【小規模宅地の特例】老人ホームと要介護認定等について詳説

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小規模宅地の特例

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この記事の執筆者:角田 壮平

相続税専門である税理士法人トゥモローズの代表税理士。年間取り扱う相続案件は200件以上。税理士からの相続相談にも数多く対応しているプロが認める相続の専門家。謙虚に、素直に、誠実に、お客様の相続に最善を尽くします。

こんにちは。
相続税専門の税理士法人トゥモローズです。

亡くなった人が老人ホームに入居していた場合について、老人ホーム論点をパターン別に徹底解説!にて解説をしましたが、別の角度から各要件をさらに掘り下げて解説したいと思います。

老人ホーム論点の一つに、「亡くなった人が要介護認定等を受けていたこと」というものがあります。今回はこの「要介護認定等」について詳細をご紹介します。

※追記:
小規模宅地等の特例について、基本的な情報をわかりやすくまとめた記事を新たに作成いたしましたので、ぜひご覧ください。
小規模宅地等の特例をわかりやすく解説。相続した土地にかかる相続税を最大80%減額

1. 要介護認定等の概要

要介護認定等とは、下記に掲げる認定等をいいます。( )は根拠法令です。

① 要介護認定(介護保険法第19条第1項)

② 要支援認定(介護保険法第19条第2項)

③ 基本チェックリスト(介護保険法施行規則第140条の62の4第2号)

④ 障害支援区分の認定(障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律第21条第1項)

老人ホームに入居していた被相続人が亡くなった場合において、①から④のいずれかの認定等を受けていなければ、小規模宅地の特例の適用は受けることが出来ません。
なお、上記③については、平成27年度税制改正により新たに追加され、平成27年4月1日以後の相続開始案件から適用されます。

2. 要介護認定と要支援認定

介護保険法にて、その状況により要介護1~5、要支援1、2と7段階が存在します。数字が大きいほど介護状態が重く、介護と支援では介護の方が重い状態となります。
すなわち、要介護5が一番状態が重く、要支援1が一番状態が軽いということになります。
手続きとしては、その居住する市区町村役場に申請し、その申請を受けた市区町村は、申請者に調査員を派遣し、認定調査を行います。その後市区町村にて一定の審査を実施後、審査が通れば認定が下りるという流れになっています。審査期間は、市区町村にもよりますが、概ね申請から1ヶ月程度で認定される場合が多いようです。

要介護認定の申請に関する詳しい内容は「要介護認定の申請をするには?申請場所や必要なもの、サービス利用までの流れについて解説」の記事も参考にしてみてください。

3. 基本チェックリスト

平成27年4月に介護保険制度が改正されたため、この小規模宅地の特例についても基本チェックリスト該当者を要介護認定等の範囲に含めることとなりました。この基本チェックリストは、平成27年4月の改正前においても使用されていた制度ではありますが、小規模宅地の特例の「要介護認定等」の範囲に含まれる者は、介護保険制度改正後の新制度の基本チェックリストに該当する者に限られますので注意が必要です。
なお、この新制度の基本チェックリストに移行している自治体はまだ少なく、29年4月までに順次移行する予定です。
手続きとしては、各市区町村役場で基本チェックリストの項目(この厚生労働省作成の基本チェックリストを確認してみてください)に回答し,一定の場合に、基本チェックリスト該当者となります。要介護認定や要支援認定に比べ詳細な審査などが必要とならないため、迅速にサービスを受けられるのがこの基本チェックリストのメリットです。

4. 要介護認定等の判定の時期

要介護認定等がされているかどうかは、老人ホーム入居時点ではなく亡くなった時点にて判定することになりますので注意が必要です。例えば、老人ホーム入居時点では要介護認定を受けていたのに死亡時には要介護認定を更新しなかったために小規模宅地の特例の適用が受けられないということもあり得ます。なお、要介護認定の更新は、最初の更新が原則6ヶ月で、その後原則1年ごとに必要となります。

5. 要介護認定等の申請中に亡くなった場合

要介護認定等の申請中に亡くなった場合においてもその認定は申請時に遡って効力が生じるものとされているため、例え申請中であっても亡くなった後要介護認定等がされた場合には、亡くなった時点で要介護認定等がされていたとみなして小規模宅地の特例の適用が可能となります。

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