相続税の国際比較【2026年】日本55%は高い?主要国比較

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国際相続

10秒でわかる この記事の要約
・日本の相続税最高税率55%は世界的に見ても高い水準
・アメリカ(40%)、イギリス(40%)、ドイツ(30%)、フランス(45%)
・相続税がない国も多数(オーストラリア、カナダ、シンガポール、香港等)
・米国の連邦遺産税は申告不要ラインが2026年$15,000,000と大きい(円換算は為替で変動)
・配偶者控除は各国で手厚いが、日本の1.6億円控除は有利

「日本の相続税は高いと聞きますが、他の国と比べてどうなのですか?」

よく聞かれる質問です。

結論から言うと、日本の相続税は世界的に見ても高い部類に入ります。

ただし、各国で基礎控除や配偶者控除の仕組みが異なるため、単純に税率だけでは比較できません。

今回は、主要国の相続税制度を比較し、日本の相続税の位置づけを解説します。

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各国の相続税制度一覧

相続税がある主要国

最高税率 基礎控除(概算)
日本 55% 3,000万円+600万円×法定相続人数
アメリカ
(連邦遺産税)
40% 1,500万ドル/人(2026年)
イギリス 40%
(条件で36%)
32.5万ポンド(+居住用住宅を直系へなら最大17.5万ポンド加算)
フランス 直系45%
(他人60%)
直系:10万ユーロ/人
ドイツ 配偶者・子:最大30%
(その他最大50%)
配偶者:50万ユーロ(子:40万ユーロ)
韓国 50% 一括控除5億ウォン(基礎控除2億+人的控除等と比べ大きい方)

相続税がない主要国

相続税がない国・地域
・オーストラリア(1979年廃止)
・カナダ(1972年廃止)
・シンガポール(2008年廃止)
・香港(2006年廃止)
・ニュージーランド
・スウェーデン(2005年廃止)
・中国
・インド

かつて相続税があった国でも、廃止する傾向があります。特に先進国では、富の流出を防ぐために相続税を廃止する動きがあります。

日本の相続税制度

税率構造

日本の相続税は、法定相続分に応じた取得金額に対して累進税率が適用されます。

法定相続分に応じた取得金額 税率 控除額
1,000万円以下 10%
3,000万円以下 15% 50万円
5,000万円以下 20% 200万円
1億円以下 30% 700万円
2億円以下 40% 1,700万円
3億円以下 45% 2,700万円
6億円以下 50% 4,200万円
6億円超 55% 7,200万円

相続税の計算方法については「【早見表あり】相続税の税率は何%?税額の計算方法を税理士が解説」をご覧ください。

基礎控除

日本の基礎控除は「3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数」です。

例えば、配偶者と子2人の場合:3,000万円 + 600万円 × 3 = 4,800万円

この金額を超えると、相続税の申告が必要になります。

基礎控除についての詳しい解説は、相続税の基礎控除 相続税はいくらまでなら無税なのか をご参照ください。

配偶者の税額軽減

配偶者が取得した財産のうち、1億6,000万円または法定相続分相当額のいずれか多い金額までは非課税です。

詳しくは「1億6千万円まで相続税がかからない!配偶者の税額軽減(配偶者控除)を解説」をご覧ください。

アメリカの遺産税

遺産税(Estate Tax)

アメリカには「相続税(Inheritance Tax)」ではなく、「遺産税(Estate Tax)」があります。

遺産税は、被相続人の遺産全体に対して課税され、相続人ごとに課税される相続税とは仕組みが異なります。

基礎控除(Unified Credit)

米国の連邦遺産税の申告不要ラインは2026年$15,000,000(年ごとに改定)と非常に大きいです。

この金額以下の遺産であれば、連邦遺産税はかかりません。

配偶者への無制限控除

アメリカ市民の配偶者への遺産移転は、金額に制限なく非課税です。

ただし、配偶者が米国市民でない場合は原則として無制限の配偶者控除が使えず、QDOT(Qualified Domestic Trust)を満たすことで配偶者控除が認められます。

非居住外国人への課税

非居住外国人がアメリカに財産を持っている場合、基礎控除はわずか6万ドルしかありません。

ただし、日本の居住者等は日米租税条約により按分された統一クレジット等で税負担が軽くなる(税額がゼロになる)ことがあります。

アメリカの相続手続きと遺産税【税理士が完全ガイド】

イギリスの相続税

一律40%の税率

イギリスの相続税は、累進税率ではなく一律40%です。

基礎控除(Nil-Rate Band)

基礎控除は32.5万ポンド(約6,000万円)です。

また、居住用不動産を直系卑属に相続させる場合、追加で17.5万ポンドの控除が受けられます(Residence Nil-Rate Band)。

配偶者・シビルパートナーへの非課税

配偶者やシビルパートナーへの相続は、全額非課税です。

また、使い残した基礎控除は配偶者に移転できます。

イギリスの相続とプロベート制度を徹底解説【税理士解説】

フランスの相続税

相続人の関係性で異なる税率

フランスの相続税は、被相続人との関係性により税率が大きく異なります

相続人 最高税率 控除額
配偶者・PACS 非課税
直系卑属(子等) 45% 10万ユーロ
兄弟姉妹 45% 1.5万ユーロ
その他の親族 55% 少額
赤の他人 60% 1,594ユーロ

フランスでは、配偶者への相続は完全に非課税です。一方、他人への遺贈は60%という高税率がかかります。

ドイツの相続税

相続人区分による税率

ドイツも相続人との関係性により税率が異なります。

・税率クラスI(配偶者、子):7%~30%
・税率クラスII(兄弟姉妹等):15%~43%
・税率クラスIII(その他):30%~50%

控除額

相続人 控除額
配偶者 50万ユーロ(約8,000万円)
40万ユーロ(約6,400万円)
20万ユーロ
兄弟姉妹 2万ユーロ

韓国の相続税

日本に類似した制度

韓国の相続税制度は、日本と類似しています。

最高税率は50%で、日本(55%)より若干低いです。

基礎控除

基礎控除は2億ウォン(約2,000万円)で、日本より低めです。

一括控除として5億ウォンを選択することもできます。

韓国の相続については「韓国の相続手続きを徹底解説」をご参照ください。

韓国相続手続き【在日韓国人向け】書類取得から申告まで

相続税がない国の仕組み

オーストラリア

オーストラリアには相続税がありませんが、相続した資産を売却した際にキャピタルゲイン税(CGT)が課税されます。

相続人は被相続人の取得価額を引き継ぐため、売却時に大きな課税が発生する可能性があります。

オーストラリアの相続手続きを完全解説|プロベート・税金・回避策【税理士解説】

カナダ

カナダにも相続税がありませんが、被相続人が死亡時に資産を時価で売却したとみなして、所得税が課税されます(deemed disposition)。

これは実質的に「出口課税」として機能しています。

シンガポール・香港

シンガポールと香港は、相続税を完全に廃止しています。

これは、富裕層やグローバル企業を誘致するための税制戦略の一環です。

シンガポールの相続手続き完全マニュアル【税理士が実務ポイントを解説】
香港の相続プロベート完全ガイド【税理士が徹底解説】

国際比較のまとめ

日本の相続税の特徴

日本の相続税の特徴
・最高税率55%は世界最高水準
・基礎控除は中程度(アメリカより低い、欧州と同程度)
・配偶者控除1.6億円は手厚い
・小規模宅地等の特例で居住用・事業用不動産を保護
・累進税率で大資産家ほど税負担が重い

各国の方向性

傾向
相続税を維持・強化 日本、韓国、イギリス、フランス
高い基礎控除で実質非課税 アメリカ
相続税を廃止 オーストラリア、カナダ、シンガポール、スウェーデン

よくある質問

Q1. 相続税がない国に財産を移せば相続税を回避できますか?

単に財産を移しただけでは回避できません。日本居住者が被相続人の場合、全世界の財産が日本の相続税の課税対象となります。海外移住による節税には厳格な要件があります。「海外移住で相続税ゼロ?10年ルールの要件を徹底解説」をご覧ください。

Q2. 日本とアメリカ両方で相続税がかかる場合、二重課税になりますか?

外国税額控除により、二重課税は調整されます。日米租税条約に基づき、一方の国で支払った税金を他方の国の税金から控除できます。「相続税の外国税額控除をわかりやすく徹底解説」をご参照ください。

Q3. 相続税の国際比較で、どの国が最も有利ですか?

単純に「最も有利」とは言えません。税率だけでなく、基礎控除、配偶者控除、不動産の評価方法、その他の控除制度を総合的に考慮する必要があります。また、相続税以外の税金(所得税、固定資産税など)も考慮すべきです。

Q4. 日本の相続税は今後も高いままですか?

将来の税制は予測できませんが、日本の財政状況を考えると、相続税の大幅な軽減は難しいと見られています。むしろ、富裕層への課税強化の傾向があります。

Q5. 相続税がない国で亡くなれば、相続税はかかりませんか?

相続人が日本居住者の場合、被相続人がどこで亡くなっても、日本の相続税は課税されます。相続税の課税権は、被相続人の死亡地ではなく、被相続人・相続人の居住地や国籍で判定されます。

まとめ:日本の相続税は高いが控除・特例も充実

日本の相続税は世界的に見て高い水準ですが、配偶者控除や小規模宅地等の特例など、控除・特例も充実しています。

ポイント
□ 日本の最高税率55%は世界トップクラス
□ アメリカは基礎控除約20億円で多くの人は非課税
□ 相続税がない国も多数存在
□ 配偶者への優遇は各国共通
□ 日本は特例を活用すれば大幅に税負担を軽減可能

国際相続では、各国の税制を踏まえた対策が重要です。

当事務所では、国際相続の相続税申告を数多く手がけております。
お気軽にご相談ください。

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この記事の執筆者:角田 壮平

東京税理士会京橋支部所属 
登録番号:115443

相続税専門である税理士法人トゥモローズの代表税理士。年間取り扱う相続案件は350件。税理士からの相続相談にも数多く対応しているプロが認める相続の専門家。謙虚に、素直に、誠実に、お客様の相続に最善を尽くします。

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