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米国の銀行口座相続|Bank of America・Chase・Wells Fargo・Citiの解約・日本送金

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行政書士法人トゥモローズ 代表行政書士(日本行政書士会連合会 登録番号 第18082222号)

大塚 英司


10秒でわかる この記事の要約

  • まず銀行へ死亡を連絡し、口座の名義・受取人指定・州の条件に応じた必要書類を確認します。連絡は書類がそろう前でもできます。
  • 受取人の指定(預金のPODなど)があれば、通常のプロベートを経ずに受け取れる場合があります。ただし本人確認と銀行所定の書式は別に必要です。
  • 国外で亡くなった場合の追加書類と、払戻先の名義・日本への送金方法を先に確認し、そのあとで戸籍や英訳を準備すると手戻りがありません。

「父が米国で働いていたときの銀行口座が残っています。」

米国(アメリカ)の銀行口座を、日本に住む相続人が相続するケースです。

米国の銀行には、Estate Services や Estate Care Center といった死亡の届出と遺産の手続きを扱う窓口があります。まずそこに連絡し、必要書類の案内を受けてから進めます。

手続きの重さを決めるのは、口座の名義と受取人指定の有無、そして州の法律です。

本記事では、Bank of America(BofA)・Chase・Wells Fargo・Citiの公式情報をもとに、日本に住む相続人が米国の預金口座を解約するまでの流れを整理します(証券口座や退職金口座は窓口も要件も別です)。

本記事では、銀行への死亡連絡、必要書類、払戻しと日本への送金を中心に説明します。米国の相続制度と遺産税の詳しい解説は、税理士法人トゥモローズの関連記事「アメリカの相続手続きと遺産税【税理士が完全ガイド】」をご覧ください。


まず死亡を連絡する(4行の窓口)

最初にするのは、各行の遺産担当窓口への連絡です。分かる情報を用意し、足りない項目があっても連絡して代替の資料を確認してください。

銀行 連絡方法と、公表されている電話番号・受付時間(2026年9月21日確認)
Bank of America(BofA) 口座がある人はオンライン。口座がない人は Third-Party Case Manager か 888-689-4466(平日9〜20時・米東部時間)。金融センターは要予約。Private Bank は 800-878-7878、Merrill は 866-848-6554 と窓口が分かれる
Chase オンライン、1-866-926-6909(平日8〜19時・米東部時間)、支店の予約。1か所に連絡すれば行内で共有される
Wells Fargo オンラインの届出フォーム(死亡証明書をアップロード)。Estate Care Center は 1-888-790-7980(平日8:00〜20:30・米東部時間)
Citi 833-956-0413(月〜金8:00〜21:00・米東部時間)または支店。届出を受けると単独名義の口座は保留になる。書類の提出方法も同じ窓口で確認する

888・866・833で始まる番号は、米国内のフリーダイヤルです。

日本から接続できるか、料金がかかるかは通信環境によります。つながらない場合は、各行のオンライン窓口から代替の連絡方法を確認してください。米東部時間には夏時間があるため、日本との時差は時期で変わります。

求められる情報は銀行で少し違います。

Chaseは、死亡証明書、請求する人の身分証、故人との続柄に加えて、故人のSSNまたは口座番号を挙げています。Wells Fargoは、死亡証明書の認証謄本と、故人の氏名およびSSNが必要としています。SSNが分からなくても連絡はできます。

連絡できることと、情報の開示を受けられることは別です。

銀行は、連絡した人の本人確認をしたうえで、指定受取人・生存している共同名義人・遺言執行者・遺産管理人などのどの立場で手続きをするのかを確認します。その権限が確認できるまで、口座の有無や残高は開示されません。

故人のカードやログイン情報は使わないでください。

BofAは、死亡の連絡後に故人名義のアクセスを止め、生前に作られた委任状(Power of Attorney)も死亡によって効力を失うと案内しています。

米国の金融機関の窓口の探し方は、米国の金融機関マップにまとめています。


海外口座の相続代行サービスの内容と料金の全体像は、こちらにまとめています。

海外口座のお金、日本のご遺族へ。行政書士法人トゥモローズの海外口座 相続代行サービス

口座の名義と受取人指定で、必要書類が変わる

Wells Fargoは、口座の種類ごとに主な相続関係書類を公表しています。

口座の種類 主な相続関係書類(Wells Fargoの案内)
単独名義(受取人の指定なし) 死亡証明書に加えて、裁判所が遺産代表者を選任した書類、州法に沿った少額遺産の宣誓書、または裁判所の命令のいずれか
POD・TOD(死亡時受取人の指定あり) 死亡証明書。ただし本人確認や銀行所定の書式が別に必要
共同名義(生存者権が付いている場合) 死亡証明書(故人を口座から外すため)。生存者権のない形態では扱いが異なる
信託名義 死亡証明書と、後継受託者を示す Certification of Trustee

この表は主な書類の案内です。Wells Fargoは、州や案件によって追加の書類が必要になること、郵送で解約する場合は公証した Letter of Instruction が別に要ることを明記しています。

「受取人指定があれば死亡証明書だけ」ではありません。

有効な受取人指定があれば、通常のプロベートを経ずに受け取れる場合があります。ただし、受取人の本人確認と、払戻先を指示する書式は別に必要です。BofAは、指定受取人が使う書式として公証した Beneficiary Letter of Instruction を案内しています。

指定受取人が先に亡くなっている、受取人を特定できない、指定の内容に争いがあるといった場合は、指定があるだけで簡易に進むとは限りません。

共同名義は「生存者権がある場合」に限った話です。

Wells FargoのPOD・TODの説明は「最後の口座名義人が亡くなったとき」に受取人へ渡るというものです。共同名義の1人が亡くなっただけで指定受取人に支払われるわけではありません。生存者権のない共有(Tenants in Common)では、故人の持分は遺産として扱われます。

銀行の手続きが簡単でも、日本の相続税は別に判断します。

共同名義や受取人指定によって銀行での手続きが簡略になっても、日本の相続税で課税されないと決まるわけではありません。

指定口座の実務は米国TOD指定口座を相続したときの実務にまとめています。


死亡証明書の形式と、国外で亡くなった場合の追加要件

死亡証明書の提出形式は、銀行と案件で違います。

銀行 死亡証明書についての公式案内
BofA 読めるコピー(photocopy)を送れる。ただし状況により認証された証明書(certified copy)を求めることがある
Wells Fargo 認証謄本を基本として案内。外国が関係する案件や残高の大きい口座では、原本の提出を求めることがある
Citi ほとんどの場合、原本か認証謄本が必要

発行官署が認証した死亡証明書と、日本の公証人が行う私文書の署名認証や翻訳者の宣言書の認証は、別のものです。オンラインで提出できることと、元の書類にどの認証が必要かも別に考えてください。

BofAは、国外で亡くなった場合の条件を公表しています。

  • ハーグ条約(アポスティーユ条約)加盟国の居住者…現地で発行された死亡証明書のコピーと英訳、そして死亡証明書の真正を証明するアポスティーユ
  • 非加盟国の居住者…現地で発行された死亡証明書のコピーと英訳
  • 米国市民が米国外で亡くなった場合…米国の大使館・領事館が発行するCRODA(米国市民の国外死亡報告書)。米国に住んでいただけの外国籍の方については、現地の死亡証明書など、銀行が受け付ける代替書類を確認します

BofAは、払戻しには米国の裁判所が発行した書類が必要で、外国の遺産関係書類だけでは分配に受け付けないとしています。

これはBofAが公表している条件です。「米国の裁判所が発行した書類」と「通常のプロベート手続きを最後まで行うこと」は同じ意味ではありません。受取人の指定がある口座や州の少額遺産の手続きとの関係、求められる書類の名称は、担当部署に確認してください。

日本の戸籍や遺産分割協議書だけで解約できるとは考えないでください。

Citiも、外国の書類が関わる場合は必要書類が変わることがあるとして、電話での確認を案内しています。

日本の死亡の証明を英語で用意する方法は死亡証明書を英語で用意するには、続柄の証明は戸籍謄本の英訳にまとめています。どの書類にどの認証が要るかを銀行に確かめてから手配してください。


米国の銀行口座の相続、必要書類の確認から払戻し・日本送金までご相談ください。

行政書士法人トゥモローズは、戸籍の収集・英訳の手配・書類作成に加えて、銀行が認める権限と受任の範囲で、英文での照会や書類の提出、手続きの進行、日本への送金の完了確認をお手伝いします。裁判所の手続きや州法の判断が必要な場合は現地の専門家、税務は税理士と連携します。東京・八丁堀の事務所と全国オンラインで対応し、初回相談は無料です。最初は銀行名と、いま困っていることを分かる範囲でお知らせください。口座の名義や受取人指定が分からなくてもご相談いただけます。SSNの全桁、ログイン情報、パスポートの画像は、最初のご連絡では送らないでください。

0120-600-232

平日 9:00〜21:00 土日祝 9:00〜17:00


どの州の手続きになるかは、住所だけでは決まらない

死亡時のドミサイル(生活の本拠)は重要な出発点です。

ドミサイルは、死亡した場所や一時的な滞在先だけでは決まりません。居住の実態や定住の意思などを踏まえて判断されます。米国の遺産税での居住者の判定や、所得税での判定とも別の基準です。

ただし、これだけで全部が決まるわけではありません。

必要な裁判所の手続きや、銀行に出す書類は、財産の所在地、口座を開設した州、口座の契約内容、ほかの州や国で進んでいる手続きによっても変わります。

  • Wells Fargoは、口座を開設した州や居住していた州によって追加の書類を求める場合があるとしています。
  • BofAは、ニュージャージー州で開設した口座や同州の居住者だった場合に税務書類が必要になり、共同名義の口座には通知の時点で残高の50%のホールドがかかるとしています。テキサス州の居住者だった場合は、単独名義の口座について裁判所へ提出した遺産関係書類と裁判官の命令が必要、フロリダ州の居住者だった場合は、一定の少額の残高を除き、検認裁判所が発行した書類が必要としています(いずれもBofAが公表する銀行手続きの条件で、州法一般の説明ではありません)。
  • カリフォルニア州の法律は、死亡時に同州にドミサイルがなかった人についても、州内にある財産の所在地などに基づいて遺産管理の手続きの管轄を定めています(同州遺言検認法7052条)。

日本に帰国して亡くなった場合も含め、過去に住んでいた州だけで判断せず、銀行と現地の専門家に確認してください。

少額遺産の手続きは、金額だけでは決まりません。

通常のプロベートを経ずに、銀行などへ宣誓書や宣言書を出す方式と、裁判所への申立てを伴う簡易な手続きがあります。利用できる条件、公証の要否、待機期間、必要書類は州法と提出先の指定で違います。

カリフォルニア州の例では、除外される財産を差し引いた州内の財産の総額、死亡から40日の経過、宣誓供述書または偽証の制裁付きの宣言といった条件が定められています(同法13100条・13101条)。

BofAは、州によって公証だけでよい場合と裁判所への提出が必要な場合があるとしたうえで、必要なら少額遺産の書式を送ることがあるとしています。1つの口座の残高だけで判断せず、最新の州法と提出先の条件を確認してください。

制度そのものはSmall Estate Affidavit(少額遺産宣誓書)、州をまたぐ場合はAncillary Probate(補助的検認)にまとめています。

口座が見つからない場合は、州の未請求資産に移っていることもあります(米国の未請求資産の探し方)。


書類の提出方法と、銀行所定の書式

銀行 提出方法と主な書式
BofA オンラインでのアップロード(推奨)、FAX 866-694-9046、郵送(Bank of America, Estate Servicing Operations, PO Box 31655, Tampa, FL 33631-1655, USA)。案件に応じて、公証したLetter of Instruction(権限のある人が払戻先を指示)や公証したBeneficiary Letter of Instruction(指定受取人が使う)などの書式を案内。共同名義の生存者が署名するSignature Cardもある。金融センターで公証を無料で受けられる場合がある
Wells Fargo オンラインのアップロード、FAX 1-866-358-1145、郵送、宅配便(公式表記はOvernight delivery)、支店。郵送で解約する場合は公証したLetter of Instructionが必要。宛先は下記
Chase・Citi 提出方法は連絡時に案内を受ける。Citiは Estate Servicing Unit への電話(833-956-0413)で確認するよう案内している

Wells Fargoの宛先(公式表記)

送り方 宛先
郵便(U.S. Mail) Wells Fargo Bank N.A./Estate Care Center/Attention: D1118-02D/PO Box 71208/Charlotte, NC 28201-1245/USA
宅配便用として案内されている宛先(公式表記はOvernight delivery) Wells Fargo Bank N.A./Estate Care Center/Attention: D1118-02D/12301 Vance Davis Drive/Charlotte, NC 28269-7699/USA

「Overnight delivery」は銀行側の配送区分の呼び方で、日本から翌日に届くという意味ではありません。実際に送れるか、何日かかるかは配送会社に確認してください。

日本から国際宅配便を使う場合は、宛先の形式に注意してください。

私書箱(PO Box)宛てに配達できるかは配送会社の条件によります。配送方法に合った住所を使ってください。

公証をどう用意するかは、事前に確認が必要です。

Wells Fargoは、郵送で解約する場合にLetter of Instructionの公証を求めています。BofAは、案件に応じて公証した書式を案内しています。どの書式が必要か、誰が署名するか、日本で行う認証を受け付けるかは、担当部署に確認してください。すべての案件でこれらの書式を必ず出すわけではありません。

本人確認の考え方は、海外口座のKYC・本人確認にまとめています。


払戻先の名義と、日本への送金

払戻先の名義は、口座の受取人指定や、銀行が確認した受領権限・手続きの種類によって変わります。

BofAは、単独名義の口座について次の扱いを公表しています。

提出・指定の状況 払戻先(BofAの案内)
受取人の指定がある 指定された受取人
プロベートの書類を提出する 原則として「Estate of(故人名)」宛ての小切手
少額遺産の書類を提出する 宣誓者・請求者の名義の小切手になることが多い

「Estate of」宛ての小切手を、日本の相続人個人の口座にそのまま入金できるとは限りません。小切手が発行される前に、受取人の名義に合う受け皿と、日本で換金できるかを確認してください。

遺産名義の口座(Estate Account)が必要になる場合があります。

BofAは、開設に予約とプロベート書類、遺産のEIN(雇用者識別番号)が必要としています。Wells Fargoも、選任書類の原本か認証謄本と、遺産のEINを挙げています。すべての案件で新規開設が必要というわけではありません。

故人のSSN、遺産のEIN、相続人の本人確認番号は別のものです。

日本へ直接送金できるかは、案件ごとの確認です。

BofAは小切手による払戻しなどを案内しています。一方、日本への直接送金ができるか、受け取れる通貨や費用は、口座と手続きの条件によって変わります。次の順で確認してください。

  1. 提出予定の書類に応じた払戻先の名義(指定受取人・Estate of・請求者名義)を銀行に確認する。
  2. 小切手か送金か、日本への直接送金ができるかを確認する。
  3. 日本の受取銀行に、必要な情報(銀行名・SWIFT/BIC・支店・口座番号・受取人の氏名と住所)と、小切手を扱えるかを確認する。
  4. 受取通貨、為替の換算、送金・中継・受取の手数料を確認する。
  5. 相続で受け取る資金であることを受取銀行に事前相談し、資金の由来を説明できる資料を用意する。

日本の口座で受け取るときの中継銀行手数料や着金の確認方法は、海外口座の相続金を日本に送金する手順にまとめています。


どれくらい時間がかかるか

公式に期間を示している銀行は多くありません。

BofAもWells Fargoも、口座によって異なるとしたうえで、必要書類を受け取り次第、処理を始めると説明しています。

追加の確認で時間がかかる要素もあります。

BofAは、故人が連邦の給付金を受け取っていた場合、死亡日以後に入金された給付について返還の審査が入ると案内しています。ニュージャージー州の税務書類のように、州ごとの追加要件もあります。

実際の日数は、裁判所の手続きが要るかどうかで大きく変わります。

受取人の指定がある口座は、書式がそろえば比較的短く済むことがあります。一方、裁判所の手続きが必要な場合は、その州の進行に左右されます。

日本側の書類(戸籍、英訳、公証)にも日数がかかります。銀行に必要書類を確認してから、まとめて準備するのが結局は早い進め方です。


よくある質問(FAQ)

Q1. 故人の口座番号もSSNも分かりません。どうすればよいですか?

A. 分かる情報を用意したうえで、まず連絡してください。不明な項目があっても、代替として使える資料を教えてもらえます。Chaseは故人のSSN「または」口座番号を挙げており、両方が必須というわけではありません。生年月日、当時の住所、取引明細、小切手帳、税務書類などが手がかりになります。なお、連絡した人の本人確認と、指定受取人・生存している共同名義人・遺言執行者・遺産管理人などの権限が確認できるまで、口座の有無や残高は開示されません。

Q2. 米国の裁判所の手続き(プロベート)は必ず必要ですか?

A. 口座の名義と受取人指定、州法によります。有効な受取人指定(POD・TOD)や生存者権のある共同名義であれば、通常のプロベートを経ずに進むことがあります。単独名義で指定がない場合は、裁判所が遺産代表者を選任した書類か、州法に沿った少額遺産の手続きが必要です。国外で亡くなった場合には、BofAが別の条件を公表しています(本文の「死亡証明書の形式と、国外で亡くなった場合の追加要件」をご覧ください)。どの方法を使えるかは、口座ごとに銀行と現地の専門家に確認してください。

Q3. 米国の口座のお金に、米国と日本の税金はどうかかりますか?

A. 日本については、国外にある財産が課税対象に含まれるかを、被相続人と財産を取得した人の住所、国籍、過去の居住状況などで判定します(国税庁タックスアンサーNo.4138)。課税対象に含まれることと、基礎控除や特例を踏まえて申告・納税が必要かどうかは別の問題です。申告が必要な場合、期限は原則として相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内です(同No.4205)。米国の連邦遺産税については、米国に居住しない外国人の場合、米国内の銀行預金でも、米国内の事業と実質的に関連しないなどの条件の下では米国外の財産として扱われるものがあります(Form 706-NAの説明)。口座残高が6万ドルを超えたという理由だけで申告が必要になるとは限りません。株式の保有や、故人の米国市民権・ドミサイルによって結論が変わるため、税理士に確認してください。

Q4. 銀行からIRSの証明書(Transfer Certificate)を求められました。どうなりますか?

A. まず、故人が米国の非市民で、遺産税の上で非居住者にあたるか、Form 706-NAの提出義務があるかを確認します。IRSは、米国内で選任され、資格を備えて職務を行う遺言執行者・遺産管理人が管理する財産については、この証明書は不要だとしています。それ以外の案件で銀行から求められた場合、申告義務があればIRSの案内のPart A、なければPart Bの方法で書類を提出します。Part Bでは、遺言、他国で提出した相続税などの申告書、死亡証明書、宣誓供述書(公証人などの面前で作成するもの)を出します。申告義務がないと確認されると、証明書は不要で発行しない旨の書面が届きます。その書面で銀行の手続きを進められるかは、担当部署に確認してください。なお、IRSはPart Bの処理に、必要書類がすべて届いてから12〜18か月かかるとしています(この案件についての目安で、銀行の相続手続き全体の期間ではありません)。証明書のために不要なForm 706-NAを出すと発行が遅れるため、税理士と相談して進めてください。

Q5. 日本の行政書士には何を頼めますか?

A. 日本側の書類づくりと、手続きの段取りです。戸籍謄本などの収集、相続関係の整理、英訳の手配、公証やアポスティーユの段取り、英文の依頼文や相続関係説明図の作成に加えて、銀行から求められた書類の整理と進行管理をお手伝いします。銀行への提出や照会のお手伝いも、銀行が認める権限と受任の範囲内で行います。米国の裁判所での代理や州法の判断は、現地で資格を持つ専門家の業務です(州や案件によっては本人での申立てが認められる場合もあります)。


海外口座の相続代行サービスの内容と料金の全体像は、こちらにまとめています。

海外口座のお金、日本のご遺族へ。行政書士法人トゥモローズの海外口座 相続代行サービス

まとめ

米国の銀行は、まず死亡の連絡を受けて口座を保護します。連絡は書類がそろう前でもできますが、口座情報の開示や払戻しの指示には、権限の確認が必要です。

必要書類は口座の名義と受取人指定で変わります。指定があれば通常のプロベートを経ずに受け取れる場合がありますが、本人確認と銀行所定の書式は別に要ります。

死亡証明書の形式は銀行で違います。BofAは読めるコピーを受け付け、状況により認証された証明書を求めます。Citiは原本か認証謄本が基本です。

国外で亡くなった場合には、BofAが追加の条件(現地の死亡証明書・英訳・条約加盟国ならアポスティーユなど)を公表しています。

どの州の手続きになるかは、死亡時のドミサイルだけでは決まりません。財産の所在地、口座を開設した州、口座契約によっても変わります。

払戻先の名義は、受取人指定や、銀行が確認した権限と手続きの種類によって変わります。日本の個人口座へ直接送金できるとは限りません。

次にすることは3つです。①銀行へ死亡を連絡する、②口座ごとに必要な書類と払戻先の名義を確認する、③その条件に合わせて日本側の書類を準備する。判断に迷う段階でも、日本側の窓口としてお手伝いします。

行政書士法人トゥモローズは、東京・八丁堀(東京メトロ日比谷線「八丁堀駅」徒歩3分)の事務所を拠点に、首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)とオンライン(Google Meet・全国対応)で、米国の銀行を含む海外口座の相続手続きについて、日本側の戸籍の収集・英訳の手配・書類作成から、銀行とのやり取りと日本への送金の確認までをお手伝いしています。


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根拠法令・公的資料

  • カリフォルニア州遺言検認法7052条(死亡時に同州にドミサイルがない場合の管轄)
  • カリフォルニア州遺言検認法13100条・13101条(少額遺産の宣誓書による承継の条件)
  • IRS Form 706-NA の説明(米国の非市民で遺産税上の非居住者の遺産について、米国内の銀行預金は、米国内の事業と実質的に関連しない場合、米国外に所在する財産として扱う)
  • 相続税の申告期限(国税庁タックスアンサーNo.4205)/国外財産の課税範囲(同No.4138)
  • 行政書士法1条の3・1条の4(行政書士の業務範囲)
  • Bank of America・Chase・Wells Fargo・Citiの公式案内(2026年9月21日確認)

公的機関・根拠リンク

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この記事の執筆者:大塚 英司

行政書士法人トゥモローズ 代表行政書士(日本行政書士会連合会 登録番号 第18082222号)
税理士(東京税理士会新宿支部 登録番号 117702)

相続を専門に取り扱う行政書士・税理士。相続手続き・遺言・おひとりさま終活の実務に幅広く従事し、戸籍収集や遺産分割協議書の作成から、死後事務委任契約・任意後見契約といった生前対策の設計まで、ご相談者お一人おひとりの状況に応じて丁寧にサポートしている。