取得費(譲渡所得)をわかりやすく徹底解説!

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税務一般

みなさん、こんにちは。
相続税専門の税理士法人トゥモローズの角田です。

不動産を売却した場合、その利益に対して所得税と住民税がかかります。
この利益のことを譲渡所得といいまして、下記の算式により計算します。

収入金額 – (取得費 + 譲渡費用) – 特別控除額 = 課税譲渡所得金額

収入金額からマイナスされる取得費が大きくなればなるほど税金を圧縮できます。
なので取得費を適切に把握することが譲渡所得の計算でとても大切なのです。

今回は、「取得費」について、わかりやすく徹底解説します。

「どんなものが取得費に該当するのか知りたい!」
「譲渡所得税を少しでも節税したい!」
という人が必読のコラムです。

譲渡費用の詳しい解説は、【不動産の譲渡費用一覧】これって該当する?しない?を参照してください。

譲渡所得の詳しい計算方法は、土地建物を売ったときの税金(譲渡所得)の計算方法を徹底解説をご参照ください。

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取得費とは?

取得費とは、主に下記の3つをいいます。

■土地の購入金額
■建物の購入金額、建築金額から減価償却費を控除した金額
■上記以外で購入に際してかかった経費

詳細は、次の「これって取得費?」を参照してください。

これって取得費? 保存版!取得費一覧

購入時の仲介手数料

取得費に該当
 
【解説】
不動産購入時に不動産会社に仲介手数料を支払うことになりますが、この仲介手数料は取得費に含めることができます。
領収書等は捨てずに取っておきましょう。

ちなみに、売ったときの仲介手数料は譲渡費用に含めます。
譲渡費用の詳しい解説は、【不動産の譲渡費用一覧】これって該当する?しない?を参照してください。

【不動産所得の必要経費との関係】
不動産所得が生ずべき賃貸不動産購入の際の仲介手数料は、不動産所得の必要経費に算入することはできませんで、全額取得費に含めることとなります。
ただし、建物の取得費に含まれた仲介手数料は減価償却により、一定期間に応じて必要経費に算入されていくこととなります。売却時の残った残額が譲渡所得の取得費を構成します。

購入時の登録免許税

取得費に該当
 
【解説】
不動産を購入すると所有権移転の登記が必要です。その登記には登録免許税という税金がかかります。
登録免許税は不動産の固定資産税評価額の2%(現状は軽減措置で1.5%)となります。
この登録免許税は、取得費に含めます。
ただし、収益不動産(業務用不動産)については下記をご参照ください。

【不動産所得の必要経費との関係】
不動産所得が生ずべき賃貸不動産購入の際の登録免許税は、不動産所得の必要経費に算入します。取得価額に算入しないので注意してください。

購入時の登記にかかる司法書士報酬

取得費に該当
 
【解説】
不動産を購入すると所有権移転の登記が必要なことは前述のとおりですが、この登記は司法書士にお願いすることがほとんどでしょう。
この司法書士報酬は、取得費に含めます。
ただし、収益不動産(業務用不動産)については下記をご参照ください。

【不動産所得の必要経費との関係】
不動産所得が生ずべき賃貸不動産購入の際の登記にかかる司法書士報酬は、不動産所得の必要経費に算入するか、取得価額に算入するか納税者にて選択が可能です。

相続時の登記費用(登録免許税・司法書士報酬)

取得費に該当
 
【解説】
不動産を相続したときにも登記費用がかかります。
この登記費用は、取得費に含めます。
ただし、収益不動産(業務用不動産)については下記をご参照ください。

【不動産所得の必要経費との関係】
不動産所得が生ずべき賃貸不動産を相続した際の登記費用は、不動産所得の必要経費に算入します。

不動産取得税

取得費に該当
 
【解説】
不動産を購入すると不動産取得税がかかります。その登記には登録免許税という税金がかかります。
不動産取得税は不動産の固定資産税評価額の3%(土地と住宅家屋)、4%(非住宅家屋)となります。
不動産取得税は、取得費に含めます。
ただし、収益不動産(業務用不動産)については下記をご参照ください。

【不動産所得の必要経費との関係】
不動産所得が生ずべき賃貸不動産購入の際の不動産取得税は、不動産所得の必要経費に算入します。

印紙税

取得費に該当
 
【解説】
不動産を購入するときに売買契約書を取り交わしますが、この契約書に収入印紙を貼ることになります。
収入印紙の金額は、国税庁HP 不動産売買契約書の印紙税の軽減措置をご参照ください。
この収入印紙は、取得費に含めます。
ただし、収益不動産(業務用不動産)については下記をご参照ください。

【不動産所得の必要経費との関係】
不動産所得が生ずべき賃貸不動産購入の際の収入印紙代は、不動産所得の必要経費に算入します。

未経過固定資産税(固定資産税精算金)

取得費に該当
 
【解説】
不動産を保有すると固定資産税がかかります。固定資産税は毎年1月1日に所有している人に1年分が課税されます。
途中で所有者が変わっても都道府県は固定資産税の精算をしてくれません。
したがって、年の途中で不動産を売買した場合には、売主、買主にて固定資産税を精算します。この精算する固定資産税のことを未経過固定資産税や固定資産税精算金といいます。
すでに売主にて1年分の固定資産税を支払っているため引き渡し後の期間にかかる固定資産税を買主から売主へ支払います。
この支払った未経過固定資産税は、取得費に含めます。

【不動産所得の必要経費との関係】
不動産所得が生ずべき賃貸不動産購入の際の未経過固定資産税は、不動産所得の必要経費に算入することはできませんで、全額取得費に含めることとなります。
ただし、建物の取得費に含まれた未経過固定資産税は減価償却により、一定期間に応じて必要経費に算入されていくこととなります。売却時の残った残額が譲渡所得の取得費を構成します。

立ち退き料

取得費に該当
 
【解説】
借主がいる土地や建物を購入する場合において、その借主を立ち退かせるために買主が支払った立ち退き料は、取得費に含めます。
なお、譲渡に際して売主が立ち退き料を支払った場合には、譲渡費用に含めます。

【不動産所得の必要経費との関係】
賃貸不動産の取得に伴って支払った立ち退き料は取得価額を構成します。
これに対し、不動産事業運営上で取得に伴う立ち退き料以外の通常の立ち退き料(例えばリフォーム等で部屋を出ていってもらうケースなど)は不動産所得の必要経費に算入します。

建物の取り壊し費用

取得費に該当
 
【解説】
土地の利用目的で建物付き土地を購入した場合において、購入後約1年以内に建物を取り壊したときは、その取り壊し費用は土地の取得費に含めます。

【不動産所得の必要経費との関係】
賃貸建物を取壊して新たな賃貸物件を建てる場合の取り壊し費用は、建物の取得価額ではなく不動産所得の必要経費に算入できます。

取り壊し前提の建物の購入費

取得費に該当
 
【解説】
土地の利用目的で建物付き土地を購入した場合の建物の購入費は、土地の取得費に含めます。

使用開始前の期間に係る借入金の利子

取得費に該当
 
【解説】
購入資金の借入日から使用開始日までの期間に係る借入金の利子は取得費に含めます。

【不動産所得の必要経費との関係】
既に賃貸事業を行っている者が新たに賃貸物件を購入した場合における借入金の利子については、必要経費に算入することもできます。
借入金の利子についてまとめると下記の通りです。

使用開始前の利子 使用開始後の利子
新たに不動産事業を開始 取得価額 必要経費
既に不動産事業を運営 必要経費(取得価額でもOK) 必要経費

訴訟費用

取得費に該当
 
【解説】
所有権を取得するために、紛争した場合の訴訟費用は取得費に含めます。
ただし、相続財産の遺産分割に係る訴訟費用は取得費には含まれません。

違約金

取得費に該当
 
【解説】
不動産の取得に関して契約を解除して他の不動産を取得するために買主が支出した違約金はその取得した不動産の取得費に含めます。
なお、売主が更に有利な条件で他に譲渡するために売買契約を解除した場合に支払った違約金は譲渡費用に該当します。

リフォーム費用・改良費用

取得費に該当
 
【解説】
建物につきリフォームをした場合にはそのリフォーム費用から減価償却費を控除した金額を取得費に含めることができます。
なお、通常の維持修繕については、家事費となり取得費に含めることができません。

【不動産所得の必要経費との関係】
賃貸物件のリフォーム費用のうち資本的支出に該当する部分は建物として減価償却の対象となります。
これに対し、修繕費については支出した年度の必要経費に算入します。

設備費

取得費に該当
 
【解説】
ガス設備、電気設備等の建物の設備費も減価償却費控除後の残額を取得費に含めます。

【不動産所得の必要経費との関係】
賃貸物件の設備費用については、減価償却資産に該当するものは毎期一定額が減価償却費と必要経費に算入されます。
減価償却資産に該当しない設備費用については、支出した年度の必要経費に算入します。

借地契約にかかる更新料、更改料

一部が取得費に該当
 
【解説】
土地の賃貸借契約の更新及び更改に際して土地所有者に更新料や更改料を支払っている場合には、下記算式により計算した金額が借地権の取得費になります。

借地権の取得費A + 更新料B - ( A ✕ B / 更新時の借地権の時価 )

【不動産所得の必要経費との関係】
借地権の目的となっている建物が不動産所得が生ずる賃貸建物の場合には、その更新料については、上記算式のカッコ書きの金額が必要経費に算入されます。

土地の改良費、造成費

取得費に該当
 
【解説】
土地の埋め立て、地ならし、土盛り、切土、地盤強化等の改良費、造成費は土地の取得費に含めます。
ただし、その改良費、造成費が専ら建物の建設のために行うものの場合には建物の取得費含めます。

時効取得により取得した土地

時効援用時の時価が取得費
 
【解説】
時効取得とは、他人の土地を所有する意思を持って一定期間占有した場合には時効により所有権を得ることができる制度です。
占有期間は20年(善意かつ無過失の場合には10年)となります。
土地を時効取得により取得した場合には、その援用時の時価を取得費とします。
ちなみに、その時価相当額が一時所得として所得税の対象となります。

土地建物を一括購入した場合の取得費の計算

譲渡所得の計算は、土地や建物等の種類ごとに計算しなければなりません。
例えば、マンションや建売住宅などのように土地と建物を一括で購入した場合には、土地と建物に分けて譲渡所得を計算します。
売却収入も土地と建物に分けることになりますが、取得費も同じ様に土地と建物に按分する必要があるのです。

1. 按分方法

土地と建物の按分方法はいくつか存在します。原則として(1)の方法を採用し、(1)の方法で計算できない場合や(1)の方法が不合理な場合には(2)の方法で計算します。

(1)売買契約書で土地建物が区分されている場合

売買契約書で土地と建物の金額が別々に記載されている場合には、その記載されている金額を土地、建物の取得費として計算します。
仮に契約書上明確に区分されていなくても消費税の記載があればその消費税から逆算して計算することもできます。
なぜかと言うと、土地には消費税がからず、建物には消費税がかかるためです。
具体的な計算方法は下記となります。

建物の消費税額 ✕ ( 1 + 消費税率 ) / 消費税率 = 建物の取得費

算式だけだと分かりづらいので具体的な数字で確認してみましょう。

土地建物全体の税込売買金額 1億円
売買契約書に記載されている消費税額 500万円

500万円 ✕ 110% / 10% = 5,500万円 ⇒ 建物の取得費
1億円 - 5,500万円 = 4,500万円 ⇒ 土地の取得費

なお、消費税率は下記の通り年度によって異なりますので注意しましょう。

年度 消費税率
平成元年4月1日~平成9年3月31日  3% 
平成9年4月1日~平成26年3月31日  5% 
平成26年4月1日~令和元年9月30日  8% 
令和元年10月1日~  10% 

※ 経過措置により上記期間でも旧税率が適用されていることもあるので注意しましょう。

(2)売買契約書で土地建物が区分されていない場合

売買契約書で区分されていないときは下記2つのいずれかにて土地建物を按分することになります。

① 時価按分
不動産の時価ってのが何なのかという問題がありますが、一般的には下記のような金額を採用します。

■固定資産税評価額
■相続税評価額
■不動産鑑定評価

実務上は、固定資産税評価額を採用するケースが多いですね。

なお、注意点としては、土地と建物で採用する時価を変えないことです。
例えば、土地については鑑定評価額、建物については固定資産税評価額で按分する場合などはNGです。
土地については鑑定評価額を採用したら建物も鑑定評価額にしないと適切な按分ができませんもんね。

② 差引計算
不動産全体の売買契約金額から「建物の標準的な建築価額表」に基づき計算した建物の金額を差し引く方法です。

建物の標準的な建築価額表
当該方法の具体的な計算については、国税庁HP 譲渡所得の申告のしかた(記載例)をご参照ください。

2. 諸経費も按分

本体価格だけでなく、仲介手数料、登記費用、収入印紙等の購入時に支払った諸経費についても上記と同様の方法により按分します。

3. 按分後の建物の取得費

土地の取得費については、上記1の按分した金額に上記2の諸経費を加算すれば計算は完了します。
これに対し、建物については、減価償却費をマイナスしないといけません。
不動産所得で毎年減価償却費を計算している賃貸建物については、その償却後の帳簿価額が取得費になりますので難しいことはないですが、自宅などの非業務用の建物については、下記計算式により減価償却費を計算します。

建物の取得価額(上記1と上記2の合計額) ✕ 0.9 ✕ 償却率※1 ✕ 経過年数※2

※1 償却率については、下記を参照して下さい。
償却率

※2 経過年数については、6ヶ月以上の端数は1年とし、6ヶ月未満の端数は切り捨てます。

計算の結果、減価償却費が建物の取得価額の95%を超える場合には、95%を限度とします。すなわち、少なくとも建物の取得価額の5%は取得費に算入できるということですね。

通常取引による購入以外(相続や贈与や低額譲受)の不動産の取得費

少しややこしいので具体的な数値を使って説明します。

【具体例】
被相続人・贈与者・譲渡者の取得費:100
相続・贈与・低額譲受時の時価:1,000

なお、譲渡所得の取得費の論点のため取得する方はすべてのケースにおいて所得税の対象となる個人を想定してます。
これに対し、譲渡側は個人だけでなく法人の場合も検討してます。

1. 相続した不動産の取得費

相続した不動産の取得費は、被相続人(亡くなった人)の取得費をそのまま引き継ぎます。
ただし、限定承認により取得した不動産の取得費は、その取得時の時価を取得費とします。

【具体例】
①相続の場合の取得費
100
 
②限定承認の場合の取得費
1,000

2. 贈与を受けた不動産の取得費

贈与を受けた場合の取得費は贈与者が個人か法人かにより取り扱いが異なります。

(1)個人から贈与を受けた場合

個人から贈与を受けた不動産の取得費は、贈与者の取得費をそのまま引き継ぎます。
贈与した個人には所得税や贈与税はかかりません。

【具体例】
①受贈者の課税関係
■取得費 100
■贈与税課税 1,000
 
②贈与者の課税関係
生じない

(2)法人から贈与を受けた場合

法人から贈与を受けた不動産の取得費は、その取得時の時価を取得費とします。
また、その贈与を受けた財産の時価につき所得税課税の対象となります。
贈与者である法人は、時価で譲渡したものとみなします。

【具体例】
①受贈者(個人)の課税関係
■取得費 1,000
■所得税課税(一時所得) 1,000
※贈与者の関係により、給与所得(役員や従業員)、配当所得(株主)等の取り扱いになる場合もある。
 
②贈与者(法人)の課税関係
■法人税課税 
譲渡益課税 900(1,000-100)
※受贈者との関係により、上記譲渡益課税以外に贈与した不動産の時価相当につき、寄付金の損金不算入(第三者)、給与(役員や従業員)、配当(株主)等の取り扱いとなる。

3. 低額譲受を受けた不動産の取得費

低額譲受を受けた場合の取得費も譲渡者が個人か法人かにより取り扱いが異なります。
なお、低額譲受とは、時価の1/2未満の対価による取引をいいます。

(1)個人から低額譲受を受けた場合

①譲渡者に譲渡損が生じている場合
個人から低額譲受を受けた場合において、譲渡者に譲渡損が生じているときは、不動産の取得費は、譲渡者の取得費をそのまま引き継ぎます。
また、時価と対価の差額がみなし贈与課税の対象となります。
低額譲渡をした個人の譲渡損はないもとのされ、他の譲渡所得とは相殺できません。

【具体例】
低額譲受対価:80
 
①譲受者の課税関係
■取得費 100
■贈与税課税 920(1,000-80)
 
②譲渡者の課税関係
80-100=△20⇒このマイナスはなかったもとのされます。

②譲渡者に譲渡益が生じている場合
個人から低額譲受を受けた場合において、譲渡者に譲渡益が生じているときは、不動産の取得費は、その譲渡対価となります。
また、時価と対価の差額がみなし贈与課税の対象となります。
低額譲渡をした個人は、譲渡対価と取得費の差額につき、譲渡所得課税の対象となります。

【具体例】
低額譲受対価:150
 
①譲受者の課税関係
■取得費 150
■贈与税課税 850(1,000-150)
 
②譲渡者の課税関係
譲渡所得課税 50(150-100)

(1)法人から低額譲受を受けた場合

法人から低額譲受を受けた不動産の取得費は、その取得時の時価を取得費とします。
また、その低額譲受を受けた財産の時価と対価の差額につき所得税課税の対象となります。
低額譲渡者である法人は、時価で譲渡したものとみなします。

【具体例】
低額譲受対価:300
 
①譲受者(個人)の課税関係
■取得費 1,000
■所得税課税(一時所得) 700(1,000-300)
※譲渡者の関係により、給与所得(役員や従業員)、配当所得(株主)等の取り扱いになる場合もある。
 
②譲渡者(法人)の課税関係
■法人税課税 
譲渡益課税 900(1,000-100)
※譲受者との関係により、700(1,000-300)が、寄付金の損金不算入(第三者)、給与(役員や従業員)、配当(株主)等の取り扱いとなる。

相続税の取得費加算の特例

譲渡した不動産に相続税が課税されたものである場合には、その相続税の一部を取得費に加算することができます。
これを相続税の取得費加算の特例といいます。
取得費加算は、譲渡所得税の節税になりますが、相続税の申告期限から3年以内に売却しなければならない等の細かい要件もありますので注意が必要です。
詳しくは、相続税の取得費加算の特例をわかりやすく徹底解説をご参照ください。

取得費が不明な場合

取得したのが昔過ぎて売買契約書が残っていない等の理由により取得費が不明なケースが実務上多くなります。
そのような場合には、概算取得費(売却金額の5%)や土地については市街地価格指数等による推計取得費を検討することとなります。
詳しくは、譲渡所得の取得費 本当に市街地価格指数で大丈夫?!を参照してください。

取得費が判明した場合

当初申告の際に取得費が不明で概算取得費である売却金額の5%で申告した場合において、申告後に実際の取得費が判明したときは、更正の請求が可能でしょうか?

概算取得費による申告も法律に基づいた適切な申告であるため、更正の請求の要件である
当該申告書に記載した課税標準等若しくは税額等の計算が国税に関する法律の規定に従っていなかったこと又は当該計算に誤りがあったことにより、当該申告書の提出により納付すべき税額(当該税額に関し更正があつた場合には、当該更正後の税額)が過大であるとき。」(国税通則法23①一)
の規定に該当しないように一見思われます。

しかし、概算取得費の条文において、但し書きで「概算取得費が実際の取得費に満たないことが証明された場合には、実際の取得費による」旨の記載があります。

したがって、概算取得費にて当初申告をして実際の取得費が判明した場合には更正の請求が可能となります。

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この記事の執筆者:角田 壮平

東京税理士会京橋支部所属
登録番号:115443

相続税専門である税理士法人トゥモローズの代表税理士。年間取り扱う相続案件は200件以上。税理士からの相続相談にも数多く対応しているプロが認める相続の専門家。謙虚に、素直に、誠実に、お客様の相続に最善を尽くします。

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相続税の手続きは慣れない作業が多く、日々の仕事や家事をこなしながら進めるのはとても大変な手続きです。

また、適切な申告をしないと、後の税務調査で本来払わなくても良い税金を支払うことにもなります。

税理士法人トゥモローズでは、豊富な申告実績を持った相続専門の税理士が、お客様のご都合に合わせた適切な申告手続きを行います。

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