【2024年新札発行】タンス預金はどうなる?! 相続のときトラブルに
みなさんこんにちは!
相続専門の税理士法人トゥモローズです。
2024年7月に新紙幣が発行される予定です。
今多額のタンス預金がある人は2024年7月以降は多額の旧紙幣を保有することになってしまうのです。
多額の旧紙幣を持つことの問題点、リスク等について解説していきます。
動画で知りたい人は下記YouTubeから、テキストで確認したい人はこのままスクロールして一番最後までお読みください!
目次
1.新札発行の理由
新札発行の表向きの理由は、偽造防止と言われています。
新札には新たな偽造防止技術として深凹版印刷や世界初となる3Dホログラム等も採用されています。
偽造防止についての詳しい解説は、日本銀行HP 新しい日本銀行券の特徴をご参照ください。
別の新札発行の理由としては私見となりますが、下記のような理由もあるのではないかと感じております。
(1)キャッシュレスの推進
(2)タンス預金のあぶり出し
(1)キャッシュレスの推進
新札発行がキャッシュレスの推進になるのか疑問を持つ方もいらっしゃると思います。
逆に新札発行することによりキャッシュレスに逆風が吹くのではと思う方のほうが多いでしょう。
しかし、新札発行によりレジや自動販売機等の買い替えや改修が必須となります。
買い替えや改修にも大きなコストがかかるので新札発行を機に完全キャッシュレスに移行するお店も増えることが予想されます。
このような理由から新札発行はある意味でキャッシュレスを推進することになるのではないでしょうか。
(2)タンス預金のあぶり出し
旧紙幣のタンス預金をしている人は新紙幣が発行された後に旧紙幣を新紙幣に交換するために旧紙幣を銀行に持ち込むことが予想されます。
そうなるとタンス預金として埋もれたいた現金が市場に出回ることになり、その現金が消費や投資に回り経済の活性化が見込まれるということです。
日本のタンス預金は50兆円以上あるのではないかと言われています。この一部でも市場に出回るようになれば確かに景気上昇に寄与するかもしれません。
2.旧紙幣のタンス預金を持つことのリスク
新札が発行されても旧紙幣の法的効力が失われるわけではありません。
ただし、年が経つと旧紙幣は自動販売機やATM等で読み込まれなくなる可能性はあるでしょう。
そうなると旧紙幣をタンス預金している場合には銀行で新紙幣に交換してもらわなければなりません。
そこで関係してくるのが犯罪収益移転防止法です。
多額のタンス預金を銀行に持ち込むことにより銀行が犯罪収益移転防止法に基づき国にそのことを届出る可能性があります。
犯罪収益移転防止法に定める「疑わしい取引」と判断されてしまった場合には、その者の個人情報が国に流れることになります。
疑わしい取引の詳細については、金融庁HP 疑わしい取引の届出制度をご参照ください。
上記の疑わしい取引に該当しなくても数千万単位の旧紙幣が突如預金されたり新紙幣に交換されたりしたらその取引を税務署が見逃すでしょうか?
税務署は職権で国民の銀行取引を確認することができます。
不自然な取引として税務署からマークされる可能性もあるでしょう。
3.タンス預金のメリット・デメリット
タンス預金にはメリットもあればデメリットもあります。
(1)メリット
タンス預金の主なメリットは下記となります。
①すぐに使える
②ペイオフの心配がない
③相続時にも口座凍結等の心配がない
④国に資産を把握されない
①すぐに使える
タンス預金は手元にあるためすぐに使えることが一番のメリットです。
現金を手元に置いておいて安心したいという人も多いでしょう。
そういう意味ではタンス預金はすべての財産の中で一番流動性が高い財産であると言えるでしょう。
②ペイオフの心配がない
預貯金を銀行等に預けていた場合にその銀行が破綻した場合には1,000万円までしか保証されません。
これをペイオフ制度といいます。
預貯金のリスクはこのペイオフなのです。
タンス預金にはこのペイオフのリスクはありません。
なお、すべての預貯金がペイオフの対象となるのではなく、当座預金や利息の付かない普通預金は1,000万円以上保有していたとしても全額保護されます。
詳しくは、金融庁HP 預金保険制度をご参照ください。
③相続時にも口座凍結等の心配がない
預金者に相続が発生した場合において、金融機関がその預金者の死亡を知ったときは口座が凍結されます。
死亡後に預金を自由に使えなくなるのは不便ですよね。
タンス預金にはこの心配がありません。
④国に資産を把握されない
証券口座、生命保険はマイナンバー制度により、不動産は登記制度により国に保有資産の状況を把握されます。
また預貯金についても今後マイナンバーと紐付くことが予想されますので国に把握されることになるでしょう。
タンス預金については国に把握されることはないため国に資産を知られたくないという人にはメリットになります。
(2)デメリット
タンス預金の主なデメリットは下記となります。
①震災、火災、洪水、盗難、紛失等のリスクがある
②インフレに弱い
③利息がつかない
④相続のときにトラブルになる
①震災、火災、洪水、盗難、紛失等のリスクがある
タンス預金の一番のデメリットはその札束自体が滅失してしまうことです。
滅失する理由も震災、火災、洪水、盗難、紛失等様々です。
最近日本に災害が多いのでこのリスクは侮れないでしょう。
②インフレに弱い
タンス預金は物価が上昇したときにその価値が下がります。
タンス預金はインフレという目に見えないリスクを抱えているようなものなのです。
仮に年2%の物価上昇があったとすると1,000万円のタンス預金の価値は5年後に約900万円に、10年後には約800万円の価値になってしまうのです。
③利息・配当がつかない
預金や株式は保有しているだけで利息や配当がついて回ります。
タンス預金にはそのような果実はありません。
④相続のときにトラブルになる
相続のときにタンス預金が多額にあるとトラブルになることが多いです。
相続のときのトラブルの詳細は下記4にて解説します。
4.タンス預金の相続でのトラブル
タンス預金が多額に保有している人に相続が発生したときに遺産分割や相続税申告で問題が生じる可能性があります。
(1)遺産分割
タンス預金は銀行預金等と異なって客観的な残高を証明する術がありません。
したがって、タンス預金を管理していた相続人とそれ以外の相続人の間にてタンス預金の残高についてトラブルに発展する可能性があります。
遺産分割でトラブルを避けるためにはタンス預金は避けておいたほうが良いでしょう。
(2)相続税申告
タンス預金が多額にあったとしてもその残高を適切に相続財産に計上していれば相続税の脱税になることはありません。
ただし、タンス預金が多額にある相続案件は税務調査に入られる割合が高くなりがちなので税務調査にできるだけ入られてくないのならタンス預金は避けておいたほうが良いでしょう。
タンス預金等の手許現金の詳しい解説は、【相続税申告】手許現金(直前引出、タンス預金等)の評価を徹底解説をご参照ください。
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相続税の手続きは慣れない作業が多く、日々の仕事や家事をこなしながら進めるのはとても大変な手続きです。
また、適切な申告をしないと、後の税務調査で本来払わなくても良い税金を支払うことにもなります。
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