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小規模宅地の特例 更新日:

【小規模宅地の特例】貸付駐車場の微妙なケース、50%評価減はできるのか


こんにちは。
相続税専門の税理士法人トゥモローズです。

下記の要件を満たす駐車場の敷地については、小規模宅地の特例の適用があり、200㎡まで50%評価減が可能です。
① 建物又は構築物の敷地であること
② 相続税の申告期限までにその土地を保有し、貸付事業を継続していること

上記の要件が微妙なケースや他の細かい要件に該当するか微妙なケースが駐車場敷地にはよくあります。
今回はそのような微妙なケースについて検討していきたいと思います。

なお、このコラムは平成30年度税制改正の内容は加味されておりません。
平成30年4月1日以降の相続開始案件については、【小規模宅地の特例】平成30年税制改正・貸付事業用宅地等【税制改正大綱編】を参照してください。

※追記:
小規模宅地等の特例について、基本的な情報をわかりやすくまとめた記事を新たに作成いたしましたので、ぜひご覧ください。
小規模宅地等の特例をわかりやすく解説。相続した土地にかかる相続税を最大80%減額

1.空きがある駐車場

例えば、10台停めるスペースがある月極駐車場のうち3台が相続開始時点で空車だったとした場合、小規模宅地の特例の適用はどうなるのでしょうか?

【回答】
そのすべての地積(空きも含めた10台分)につき50%評価減が可能です。
【解説】
賃貸アパートなどにつき空室がある場合には、その空室部分については原則として小規模宅地の特例は適用できません。床面積按分により空室部分を除外しないといけないのです。
これに対して駐車場については空き部分の按分などはする必要がなく、空車部分の賃貸募集等を適切にしているのであればその敷地全体が貸付事業の用に供しているものとして小規模宅地の特例の適用が可能となります。
2. タイムパーキングで構築物の所有者が第三者である駐車場

タイムパーキングなどのアスファルト舗装、フラップ板、精算機、電灯などの構築物を所有者ではなくコインパーキングを運営している会社負担で設置した場合、小規模宅地の特例の適用はできるのでしょうか?

【回答】
50%評価減が可能です。
【解説】
小規模宅地の特例の前提として、建物又は構築物の敷地である必要があります。
なお、「建物又は構築物の所有者」=「土地の所有者」という要件までは求められていないのです。
したがって、タイムパーキングで業者が設置した構築物の敷地であっても小規模宅地の特例の適用は可能となります。
ちなみに、このような土地所有者以外の構築物の敷地については、小規模宅地の特例の評価減をする前に5%~20%の「賃借権」も控除することができます。
この「賃借権」の控除については、下記国税庁HPの解説がわかりやすので参照してみてください。
国税庁HP 貸駐車場として利用している土地の評価

3. 自家用車も停めている駐車場

月極駐車場の一部に自家用車を停めています。この自家用車部分も小規模宅地の特例の適用ができるのでしょうか?なお、自宅はこの駐車場と道路を挟んだ反対側にあります。

【回答】
自家用車部分は適用できません。
【解説】
貸付事業用はあくまで貸付事業の用に供されていないといけませんので自家用車部分がある場合には面積按分等によりその自家用車部分を除いた上で小規模宅地の特例の適用をすることになります。

4. 1台しか停められないような極小貸し駐車場

貸し駐車場を所有しているのですが、その規模が非常に小さく1台分しかありません。このような駐車場でも小規模宅地の特例の適用は可能でしょうか?

【回答】
50%評価減が可能です。
【解説】
貸付事業用については、事業の規模はといませんので1台しか貸してないような場合でも小規模宅地の特例の適用は可能です。

5. 一部のみがアスファルトで残りが土の駐車場

月極駐車場を経営していますが、アスファルト舗装をしてあるのは100㎡程度でそれ以外の部分は土が丸見えで構築物の敷地とは言えない状況です。このような場合でも敷地全体に小規模宅地の特例の適用は可能でしょうか?

【回答】
原則としてアスファルト舗装部分のみが適用可能です。
【解説】
一つの土地で構築物のある部分とない部分がある場合には、構築物のある部分のみに適用が可能です。このケースだと100㎡のみが小規模宅地の特例の適用対象となり、土が見えている部分は適用ができません。
なお、駐車場の大きさに比してアスファルト部分の面積が著しく小さいような場合にはそのアスファルト部分についても小規模宅地の特例の適用ができない場合もありますので注意が必要です。
札幌地裁 平成21年1月29日判決
上記判決では、駐車場約2,856㎡のうち約8%部分である約228㎡のみがアスファルト舗装されていましたが、全体地積に比べアスファルト部分が小さすぎるため撤去等が容易なことからその全体が構築物の敷地とは認められないと認定されました。この判決は納税者が控訴しなかったためこの内容で確定していますが、個人的には適切に文理解釈すればアスファルト部分の割合が小さいとかは関係ないのではないかと考えられ、高裁、最高裁まで進んでいたら違う結果になっていたのではないかなーと思う今日この頃です。

6. 砂利敷きの駐車場

砂利敷き舗装をしている駐車場ですが、砂利敷きは構築物に該当し、小規模宅地の特例の適用は可能でしょうか?

【回答】
その砂利が構築物として認められれば50%評価減が可能です。
【解説】
基本的には砂利敷きも構築物に該当するため小規模宅地の特例の適用が可能と考えてます(私見です)。ただし、砂利が構築物として認められるか否かは微妙な部分もありますので慎重な判断が必要となります。確実に小規模宅地の特例を受けたい場合にはアスファルト舗装としておいたほうが良いでしょう。

7. 親族に低額で貸している場合

甥っ子に月3,000円で貸している駐車場があります。この駐車場は以前、第三者に月30,000円で貸していました。
このような状況で私が死んだ場合には小規模宅地の特例の適用が可能でしょうか?

【回答】
適用できません。
【解説】
貸付事業用の小規模宅地の特例は「相当の対価」で貸付事業をしていなければ適用ができません。
「相当の対価」については、「相当の対価」について徹底的に解説します!に詳細を解説してますのでご参照ください。
このケースですと世間並みの1/10ですので相当の対価には該当しないと考えます。

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