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相続税申告 更新日:

現役サラリーマンが亡くなった場合の相続税申告の留意点


みなさんこんにちは。
相続税専門の税理士法人トゥモローズです。

相続税申告は、亡くなった人がどのような職業に就いていたのかにより、論点が異なります。逆に言うと同じ職業の場合には同様の論点がいくつも存在します。職業別に相続税申告の留意点をまとめていきたいと思います。今回は、現役サラリーマンが亡くなった場合についてです。

サラリーマンは、マイホームと数千万円の貯金が財産のすべてという人がほとんどです。平成27年の基礎控除改正前までは、相続税の申告をしなくても良い人も結構いたと思いますが、基礎控除が改正されて、その基礎控除が4,200万円や4,800万円と5,000万円以下のケースも増えてきており、現役サラリーマンであっても5,000万円を超える財産を保有している人は多いことから相続税申告が必要なケースも増えてきています。ただし、現役のサラリーマンは40代や50代と若くして亡くなることもあり、子供が小さいのですべての財産を配偶者が相続できれば、1億6,000万円までは相続税がかかりません。
しかし、子供が小さいからといってすべての財産を配偶者が相続できるのでしょうか?実務上はそれがかなわないことも多々あります。また、死亡したことによる勤務先からの支給も多岐にわたり、相続税計算をややこしくします。これらの特殊論点について解説していきます。

1. 相続人が未成年者

現役サラリーマンの相続人は、妻と未成年者(二十歳未満)である子供であることが多いです。この未成年者の子供が相続人の中にいる場合には下記のような点に留意する必要があります。

① 遺産分割

20歳に達していない子供に多額の財産を分けてしまうと、金銭感覚が狂ってしまうし、無駄遣いをされてしまうので、夫の財産は子供には分けずにすべて妻が相続したいと考える人は多いと思います。
しかし、実務ではそれが難しいというのが現実です。未成年者は法律行為が制限されているため遺産分割という法律行為も未成年者単独では行うことが出来ません。家庭裁判所にて代理人の申請をする必要があるのです。この場合、妻(子供からしたら母)が代理人になることはできません。利益が相反してしまうためです。通常は、親族や司法書士などの専門家に特別代理人を頼みます。この際に、遺産分割協議書案を家庭裁判所に提出しますが、その分割協議案が妻にすべてなどと法定相続分でない場合には、その案を認めてもらえないことも多々あります。すなわち、未成年である子供には、原則として遺産の半分(子供が複数人いる場合にはその半分を均等に按分した割合)を分け与えないといけないのです。
このような場合の対処法としては、一度、未分割申告をして、子供が成人に達した時点で更正の請求をするという方法があります。そうすれば、子供に財産を分け与えなくても済みますし、税金的にも配偶者の税額軽減を使えば1億6,000万円までは税金がかかりません。
ただし、この方法は、子供の年齢が20歳に近くないと無理です。例えば夫が亡くなったときに子供が15歳の場合には、未分割の状態を5年も継続することになり、税務署が認めてくれない可能性が高いです。未分割の状態は通常3年を超える場合には新たな申請が必要となり、裁判等で争っていないかぎりは未分割とは認めらませんので、この方法は、少なくとも20歳まで3年以内の子供がいる場合に限られるでしょう。

② 未成年者控除

未成年者が相続した場合には、20歳に達するまで1年につき10万円を相続税額から控除できます。例えば子供の年齢が17歳2ヶ月の場合には、3年間×10万円=30万円が控除できるのです。2ヶ月というような端数がある場合には切り捨てることができます。
また、未成年者が相続しなかった場合には、相続税がゼロになり、控除できる金額がないように思えますが、そのような場合にはその未成年者の扶養義務者から控除できます。例えば、未成年者の相続税がゼロで、母(被相続人からしたら妻)の相続税が300万円だとした場合には、その母は未成年者の扶養義務者に該当するため、母の相続税300万円から控除できるのです。

2. 勤務先から死亡後に支払われるもの

現役サラリーマンが亡くなると、その勤務先から死亡後に様々な支給がされます。支給別に確認していきます。

① 死亡後の給与や賞与

死亡後に支払われる給与等については、相続税だけでなく所得税の取扱いにも留意が必要です。
■ 所得税
死亡後に支給期が到来する場合
⇒ 相続税の対象となるため所得税は非課税
死亡前に支給期が到来する場合
⇒ 給与所得として被相続人の所得税の対象(準確定申告に含める)
■ 相続税
支給期に関係なく死亡後に振り込まれる給与については未収入金として相続財産に含める

② 退職金

会社から支給される退職金は、みなし相続財産として相続税の課税対象となります。
この退職金については、500万円×法定相続人の人数の非課税枠が設けられています。
なお、会社から直接支払われるものもあれば、信託銀行や生命保険会社から支払われるものも存在します。また、一時金だけでなく年金払のものもあるためそれぞれの課税関係を適切に整理する必要があります。

③ 弔慰金

退職金と一緒に支払われることが多い、弔慰金についても相続税の対象となります。
ただし、下記の金額については非課税となっています。
■ 業務上の死亡の場合
死亡時の普通給与の3年分相当
■ 業務外の死亡の場合
死亡時の普通給与の半年分相当

④ 生命保険

サラリーマンが、会社経由で生命保険に加入しているケースもあり、遺族に死亡保険金が支払われることがあります。非課税枠が使える契約のものなのか、年金形式で支払われる場合の評価方法、退職金には該当しないかなどの各種確認が必要となります。

⑤ 公的年金等

厚生年金、厚生年金基金、企業年金などの年金にかかる一時期や定期金が死亡後に支給されることがありますが、未支給年金については相続税の対象とはならず相続人の一時所得となります。遺族一時金等については、基金ごとに取扱いが異なることもありますので直接支給元に問い合わせて確認したほうが良いでしょう。

3. 住宅ローンの残債

マイホームに係る住宅ローンが残っているケースもあります。そのような場合には相続財産からそのローンの残債を控除することができます。
なお、団信等により亡くなったことによりローンが消滅する場合には、相続財産から控除することはできませんので注意が必要です。

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