【遺言書の作成が絶対必要な人は誰?】遺言書の作成が必要なケースを解説

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相続対策

遺言書の作成は自分の意思を伝える大事なものですが、遺言書を残すかどうかはご自身の希望次第です。
しかし、家族関係や状況によっては、遺言書を残しておかなかったことで相続人の間でトラブルになってしまうことが多々あります。

ここでは「遺言書の作成が絶対必要になるケース」について、その理由も含めて詳しく解説します。
遺言書を作成しようかどうか悩まれている方は、ぜひ最後までお付き合いください。

遺言についての詳しい解説は、遺言を書いて争族回避! 遺言書の作成方法、効力等をわかりやすく徹底解説!をご参照ください。

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遺言書の種類と作成方法

遺言書は主に「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」により作成を行います。どちらも遺言書として法的な効力を持っています。

自筆証書遺言は「自筆であること」や「署名があること」などの要件を満たすことで手軽に作成できる遺言書のことです。
詳しくは「【自筆の遺言でも大丈夫?】自筆証書遺言のメリットとデメリットを解説!」で解説していますので、ご覧ください。

公正証書遺言は、公証人が作成する遺言書のことで、費用は発生しますが確実性の高い遺言書になります。
公正証書遺言については「公正証書遺言の効果と作成方法をわかりやすく解説!!」をご覧ください。

発生する費用については「【公正証書遺言費用の目安は?】公正証書遺言にかかる手数料を徹底解説!」で紹介しています。

遺言書の作成が絶対に必要なケース

遺言書の作成が絶対に必要になるケースは2つに分類されます。1つ目は「争いが起こりやすいケース」、2つ目は「相続手続きが円滑にいかないケース」です。

争いが起こりやすいケース

争いが起こりやすいケース

相続人がいないケース

亡くなった人に配偶者や子、父母、兄弟などの相続人がいない場合、家庭裁判所が相続財産管理人を選任し、本当に相続人がいないのかの調査が行われます。
その結果、相続人がいなければ裁判所で「相続人不存在」が確定します。生前に同居していた人などの特別縁故者がいなければ、残された財産は国の財産になってしまいます。

ただし、亡くなった方が遺言書を残していれば、自分が望んだ人に財産を渡すことができます。遺言書がある場合は、相続人不存在であっても遺言書のとおりに財産を分配することが可能です。
お世話になった人や遠い親戚などへ財産を渡したい場合は、遺言書を必ず作成しましょう。

また、遺言書により遺言執行者を指定することでスムーズに相続手続きを進めることができます。
遺言執行者については「【遺言執行者が必要な場合はどんな時?】遺言執行者を選任するメリット」で詳しく解説しています。

夫婦間に子供がいないケース

夫婦間に子供がいない場合、相続人は配偶者と義父母、義父母が既に他界している場合は、義理の兄弟姉妹が相続人になります。

例えば、亡くなった夫の両親も既に他界している場合では、夫の兄弟姉妹が相続人になり、もし兄弟姉妹も既に亡くなっている場合は兄弟姉妹の子である義理の甥姪が代襲相続人になり、遺産分割協議を行い、相続手続きを進める必要があります。
お正月しか顔を合わせないような関係であった場合、相続手続きを進めることは現実的に難しいことでしょう。

こういった状況を回避するためには「妻(または夫)にすべての財産を相続させる」旨の遺言書を残すことで、配偶者だけで相続手続きを進めることが可能です。

前妻との間に子供がいるケース

前妻との間に子供がいる場合、感情的な対立による争いが予想されます。
例えば、再婚して子供がいる場合、相続人は配偶者と子、前妻の子になります。この場合、前妻の子の親権がなくても、音信不通であっても、前妻の子を含めて遺産分割協議を行わなければなりません。
「自宅は配偶者に、預金の一部を前妻の子に相続させる」などの生活状況を考慮した遺言書を残すことで争いを回避することが可能です。

内縁関係の人がいるケース

婚姻関係がない内縁関係の人がいる場合、法律上、内縁関係者は相続人になることができず、遺言書がなければ一切の財産を受け取る権利はありません。
内縁関係の夫や妻に財産を渡したい場合には、その旨の内容の遺言書を必ず残しておきましょう。

相続手続きが円滑にいかないケース

相続手続きが円滑にいかないケース

相続人に判断能力がない人がいるケース

相続人の中に障害などの理由で判断能力がないと判断される人がいる場合、通常のスケジュールで遺産分割協議を行うことはできません。
その場合、遺産分割協議を行う前に家庭裁判所に成年後見人の申し立てを行い、成年後見人を選任してもらう必要があるため、相続手続きがより一層煩雑になってしまいます。

遺言書を残していれば、遺産分割協議を行う必要がないため、判断能力がない相続人がいた場合でも相続手続きを円滑に進めることができます。
ただし、判断能力がない相続人が不動産を相続する場合には、遺言書があったとしても成年後見人を選任しなければ不動産の名義変更手続きができませんので注意しましょう。

子供が未成年のケース

未成年者は単独で法律行為を行うことができないため、遺産分割協議に参加することができません。遺産分割協議を行うためには法定代理人を選任する必要があります。
日常的な法律行為では親権者である父母が法定代理人になりますが、親権者と子の両方が相続人である場合、親権者は利益相反関係になるため法定代理人になることができません。

例えば、夫が亡くなり、妻と未成年の子が相続人になった場合、妻は子の利益相反関係にあたるため法定代理人になれず、家庭裁判所から「特別代理人」を選任してもらう必要があります。
特別代理人の選任には、時間と手間がかかるため、円滑に相続手続きを行うことが難しくなります。

遺言書を残している場合は、遺言書により相続手続きを行うことができるため、相続人である子が未成年であっても特別代理人を選任せずに相続手続きを進めることが可能です。

相続人に行方がわからない人がいるケース

相続人の中に行方不明の人がいる場合、相続人全員での遺産分割協議を行うことはできません。
この場合、家庭裁判所に不在者財産管理人の選出や失踪宣告の申し立てを行う必要があり、手続きに多くの時間と手間がかかってしまいます。

遺言書を残しておけば、遺産分割協議は必要ありませんので、相続人に行方不明の人がいても相続手続きを円滑に進めることができます。

相続人の数が多いケース

子が既に亡くなっており孫が代襲相続人になるケースや兄弟姉妹または兄弟姉妹が既に亡くなっており甥姪が代襲相続人になるケースなどでは、相続人の数が多くなることがあります。
相続人の中には遠方や国外に住んでいる場合もあり、遺産分割協議を行うことが難しくなってしまいます。遺産分割協議を行えても、納得しない人が1人でもいると相続手続きを進めることができません。

相続人の数が多いケースでは、遺言書を残すことで遺産分割協議を回避し、さらに遺言執行者を指名することで手続きを円滑に進めることができます。

会社経営や個人事業を営んでいるケース

会社、個人事業を次の後継者へスムーズに引き継がせるためには遺言書が必要です。事業に必要な財産を後継者である相続人が相続できなければ、事業を継続していくことができません。
遺言がなく、遺産分割協議で相続財産を決める場合は必ずしも後継者が事業に必要な財産を相続できるとは限りませんので、遺言書で明確にする必要があります。

自分の意思を伝えるためには遺言書を作成しましょう

ここまで紹介したケース以外にも、自分の意思を伝えるために遺言書の作成は必要です。
特に、次のような希望を持っている場合は、遺言書の作成を検討してみてはいかがでしょうか。

自分の思いを伝えるための遺言書

【遺言書の作成が絶対必要な人は誰?】遺言書の作成が必要なケースを解説の写真

この記事の執筆者:大塚 英司

東京税理士会新宿支部所属
登録番号:117702

埼玉県所沢市出身、東日本税理士法人、EY 税理士法人を経て、税理士法人トゥモローズ代表社員就任。相続に関する案件は、最新情報を駆使しながらクライアント目線を貫き徹底的な最適化を実現します。

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