「居住用不動産の持戻し免除の意思表示」と「贈与税の配偶者控除(おしどり贈与)」の異同点を徹底解説

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名義財産・生前贈与

相続法

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この記事の執筆者:角田壮平

相続税専門である税理士法人トゥモローズの代表税理士。年間取り扱う相続案件は200件以上。税理士からの相続相談にも数多く対応しているプロが認める相続の専門家。謙虚に、素直に、誠実に、お客様の相続に最善を尽くします。

みなさん、こんにちは。
相続税専門の税理士法人トゥモローズの角田です。

生前贈与をした場合には将来の遺産分割でその生前贈与財産を相続財産に持ち戻した上で遺産分割をすることとなります。
これを特別受益の持戻しといいます。
この特別受益の持戻しは、被相続人の意向により免除すること(相続財産に持ち戻さないこと)もできます。

平成30年の相続法の大改正により、「居住用不動産を生前に配偶者に贈与をした場合には特別受益の持戻し免除の意思表示があったものとする」との改正がされました。

今回は、居住用不動産の持ち戻し免除の意思表示と似たようた制度である贈与税の配偶者控除(いわるゆ、「おしどり贈与」)の各制度の説明、両制度の異同点についてわかりやすく解説します。

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特別受益の持ち戻し免除の意思表示

概要

特別受益のの持ち戻し免除の意思表示とは、長年連れ添った配偶者に居住用財産を贈与した場合には、持ち戻し免除の意思表示につき明確な意思表示をしていなかったとしてもその意思表示をしていたものと推定して特別受益の持ち戻しを免除するという規定です。

念のため民法の条文も確認しておきましょう。

民法第903条第4項

婚姻期間が二十年以上の夫婦の一方である被相続人が、他の一方に対し、その居住の用に供する建物又はその敷地について遺贈又は贈与をしたときは、当該被相続人は、その遺贈又は贈与について第一項の規定を適用しない旨の意思を表示したものと推定する。

要件

■贈与対象財産

居住用財産に限定されています。
居住用財産に限定した理由としては、居住用財産は生活の基盤に欠かすことができない財産であるためです。
また、居住用財産以外の財産も対象に含めてしまうと配偶者以外の相続人の利益を大きく毀損する可能性があるためです。

■受贈者

婚姻期間が20年以上の配偶者に限ります。
婚姻期間がある程度ないとその貢献度合いや老後の保障という観点から適当でないという理由から20年以上というシーリングがかかっています。
なお、この婚姻期間は途中で離婚し、また同じ人と再婚している場合には離婚前、離婚後の婚姻期間を通算できます。
最後に、配偶者というのは戸籍上の配偶者に限られますので内縁関係で20年以上一緒に生活していたとしてもこの規定の適用はできません。

■取引形態

贈与でも遺贈でも可能。

■居住用財産の評価額の上限

上限はなし。

贈与税の配偶者控除

概要

長年連れ添った夫婦間で居住用不動又は居住用不動産の購入資金を贈与した場合には基礎控除110万円に加え2,000万円まで贈与税を非課税にするという贈与税の特例制度です。

念のため相続税法の条文も確認しておきましょう。

相続税法第21条の6

その年において贈与によりその者との婚姻期間が二十年以上である配偶者から専ら居住の用に供する土地若しくは土地の上に存する権利若しくは家屋でこの法律の施行地にあるもの(省略)又は金銭を取得した者(省略)が、当該取得の日の属する年の翌年三月十五日までに当該居住用不動産をその者の居住の用に供し、かつ、その後引き続き居住の用に供する見込みである場合又は同日までに当該金銭をもつて居住用不動産を取得して、これをその者の居住の用に供し、かつ、その後引き続き居住の用に供する見込みである場合においては、その年分の贈与税については、課税価格から二千万円(省略)を控除する。

要件

■贈与対象財産

居住用財産と居住用不動産の購入資金に限定されています。

■受贈者

婚姻期間が20年以上の配偶者に限ります。
留意点は、特別受益の持ち戻し免除の意思表示と同様です。

■取引形態

贈与のみです。

■居住用財産の評価額の上限

贈与税の基礎控除と合計で2,110万円まで非課税です。
もちろん、それ以上の価値の居住用不動産を贈与することも可能ですが、贈与税がかかります。

「特別受益の持ち戻し免除の意思表示」と「贈与税の配偶者控除」の比較

  特別受益の持ち戻し免除
の意思表示
贈与税の配偶者控除
対象財産 居住用不動産のみ 居住用不動産
居住用不動産の購入資金
取引形態 贈与と遺贈 贈与のみ
上限金額 なし 2,110万円
婚姻期間 20年以上 20年以上
内縁の妻 不可 不可
手続き 不動産登記 贈与税申告
不動産登記
居住要件 贈与時又は遺贈時に居住していること
ただし、近い将来居住する予定であれば認められる可能性もあり
贈与を受けた年の翌年3月15日までに、
居住用不動産に住んでいること

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