになる可能性があるためです。

相続税の申告手続き、トゥモローズにお任せください

相続税の手続きは慣れない作業が多く、日々の仕事や家事をこなしながら進めるのはとても大変な手続きです。

また、適切な申告をしないと、後の税務調査で本来払わなくても良い税金を支払うことにもなります。

税理士法人トゥモローズでは、豊富な申告実績を持った相続専門の税理士が、お客様のご都合に合わせた適切な申告手続きを行います。

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