投資信託の相続税評価方法と控除できる源泉徴収税額を徹底解説!

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相続税申告

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この記事の執筆者:大塚英司

埼玉県所沢市出身、東日本税理士法人、EY 税理士法人を経て、税理士法人トゥモローズ代表社員就任。相続に関する案件は、最新情報を駆使しながらクライアント目線を貫き徹底的な最適化を実現します。

こんにちは。
相続税専門の税理士法人トゥモローズです。

投資家から資金を集め、まとまった資金を株式や債券などで運用する「投資信託(ファンド)」への投資は、NISA口座(非課税口座)の普及とともに一般的になってきています。
投資信託の相続税評価方法は、投資信託の種類によって3つに区分され、それぞれ異なった算定方法により評価額を算出します。
ここでは、投資信託の「3つの相続税評価方法」と控除できる源泉徴収税額について徹底解説します。

公社債、上場株式等の他の有価証券の相続税評価方法をまとめたコラムは、相続税申告 有価証券(上場株式、債券、投資信託)、ゴルフ会員権等の評価方法と調査方法をご参照ください。

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投資信託の2つの区分と3つの種類

投資信託にはMRF(Money Reserve Fund)やETF(Exchange Traded Fund)などの多くの商品があります。
相続税評価の計算では、これらの投資信託を2段階で区分します。

まずは、評価の対象になる投資信託が「公募投資信託」に該当するのか、それとも「私募投資信託」に該当するのかを調べます。
公募投資信託とは、不特定かつ50人以上の投資家を対象とした投資信託です。証券会社や金融機関等で取り扱われている多くの投資信託は公募投資信託に該当します。

一方、私募投資信託とは、50人未満の投資家、または適格機関投資家を対象とした投資信託です。少人数向けの投資信託で一般的に出回ることはありません。

公募投資信託の3つの種類

公募投資信託に該当する場合は、投資信託の性格に応じて次の3つに区分します。

■日々決算型投資信託→日々決算が行われる投資信託
(例:MRF、外貨建てMMFなど)
■上場投資信託→金融商品取引所に上場している投資信託
(例:ETF)
■一般投資信託→日々決算型投資信託と上場投資信託以外の投資信託

投資信託の相続税評価の区分をまとめると次のようになります。

投資信託の相続税評価方法

※私募投資信託は、その性格上「一般投資信託」に該当します。

日々決算型投資信託の相続税評価方法

日々決算型の投資信託とは、MRFやMMFのように毎日決算を行い、実績に応じて収益が分配される投資信託(追加型公社債投資信託)が該当します。
分配された収益は一般的には月末にまとめて再投資される仕組みです。

日々決算型投資信託の相続税評価額は、次の算式により計算します。

・日々決算型の証券投資信託の相続税評価方法
1口当たりの基準価格×口数+再投資されていない未収分配金※1-未収分配金に対して源泉徴収されるべき所得税に相当する額※2-信託財産留保額※3および解約手数料※4

※1 「再投資されていない未収分配金」とは、評価日が再投資日より前になる場合に発生します。
例えば、評価日が1月20日で、再投資日が毎月末のMRFの場合、1月1日から1月20日までの分配金が未収分配金になります。

※2 「収分配金に対して源泉徴収されるべき所得税に相当する額」については、公募投資信託(源泉徴収ありの特定口座)の場合には控除することができません。
詳しくは「私募投資信託の源泉徴収税額を控除することができる」をご覧ください。

※3 「信託財産留保額」とは、投資信託解約時に支払うペナルティのことです。信託財産留保額は金額が決まっているのではなく「基準価額に対して何%」という形式で算定されます。
一般的には0.3%程度で設定されることが多いです。投資信託の目論見書や販売用資料などで信託財産留保額の料率を確認できます。

※4 投資信託によっては「解約手数料」が発生するものもあります。目論見書や販売用資料で確認できます。

上場投資信託の相続税評価方法

ETFや不動産投資信託(J-REIT)など、金融商品取引所に上場している投資信託は、一般的に広く売買されているため市場価格が存在します。
上場投資信託の相続税評価方法は、上場株式の相続税評価方法と同様です。

・上場投資信託の相続税評価方法
基準価格×口数=上場投資信託の相続税評価額

上場投資信託の基準価格は上場株式の1株当たりの株価の判定と同様に、次の4つの基準価格のうち「最も低いもの」を採用することができます。

①相続開始日の終値
②相続開始日の月の終値の平均額
③相続開始日の前月の終値の平均額
④相続開始日の前々月の終値の平均額

上記項目の算定方法は、インターネット上(Yahoo!ファイナンスや日本取引所グループのホームページ)で確認することができます。
判定方法については「上場株式の相続税評価方法と注意点を徹底解説!」で詳しく紹介していますので参照ください。

一般投資信託の相続税評価方法

日々決算型投資信託と上場投資信託以外の一般投資信託は、次の算式により計算します。

・一般投資信託の相続税評価方法
1口当たりの基準価格×口数-解約請求等した場合に源泉徴収されるべき所得税に相当する額※1-信託財産留保額および解約手数料

一般投資信託の相続税評価方法は、日々決算型投資信託の相続税評価方法と同様の方法で行いますが、一般投資信託は日々収益が分配されるわけではないため、再投資されていない未収分配金を控除する必要はありません。

※1 「解約請求等した場合に源泉徴収されるべき所得税に相当する額」は、公募投資信託(源泉徴収ありの特定口座)の場合には控除することができません。
詳しくは「私募投資信託の源泉徴収税額を控除することができる」をご覧ください。

私募投資信託の源泉徴収税額を控除することができる

源泉徴収ありの特定口座とそれ以外は源泉徴収税額が異なる

日々決算型投資信託と一般投資信託の相続税評価方法では「泉徴収されるべき所得税に相当する額」を控除することができると財産評価基本通達に定められています。
しかし、「源泉徴収ありの特定口座で管理している公募投資信託」「源泉徴収ありの特定口座で管理ができない公募・私募投資信託」では源泉徴収税額が異なります。

投資信託解約時に源泉徴収税額が発生する3つのケース

投資信託解約時に源泉徴収税額が発生するパターンは次の3つに限られます。

①源泉徴収ありの特定口座で管理している「公募投資信託」
②「私募株式投資信託」の元本(受益権)を超えた配当所得部分
③「私募公社債投資信託」の元本(受益権)を超えた利子所得部分

上記3つのうち、相続税評価で源泉徴収税額を控除できるケースは②と③だけだと考えられます。その理由には次のとおりです。

管理口座次第で源泉徴収税額の発生が異なる

公募投資信託の解約時、特定口座で管理している場合は源泉徴収税額が発生するのに対し、一般口座で管理している場合は源泉徴収税額が発生しません。

特定口座は他の上場株式等の譲渡損益が相殺される

特定口座制度では、公募投資信託の解約時の譲渡損益だけではなく,以前に行われた上場株式等の譲渡損益も加味したところで源泉徴収税額の計算が行われます。

以上の理由により、①源泉徴収ありの特定口座で管理している「公募投資信託」の源泉徴収税相当額は、投資信託の相続税評価計算で控除することに適しておらず、控除できないと考えられます。
そのため、②と③に該当する私募投資信託の源泉徴収税額に相当する額のみが控除対象になります。

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