【小規模宅地の特例】この土地には適用可能か?(海外不動産、地積規模の大きな宅地、贈与、売買契約中)

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小規模宅地の特例

10秒でわかる この記事の要約

  • 海外不動産でも小規模宅地の特例は適用可能
  • 地積規模の大きな宅地の評価と小規模宅地の特例は重複適用可能
  • 相続時精算課税や7年内贈与の土地は特例適用不可
  • 売買契約中の土地は売主・買主ともに特例適用不可(例外あり)
  • 特例は相続又は遺贈により取得した土地に限定される

こんにちは。
相続税専門の税理士法人トゥモローズです。

こんな土地でも小規模宅地の特例が使えるのかどうか、特殊な土地別に確認していきたいと思います。

※追記:
小規模宅地等の特例について、基本的な情報をわかりやすくまとめた記事を新たに作成いたしましたので、ぜひご覧ください。
小規模宅地等の特例をわかりやすく解説。相続した土地にかかる相続税を最大80%減額

1. 海外不動産

【概要】

最近は、日本国外に不動産を所有している資産家も増えてきています。アメリカなどの不動産は建物の価値が高く、築年数も古いものが多いので所得税の節税商品としても活用されています。木造家屋の中古なら最短4年で償却できる商品もあります。建物が4年償却なんて日本の投資用不動産だとほとんどみかけないですが、アメリカ等の場合には建物を長期的にメンテナンスしながら保有するのであり得る話です。
さて、そんな投資用海外不動産を所有されている人が亡くなった場合に、この不動産について小規模宅地の特例が使えるのでしょうか?

【回答】

適用できます。

【解説】

小規模宅地の特例はその宅地の所在については法令上制限がありません。したがって、日本国外であっても適用可能です。なお、地球外の土地、例えば、月にある土地などでも、それが土地に該当し、他の要件を満たせば適用可能と考えられます。

海外不動産の相続税評価の詳しい解説は、海外不動産の相続税評価の方法と注意点をわかりやすく解説をご参照ください。

2. 地積規模の大きな宅地(旧:広大地)

【概要】

「地積規模の大きな宅地」とは、三大都市圏で500㎡以上、それ以外の地域で1,000㎡以上の宅地をいいます。一定の要件を満たせば「規模格差補正率」により評価減ができる制度です。

※平成30年1月1日以降の相続から、従来の「広大地評価」が廃止され「地積規模の大きな宅地の評価」に改正されました。

この規定は財産評価基本通達に定められており、不整形地補正等の他の補正と重複適用が可能になりました(旧広大地では重複不可でした)。

この地積規模の大きな宅地の評価について、小規模宅地の特例と重複適用はできるのでしょうか?

【回答】

適用できます。

【解説】

小規模宅地の特例は租税特別措置法に定められている規定で、土地評価方法を定めている財産評価基本通達の規定とは本質的に異なります。小規模宅地の特例は、あくまで特別措置的に相続税計算上だけ土地の評価額から減額しているだけで、土地の評価が実際に低くなっているわけではありません。

したがって、地積規模の大きな宅地の評価で減額した後の金額に対して、さらに小規模宅地の特例を適用することが可能です。

地積規模の大きな宅地の評価の詳しい解説は、地積規模の大きな宅地の評価(規模格差補正率)を徹底解説【広大地の抜本改正】をご参照ください。

3. 生前贈与不動産

【概要】

相続時精算課税による贈与や相続開始前7年以内の暦年贈与(令和6年1月1日以降の贈与から段階的に延長)については、その取得原因が贈与であっても相続税の計算に含めなければなりません。

※相続時精算課税については、令和6年1月1日以降の贈与から年間110万円の基礎控除が新設されました。

仮に、相続時精算課税で貸付業用宅地の要件を満たす投資用ワンルームマンションの贈与を受けたときは、小規模宅地の特例は適用できるのでしょうか?

【回答】

適用できません。

【解説】

小規模宅地の特例は、「相続又は遺贈により取得した」と法令上規定されており、その取得原因を相続と遺贈に限定しています。したがって、いくら相続税の計算に含めないといけない不動産でも贈与により取得したものについては小規模宅地の特例は適用できないのです。

4. 売買契約中の不動産

【概要】

① 売主
売買契約後引渡し前に、その売主が死亡した場合には、売主の相続財産に含めるべき売買契約中の不動産の評価は、その不動産を財産評価基本通達によって評価した金額ではなく「売却代金の残金」で評価します。
このような評価をしている不動産についても小規模宅地の特例は、使えるのでしょうか?

② 買主
売買契約後譲受け前に、その買主が死亡した場合には、買主の相続財産に含めるべき売買契約中の不動産の評価は、その不動産の取得金額によります。また、売却代金の残金は債務として相続財産から控除ができます。
なお、取得金額ではなくその不動産を財産評価基本通達に定める土地又は建物の評価で申告した場合にはそれも認められます。
このような評価をしている不動産についても小規模宅地の特例は、使えるのでしょうか?

【回答】

① 売主
適用できません。

② 買主
取得金額として評価した場合:適用できません。
土地として評価した場合:適用できます。

【解説】

① 売主
不動産の評価は売却代金の残金として債権評価しているため、宅地等に限定している小規模宅地の特例の適用はできません。

② 買主
どのように売買契約中の不動産を評価するかにより結論が変わります。すなわち土地として評価すれば小規模宅地の特例は適用できますが、取得金額という債権で評価した場合にはその適用はできません。
なお、土地として評価したとしても買主が他の要件を具備するケースはほとんどないと考えます。

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この記事の執筆者:角田 壮平

東京税理士会京橋支部所属 
登録番号:115443

相続税専門である税理士法人トゥモローズの代表税理士。年間取り扱う相続案件は350件。税理士からの相続相談にも数多く対応しているプロが認める相続の専門家。謙虚に、素直に、誠実に、お客様の相続に最善を尽くします。

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