遺言書の検認とは|自筆証書遺言を見つけたときの手続きと流れ
10秒でわかる この記事の要約
- 検認とは、見つけた遺言書を家庭裁判所で確認・記録してもらう手続き(民法第1004条)。遺言の有効・無効を判断するものではない。
- 自筆証書遺言・秘密証書遺言は検認が必要。公正証書遺言と、法務局の保管制度を使った自筆証書遺言は検認不要。
- 検認せずに執行・開封すると過料の対象になることがある(民法第1005条)。検認済みでない自筆証書遺言は、通常、金融機関等の相続手続きに使えない。
- 封のある遺言書は開けずに検認へ。申立書作成は司法書士・弁護士、戸籍収集などの準備は行政書士が対応できる。
遺言書の検認とは、遺言書の保管者または遺言書を発見した相続人が家庭裁判所に申し立て、出席した相続人等の立会いのもとで遺言書の形状・状態・日付・署名などを確認・記録してもらう手続きです(民法第1004条)。 相続人全員がそろわなくても検認は行われます。 遺言書の存在と内容を明らかにし、その後の偽造・変造を防ぐためのものです。
「親の遺品から遺言書が出てきた」というとき、まず必要になるのがこの検認です。本記事では、遺言を専門に扱う行政書士法人トゥモローズが、検認が必要なケース・流れ・注意点を解説します。なお、検認の申立書作成は司法書士、有効性をめぐる紛争は弁護士の業務のため、それぞれ連携してご案内します。
検認が必要な遺言・不要な遺言
すべての遺言書に検認が必要なわけではありません。方式によって異なります。
| 遺言の種類 | 検認 |
|---|---|
| 自筆証書遺言(手元保管) | 必要 |
| 自筆証書遺言(法務局の保管制度を利用) | 不要 |
| 秘密証書遺言 | 必要 |
| 公正証書遺言 | 不要 |
ポイントは、手元で保管されていた自筆証書遺言を見つけたら、まず検認が必要と考えることです。公正証書遺言や、法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用していた遺言は、検認を経ずにそのまま相続手続きに使えます。
▶ 関連解説(税理士法人トゥモローズ):自筆証書遺言の保管制度をわかりやすく徹底解説
検認をしないとどうなるか(民法第1005条)
検認が必要な遺言書を検認せずに進めると、次の不利益があります。
- 過料の対象になる: 検認を経ずに遺言を執行したり、家庭裁判所外で封を開けたりすると、過料に処されることがあります(民法第1005条)。
- 手続きに使えない: 金融機関の預貯金解約や法務局での相続登記では、検認済みでない自筆証書遺言は受け付けてもらえないのが通常です。
なお、検認をしなかったこと自体で遺言が無効になるわけではありませんが、手続きを前に進めるためには検認が欠かせません。封のある遺言書は、開けずにそのまま検認に進むのが原則です。
「検認」は有効性のお墨付きではない
検認について、最も誤解されやすいのがこの点です。
検認は、遺言書の形状・加除訂正の状態・日付・署名などを確認・記録する手続きであり、遺言が有効か無効かを判断するものではありません。 検認を受けた遺言でも、方式不備や遺言能力の問題があれば、後から無効が争われることがあります。
「検認されたから安心」とは限らないのです。遺言の有効性に疑問がある場合の争いは、最終的に裁判所での判断となり、弁護士の業務になります。争いが予想される場合は、早めに弁護士へ相談することが大切です。
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検認の流れと必要書類
検認は、次の流れで進みます。
申立人は、遺言書の保管者または遺言書を発見した相続人です。費用は、申立てに収入印紙(遺言書1通につき800円)と連絡用の郵便切手が必要で、検認後に相続手続きで使う検認済証明書は、遺言書1通につき150円分の収入印紙と申立人の印鑑で申請します。申立てから検認期日までは、戸籍の収集状況にもよりますが、おおむね1〜2か月程度かかることが多いです。
検認の申立てに必要な書類(基本)
| 書類 | 備考 |
|---|---|
| 検認の申立書 | 裁判所の様式。書類作成の依頼先は司法書士・弁護士 |
| 遺言書(封のあるものは未開封のまま) | 原本 |
| 遺言者の出生から死亡までの戸籍(除籍・改製原戸籍を含む)一式 | 連続したもの |
| 相続人全員の戸籍謄本 | 相続関係を確認するため |
兄弟姉妹や甥姪が相続人になるケースでは、さらに追加の戸籍(被相続人の父母の出生から死亡までの戸籍など)が必要になります。正確な必要書類は、申立先の家庭裁判所の案内でご確認ください。
検認の後にできること
検認済証明書を付けた遺言書があれば、次の相続手続きに進めます。
- 預貯金の解約・名義変更:金融機関での手続き(行政書士法人トゥモローズが支援)
- 不動産の相続登記:管轄法務局への申請(提携司法書士が対応)
- 相続税の申告:必要な場合は税理士法人トゥモローズが対応
検認は手続きの「入口」にすぎません。検認後の戸籍整理・遺産分割協議書の作成・各機関への手続きまで見据えて準備を進めることが、スムーズな相続につながります。
検認の前後で行政書士が手伝えること
検認をめぐっては、士業の役割が分かれます。
| 手続き | 担当 |
|---|---|
| 検認の前提となる戸籍一式の収集・相続人の確定 | 行政書士法人トゥモローズ |
| 検認の申立書など裁判所提出書類の作成 | 司法書士 |
| 有効性の争いなど紛争対応 | 弁護士 |
| 検認後の預貯金等の相続手続き支援・遺産分割協議書等の作成 | 行政書士法人トゥモローズ |
| 不動産の相続登記 | 提携司法書士 |
検認には、遺言者の出生から死亡までの戸籍一式が必要で、ここが意外と手間のかかる部分です。当法人は、戸籍収集・相続人の確定という前提準備と、検認後の相続手続きを担当し、申立書の作成・代理は提携司法書士・弁護士と連携してご案内します。窓口は当法人に一本化したまま進められます。
▶ 関連解説(税理士法人トゥモローズ):相続手続きに必要な戸籍の取り方は?必要な戸籍の範囲や取得する手順を解説!
遺言・相続のサポート内容と料金の全体像は、こちらにまとめています。
よくある質問(FAQ)
Q1. 遺言書の検認とは何ですか?
A. 検認とは、遺言書の保管者または遺言書を発見した相続人が家庭裁判所に申し立て、出席した相続人等の立会いのもとで遺言書の形状・加除訂正の状態・日付・署名などを確認してもらう手続きです(民法1004条)。相続人全員が出席しなくても検認は行われます。遺言書の存在と内容を明確にし、その後の偽造・変造を防ぐためのもので、遺言の有効・無効を判断する手続きではありません。
Q2. 検認が必要な遺言と不要な遺言を教えてください。
A. 自筆証書遺言と秘密証書遺言は検認が必要です。一方、公正証書遺言は検認が不要で、法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用していた自筆証書遺言も検認が不要です。手元で保管されていた自筆証書遺言を見つけた場合は、まず検認が必要と考えてよいでしょう。
Q3. 検認をしないとどうなりますか?
A. 検認が必要な遺言書を、検認を経ずに遺言を執行したり、家庭裁判所外で開封したりすると、過料の対象になることがあります(民法1005条)。また、金融機関や法務局では、検認済みでない自筆証書遺言は相続手続きに使えないのが通常です。手続きを進めるためにも、検認は省略できません。
Q4. 検認をすれば遺言は有効と認められるのですか?
A. いいえ。検認は、遺言書の形状や状態を確認・記録する手続きであり、遺言が有効か無効かを判断するものではありません。検認を受けた遺言でも、方式不備や遺言能力の問題があれば、後から無効が争われることがあります。有効性の争いは、最終的に裁判所での判断となり、弁護士の業務になります。
Q5. 検認はどのような流れで進みますか?
A. 申立人は、遺言書の保管者または遺言書を発見した相続人です。遺言者の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に検認を申し立てます。申立てには、遺言書のほか、遺言者の出生から死亡までの戸籍一式や相続人の戸籍などが必要です(相続関係により追加の戸籍が必要になることがあります)。家庭裁判所が検認期日を指定し、出席した相続人等の立会いのもとで遺言書を確認します(相続人全員の出席は不要)。終了後、相続手続きで使うには、別途「検認済証明書」を申請します(遺言書1通につき150円分の収入印紙)。
Q6. 封のある遺言書を開けてしまったらどうなりますか?
A. 封のある遺言書を家庭裁判所外で開封すると、過料の対象になることがあります(民法1005条)。ただし、開封してしまったことだけで遺言が直ちに無効になるわけではありません。気づいた時点でそれ以上手を加えず、家庭裁判所に検認を申し立ててください。封のある遺言書は、開けずにそのまま検認に進むのが原則です。
Q7. 検認にはどのくらいの費用と時間がかかりますか?
A. 検認の申立てには、遺言書1通につき800円分の収入印紙と連絡用の郵便切手が必要です。さらに、検認後に相続手続きで使う「検認済証明書」を申請する場合は、遺言書1通につき150円分の収入印紙と申立人の印鑑が必要です。申立てから検認期日までは、戸籍の収集状況にもよりますが、おおむね1〜2か月程度かかることが多いです。正確な費用・必要書類は、申立先の家庭裁判所の案内でご確認ください。
Q8. 検認の準備は行政書士に頼めますか?
A. 検認の申立書など裁判所提出書類の作成は司法書士、代理や紛争対応は弁護士の業務です。行政書士法人である当法人は、検認の前提となる戸籍一式の収集・相続人の確定や、検認後の預貯金等の相続手続き支援・遺産分割協議書等の作成を担当します。不動産の相続登記は提携司法書士、相続税申告が必要な場合は税理士法人トゥモローズと連携します。
まとめ
遺言書の検認は、手元保管の自筆証書遺言・秘密証書遺言を見つけたときに必要な家庭裁判所の手続きです(民法第1004条)。検認せずに執行・開封すると過料の対象になることがあり(民法第1005条)、検認済みでないと金融機関等で手続きに使えません。一方で、検認は遺言の有効性を保証するものではない点に注意が必要です。封のある遺言書は、開けずにそのまま検認へ進みましょう。
行政書士法人トゥモローズは、東京・八丁堀(東京メトロ日比谷線「八丁堀駅」徒歩3分)の事務所を拠点に、首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)とオンライン(Google Meet・全国対応)で、検認の前提となる戸籍収集から検認後の相続手続きまでをサポートしています。「遺言書が出てきたが、どうすればいいか分からない」段階からご相談ください。
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遺言書の保管制度や、遺言で財産を取得した場合の税務面については、グループの税理士法人トゥモローズの解説記事もご参照ください(相続税の試算・申告は税理士法人トゥモローズが対応します)。
根拠法令・公的資料
- 民法第1004条(遺言書の検認)
- 民法第1005条(検認・開封違反の過料)
- 行政書士法第1条の3(業務)・第1条の4(提出手続代理・相談等)
- 司法書士法第3条・第73条(裁判所提出書類の作成・登記申請の代理は司法書士の業務)
- 弁護士法第72条(有効性の争い・代理対応は弁護士の業務)
