民法の相続法改正 最新情報

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相続法

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この記事の執筆者:角田 壮平

相続税専門である税理士法人トゥモローズの代表税理士。年間取り扱う相続案件は200件以上。税理士からの相続相談にも数多く対応しているプロが認める相続の専門家。謙虚に、素直に、誠実に、お客様の相続に最善を尽くします。

こんにちは。
事業承継専門の税理士法人トゥモローズです。

ここ数年、民法の相続法改正の審議が法務省の法制審議会で執り行われていますが、今年の1月16日に要綱案が取りまとまりました。
過去の審議途中の改正案は約40年ぶり民法(相続関係)大改正についてを参照してください。

なお、相続税申告でお急ぎの方はお電話、またはLINEにてお問い合わせいただけます。

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配偶者の居住権の保護

短期居住権

 
配偶者が相続開始時に居住していた建物について、下記のいずれか遅い日までの間、無償で居住する権利を有します。これを「配偶者短期居住権」といいます。
□ その建物について遺産分割が確定した日
□ 相続開始から6ヶ月を経過する日
なお、この短期居住権は譲渡することはできません。また、短期居住権は評価の対象とならないようなので相続税上の影響はなさそうです。

長期居住権

 
配偶者が相続開始時に居住していた建物について、次のいずれかに掲げるときは、その建物の全部について無償で使用収益する権利を取得します。これを「配偶者居住権」といいます。
□ 遺産の分割によって配偶者居住権を取得するものとされたとき
□ 配偶者居住権が遺贈の目的とされたとき
□ 被相続人と配偶者の間に、配偶者に配偶者居住権を取得させる旨の死因贈与契約があるとき
なお、配偶者居住権も短期居住権と同様に譲渡の対象ではありません。また、配偶者居住権は評価の対象となるようなので相続税の計算上影響が出てきそうです。

遺産分割に関する見直し

配偶者保護(持戻し免除)

 
婚姻期間が20年以上の夫婦で居住用不動産の遺贈又は贈与があったときは、特別受益の持戻し免除(民法903条3項)の意思表示があったものと推定します。
贈与税の配偶者控除(おしどり贈与)も20年以上の夫婦が要件のため、こちらに合わせた可能性もありますが、おしどり贈与などで贈与した場合の居住用不動産であっても、現行の民法では遺産分割時にその贈与した居住用不動産を持ち戻して遺産分割の対象にしますが、この改正が実現すれば贈与した居住用不動産は遺産分割の対象に含める必要がなくなるため配偶者の保護が手厚くなります。

仮払い制度等の創設・要件明確化

 
遺産である預貯金のうち、相続開始時の残高の『法定相続分×1/3(金融機関ごと一定の金額を限度)』については、他の相続人等の合意がなくても単独で権利行使できるようになりそうです。
例えば、葬儀費用や相続後の生活資金などを相続による口座凍結後であっても一定の手続きで払い戻しができるようになるための改正です。

その他

 
一部遺産分割の明文化や遺産分割前の遺産の処分についての公平化についての改正案も議題にあがってました。

遺言制度の見直し

自筆証書遺言の方式緩和

 
自筆証書遺言は全文自署である必要がありますが、本改正案では、自筆証書遺言に目録を添付する場合にはその目録については自署しなくて良くなるとのことです。

自筆証書遺言の保管制度

 
自筆証書遺言の一番のリスクは、相続人や受遺者に発見されないことです。そのようなリスクを回避するための制度として自筆証書遺言を法務局が保管してくれるという制度が改正案に盛り込まれていました。

その他

 
上記以外では、遺言執行者の権限の明確化や遺贈義務者の引渡義務等の規定が盛り込まれていました。

遺留分制度の見直し

事業承継に一番関係しそうな改正案です。
現行の制度では遺留分の基礎財産に含める贈与の期間制限はありませんでしたが、本改正案では、相続開始前の10年間にされたものに限り遺留分の基礎財産に含めることとなります。
すなわち、事業承継で自社株を後継者である相続人に贈与した場合に今までは20年前の贈与でも遺留分の対象となりましたが、改正後は遺留分の対象に含める必要がなくなるということです。
事業承継税制の拡充もあり、自社株贈与の早期移転がより可能になりそうです。

相続税の申告手続き、トゥモローズにお任せください

相続税の手続きは慣れない作業が多く、日々の仕事や家事をこなしながら進めるのはとても大変な手続きです。

また、適切な申告をしないと、後の税務調査で本来払わなくても良い税金を支払うことにもなります。

税理士法人トゥモローズでは、豊富な申告実績を持った相続専門の税理士が、お客様のご都合に合わせた適切な申告手続きを行います。

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