外国籍の相続人がいる場合の相続手続き完全ガイド【必要書類・注意点】

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国際相続

外国籍の相続人がいる場合の相続手続き完全ガイド【必要書類・注意点】
10秒でわかる この記事の要約

  • 外国籍の相続人がいても、日本での相続手続きは可能
  • 戸籍謄本の代わりに「宣誓供述書」で身分関係を証明する
  • 印鑑証明書の代わりに「サイン証明」を使用する
  • 遺産分割協議書には署名とサイン証明の添付が必要
  • 書類の取得に時間がかかるため、早めの準備が重要

「相続人の中に外国籍の人がいるのですが、手続きはどうすればいいですか?」

国際結婚や海外移住の増加に伴い、相続人の中に外国籍の方がいるケースが増えています。

外国籍の相続人がいる場合、日本人だけの相続とは異なる書類や手続きが必要になります。

「外国籍だから相続できない」ということは決してありませんが、準備に時間がかかるため、早めの対応が重要です。

この記事では、年間350件超の相続税申告を手がける相続専門税理士が、外国籍の相続人がいる場合の相続手続きを徹底解説します。

なお、相続税申告でお急ぎの方はお電話、またはLINEにてお問い合わせいただけます。

初回面談は無料ですので、ぜひ一度お問い合わせください。

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外国籍の相続人がいる場合の基本

外国籍でも相続人になれる

外国籍であっても、日本の法律に基づいて相続人になることができます。

国籍による相続権の制限はありませんので外国籍であっても相続人になれます。
相続のルール(誰が相続人で、取り分はどうか)は、まず“どの国の法律が適用されるか(準拠法)”で決まります。

準拠法の問題

日本の国際私法(法の適用に関する通則法)では、相続は被相続人の本国法によると定められています(通則法第36条)。

被相続人が日本人であれば、相続人の国籍にかかわらず日本法が適用されます。

つまり、外国籍の相続人も日本法に基づく法定相続分で遺産を相続します。

例:日本人の父が亡くなった場合
・配偶者(アメリカ人):法定相続分1/2
・子(日本人):法定相続分1/4
・子(アメリカ人):法定相続分1/4

→ 相続人の国籍に関係なく、日本法の法定相続分が適用される

準拠法については、国際相続があった場合の準拠法で詳しく解説しています。

外国籍の相続人が生じるパターン

当事務所でよくご相談いただくパターンは以下の通りです。

①国際結婚の配偶者
日本人の被相続人の配偶者が外国籍のケース。最も多いパターンです。

②帰化前の親族
被相続人の親や兄弟姉妹がまだ外国籍のケース。

③海外移住で国籍変更した子
子が海外に移住し、日本国籍を離脱して外国籍になったケース。

④認知した外国籍の子
被相続人が外国籍の子を認知していたケース。

⑤外国籍の養子
被相続人が外国籍の子を養子にしていたケース。

外国籍の相続人に必要な書類

日本人の相続人であれば、戸籍謄本と印鑑証明書で身分関係と本人確認ができます。

しかし、外国籍の方は日本の戸籍に記載されていないため、代替書類が必要です。

戸籍謄本の代わり:宣誓供述書

外国籍の相続人は、「宣誓供述書(Affidavit)」で身分関係を証明します。

宣誓供述書とは、本人が宣誓の上、一定の事実を陳述した書面を公証人等が認証したものです。

宣誓供述書に記載する内容
・氏名、生年月日、住所、国籍
・被相続人との続柄(例:「○○の配偶者である」「○○の子である」)
・他に相続人がいないこと(または他の相続人の情報)
・相続を承認する旨
・遺産分割協議の内容に同意する旨(必要に応じて)

宣誓供述書は、以下の機関で作成・認証を受けます。

居住地 認証機関 備考
日本国内 公証役場 費用5,500円〜11,000円程度
海外(日本大使館がある国) 在外日本大使館・領事館 手数料は大使館により異なる
海外(その他) 現地の公証人(Notary Public) アポスティーユが必要な場合あり

印鑑証明書の代わり:サイン証明

外国籍の方は日本の印鑑登録ができない場合があるため、「サイン証明(署名証明)」を使用します。

サイン証明とは、本人が書類に署名したことを公的に証明するものです。

遺産分割協議書に署名する際に使用します。

居住地 取得先
日本国内(住民登録あり) 市区町村役場(印鑑登録可能な場合あり)または公証役場
海外(日本大使館がある国) 在外日本大使館・領事館
海外(その他) 現地の公証人

注意:日本に住民登録がある外国籍の方は、印鑑登録ができる市区町村もあります。その場合は印鑑証明書を使用できます。事前に居住地の市区町村役場に確認してください。

住民票の代わり

日本に住民登録がある外国籍の方は、住民票を取得できます。

海外居住の場合は、宣誓供述書に住所を記載するか、在留証明(在外公館で取得)を使用します。

必要書類のまとめ

日本人の相続人 外国籍の相続人(日本在住) 外国籍の相続人(海外在住)
戸籍謄本 宣誓供述書(公証役場) 宣誓供述書(大使館または現地公証人)
住民票 住民票 在留証明または宣誓供述書に記載
印鑑証明書 印鑑証明書またはサイン証明 サイン証明

遺産分割協議書の作成

外国籍相続人の署名方法

外国籍の相続人は、遺産分割協議書に以下のように署名します。

①署名
・パスポートと同じ署名(サイン)を記載
・日本語での氏名も併記すると分かりやすい
・例:「John Smith(ジョン・スミス)」

②サイン証明の添付
・遺産分割協議書への署名と同じサインであることを証明
・印鑑証明書の代わりとして添付

遺産分割協議書の言語

遺産分割協議書は日本語で作成するのが一般的です。

外国籍の相続人が日本語を理解できない場合は、以下の対応をします。

・翻訳文を添付する
・日本語・英語の併記で作成する
・通訳を介して内容を説明し、理解した旨の確認書を作成する

遺産分割協議書の書き方については、遺産分割協議書の書き方 注意点も含めてわかりやすく徹底解説!をご参照ください。

相続税の申告

外国籍相続人の納税義務

外国籍の相続人も、以下の場合は日本の相続税の納税義務者となります。

無制限納税義務者となるケース(すべての財産に課税)
・日本国内に住所がある場合
・日本国内に住所がなくても、被相続人が日本に住所があった場合(一定の条件あり)

制限納税義務者となるケース(日本国内の財産のみに課税)
・日本国内に住所がなく、被相続人も日本に住所がなかった場合など

納税義務の詳しい判定は、国際相続における相続税の納税義務の判定を徹底解説!をご参照ください。

納税管理人の届出

外国籍の相続人が海外に居住している場合、日本での相続税の申告・納税のために「納税管理人」を届け出る必要があります。

納税管理人は、相続人に代わって申告書の提出や税務署からの書類の受領を行います。

納税管理人の届出についての詳しい解説は、納税管理人の届出書【相続税】届出から変更・解任まで記載例付きで徹底解説をご参照ください。

マイナンバーの取扱い

日本に住民登録がある外国籍の方にはマイナンバーが付与されています。

海外居住でマイナンバーがない場合は、相続税申告書の「個人番号」欄は空欄で提出します。

金融機関での相続手続き

銀行口座の解約

外国籍の相続人がいる場合、金融機関での手続きに追加書類が必要になることがあります。

書類 備考
遺産分割協議書 外国籍相続人のサイン証明付き
宣誓供述書 身分関係の証明
パスポートコピー 本人確認
在留カード(日本居住の場合) 住所確認
委任状 代理人が手続きする場合

注意:金融機関によって必要書類が異なります。事前に各金融機関に確認してください。

不動産の相続登記

外国籍の相続人が不動産を相続する場合も、登記手続きは可能です。

ただし、住所証明書や印鑑証明書の代替書類が必要になるため、司法書士に依頼することをお勧めします。

外国籍相続人がいる場合のQ&A

Q1:外国籍の相続人と連絡が取れない場合はどうすればいいですか?

A:家庭裁判所に不在者財産管理人の選任を申し立てます。

連絡が取れない相続人に代わって、家庭裁判所が選任した管理人が遺産分割協議に参加します。

手続きには数ヶ月かかることがあります。

Q2:外国籍の相続人が相続放棄する場合、どこで手続きしますか?

A:被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所で手続きします。

海外居住の場合でも、日本の家庭裁判所に相続放棄の申述書を提出します。

郵送での手続きも可能です。

相続放棄の期限は「相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内」ですので、注意してください。

Q3:外国籍の配偶者に配偶者の税額軽減は適用されますか?

A:適用されます。

配偶者の税額軽減(1億6,000万円または法定相続分のいずれか大きい金額まで非課税)は、配偶者の国籍に関係なく適用されます。

詳しくは、1億6千万円まで相続税がかからない!配偶者の税額軽減(配偶者控除)を解説をご参照ください。

Q4:宣誓供述書の作成費用はいくらですか?

A:公証役場で作成する場合、1通あたり5,500円〜11,000円程度です。

海外の日本大使館・領事館で作成する場合も、同程度の手数料がかかります。

現地の公証人に依頼する場合は、国によって費用が異なります。

Q5:サイン証明は何通必要ですか?

A:手続きの数だけ必要です。

銀行口座の解約、不動産登記、相続税申告など、それぞれの手続きで原本を求められることがあります。

必要な通数を事前に確認し、まとめて取得しておくと効率的です。

予備も含めて2〜3通多めに取得しておくことをお勧めします。

まとめ:外国籍相続人がいても手続きは可能

外国籍の相続人がいる場合の相続手続きについて解説しました。

この記事のポイント

  • 外国籍でも日本の法律に基づいて相続人になれる
  • 戸籍謄本の代わりに「宣誓供述書」で身分関係を証明
  • 印鑑証明書の代わりに「サイン証明」を使用
  • 海外居住の場合は納税管理人の届出が必要
  • 書類取得に時間がかかるため早めの準備が重要

外国籍の相続人がいる相続は、必要書類が多く、取得にも時間がかかります。

特に海外在住の相続人がいる場合、書類の郵送だけで数週間かかることもあります。

相続が発生したら、できるだけ早く必要書類の準備を始めましょう。

当事務所では年間350件超の相続税申告を行っており、外国籍の相続人がいるケースの実績も豊富です。

「外国籍の相続人がいて、何を準備すればいいか分からない」
「海外在住の相続人との調整が難しい」

そのようなお悩みがありましたら、ぜひ一度ご相談ください。

初回面談は無料です。

外国籍の相続人がいる場合の相続手続き完全ガイド【必要書類・注意点】の写真

この記事の執筆者:角田 壮平

東京税理士会京橋支部所属 
登録番号:115443

相続税専門である税理士法人トゥモローズの代表税理士。年間取り扱う相続案件は350件。税理士からの相続相談にも数多く対応しているプロが認める相続の専門家。謙虚に、素直に、誠実に、お客様の相続に最善を尽くします。

相続税の申告手続き、トゥモローズにお任せください

相続税の手続きは慣れない作業が多く、日々の仕事や家事をこなしながら進めるのはとても大変な手続きです。

また、適切な申告をしないと、後の税務調査で本来払わなくても良い税金を支払うことにもなります。

税理士法人トゥモローズでは、豊富な申告実績を持った相続専門の税理士が、お客様のご都合に合わせた適切な申告手続きを行います。

初回面談は無料ですので、ぜひ一度お問い合わせください。

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